背筋の全てを完全解説!背筋を構成する部位から鍛えるメリットと自重・ダンベル・バーベル・マシン・チューブ種目について!
背筋と言えば、上半身の裏側に位置する筋肉。自分の目で直接確認することが難しいため、背筋筋トレを後回しにする方が多いようです。
しかし、背筋は身体機能を維持する上でも外見的にも非常に重要な筋肉部位です。
背筋が弱いと「腰痛」が引き起こされ日常生活に支障がでたり、背中全体のたるみといった外見にも影響を及ぼします。
背筋を鍛えることは、上記にある身体への影響を改善するだけでなく、基礎代謝向上により美しいカラダ作りにも効果が期待できます。
そこで今回は、背筋を鍛える具体的なメリット・効果から、様々な器具を利用した効果的な鍛え方などについて、完全解説します!
この記事の目次
「背筋」を構成する筋肉部位についておさらい
まず初めに、背筋と呼ばれる筋肉は具体的にどういった筋肉なのか、おさらいしましょう。
それぞれの部位の作用や働きを知ることで、より効果的に効率的に鍛えることができます。
背筋は大きく分けて「3つ」の部位に区別することができます。厳密に言うと多くの部位が存在しますが、まずは代表的な3つの部位について解説します。
①「広背筋」
広背筋は、背中の中央の位置から脇の下あたりまで位置する大きな筋肉です。
人体を構成する全ての筋肉の中でも最大の体積を誇る大きな筋肉で「肩関節」の動作の際に作用する部位です。
日常生活やスポーツシーンの中では主に下記のような動作を行う際に作用します。
【日常生活・スポーツ】での作用
【日常生活】
- ドアノブを引いてドアを開ける動作
- 胸の高さで目の前にある荷物をカラダに引き寄せる動作
- 床に置いてある荷物を持ち上げる動作
【スポーツ】
- 手漕ぎボートでオールを引き寄せる動作
- 柔道で相手を自分のカラダに引き寄せる動作
- 縄引きで縄を引き寄せる動作
「広背筋」の働きについて
- 【肩関節伸展】
- 上腕をカラダ後方へ引く動作・後方へ上げる動作
- 【肩関節内転】
- 側方に開いた上腕を、下方に下げる動作
- 【肩関節水平外転】
- カラダに対し、水平に上腕を前方から後方へ動かす動作
- 【肩関節内旋】
- 肩を軸にして上腕を内側に回旋する動作
②「僧帽筋」
僧帽筋は、首の付け根から背中の中央まで位置する「菱形」の形状を持つ背筋です。
僧帽筋は単一の筋肉でありながら「僧帽筋上部・僧帽筋中部・僧帽筋下部」の3つに分類されており、それぞれの部位は異なる作用・働きを持ちます。
日常生活やスポーツなどにおける動作には、基本的に上で解説した「広背筋と協働」して広背筋と同じ動作の際に作用します。
「僧帽筋」の働きについて
【僧帽筋上部】
- 肩と肩甲骨を上に上げる動作
- 肩甲骨を内側に寄せる動作
- 首を動かす動作全般
【僧帽筋中部】
- 肩甲骨を内側に寄せて肩を後ろに引く動作
【僧帽筋下部】
- 肩甲骨を内側に寄せる動作
- 肩甲骨を内側に寄せて肩を後ろに引く動作
- 肩と肩甲骨を下側に引き下げる動作
③「脊柱起立筋」
脊柱起立筋は、名称に「脊柱」と含まれているように、脊柱に沿って位置している縦長の筋肉です。
脊柱起立筋は3つの部位「棘筋・最長筋・腸助筋」からなる複合筋で、背筋の中でも最大の体積を誇る部位です。
また、脊柱起立筋は「抗重力筋」に分類される筋肉の一つで「姿勢維持・安定性の確保」といった日常生活を含む「四肢の動作を安定的に行う」重要な役割を持ちます。
「脊柱起立筋」の働きについて
【体幹伸展】
- 上半身を後方へ反らす動作
【体幹側屈】
- 上半身を左右に捻る動作
また、首を動かす動作にも作用します。
「背筋」を鍛えるメリットについて
上では、背筋を構成する主な「3つ」の部位(広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋)について解説しました。
ここでは、そんな背筋を鍛えることで具体的にどういったメリット・効果に期待できるのか、解説します。
背筋を鍛えるメリットと効果①「猫背・姿勢改善」
背筋を鍛えることで得られるメリットとして代表的なのが「猫背・姿勢改善」といった効果。
背中が丸まってしまう猫背の主な原因は「背筋の筋力低下」によって引き起こされます。
また、背筋の「拮抗筋」である「腹筋」の筋力の方が強いと、腹筋に引っ張られることで背中が丸まり猫背になることもあります。
そのため「背筋と腹筋をバランスよく鍛える」ことが、猫背解消のポイントと言えます。
猫背を無理に直そうとして背スジを伸ばしたりとすると腰に過度な負担が掛かり「腰痛」を引き起こしかねないため、ゆっくりと適切に背筋を鍛えることが得策です。
背筋を鍛えるメリットと効果②「基礎代謝向上」
筋トレにより筋肉を活性化させると、基礎代謝を高めることができます。
人体を構成する筋肉の中でも特に体積の大きい背筋を鍛えることは、より効率的に基礎代謝を高める効果に期待できるということ。
基礎代謝を高めることができれば「痩せやすく・太りにくい」体質へと変化させることができるため「ダイエット・減量」を目的とする方にも大切です。
反対に、過度な食事制限などで脂肪と一緒に筋肉まで減らしてしまうと「太りやすく・痩せにくい」いわゆる「リバウンドしやすい体質」になるため、
適切な食事管理の上で、背筋を鍛えて筋肉を活性化させながら、可能な限り脂肪だけを減らしていくことで、ダイエットを成功させることができます。
背筋を鍛えるメリットと効果③「引き締まった美しい曲線の背中に」
また、背筋を鍛えることは引き締まった美しい曲線をもつ背中を作ることができます。
背筋は「背骨の本来の曲線を維持する」働きを持つため、この背筋の筋力を強化することで、男女限らず美しい背中を強調できます。
女性であれば、背中の「羽」と呼ばれる部位の引き締めに効果的。ブラジャーなどの下着の上に背中のお肉が乗る状態の引き締めにおいても、背筋を鍛えることは有効です。
男性であれば「逆三角形の背中」を強調できるため、男らしく頼もしい肉体美を演出することができます。
背筋を鍛えて美しい後ろ姿を演出できれば、スーツやドレスといった衣服でもキレイに着こなすことができるため、ボディメイク的な意味においても背筋を重要です。
背筋を鍛えるメリットと効果④「腰痛予防・改善にも効果的」
腰痛を引き起こす原因はいくつかの理由がありますが「筋力低下が理由による腰痛」であれば、背筋を鍛えることで腰痛の予防・改善に効果が期待できます。
この筋力低下による腰痛というのは背筋が原因とされており、背筋の筋力が低下することで背骨を適切な形状を維持する働きが弱まり、姿勢悪化により腰痛が引き起こされます。
上で解説したように、背筋を鍛えることで「猫背・姿勢改善」に効果が望めるため、背筋を鍛えることは大切です。
腰痛がすでにある場合は、自重を利用した低負荷なトレーニングを少しずつ続けることで、徐々に腰痛を改善することが可能です。
背筋を鍛えるメリットと効果⑤「日常生活・スポーツ競技にも効果的」
背筋は「上半身・下半身の中心に位置する筋肉」であるため「四肢のあらゆる動作を安定的に行う」大きな働きを持ちます。
そのため、日常生活を送る中での当たり前の動作の中でも背筋は作用しています。
スポーツ競技においては、全ての競技に共通して重要なパフォーマンスである「強い体幹力」は背筋によって発揮されます。
背筋を鍛えることは、スポーツ競技のパフォーマンス向上だけでなく、日常生活の質の向上にも期待できます。
背筋を鍛えるメリットと効果⑥「ウェイトトレーニング・重量挙げ競技においても効果的」
背筋はあらゆる身体動作を行う上で背筋は非常に重要な働きを持ちます。
ウェイトトレーニングや重量挙げといった重量物を利用する動作では「強い背筋力」がパフォーマンスを左右します。
特に、筋トレの基本的種目である「BIG3(スクワット・デッドリフト・ベンチプレス)」や、ウェイトリフティング種目である「スナッチ・クリーン&ジャーク」といったウェイト種目においては、
背筋の筋力を強化しておくことで「安定した動作から発揮されるより強い力」によって「より重い重量を扱える」といった効果に期待できます。
背筋を鍛えるおすすめな種目!
ここでは、背筋を鍛える具体的なやり方とおすすめな種目について解説します。
背筋を鍛えるやり方は数多く存在しますが、今回は最も基本的な「自重トレーニング」をベースにし、代表的な筋トレ器具を利用したやり方も踏まえて解説します。
- 自重
- ダンベル
- バーベル
- マシン
- トレーニングチューブ
上記の順番で解説していきます。
「自重」の背筋トレーニング種目
自重とは「自分の体重を負荷として利用する」トレーニングのことで、専用の器具やスペースを必要としないのが特徴。
そのため自宅で取り組む「宅トレ」に向いており、低負荷で安全に取り組めるため、特に「初心者」におすすめな内容と言えます。
自重の背筋トレーニング「バックエクステンション」
バックエクステンションは、自重で鍛える背筋トレーニングとして代表的なやり方の一つ。
トレーニングマットなどを敷いた床にうつ伏せになり、上半身を上に反り上げることで背筋の主要な部位である「脊柱起立筋」を鍛えます。
上半身を高く反り上げすぎてしまうと「腰痛」の原因となるため、あくまで床から上半身が少し浮いて背筋が緊張している状態であればOKです。
【バックエクステンションのやり方】
- トレーニングマットまたはヨガマットを敷いた床にうつ伏せになります。
- 両手を後頭部で組むか、耳の後ろあたりに位置させておきます。
- この状態のまま、上半身を上に反っていきます。
- カラダの反動を使わず、背筋の力を意識してゆっくりと動作します。
- 上半身を反った状態で3秒程度キープし、ゆっくり上半身を下ろします。
- 上記動作を10回程度繰り返し、3セットを目安に取り組みましょう。
自重の背筋トレーニング「スーパーマン」
このトレーニングは、名前に「スーパーマン」とあるように、スーパーマンのように空を飛ぶような姿勢で背筋を鍛えるやり方。
上で解説した「バックエクステンション」に「両脚を上げる動作」を加えることで、より高強度に背筋群を鍛えられるのが特徴の種目。
脊柱起立筋をはじめ「僧帽筋中部・下部」の他にも、お尻の筋肉である「大臀筋」や太もも裏側の「ハムストリング」も同時に鍛えられます。
【スーパーマンのやり方】
- トレーニングマットまたはヨガマットを敷いた床にうつ伏せになります。
- 両腕と両脚を伸ばし、手のひらと足の甲を下向きにします。
- この状態のまま、上半身と下半身を上に反っていきます。
- カラダの反動を使わず、背筋の力を意識してゆっくりと動作します。
- この状態で3秒程度キープし、ゆっくり上半身を下ろします。
- 上記動作を10回程度繰り返し、3セットを目安に取り組みましょう。
自重の背筋トレーニング「ヒップリフト」
ヒップリフトは、名前に「Hip(お尻)」とあるように、背筋と一緒にお尻の筋肉も同時に鍛えることができる自重種目。
床に仰向けになった状態で、腰を上へ高く突き上げていくように動作を行うことで、背筋の他にもお尻の筋肉「大臀筋」も同時に鍛えます。
腰を高く上げるほど背中への刺激は強まりますが、その分腰への負担も高まるため、腰痛持ちの方は無理せず痛みのない範囲内で取り組みましょう。
【ヒップリフトのやり方】
- トレーニングマットまたはヨガマットを敷いた床に仰向けになります。
- 膝を90度に曲げて足裏を床につけます。両腕は手のひらを床につけておきます。
- お尻を上へ持ち上げていきます。肩から膝までのラインが一直線になる高さが目安です。
- この状態で3秒程度キープし、ゆっくりお尻を下ろします。
- 上記動作を10回程度繰り返し、3セットを目安に取り組みましょう。
自重の背筋トレーニング「リバースプランク」
体幹トレーニングとして最も代表的な「プランク」を、うつ伏せではなく”仰向け”で取りくむのがリバースプランク。
通常のプランクでも背筋への刺激は加わりますが、リバースプランクのほうがより背筋群への負荷が高まるのが特徴のトレーニング。
トレーニングマットなどが使用できない場合は、肘を伸ばして手のひらを床につけた状態でも同様の取り組みが可能です。
【リバースプランクのやり方】
- トレーニングマットまたはヨガマットを敷いた床に仰向けになります。
- 両脚は揃えて伸ばし、腕は肘を曲げて肩の真下に肘がくるように前腕を床につけます。
- 直接床の上で取り組む場合は、肘が痛くなるのを防ぐため肘を伸ばして直接床に手をつきます。
- お尻を上に引き上げ、カラダ全体が一直線になる姿勢を作ります。
- この状態で30秒を目安にキープし、ゆっくりお尻を下ろします。
- 3セットを目安に取り組みましょう。
自重の背筋トレーニング「チンニング(懸垂)」
チンニング(懸垂)は、筋トレに日常的に取り組まない方でも一度は挑戦したことはあるのではないでしょうか?
自重を負荷として背筋を鍛える種目の中でも「最も高強度に背筋を鍛えられる種目」として代表的で、背筋全体に効果が期待できます。
広背筋・僧帽筋といった背筋の他、上腕裏側に位置する「上腕三頭筋」や肩の筋肉「三角筋」も同時に鍛えられます。
【チンニング(懸垂)のやり方】
- チンニングマシンや、鉄棒に肩幅の1.5倍程度の手幅でバーを握ります。
- 両脚を床から浮かせてカラダの後方側で両脚を組みます。
- 胸を大きく張り、軽く背中を反ります。
- 腕の力で持ち上げるのではなく、肩甲骨を寄せるイメージで背筋を使います。
- 背筋の力でカラダを引き上げていき、バーに胸を近づけていきます。
- その後、ゆっくりと肩甲骨を開きながらカラダを下ろします。
- 10回3セットを目安に取り組みましょう。
自重の背筋トレーニング「インバーテッドロー(斜め懸垂)」
インバーテッドローは、いわゆる「斜め懸垂」のことで、通常のチンニングでは負荷が高すぎて取り組むことができない方におすすめな種目。
筋力に自信がない方や、筋トレ初心者の方は通常のチンニングの前にインバーテッドローで基礎的な筋力を鍛えるのがおすすめ。
通常のチンニングよりも負荷が軽い分、背筋への刺激は弱まりますが、カラダの角度を調整することで負荷の調整が可能です。
【インバーテッドローのやり方】
- 直立したときに腰あたりにバーがくる高さのものを利用します。
- スミスマシンであれば、バーの高さを調整して利用します。
- 胸の上にバーがくるように、床に仰向けになります。両脚は伸ばしておきます。
- 肩幅よりも気持ち広めにバーを握り、肩甲骨を寄せる動作で胸をバーに近づけていきます。
- 背中の収縮を感じたら、ゆっくりとカラダをおろしていきます。
- 10回3セットを目安に取り組みましょう。
「ダンベル」を利用した背筋トレーニング種目
ダンベルは、最も代表的な筋トレ器具の一つ。サイズも小さく様々なトレーニングに利用しやすいため、ジムでの利用はもちろん、
「家トレ器具」としても人気の高い器具です。また、好みの重量に調整できる「可変式タイプ」もあるため、利用しやすいのも特徴。
ここでは、筋トレ初心者から上級者まで、ジムトレから家トレまで幅広いおすすめなダンベル背筋トレーニングについて解説します。
ダンベルの背筋トレーニング「ワンハンドローイング」
ワンハンドローイングは、ダンベルを利用した背筋トレ―ニングの中で最も代表的な種目の一つ。
このトレーニングでは背筋の中でも特に「広背筋・僧帽筋中部・僧帽筋下部」といった部位を、ダンベルによる負荷によって高強度に鍛えられます。
ダンベルの他に「トレーニングベンチ」を利用するのが一般的ですが、ご自宅で取り組む場合は「椅子」を代用するのも可能です。
【ワンハンドローイングのやり方】
- トレーニングベンチの横にダンベル一つを置きます。
- ベンチの上に左手をつき、左膝を曲げて乗せます。
- 右手でダンベルを保持し、右脚はベンチの横に伸ばします。
- 右側の肩甲骨を寄せる動作でダンベルを引き上げます。
- その後、肩甲骨を開きながらダンベルを下ろします。
- 片手で10回行ったら反対側も同様に行い、3セットずつ取り組みましょう。
ダンベルの背筋トレーニング「ワンアーム・ベントオーバーローイング」
ワンハンドローイングに取り組む際、もし「トレーニングベンチ」が利用できない場合は、ダンベルさえあれば取り組めるのがこの種目。
ダンベルを保持しない側の片腕を膝に固定することで、上半身の前傾姿勢を簡単に維持しながらワンハンドローイングに取り組めます。
特に自宅で取り組む家トレ種目としておすすめなやり方です。
【ワンアーム・ベントオーバーローイングのやり方】
- ダンベル一つを片手で保持し、上半身を45度程度に前傾させます。
- ダンベルを保持していない側の片手で膝に当てて固定します。
- この姿勢を維持したまま、ワンハンドローイング動作を行います。
- ダンベルを保持する側の背筋を意識して動作を行います。
- 片手で10回行ったら反対側も同様に行い、3セットずつ取り組みましょう。
ダンベルの背筋トレーニング「ダンベル・デッドリフト」
背筋を最も効果的に鍛えられる代表的な種目である「デッドリフト」を、バーべルではなく「ダンベル」を利用したやり方。
この種目は「脊柱起立筋・広背筋・僧帽筋」といった背筋の主要な部位を全て鍛えられるだけでなく「大臀筋・ハムストリング」にも効果的。
デッドリフトは関与する部位が多いため、重めのダンベルを利用するのが効果的ですが、適切なやり方を習得できるまでは軽めの重量で取り組みましょう。
【ダンベル・デッドリフトのやり方】
- 両手にそれぞれダンベルを保持し、肩幅程度の足幅で直立します。
- ダンベルはカラダの側面に位置させておきます。
- 背すじを自然に伸ばしたまま、膝を曲げて上半身前傾させます。
- 上半身が床と平行になる程度まで前傾させます。
- その後、背筋の力を意識して上半身を起き上げていき、肩甲骨を寄せます。
- 10回3セットを目安に取り組みましょう。
ダンベルの背筋トレーニング「ダンベル・ベントローバーロー」
この種目は、背筋を鍛える種目として最も代表的な「デッドリフト」に並んで代表的なトレーニングの一つ。
両手にダンベルを保持した状態で、上半身を45度程度に前傾させた姿勢を維持しながらローイング動作(引く動作)を行います。
上で解説した「ワンアーム・ベントオーバーローイング」よりも背筋群への刺激が高まるため、より高強度に鍛えたい場合におすすめです。
【ダンベル・ベントオーバーローのやり方】
- 両手にそれぞれダンベルを保持し、肩幅程度の足幅で直立します。
- 上半身を45度程度に前傾し、両腕は地面に伸ばしておきます。
- この姿勢を維持したまま、ダンベルをカラダ後方に引き寄せていきます。
- 腕の力で引くのではなく、肩甲骨を寄せる意識で行います。
- 十分に引き寄せたら、肩甲骨を開いてダンベルを下ろします。
- 10回3セットを目安に取り組みましょう。
ダンベルの背筋トレーニング「ダンベル・プルオーバー」
ダンベル・プルオーバーは、背筋に含まれる主要な筋肉である「広背筋」を集中的に鍛えられる代表的な種目の一つ。
動作には「肩関節伸展」のみが含まれるため、広背筋以外の部位が関与しにくいのが特徴。純粋に広背筋だけを集中的に鍛えたい場合におすすめです。
他の背筋トレーニングと比較すると、ダンベルプルオーバーの方が「広背筋の伸展・収縮を意識できる」ため、広背筋の発達には必須な種目です。
【ダンベル・プルオーバーのやり方】
- ベンチに対し垂直になるように「肩甲骨」部分のみ乗せて仰向けになります。
- 両手で1つのダンベルを保持し、プレートの内側を両手の手のひらで保持します。
- 両手を開いて「三角形」を作る形で、間にダンベルを保持します。
- 次に、弧を描くように頭上深くダンベルをおろしていきます。
- 動作中は常に肘の角度を固定し、伸ばし気味で行いましょう。
- その後、広背筋の力を意識して胸上部までダンベルを引き上げていきます。
「バーベル」を利用した背筋トレーニング種目
ここからは一本の棒状の形をしたウェイト「バーベル」を利用した背筋トレーニングについて解説します。
バーベルは主にジムでの本格的なトレーニングに利用されることが多いため、トレーニングジムでのトレーニングを前提に解説します。
バーベルの背筋トレーニング「デッドリフト」
デッドリフトは、筋トレ種目で最も基本とされている「BIG3(スクワット・ベンチプレス・デッドリフト)」に含まれる種目の一つ。
床に置いたバーベルを太もものあたりまで挙上する動きを行う動きを通して「脊柱起立筋・広背筋・僧帽筋」といった背筋の主要な部位を鍛えます。
また、背筋以外にも、太もも前面「大腿四頭筋」太もも裏側「ハムストリング」お尻「大臀筋」といったカラダの背面に位置する筋肉全てに効果的です。
【デッドリフトのやり方】
- バーベルを床に置き、バーの前に肩幅程度の足幅で直立します。
- 膝を曲げて肩幅よりも気持ち広めの手幅でバーを握ります。
- このとき、上半身は45度程度に前傾し、お尻を後方へ突き出すような姿勢になります。
- 背すじは常に真っすぐ伸ばしたまま、膝を伸ばしながらバーベルを持ち上げます。
- バーベルを持つ両腕は常に伸ばしたまま、バーベルと共に直立します。
- その後、膝を曲げてバーベルを床に下します。
- 10回3セットを目安に取り組みましょう。
バーベルの背筋トレーニング「ベントオーバーロー」
上で解説した「ダンベル・ベントオーバーロー」と同様の動作を、ダンベルではなく「バーベル」を利用して行う最も一般的なやり方。
バーべルを利用することで、より「高重量を利用できる」ため、ダンベルを利用した場合よりも「高強度に背筋を鍛えられる」のが特徴。
上で解説した「デッドリフト」トレーニングの後に、このベントオーバーローに取り組めば、最大の筋トレ効果を得ることができます。
【ベントオーバーローのやり方】
- バーベルを床に置き、バーの前に肩幅程度の足幅で直立します。
- 肩幅よりも気持ち広めの手幅でバーを握ります。
- 上半身を45度程度に前傾させ、この姿勢を維持します。
- この状態のまま、バーベルを斜め後方へ引き寄せるようにローイング動作を行います。
- 背すじは丸めたり反ったりしないよう、常にまっすぐ伸ばしたまま行います。
- 10回3セットを目安に取り組みましょう。
バーベルの背筋トレーニング「ルーマニアン・デッドリフト」
この種目は、上で解説した「デッドリフト」のバリエーション種目で、通常よりも「膝を伸ばし気味」で行うやり方。
膝を伸ばし気味のまま動作を行うことで「脊柱起立筋」や太もも裏側「ハムストリング」お尻の筋肉「大臀筋」を強烈に鍛えられるのが特徴。
背筋の中でも特に重要な「脊柱起立筋」を中心に強烈に鍛えられるため、バーベルを利用した背筋トレーニングとしておすすめです。
【ルーマニアン・デッドリフトのやり方】
- 上で解説した「デッドリフト」と同様のセットアップを行います。
- 動作中は極力膝は伸ばし気味のまま、股関節の伸展動作のみで行います。
- バーはスネに触れながら上下に動かすイメージで近い位置で動作します。
- 脊柱起立筋・ハムストリング・大臀筋の力を意識して動作を行います。
バーベルの背筋トレーニング「シュラッグ」
シュラッグは「僧帽筋上部・僧帽筋中部」といった上背部の主要な部位を、最も効果的に鍛えられる種目として代表的なやり方。
両手にバーベルを保持した状態で直立し、肘は伸ばしたまま「肩をすくめる動作」を行うことで、上背部を鍛えます。
僧帽筋を鍛えることは、上背部をかっこよく表現できるだけでなく「肩こりの改善・予防」のも効果的なのが特徴です。
【シュラッグのやり方】
- 肩幅程度の手幅でバーベルを保持し、直立します。
- 背すじは常にまっすぐ伸ばしておき、肘も伸ばしておきます。
- 肩甲骨を寄せながら肩を真上に向かって引き上げます。
- 引き上げたポジションで2秒程度キープします。
- その後、ゆっくりと肩をおろしていきます。
- 15回3セットを目安に取り組みましょう。
バーベルの背筋トレーニング「グッドモーニング」
グッドモーニングとは、バーベルを担いだ状態で膝を伸ばしたまま、上半身を深く前傾させることで、背筋を鍛えるバーベル種目。
背中中央に位置する「脊柱起立筋」を中心に鍛えながらも、お尻「大臀筋」太もも裏側「ハムストリング」も同時に鍛えられるのが特徴。
特にスクワット・デッドリフトやウェイトリフティング種目のパフォーマンス向上に効果が期待できる背筋トレーニングです。
【グッドモーニングのやり方】
- バーベルを肩に担ぎ、肩幅程度の足幅で直立します。
- 膝は軽く曲げ、背筋をまっすぐ伸ばしたまま上半身を前傾させます。
- 腰を後方へ引きながら床と平行になるまで前傾させます。
- その後、上半身を元の位置に持ち上げながら腰を前方に移動させます。
- 10回3セットを目安に取り組みましょう。
「マシン」を利用した背筋トレーニング種目
ここからは、背筋を鍛える専用のトレーニングマシンを利用して鍛えるやり方について、解説します。
専用のトレーニングマシンは大型で重量が重く、価格も高額であるため、ジムで取り組むトレーニング法となります。
マシンを使った背筋トレーニング「ラットプルダウン」
この種目は、チンニング(懸垂)と同様の動作を、専用のマシン「ラットプルマシン」を利用して行うマシン種目。
自重で行うチンニングでは「負荷の調整が困難」というデメリットがありますが、この種目では「細かく重量設定を行える」のが特徴。
自重でのチンニングには筋力が足りない方や、自重では負荷が足りない上級者の方までおすすめなマシン系背筋トレーニングです。
【ラットプルダウンのやり方】
- バーを肩幅の1.5倍程度の手幅で握ります。
- マシンのシートに座り「太ももパッド」の位置を調整します。
- 胸を張り、肩甲骨を下げながら寄せる動作でバーを引き寄せます。
- 鎖骨のあたりを目安にバーを斜め後方へ引き下げます。
- 十分に引き下げたら、肩甲骨を開きながらバーを戻します。
- 10回3セットを目安に取り組みましょう。
マシンを使った背筋トレーニング「マシン・ローイング」
この種目は、専用のマシン「ローイングマシン」を利用し、マシンの軌道に沿ってローイングを行うことで背筋を鍛えるやり方。
適切な軌道で動作を行えるように「アームの軌道が固定されている」ため「筋トレ初心者や筋力に不安のある方」などにおすすめ。
重量設定も細かく調整できるため、筋トレ上級者であれば高重量を利用しても軌道が崩れず、安定した動作で高負荷を掛けることが可能です。
【マシン・ローイングのやり方】
- 専用のマシン「ローイングマシン」のシート高さを調整します。
- マシンのアームがみぞおち下あたりに来る位置でシートを調整します。
- フットプレートに両足を乗せ、両手でハンドルを保持します。
- 背筋を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せる動作でハンドルを引き寄せます。
- 15回3セットを目安に取り組みましょう。
マシンを使った背筋トレーニング「シーテッドローイング」
この種目は、専用のマシン「ケーブルマシンまたはシーテッドローイングマシン」を利用して行うトレーニング法。
座った状態でカラダ後方へケーブルを引き寄せることで「僧帽筋中部・僧帽筋下部・広背筋・脊柱起立筋」を同時に鍛えられます。
背筋の中でも「特に僧帽筋中部・僧帽筋下部に強烈な負荷が加わる」のが特徴なため、広背筋に効果的な「ラットプルダウン」と一緒に取り組むのがおすすめです。
【シーテッドローイングのやり方】
- マシンに座り、上半身が床に対して垂直になるように姿勢を正します。
- 両手でバーを握り、上半身の角度は固定したままバーを引き寄せます。
- おへそのあたりを目安に引き寄せ、腕の力ではなく背中の力で動作します。
- 十分に引き寄せたら、ゆっくりとバーを元の位置に戻します。
- 背中を丸めたり反ったりすると腰を痛めてしまうため、背筋は自然に伸ばします。
- 10回3セットを目安に取り組みましょう。
マシンを使った背筋トレーニング「ベンチ・バックエクステンション」
このトレーニングは、上で解説した「バックエクステンション」動作を、専用の「バックエクステンションベンチ」を利用して行うやり方。
床の上で取り組むやり方よりも「広い可動域で動作できる」ため、より高強度に背筋群を刺激できるのが特徴のトレーニング。
また、自重での負荷では足りない場合は「ダンベル」を両手で保持して取り組むことで、追加負荷を行うことも可能です。
【ベンチ・バックエクステンションのやり方】
- ベンチのシート高を自分の腰の位置に調整します。
- マシンに向かい合うように両脚をフットプレートに固定します。
- 太ももの付け根までがシートに固定されるようにもたれ掛ります。
- 両腕は胸前でクロスさせ、上半身をゆっくりと前傾させます。
- その後、背筋を意識して上半身を元の位置に戻します。
- このとき、背中が必要以上に反りすぎないよう注意します。
- 20回3セットを目安に取り組みましょう。
マシンを使った背筋トレーニング「ケーブル・リバースフライ」
ケーブルマシンは、ウェイトに装着されたケーブルを、プーリー(滑車)を通して引っ張ることで筋肉に負荷を掛けるマシン。
両手に保持したケーブルを、カラダ後方に向かって開く動作(リバースフライ)を行うことで、背面全体の筋肉を鍛えられます。
「僧帽筋上部・中部・三角筋後部」といった、上背部を中心に鍛えられるのが特徴です。
【ケーブル・リバースフライのやり方】
- ケーブルマシンのプーリーを高い位置に調整し、左右の両手で対角のケーブルを保持します。
- マシンに向き合うように直立し、両手に保持したケーブルを「体幹後方」に向かって開きます。
- 「僧帽筋上部・中部・三角筋後部」への負荷を感じながら動作を行います。
- その後、ケーブルの負荷に耐えながらゆっくりと両腕を閉じていき、再度上記の動作を繰り返します。
「トレーニングチューブ」を利用した背筋トレーニング種目
ここからは、家トレ器具としても人気のある「トレーニングチューブ」を利用した背筋トレーニングについて解説します。
チューブのもつ「張力による負荷」を利用することで、自重よりも強い負荷を筋肉に掛けることができます。
トレーニングチューブは軽量で柔軟性があるため、持ち運びに優れており「自宅・公園・ジム・主張先のホテル」など、場所に限らず利用できるのが特徴。
また、他の筋トレ器具と比べて「安全性が高い」ため「怪我のリスクが低い」という特徴もあります。
トレーニングチューブを使った背筋トレーニング「チューブ・シーテッドローイング」
このトレーニングは、上で解説した「シーテッドローイング」と同様の動作を「トレーニングチューブ」を利用して行うやり方。
床に座った状態で両脚にチューブを引っかけ、両手でチューブを後方へ引っ張ることでシーテッドローイングと同様の効果に期待できます。
トレーニングチューブさえあれば畳一畳分のスペースだけで取り組めるため「家トレ種目」としても効果的です。
【チューブ・シーテッドローイングのやり方】
- 床に座り、両脚を伸ばします。
- 両脚の裏側にチューブを通し、両手でハンドルを保持します。
- 上半身は床に対して垂直になる角度で背すじを伸ばします。
- 両腕を足側に伸ばしてもチューブがピンと張る長さに調整します。
- 胸を張って肩甲骨を寄せる動作でチューブを引き寄せます。
- その後、肩甲骨を開きながら両腕を足側に伸ばします。
- 15回3セットを目安に取り組みましょう。
トレーニングチューブを使った背筋トレーニング「チューブ・デッドリフト」
この種目は、上で解説した「デッドリフト」と同様の動作を、バーベルではなく「トレーニングチューブ」を利用したやり方。
チューブを両脚で踏んだ状態で直立し、両手にチューブを保持したまま動作を行うことで、チューブの負荷を利用して背筋を鍛えます。
デッドリフトと同様に背筋全体の筋肉に効果があります。チューブの負荷は比較的強めに調整して取り組むのがおすすめです。
【チューブ・デッドリフトのやり方】
- 両手にトレーニングチューブのハンドルを保持します。
- 肩幅程度の足幅でチューブの中央を踏み、固定して直立します。
- 上半身を深く前傾させてもチューブがピンと張る長さに調整します。
- 膝を軽く曲げてお尻を後ろに引きながら上半身を前傾させます。
- その後、背筋の力を意識して上半身を元の位置に起き上げます。
- 15回3セットを目安に取り組みましょう。
トレーニングチューブを使った背筋トレーニング「チューブ・ベントオーバーロー」
この種目は、上で解説した「ベントオーバーロー」と同様の動作を、バーベルではなく「トレーニングチューブ」を利用したやり方。
前屈みの姿勢のまま、両脚で固定したチューブのハンドルを両手で保持し、カラダに対し斜め後方に引っ張ることで背筋を鍛えます。
背筋の中でも特に「広背筋・僧帽筋」に効果的です。腕の力で引くのではなく、背筋の力を意識して動作を行うようにしましょう。
【チューブ・ベントオーバーローのやり方】
- 両手にトレーニングチューブのハンドルを保持します。
- 肩幅程度の足幅でチューブの中央を踏み、固定して直立します。
- 背筋を伸ばしたまま、上半身を45度程度に前傾させます。
- 前傾姿勢を維持したまま、カラダの斜め後方へ引き寄せます。
- 十分に引き寄せたら、肩甲骨を開いて両腕を下にの伸ばします。
- 15回3セットを目安に取り組みましょう。
トレーニングチューブを使った背筋トレーニング「チューブ・ラットプルダウン」
この種目は、上で解説した「ラットプルダウン」と同様の動作を、バーベルではなく「トレーニングチューブ」を利用したやり方。
ドアの上部にあるフックや、柱などにチューブの中央部を固定し、斜め下方向に向かってチューブを引くことで広背筋をメインに鍛えます。
自重トレーニングや宅トレでは背筋は鍛えにくいというのがネックですが、チューブを利用することで効果的に背筋を鍛えられます。
【チューブ・ラットプルダウンのやり方】
- チューブの中央部を「ドアの上部・柱」などの高い位置に固定します。
- チューブのハンドルを両手で保持し、チューブの起点に向き合います。
- 片膝をつくか、直立した状態で上半身を前傾させます。
- カラダに対して真下にチューブを引き下げます。
- 腕の力で引くのではなく、肩甲骨を下げながら寄せるイメージで行います。
- チューブを十分に引き下げたら、肩甲骨を開きながら腕を伸ばします。
- 15回3セットを目安に取り組みましょう。
トレーニングチューブを使った背筋トレーニング「チューブ・スタンディングローイング」
https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=EsdOzif7-6s
この種目は、上で解説した「シーテッドローイング」と同様の動作を直立した姿勢で行うやり方。
家の中にある柱や公園の木などにチューブを巻き付けて固定し、引っ張ることで広背筋を効果的に鍛えていくことが可能です。
床に座ることができない状態であれば、チューブを固定する場所さえあれば背筋を鍛えられるのが特徴の種目です。
【チューブ・スタンディングローイングのやり方】
- 直立した姿勢でお腹の高さ程度にチューブを柱に固定します。
- 両腕をまっすぐ伸ばして、チューブのグリップを握ります。
- チューブの固定部に腕を伸ばしても、ピンと張る長さに調整します。
- 肩甲骨を寄せていき、チューブをお腹後方へと引き寄せていきます。
- その後、腕を戻して上記の動作を繰り返し行います。
- 15回3セットを目安に取り組みましょう。
トレーニングチューブの負荷調整のやり方
トレーニングチューブは「負荷の調整」を行うことが可能です。いくつかのやり方が存在するため、ここで簡単に解説します。
- 【トレーニングチューブ本体を強度別に揃える】
トレーニングチューブにはそれぞれ強度の異なるタイプが販売されているため、強度の異なるチューブを用意するのもおすすめです。
- 【チューブを二つ折りにして利用する】
チューブは柔軟な素材が利用されているため、チューブを二つ折りに重ねて一緒に保持することで、負荷を増やすことが可能です。
- 【チューブを短く持つ】
最後は、チューブを短く保持するやり方。手に巻き付けたり、短い位置で保持することで、張力を強めることが可能です。
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「背筋」トレーニングのポイントと注意点について
上では、背筋を効果的に鍛えられるトレーニング法について解説しました。
ここからは、背筋を鍛える上でおさえておきたいポイントと注意点について解説します。
背筋トレーニングのポイントと注意点①「腕は脱力して背筋を使う」
「ローイング系・プル系」といったカラダにバーを引き寄せる動作を背筋トレーニングでは、力むあまり腕の力を使ってしまいがち。
腕の力を使ってウェイトを引き寄せようとすると、本来背筋に掛けたいはずの負荷が腕に分散してしまい、筋トレ効果が弱まってしまいます。
そのため、引く動作を背筋トレーニングでは「極力腕の力は脱力」し、肩甲骨を寄せる動作で背筋の力を使って動作を行う意識して取り組むことが大切です。
背筋トレーニングをしていると、どうしても先に腕が疲れてしまうという方は、背筋の力を意識して取り組んでみましょう。
背筋トレーニングのポイントと注意点②「負荷や回数よりも”適切なフォーム”を意識する」
ウェイトトレーニングに取り組むのであれば、重くて大きいウェイトを持ち上げたい、より多くの回数を重ねたいという気持ちになりがち。
しかし、重量や回数を優先するあまり、誤ったフォームで取り組んでしまうと本末転倒になってしまいます。
誤ったフォームでのトレーニングでは、鍛えたい部位以外の部位が強く関与してしまい、結果的に筋トレ効果が弱まってしまうことがあります。
そのほかにも「腰痛」を引き起こすリスクが高まってしまいます。必ず”適切なやり方・フォームで取り組める範囲内で負荷を調整する”ということが大切です。
背筋トレーニングのポイントと注意点③「ネガティブ動作はゆっくりと行う」
背筋トレーニングの筋トレ効果をより高めるためのコツは「ネガティブ動作をゆっくりと行う」というもの。
ネガティブ動作とは「力を抑制してウェイトを下す動作」のことで、反対に「力を発揮してウェイトを持ち上げる動作」をポジティブ動作と言います。
ウェイトを持ち上げることばかり意識が向いてしまい、その後のネガティブ動作で力を抜いてストンとウェイトを下してしまった経験はありませんか?
ネガティブ動作で力を抜いてしまうと「対象となる筋肉部位への負荷が抜けてしまう」ため、ネガティブ動作はゆっくりと動作しましょう。
「背筋トレーニング」で利用したいトレーニングギア2選!
ここでは、背筋トレーニングを行う際に利用することで、より効果的なトレーニングに取り組むことができるトレーニングギアについて、解説します。
背筋トレーニングで利用したいギア①「トレーニングベルト」
トレーニングベルトとは、革・ナイロン製の太いチャンピオンベルトのような形をしているギアです。
トレーニングベルトを活用することで、カラダの中でも特に重要な関節である「腰」をサポートし、怪我から守ってくれる役割を持ち、かつ「腹圧」と呼ばれる筋出力の向上に効果を発揮するテクニック自体の効果を高めることができます。
トレーニングベルト(パワーベルト)の効果は、主に2つあります。
- 筋トレのパフォーマンス向上
- 筋トレによる怪我の防止
これらの効果は、トレーニングベルトを巻いた際に、腹圧が高まることでこの効果を発揮することができます。
腹圧とは「腹腔内の圧力」のことを意味しており、この圧力が高まることで、脊椎を縦に引き伸ばすように力が作用するため、
体幹の安定性が向上し、より強い力を発揮しながらも、腰の怪我から守ってくれる働きがあります。
トレーニングベルトについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
背筋トレーニングで利用したいギア②「パワーグリップ」
背筋を鍛える種目に含まれる動作に多いのが「プル動作・ローイング動作」と呼ばれる「引く動作」が含まれています。
高重量のウェイトを引き上げる際、素手のままだと背筋群の前に「前腕筋」が先に疲労してしまうことで、バーを保持することができなくなり、トレーニングの続行が困難になってしまうというケースがあります。
そういった場合は「パワーグリップ」というトレーニング器具の利用がおすすめ。
パワーグリップは「ラットプルダウン・デッドリフト・ベントオーバーローイング・ワンハンドローイング」といった種目で利用します。
パワーグリップについて、より詳細に知りたい方は下の記事もどうぞ↓
「パワーグリップ」と「リストストラップ」の違いについて
リストストラップとは、パワーグリップと同様に対象のウェイトに長いストラップを巻き付けることで、パワーグリップと同様に握力のサポートに効果を発揮するトレーニングギアの一つです。
丈夫な一本の革から作られているため、パワーグリップよりも耐久性が高く、200kg以上の高重量のバーベルでも安心して利用することができます。
しかしその反面、バーに巻き付ける際にパワーグリップよりも手間が掛かるため慣れが必要になります。
しっかりと適切に巻き付けないと、効果が発揮されないというデメリットがあり、かつインタ―バルが長い引いてしまう可能性があるため、使い勝手はあまりいいとはいえません。
筋トレ上級者や、150㎏以上のウェイトを利用する方といった本格派の方におすすめなギアです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は、背筋を鍛えるメリット・様々な器具を利用した効果的な背筋トレーニングなどについて、解説しました。
背筋を鍛えることは、見た目が美しくなるのはもちろん、私達が日常生活を普通に送るためにも非常に重要な役割を担っています。
背筋を効果的に鍛えることで、健康的な肉体作り、健康的な肉体美を磨いていきましょう。
“No pain No gain”
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AKI
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