筋トレ種目として人気が高い「ルーマニアンデッドリフト」と「スティッフレッグデッドリフト」の違いについてご存知でしょうか?
双方には見た目にさほど違いがないため、同じ種目と勘違いされがち。
しかし、筋トレ効果や鍛えるターゲットにははっきりとした違いがあります。
それぞれの種目の特徴・違いを理解することは、より効果的に取り組むことに繋がりますよ。
今回は、ルーマニアンデッドリフトとスティッフレッグデッドリフトの特徴と効果の違い・やり方などについて解説します!
この記事の目次
- ルーマニアンデッドリフトとは?
- スティッフレッグデッドリフトとは?
- ルーマニアンデッドリフトとスティッフレッグデッドリフトの違い
- 両種目のターゲット(対象筋)となる筋肉部位の解説
- ルーマニアンとスティッフレッグは、同じ種目として扱われている場合もある
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション種目10選!
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション①シングルレッグ・ルーマニアンデッドリフト
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション②ダンベル・ルーマニアンデッドリフト
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション③ケトルベル・ルーマニアンデッドリフト
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション④スミスマシン・ル―マニアンデッドリフト
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑤トレーニングチューブ・ルーマニアンデッドリフト
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑥ランドマイン・シングルレッグルーマニアンDL
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑦バイパー・ルーマニアンデッドリフト
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑧ウォーキング・ルーマニアンデッドリフト
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑨ケーブル・ルーマニアンデッドリフト
- ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑩ケーブル・ルーマニアンデッドリフト(ビハインド)
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション種目10選!
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション①ダンベル・スティッフレッグデッドリフト
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション②ディフィシット・スティフレッグDL
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション③ブルガリアンスタイル・スティッフレッグDL
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション④シングルレッグ・スティッフレッグDL
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑤ケトルベル・スティッフレッグデッドリフト
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑥スミスマシン・スティッフレッグDL
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑦トレーニングチューブ・スティッフレッグDL
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑧ケーブル・スティッフレッグデッドリフト
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑨ケーブル・スティッフレッグDL(ビハインド)
- スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑩シーテッドケーブル・スティッフレッグDL
- ルーマニアン・スティッフレッグDLに取り組む上でのコツ!
- 両種目に取り組む際の注意点
- ルーマニアン・スティッフレッグのトレーニングで利用したいアイテム2選
- おわりに
- 【関連記事】他にもある「背筋」を鍛える効果的な筋トレ情報についてはこちら♪
ルーマニアンデッドリフトとは?
ルーマニアンデッドリフトは、80年代に活躍した重量挙げオリンピックチャンピオンのルーマニア人選手の練習で取り組まれていたことが由来です。
主に背筋群や下半身の後方側にあるハムストリングや殿筋群などを鍛える、デッドリフトのバリエーション種目として認知されています。
特徴は、通常のデッドリフトよりも「膝を軽く曲げた状態」でデッドリフトに取り組むこと。
ターゲットの中でも特に下記の部位への負荷比重が高まります。
- 太もも裏側「ハムストリング」
- お尻「大臀筋」
- 背中「脊柱起立筋」
ルーマニアンデッドリフトのやり方
最も一般的なルーマニアンデッドリフトは、通常のデッドリフトと同様に「バーベル」を利用して取り組みます。
他にはダンベル・スミスマシン・ケトルベルといったトレーニング器具を利用するバリエーションもありますよ。
ここでは、バーベルを利用した一般的なルーマニアンデッドリフトのやり方について解説します。
【やり方】
- 床にバーベルを置き、バーの前に肩幅程度に足を開いて直立する
- 背筋を伸ばしたまま、上半身を床と平行になる程度まで前傾させる
- 肩幅程度の手幅でバーを握り、膝を伸ばし気味にしてハムストリングを伸ばす
- バーと一緒に上半身を起こす
- バーを持ち上げて上半身が直立するタイミングで膝も伸ばす
- バーベルを持ったまま直立したら、股関節を曲げて膝を伸ばし気味のままバーを下げる
- このとき、膝を前に出すのではなく、腰を後方へ引くイメージで膝を軽く曲げる
- バーが床につくギリギリまで上半身を前傾させ、ハムストリングをストレッチ(伸展)させる
- その後、再度ハムストリングの力で上半身を起こしていき、膝を伸ばす
ルーマニアンデッドリフトの動作の特徴・コツについて
効果的に取り組むためのコツは「膝を極力伸ばし気味(軽く曲げた状態)」で上半身を起こすとともに膝も伸ばしていくという動きです。
膝を軽く曲げた状態で動作を行うことで、ルーマニアンデッドリフトのメインターゲットであるハムストリングと大臀筋に負荷が集中します。
【動作の特徴】
- 「膝を軽く曲げた状態」で動作を行う。膝を伸ばして固定しない。
- 上半身を起こしていくタイミングで膝も一緒に伸ばしていく。
- 「上半身を床と平行になる程度まで」前傾させる。
- バーベルを床にはつけない。
ルーマニアンデッドリフトの筋トレ効果について
ルーマニアンデッドリフトは、太もも裏側のハムストリングとお尻の筋肉・大臀筋をメインに鍛える種目。
では、どんな筋トレ効果が期待できるでしょうか?
ルーマニアンデッドリフトの効果①下半身痩せ・ヒップアップ・レッグラインの形成
鍛えられるハムストリングと大臀筋は「下半身後方側から見たお尻・太ももの外見に大きく影響」します。
- 大臀筋
大臀筋は、お尻を覆う筋肉で、この部位を鍛えるとヒップアップや偏平尻の解消といった効果に期待できます。
- ハムストリング
ハムストリングは、太ももの後ろ側(お尻の下部から膝裏まで)に位置する筋肉。
この部位を鍛えることで下半身痩せやレッグラインの形成に効果が期待できます。
ルーマニアンデッドリフトの効果②基礎代謝向上・脂肪燃焼促進
ハムストリングと大臀筋は、人体を構成する数多くの筋肉の中でも最大の体積を誇る部位です。
体積が大きい分、動かすためには相応のエネルギーを必要とするため、ルーマニアンデッドリフトに取り組むと「脂肪燃焼促進」に効果的。
さらに、活性化させることで基礎代謝向上を引き起こすため減量やダイエットを目的とする方にもおすすめの種目です。
下半身を構成する体積の大きい2部位をメインに鍛えられるルーマニアンデッドリフトは、単に筋肉を鍛える以上に大きな効果に期待できます。
ルーマニアンデッドリフトの効果③各種スポーツ競技でのパフォーマンス向上
ハムストリングと大臀筋を鍛えることは「各種スポーツ競技でのパフォーマンス向上」にもつながります。
- 【大臀筋】
大臀筋は、主に「ジャンプ動作」の際の瞬発的な力の発揮に大きく影響する部位です。
バスケットボール・走り幅跳び・バレーボールといったスポーツで重要な要素を担います。
また、下半身の安定性にも影響するため、たとえばバスケットボールの「ドライブ」も安定した姿勢で行えますよ。
- 【ハムストリング】
ハムストリングは、主に「ダッシュ動作」の瞬発的な力の発揮に大きく影響。
バスケットボール・短距離走・サッカーといったスポーツで重要な要素を担います。
「ゼロスピードから最初の一歩を踏み出す瞬発力」はこのハムストリングによって生み出されるため、ルーマニアンデッドリフトに取り組むことで、総合的なパフォーマンス向上に期待できます。
ルーマニアンデッドリフトの効果④日常生活の質の向上
私達が毎日普通に生活する普段の動作の中でも、ハムストリングと大臀筋はしっかりと働いて貢献しています。
「椅子から立ち上がる」「階段の上り下り」「自転車のペダルを漕ぐ」「床から重いものを持ち上げる」などなどで使用していますね。
普段の生活の中で当たり前の動作にも、ハムストリングと大臀筋は関与しています。
そのため、ハムストリングと大臀筋を強化することは、日常動作がより楽になるという効果もあるのです。
スティッフレッグデッドリフトとは?
スティッフレッグデッドリフトという名前に含まれる「Stiff(スティッフ)」は”曲がらなくて硬い”という意味。
すなわち「膝を伸ばして固定した状態」で動作を行うデッドリフトのバリエーション種目です。
膝を曲げずに完全に伸ばして固定した状態のまま動くことで、特に背中の中央縦に伸びる「脊柱起立筋」をメインに鍛えられます。
サブターゲットでハムストリングと大臀筋は関与するものの、「負荷の比重が集中するのは脊柱起立筋」です。
スティッフレッグデッドリフトのやり方
スティッフレッグデッドリフトも、一般的には「バーベル」を利用します。
ただし、こちらもダンベル・スミスマシン・ケトルベルといったバーベル以外のトレーニング器具で取り組むことも可能です。
ここではスティッフレッグデッドリフトの一般的なやり方について、解説します。
【やり方】
- バーベルを床に置き、腰幅程度の狭い足幅で直立する
- バーベルを肩幅程度の手幅で握り、このとき膝は伸ばして固定した状態にする
- 上半身を後傾させ、バーベルと一緒に上半身を起こす
- このとき、膝は伸ばして固定したまま動く
- 次に、股関節を軸に上半身を前傾させてバーベルをおろす
- このさいも膝は常に伸ばしたまま
- バーベルが床に触れるまで(ギリギリでも良い)前傾させる※床にバーの重量を乗せずに行う
- 上半身が床と平行以上に深く前傾したら、脊柱起立筋の力で元の位置に起こす
スティッフレッグデッドリフトの動作の特徴・コツについて
効果的に取り組むためのコツは、「膝を伸ばして固定したまま」で上半身の前傾・後傾動作を行うことです。
また、大きな特徴として、上半身が「床と平行以上に深く前傾」します。
その他のデッドリフトバリエーションには、この特徴はありません。
結果的に、上半身を後傾させる「体幹伸展」をより強く引き起こせます。
【動作の特徴】
- 「膝を伸ばして固定した状態」で動作を行う。膝を曲げない。
- 動作中は終始膝を伸ばしたまま行うため「膝を曲げることはない」。
- 上半身を「床と平行になる以上に深く前傾」させる。
- バーベルが床に触れるまでおろす(ギリギリでも良い)。
スティッフレッグデッドリフトの筋トレ効果について
スティッフレッグデッドリフトは、背中中央に縦長く位置する背筋の一つ「脊柱起立筋」をメインに鍛える種目です。
では、期待できる筋トレ効果をみていきましょう。
スティッフレッグデッドリフトの効果①背中の美しいラインを強調できる
脊柱起立筋を鍛えると、背骨が本来もつ自然な曲線を保てます。
脊柱起立筋の筋力が弱いと、背骨が真っすぐに伸びた形状になりやすいのですね。
ほとんど曲線のない背中に見えてしまいます。
スティッフレッグデッドリフトによって筋力強化することで、美しい曲線のある背中を強調できます。
また、脊柱起立筋を鍛えることで姿勢改善が促されると、同時に他の背筋群「広背筋・僧帽筋・三角筋下部」といった部位の使用頻度もアップ。
そのため、結果的に背中全体のライン形成に好影響を及ぼします。
スティッフレッグデッドリフトの効果②猫背解消・姿勢改善
鍛えられる脊柱起立筋は「重力に逆らう」作用をもつため、正しい姿勢や上半身のバランス維持といった働きをもちます。
つまり、前傾した背骨をまっすぐ伸ばした「猫背解消」に期待できるということです。
特にオフィスワークなどで長時間パソコンと向き合っている方の多くは脊柱起立筋が弱りやすいため、姿勢悪化しやすいですよね。
スティッフレッグデッドリフトで脊柱起立筋を鍛え、正しい姿勢で生活を送れるようにしていきましょう。
スティッフレッグデッドリフトの効果③腰痛の改善に効果的
脊柱起立筋を鍛えて強化することは、筋力低下が原因による「腰痛の改善」にも効果的です。
腰痛にはいくつかの要因がありますが、その中でも筋力低下が原因の腰痛に関しては「脊柱起立筋の筋力不足」が理由とされています。
そのため、スティッフレッグデッドリフトで脊柱起立筋の筋力強化を行うことで筋力低下による腰痛を改善できます。
また、長時間同じ姿勢を続けたことが原因で「腰のハリ」を感じる場合においても効果的。
柔軟性を高めてハリを解消できます。
スティッフレッグデッドリフトの効果④日常動作・スポーツでのパフォーマンス向上
日常生活やスポーツシーンでのあらゆる動作においても、体幹の安定性をサポートするためには脊柱起立筋の強化が大切です。
脊柱起立筋は、上半身を起こす動作や体幹部の安定・固定を必要とする動作のすべてに重要な部位。
上半身と下半身をつなぐ中心に位置するため、四肢の動作を安定的に行う大きな役割を担っています。
トレーニングするときには、スティッフレッグデッドリフトで脊柱起立筋を鍛えることは日常生活・スポーツシーンにおいて非常に重要だと覚えておきましょう。
ルーマニアンデッドリフトとスティッフレッグデッドリフトの違い
では、双方の種目の効果の違いについて、比較して理解を深めていきましょう。
それぞれの種目の違いを明確に理解することで、自身のトレーニングに合った種目選びをしてくださいね。
双方の種目の違い①ターゲット(対象筋)の違い
ルーマニアンデッドリフトとスティッフレッグデッドリフトでそれぞれ鍛えられるターゲットは、下記のような違いがあります。
- 【ルーマニアンデッドリフト】
メインターゲット:太もも裏(ハムストリング)お尻(大臀筋)
- 【スティッフレッグデッドリフト】
メインターゲット:背中(脊柱起立筋)
鍛えるターゲットとなる「対象筋が異なる」という最大の違いが挙げられます。
ルーマニアンデッドリフトは下半身の筋トレ種目。
そして、スティフレッグデッドリフトは背中の筋トレ種目として分類できます。
対象筋が異なる理由は膝関節動作の関与があるかないか
ルーマニアンデッドリフトでは股関節動作と膝関節動作を関与させて行うため、ハムストリングと大臀筋が主動筋として関わります。
特にハムストリングは、股関節と膝関節をまたぐ「二関節筋」。
そのため、ルーマニアンデッドリフトの動作では強く関与します。
一方でスティッフレッグデッドリフトは、膝関節を伸ばして固定したまま動くために「膝関節を関与させない」取り組みです。
股関節動作・体幹の伸展動作をメインに行うことで、主動筋となる背中の筋肉「脊柱起立筋(下背部)」を強く関与させます。
双方の種目の違い②使用重量の違い
使用重量は、関与する関節と筋肉の数によって変わってきます。
ルーマニアンデッドリフトではハムストリングと大臀筋といった下半身の中で体積の大きさと力が強い筋肉が濃く関与。
そのため、これらの筋肉の関与度が低いスティッフレッグデッドリフトと比較すると、ルーマニアンデッドリフトの方がより重い重量を扱えます。
スティッフレッグデッドリフトでは、軽めの重量で効かせながら取り組むことがおすすめです。
両種目のターゲット(対象筋)となる筋肉部位の解説
続いてターゲットとなる筋肉部位についてみていきましょう。
- ハムストリング
- 大臀筋
- 脊柱起立筋
ルーマニアンデッドリフトの対象筋①ハムストリング
ハムストリングは、太ももの裏側に位置する筋肉。
ちなみに太ももの表側は、大腿四頭筋です。
ハムストリングは、3つの部位(半膜様筋・半腱様筋・大腿二頭筋)が含まれる複合筋で、人体の中で5番目に大きい筋肉です。
上記の3つの筋肉はすべて、膝関節・股関節をつなぐ「二関節筋」のため膝関節屈曲・股関節伸展に主動筋として関わるところ。
ハムストリングは下半身の動作全般に関与するのが特徴で、歩行・走行のパフォーマンス向上に大きな効果をもたらします。
特に、スプリント系の瞬発的な力を要する動作にはスピードアップに期待可能です。
ボディメイクの観点では、男性であれば逞しい引き締まった太ももを、女性であれば引き締まったお尻と太ももの分かれ目がよりはっきりとすることでしょう。
男女共に、より美しいレッグラインを作ることが可能です。
ルーマニアンデッドリフトの対象筋②大臀筋
大臀筋は、大腿四頭筋・下腿三頭筋の次に並んで三番目の体積を持つお尻の筋肉。
複合筋として三番目の体積ですが単一の筋肉としては人体の中で最大の体積を誇ります。
お尻全体を覆いかぶさるように位置する大臀筋は、ヒップラインを形作る筋肉です。
そのため、ヒップアップには欠かすことのできない部位ですね。
下半身動作の中でも特に「ジャンプ動作」での瞬発的な動きに強く関わります。
太ももの付け根から脚を後方へ振る動きでは主動筋として作用しますが、他にも「外旋・外転・内転」にも関わっていますよ。
スティッフレッグデッドリフトの対象筋③脊柱起立筋
脊柱起立筋は、腰から背骨に沿って首の下あたりまで縦に伸びている長い筋肉です。
下半身と上半身をつなぐこの筋肉は「姿勢の維持や体幹の安定など、四肢を自由自在に動かす」という非常に大きな働きがあります。
各種スポーツでのパフォーマンス向上にも効果があるため、鍛えることで得られる効果が高い筋肉です。
脊柱起立筋は複合筋で(棘筋・最長筋・腸助筋)の3つの部位をまとめて脊柱起立筋と呼ばれています。
身体を横から見たときの背中の厚みを表現できる部位でもありますね。
背中に“谷間”を作りたい方は積極的に鍛えていきましょう。
ルーマニアンとスティッフレッグは、同じ種目として扱われている場合もある
ルーマニアンデッドリフトとスティッフレッグデッドリフトは、一見似た種目でありながらその効果には違いがあることを述べてきました。
しかし、動作自体が似ていること、それぞれの種目の対象筋が体の後方側に位置する「下背部(脊柱起立筋)」「下半身後面(ハムストリングと大臀筋)」と近い位置の部位であるため、同一の種目として認識されていることが多いのです。
そのため、両種目の違いをここでしっかりと覚えておきましょう。
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション種目10選!
では、ルーマニアンデッドリフトのバリエーション種目について解説します。
無理のないように取り組んでくださいね。
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション①シングルレッグ・ルーマニアンデッドリフト
通常両脚で取り組むルーマニアンデッドリフトを「片脚だけで」取り組むことで、軸足側の対象筋を強烈に鍛える種目です。
特徴は、片脚一本でル―マニアンデッドリフトを行うことにより「軸足側のハムストリング・大臀筋を強烈に鍛えられる」こと。
また、アンバランスな姿勢で安定した動作を行うためには「体幹」が強く関与するため、体幹力強化にも効果があります。
【やり方】
- バーベルを床に置き、バーの前に肩幅程度の足幅で直立する
- 片脚を後方へ浮かせて片脚立ちになる
- 片脚を後方へ上げると同時に上半身も前傾させてバーベルを握る
- 軸足側は軽く膝を曲げた状態で、対象筋の力で上半身を起き上げていく
- 反対側の片脚でも同様の回数・セット数行う
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション②ダンベル・ルーマニアンデッドリフト
ダンベルル―マニアンデッドリフトは、ダンベルを利用する種目。
ダンベル1セットさえあれば一畳分のスペース内で取り組めるため、自宅で取り組む「家トレ種目」としても優秀です。
筋トレ効果についてはバーベルを利用した場合とさほど違いはありませんが、バーベルほどの高重量は扱いにくくなります。
【やり方】
- 両手にダンベルを持ち、肩幅程度の足幅で直立する
- ダンベルを持つ両腕はバーベルと同様に手のひらが体側を向くようにする
- 背筋を伸ばしたまま、膝を軽く曲げた状態で上半身を前傾させる
- 床と平行になる程度まで前傾させ、ハムストリング・大臀筋のストレッチさせる
- その後、上半身を起こしながら膝も同時に伸ばし、お尻をキュっと締めて大臀筋を収縮させる
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション③ケトルベル・ルーマニアンデッドリフト
この種目は、フリーウェイト器具のケトルベルを利用してルーマニアンデッドリフトを行うバリエーション。
通常のバーベルを利用した場合よりも「関節動作の自然な動き」で取り組めるのが特徴です。
ケトルベル2つでは強度が高すぎる場合は、両手で一つのケトルベルを持って取り組めば簡単に負荷が調整できます。
【やり方】
- 両手にそれぞれケトルベルを持って直立する
- ケトルベル一つだけ利用したい場合は、両手でハンドルを握る
- ケトルベルを持つ手首は「手のひら同士が向き合う」角度
- 身体の側面の位置にケトルベルを位置させ、ルーマニアンデッドリフトを行う
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション④スミスマシン・ル―マニアンデッドリフト
この種目は、フリーウェイト器具ではなくスミスマシンを利用するバリエーションです。
フリーウェイト器具を利用した動作では、思うようにターゲットの筋肉に効かせられない場合においてのスミスマシンの利用はおすすめ。
しかし、スミスマシンは「バーの軌道が固定されている」ため、誤った利用をしてしまうと腰を怪我するリスクがあるので注意が必要です。※トレーナーの方に教わりながら取り組みましょう。
【やり方】
- スミスマシンのバーべルを一番低い位置に下げ、バーの前に肩幅程度の足幅で直立する
- 肩幅程度の手幅でバーを握り、背筋を伸ばしたままル―マニアンデッドリフトを行う
- 上半身を起き上げたときにバーが体から離れている場合は、両脚の位置をバーに近づける※バーが体から離れたまま動くと、腰を痛める原因になるため
- できるだけバーに体を近づけた状態で動く
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑤トレーニングチューブ・ルーマニアンデッドリフト
この種目はトレーニングチューブを利用して取り組むバリエーション。
チューブはゴムの持つ「張力による負荷」を利用し「自宅・公園・出張先のホテル」でも簡単に負荷を掛けられるのが特徴です。
また、伸ばせば伸ばすほど負荷が強くなる「漸進性負荷」という特徴をもつため、ゴムの長さを調整することで負荷が調節できます。
【やり方】
- トレーニングチューブを床に置き、チューブの中央を両足で踏んで固定する
- チューブのハンドルを両手で持って直立する
- チューブを持った状態のまま、ルーマニアンデッドリフトを行う
- 上半身を前傾させたポジションでもチューブがピンと張る長さに調整する
- チューブが緩むと負荷が抜けるため、常に対象筋にかかる負荷に集中する
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑥ランドマイン・シングルレッグルーマニアンDL
この種目はランドマインを利用したバリエーションです。
特徴は、ランドマインにバーベルの片側を固定して反対側のシャフトを片手で持つことで、バーが邪魔にならないため関節の自然な動作で取り組めること。
また、ランドマインのもつ独特な「弧」を描く軌道によって、より体の自然な軌道で動ける「負担の少ない」やり方です。
【やり方】
- 固定器具「ランドマイン」にバーベルの片側を固定する
- 反対側のシャフトにプレートを装着し、バーの先に横向きで直立する
- バーに近い側の片手でバーを持ち、シングルレッグルーマニアンデッドリフトを行う
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑦バイパー・ルーマニアンデッドリフト
この種目は、実用的な肉体作りに定評のある器具ViPR(バイパー)を利用するバリエーション。
バイパーとは重量のある「筒状」の形をしたトレーニング器具で、農家の過酷な作業内容からインスピレーションを受けて開発されました。
バイパーを利用してルーマニアンデッドリフトを行うことで、単に筋肉を鍛えるだけでなく「実用的な肉体作り」ができます。
【やり方】
- 両手にバイパーを持ち、肩幅程度の足幅で直立する
- バイパーを持つ手は手のひら同士が向き合う角度
- 背筋を伸ばしたまま、ルーマニアンデッドリフトを行う
- バイパーを体に沿うよう近づけて取り組むようにする
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑧ウォーキング・ルーマニアンデッドリフト
この種目では、前方に歩きながらルーマニアンデッドリフトをします。
両脚を前後に開き、前側の脚を軸としてシングルレッグルーマニアンデッドリフトと近い動きをすることで、片脚ずつ鍛えていくのですね。
通常のシングルレッグデッドリフトよりも「動作を連続的に行いやすい」のが特徴です。
一定距離を歩き続けることで鍛えていきます。
【やり方】
- 両手にダンベルを持って直立する
- 肩幅程度の歩幅で片脚を一歩前に踏み出す
- 前側の脚の膝を軽く曲げ、上半身を前傾させていく
- 動作中は終始背筋を伸ばしたまま行う
- 上半身を元の位置に起こしたら、反対側の片脚を前方に踏み出す
- 上記の動作を再び繰り返し、交互に行う
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑨ケーブル・ルーマニアンデッドリフト
この種目は、ケーブルマシンによる負荷を利用したバリエーション。
ケーブルマシンに向き合い、一歩分離れた位置でルーマニアンデッドリフトを行うことで「負荷の掛かる角度が斜め下」になるのが特徴です。
通常よりハムストリング・大臀筋に負荷を集中しやすくなります。
【やり方】
- ケーブルマシンの「プーリー」を一番低い位置に調整する
- プーリーに「ストレートバー」を装着し、マシンに向き合う
- マシンから一歩離れた位置で肩幅程度の足幅で直立する
- バーを両手で持ち、ルーマニアンデッドリフトを行う
- 斜め下に引っ張られる負荷に抵抗しながら動く
ルーマニアンデッドリフトのバリエーション⑩ケーブル・ルーマニアンデッドリフト(ビハインド)
この種目は、上で解説した「ケーブル・ルーマニアンデッドリフト」を、体の後方側にマシンのある位置関係で行うバリエーションです。
特徴は、後方側から伸びるケーブルを持った状態で動くことで、対象筋となるハムストリング・大臀筋を「強く収縮できる」こと。
通常のルーマニアンデッドリフトではストレッチ(伸展)が強く引き起こされますが、この種目ではコントラクト(収縮)が中心です。
【やり方】
- ケーブルマシンの「プーリー」を一番低い位置に調整する
- プーリーに「ストレートバー」を装着し、マシンに背を向ける
- マシンから一歩離れた位置で肩幅程度の足幅で直立する
- バーを両手で持ち、ルーマニアンデッドリフトを行う
- 後方斜め下に引っ張られる負荷に抵抗しながら動く
- 上半身を起こして膝を伸ばすさい、お尻を締めるように力を入れる
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション種目10選!
続いては、スティッフレッグデッドリフトのバリエーション種目について解説します。
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション①ダンベル・スティッフレッグデッドリフト
この種目はダンベルを利用するバリエーション。
バーベルよりもより体に近い位置でウェイトを扱えるため「腰への負担が少ない」のが特徴です。
【やり方】
- 両手にダンベルを持ち、腰幅程度の足幅で直立する
- ダンベルを持つ両腕は、バーベルと同様に手のひらが体側を向くようにする
- 背筋を伸ばし、膝は伸ばして固定した状態のまま、上半身を前傾させる
- 床と平行以上に深く前傾させ、脊柱起立筋をストレッチ(伸展)させる
- その後、膝を伸ばしたまま上半身を起こしていく
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション②ディフィシット・スティフレッグDL
この種目は、高さのある「台」の上で動作を行うことで「広い可動域」を確保するやり方です。
高さのある台の上で取り組むことで足の接地面よりも低い位置までバーベルをおろせるため、強烈な負荷で鍛えられます。
通常のスティッフレッグデッドリフトでの動作に慣れてきた方、負荷に不足を感じる方はこのディフィシットスタイルがおすすめです。
【やり方】
- 5~10cm程度の厚みのある「板・台」を用意する
- 台の前にバーベルを置き、台の上で腰幅程度の足幅で直立する
- 台に乗ったまま、スティッフレッグデッドリフトを行う
- 床ギリギリまでしっかりと可動域を活かしてバーをおろす
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション③ブルガリアンスタイル・スティッフレッグDL
この種目は、両脚を前後に開き、後方側の片脚を床より高い台に乗せたままでスティッフレッグデッドリフトを行うバリエーション。
通常のスティッフレッグデッドリフトとは異なる刺激でターゲットである脊柱起立筋を鍛えながら、同時に「体幹力」も鍛えられます。
また、ルーマニアンで取り組む場合、体重による負荷の重心が前側に移動するため「前側の片脚のハムストリング・大臀筋を強烈に鍛えることが可能」です。
【やり方】
- 高さのある台・ベンチ・椅子などを利用する
- 椅子の1.5歩分前方に直立し、両手にウェイトを持つ
- 片脚を後方へ伸ばし「足の甲」を台の上に乗せる
- 前側の片脚の膝は伸ばしたまま、上半身を前傾させる
- 腹筋に力を入れて体全体を安定させる
- 上半身が十分に前傾できたら、対象筋を意識して起き上がる
- 反対側の片脚でも同様に取り組む
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション④シングルレッグ・スティッフレッグDL
この種目では、通常両脚で取り組むスティッフレッグデッドリフトを「片脚だけで」取り組み、軸足側の脊柱起立筋を強烈に鍛えます。
また、アンバランスな姿勢で安定した動きを行うために「体幹力強化」にも取り組めるのが特徴です。
【やり方】
- ウェイトを床に置き、ウェイトの前に腰幅程度の足幅で直立する
- 片脚を後方へ浮かせて片脚立ちになる
- 片脚を後方へ上げると同時に上半身も前傾させてバーベルを握る
- 軸足側は膝を伸ばして固定した状態で、対象筋の力で上半身を起き上げていく
- 反対側の片脚でも同様の回数・セット数行う
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑤ケトルベル・スティッフレッグデッドリフト
この種目は、ケトルベルを利用してスティッフレッグデッドリフトを行うバリエーション。
ケトルベルの特徴的なハンドルは握りやすいため、取り組みやすいのが特徴です。
また、関節の自然な動作で無理なく行える点も嬉しいところ。
ケトルベル1つでは負荷が足りない場合は、両手にそれぞれ1つずつケトルベルを持ち負荷を調整してください。
【やり方】
- 両手で一つのケトルベルを持って直立する
- ケトルベルを持つ両腕は自然に伸ばしたままで動く
- 身体の前方側でケトルベルを持ったまま、スティッフレッグデッドリフトを行う
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑥スミスマシン・スティッフレッグDL
この種目では、スミスマシンを利用します。
マシンによって軌道が固定されているため、集中的に脊柱起立筋に負荷を加えられるのが特徴です。
また、バーのコントロールを自身で行う必要がなく純粋に挙上動作に集中できるため「より重い重量」を扱いやすいというメリットもありますよ。
【やり方】
- スミスマシンのバーべルを一番低い位置に下げ、バーの前に肩幅程度の足幅で直立する
- 腰幅程度の手幅でバーを握り、背筋を伸ばしたままスティッフレッグデッドリフトを行う
- 上半身を起き上げたさいにバーが体から離れている場合は、両脚の位置をバーに近づける※バーが体から離れたまま動くと、腰を痛める原因になる
- できるだけバーを体に近づけた状態で動く
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑦トレーニングチューブ・スティッフレッグDL
この種目は、トレーニングチューブを利用して取り組むスティッフレッグデッドリフトです。
特徴は、バーベルやダンベルのようにウェイトをコントロールしながら取り組む必要がないため「純粋に挙上動作に取り組める」こと。
また、手に持つチューブの長さを調整することで「負荷の調整ができる」というのも特徴の一つです。
【やり方】
- トレーニングチューブを床に置き、チューブの中央を両足で踏んで固定する
- チューブのハンドルを両手で持って直立する
- チューブを持った状態のまま、スティッフレッグデッドリフトを行う
- 上半身を前傾させたポジションでもチューブがピンと張る長さに調整する
- チューブが緩むと負荷が抜けるため、常に対象筋にかかる負荷に集中する
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑧ケーブル・スティッフレッグデッドリフト
この種目は、ケーブルマシンによる負荷を利用したバリエーションです。
特徴は、ケーブルマシンに向き合い、一歩分離れた位置でスティッフレッグDLを行うことで、直立した状態でも対象筋に「負荷が掛かる続ける」こと。
斜め下方向に発生する負荷に抵抗しながら動くことで、より脊柱起立筋に負荷が集中しやすくなります。
【やり方】
- ケーブルマシンの「プーリー」を一番低い位置に調整する
- プーリーに「ストレートバー」を装着し、マシンに向き合う
- マシンから一歩離れた位置で腰程度の足幅で直立する
- バーを両手で持ち、スティッフレッグデッドリフトを行う
- 動作中は常に対象筋である「脊柱起立筋」を意識する
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑨ケーブル・スティッフレッグDL(ビハインド)
この種目は、前述した「ケーブル・スティッフレッグデッドリフト」を、体の後方側にマシンのある位置関係で行うバリエーション。
後方側から伸びるケーブルを持った状態で動くことで、対象筋となる脊柱起立筋を強くストレッチ(伸展)できます。
通常の取り組み方と比較すると「後方斜め下に負荷がかかる」ため、上半身を深く前傾させても負荷が抜けずに効果的に鍛えられますよ。
【やり方】
- ケーブルマシンの「プーリー」を一番低い位置に調整する
- プーリーにハンドルを装着し、マシンに背を向ける
- マシンから一歩離れた位置で腰幅程度の足幅で直立する
- バーを両手で持ち、スティッフレッグデッドリフトを行う
- 通常の取り組み方よりも、限界まで上半身を深く前傾させる
- その後、脊柱起立筋の力を意識して上半身を元の位置に起こす
スティッフレッグデッドリフトのバリエーション⑩シーテッドケーブル・スティッフレッグDL
この種目は、背筋を鍛える専用の器具「シーテッドローイングマシン」を利用します。
マシンのベンチに座った状態でスティッフレッグデッドリフトと同じ動きを行い、脊柱起立筋を鍛えていきます。
直立した状態で取り組む通常のやり方と比べ「腰への負担が少ない」うえ、動作中に対象筋への負荷が抜けづらいのが特徴です。
【やり方】
- シーテッドケーブルマシンのプーリーにハンドルを装着する
- マシンのフットプレートに両足を固定し、ベンチに座る
- 両手でハンドルを持って肘を伸ばしたまま、上半身を後傾させる
- 上半身が床と平行になる手前まで後傾させ、その後ゆっくりと前傾させる
- 上記の動作を繰り返し行う
ルーマニアン・スティッフレッグDLに取り組む上でのコツ!
では、ルーマニアンデッドリフト・スティッフレッグデッドリフトに取り組む上でのコツ・ポイントについて解説します。
- ニュートラルスパインを意識して取り組む
- 腹圧を意識する
- 持ち上げるときは力強く、下すときはゆっくりと行う
- 広い可動域を意識する
- いきなり高重量のウエイトを利用しない
取り組む上でのコツとポイント①ニュートラルスパインを意識して取り組む
動作中に背中が丸まったり、逆に背中が反ってしまうと腰や脊柱に過度な負担が掛かります。
すると「腰痛の原因・すべり症」といった深刻な怪我の原因になりかねません。
そのために意識する必要があるのが「ニュートラルスパイン」です。
ニュートラルスパインとは“正しい体のライン・正しい骨の位置”のこと。
普通に直立した姿勢がニュートラルスパインですね。
背中の本来の曲線・角度を保った状態のままそれぞれの種目に取り組むことで、腰への負担を軽減しながら取り組めます。
取り組む上でのコツとポイント②腹圧を意識する
腹圧とは「腹腔内の圧力」のこと。
力を出す前に大きく息を吸って息を止め、腹筋に力を入れて腹圧を高めることで、体が一本の棒のように芯が通ります。
腹圧が高まることで「安定性が飛躍的に向上」し、ウエイトを挙上する力が逃げずにより重い重量を扱えるようになるのです。
また、腹圧を高めることで背骨を伸ばす作用が生まれるため、背骨のサポーターのような効果にも期待できます。
そのため腹圧が高まることは、パフォーマンス向上だけでなく「腰周辺の怪我の予防」にも効果があるのです。
取り組む上でのコツとポイント③持ち上げるときは力強く、下すときはゆっくりと行う
筋トレを始めたばかりの初心者の方に特に多いのが、ウェイトを下げる際に”ストン”と力を抜いて早く下してしまうこと。
力を抑制してウェイトをおろす動作を「ネガティブ動作」と言います。
このネガティブ動作で力を抜いて早くおろしてしまうと対象筋への負荷が抜けてしまうため、筋トレ効果が弱まることで非効率なやり方となるのです。
さらに、重量のあるウェイトを素早く下げてから持ち上げようとすると腰へ掛かる負担が増大し、怪我の原因になりかねません。
そのため、両種目では上半身を前傾させてウェイトを下す動きのときに「ゆっくりと時間をかけて対象筋に負荷を掛けたまま動作する」ことがポイントです。
「力を抜いてウェイトを下す」のではなく「力を抑制してウェイトを下す」ようにしましょう。
取り組む上でのコツとポイント④広い可動域を意識する
ルーマニアンとスティッフレッグの両種目ともに「広い可動域」を意識してダイナミックに動作を行うことが、筋トレ効果を高めるコツです。
上半身を前傾・後傾させる動作の可動域を狭く取り組んでしまうと、それだけ対象筋の「収縮・伸展」も弱くなります。
すると結果的に、十分な刺激を与えられません。
筋トレ効果を高めるには、それぞれの種目の対象筋を「最大収縮・最大伸展」させることを意識し、大きな可動域で動作を行うことが大切。
回数を重ねると疲労により思ったよりも可動域が狭くなりやすいため、鏡で自身の可動域をチェックしながら取り組みましょう。
取り組む上でのコツとポイント⑤いきなり高重量のウェイトを利用しない
より高い筋トレ効果を引き出すために、負荷を増幅できるウェイトの重量を増やすことは大切です。
しかし、いきなり高重量に挑戦するのはとても危険なこと。
ルーマニアンデッドリフト・スティッフレッグデッドリフト共に腰を軸に動作を行うため、重量選択を間違えると「腰痛を引き起こすリスクを高める」ことになります。
また、高重量によるウェイトをコントロールするためには相応の筋力が必要です。
そのため、自身に見合っていない重量ではフォームの乱れや崩れを誘発し、怪我の原因になりかねません。
まずは慎重に軽めの重量から取り組んでください。
両種目に取り組む際の注意点
①正しいフォームがなによりも大切!
すべてのエクササイズ・種目では、基本的な動作フォームがなによりも大切です。
正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることが最も効率的に対象筋へ負荷を与える方法なのです。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入りません。
結果として、いつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
②筋トレで一番注意しなければいけないことは怪我
さらに、関節・筋肉・腱を痛めてしまい怪我につながることも。
1度怪我をすると、完治するまでその部位を鍛えることができなくなるのでその期間に筋肉を失ってしまううえ、他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであります。
最悪な結果になってしまうのですね。
ここでまず覚えていただきたいのは「正しいフォームを覚えることが理想の肉体への一番の近道」であるということ。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない「脅威」です。
ルーマニアン・スティッフレッグのトレーニングで利用したいアイテム2選
では最後に、両者の種目で活用したいトレーニングアイテムを紹介します。
ルーマニアン・スティッフレッグのトレーニングで利用したいアイテム①トレーニングベルト
トレーニングベルトとは、腰を保護しながらより高い筋出力を発揮してくれるためのトレーニングギアです。
お腹に巻くことで「腹圧」が高まり、腰の怪我から保護する効果を発揮します。
腰を保護するだけでなく、腹圧が高まることによって筋出力も向上するため、より重い重量を扱えるようになるのです。
そのため、高重量トレーニングを行いたい方や腰が弱い方、腰に不安を抱える方はトレーニングベルトを有効活用していきましょう。
【関連記事】トレーニングベルトについてさらに詳しくはこちら♪
ルーマニアン・スティッフレッグのトレーニングで利用したいアイテム②パワーグリップ
パワーグリップとは、「引く動作」を要するトレーニングのさいに握力のサポートに効果を発揮してくれる、トレーニングギアの一つです。
手首に通し、ベロの部分をバーべルに巻き付けてベロと一緒にバーべルを握ることで、少ない握力でも高重量のバーべルを持ち続けられます。
パワーグリップは、バーべルだけでなくダンベルやケーブルマシンにも活用可能。
基本的に引く動作を要するトレーニング種目全般に利用できますよ。
パワーグリップについてより詳細な内容を知りたい方は、下にある記事も合わせて確認しましょう!
おわりに
今回は「ルーマニアンデッドリフト」と「スティッフレッグデッドリフト」の効果の違い・やり方・バリエーションなどについて解説しました。
自身のトレーニングの目的を達成する上で、どちらの種目に取り組むべきなのか、本記事を読んだことでお気づきになったのではないでしょうか?
それぞれの種目がどの部位に対して有効なのか、なぜその部位に有効なのか、理解を深めることで筋トレ効果は天と地の差が生じます。
適切な取り組み方・知識を身に着けることで、効率的な筋トレに取り組んでいきましょう!
“No pain No gain”
【関連記事】他にもある「背筋」を鍛える効果的な筋トレ情報についてはこちら♪
AKI
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