「僧帽筋」の鍛え方特集!鍛えるメリットと効果・効果的に鍛えられるトレーニング種目について解説します。
僧帽筋と言えば、首と肩の上部から背中まで位置する背筋群の一つ。
僧帽筋は、ボディメイク上「かっこいい上半身」を強調する上で欠かすことができない部位であり、かつ鍛えることで「肩こりの解消」にまで効果が期待できる部位。
また、各種スポーツ競技でも僧帽筋の作用と働きは大きな役割をもつため「実用的な肉体作り」のためにも僧帽筋を鍛えることは大切。
今回はそんな、僧帽筋を鍛えるメリットと効果・効果的に鍛えられるトレーニング種目・ストレッチ法などについて解説します!
この記事の目次
「僧帽筋」の構造と概要について
僧帽筋は、首の付け根の位置から肩の上部を通って背中の中央部まで伸びる筋肉。背中の上部(上背部)を覆うように位置しています。
僧帽筋は単一の筋肉でありながら「僧帽筋上部・僧帽筋中部・僧帽筋下部」3つの部位に分類され、それぞれの部位には異なる作用・働きを持ちます。
僧帽筋を効果的に鍛えるためには、前提としてそれぞれの部位の作用を理解した上で、それぞれの部位に効果的なトレーニングに取り組むことが大切。
下では、僧帽筋上部・僧帽筋中部・僧帽筋下部それぞれの作用と特徴について解説します。
「僧帽筋上部」
僧帽筋上部は、首の付け根から肩の上部あたりまで位置する、僧帽筋の中でも上側に位置する部位。
肩甲骨を持ち上げる動作「肩甲骨挙上」の際に作用するのが特徴的な部位。下から腕を引き上げたりする動作の際に関与します。
首の付け根から肩まで位置しているため「首を動かす動作全般に作用」するのも特徴の一つ。肩をすくめる動作にも関与します。
僧帽筋上部を鍛えて肥大させることで「上半身(上背部・肩回り)の迫力を強調」できるのがボディメイク上の特徴。
「僧帽筋中部」
僧帽筋中部は、僧帽筋上部の下の鎖骨から脇あたりまで位置する部位。
僧帽筋中部は、肩甲骨を中央に寄せる動作「肩甲骨内転」を行う際に作用するのが特徴で、僧帽筋上部の主な作用「肩甲骨挙上」の際は僧帽筋上部と共に補助的に作用します。
胸の前で前から物を引き寄せる動作の際(例:綱引き・引くタイプのドア)といった動作の際に僧帽筋中部が作用します。
「僧帽筋下部」
僧帽筋下部は、僧帽筋中部の下から背中の中央まで伸びる僧帽筋の下側に位置する部位。
僧帽筋下部は、肩甲骨を下に下げる動作「肩甲骨下制」や、肩甲骨を下げながら寄せる動作「肩甲骨下方回旋」といった動作の際に作用するのが特徴。
また、僧帽筋中部の主な作用である「肩甲骨内転」動作を中部と共に協働して作用するのも特徴の一つ。
腕を上から下に引き寄せる動作の際に僧帽筋下部が作用します。
「僧帽筋」を鍛えるメリット・効果について
上では、僧帽筋の作用と概要について解説しました。
ここでは、僧帽筋を鍛えるメリットと効果について解説します。
僧帽筋を鍛えることで具体的にどういった効果に期待できるのか、ここで確認しておきましょう。
僧帽筋を鍛えるメリットと効果①「迫力のあるたくましい上半身が手に入る」
僧帽筋は、冒頭でも解説したように上背部(背中の上側)を覆うように位置する筋肉です。
上背部を覆うように位置する僧帽筋を鍛えて厚みを出すことで「迫力のあるたくましい上半身」を手に入れることができます。
背筋と言えば「逆三角形の背中」を形作る「広背筋」が特に注目されがち。広背筋は脇下の「横への広がり」を形作る上で大切ですが、
僧帽筋は、背中全体の「厚み・大きさ」を形作る上で鍛えることが欠かせないボディメイク上非常に重要な部位です。
特に、僧帽筋がしっかりと発達した背中が「クリスマスツリー」に見えることから、日本のフィットネス界では僧帽筋を鍛えていかにクリスマスツリーを強調できるかが注目されています。
僧帽筋を鍛えるメリットと効果②「猫背・姿勢改善に効果的」
僧帽筋は、首・肩甲骨・背中を支えてサポートする働きを持つ筋肉。
この僧帽筋の筋力が弱い状態だと「背中が前方に丸まっていく」ことで「猫背・姿勢悪化」を引き起こす原因となってしまいます。
そのため、僧帽筋を鍛えて筋力を強化しておくことで「肩を後ろに引っ張る」サポーターのように力を発揮してくれるため、
猫背と姿勢改善に効果が期待できます。背中がピシッと伸びた適切な曲線を持つ背中は、健康的で美しい印象を与えてくれます。
僧帽筋を鍛えるメリットと効果③「首・肩こりの改善と予防に効果的」
オフィスワークで長時間PC業務に取り組む方などは特に、同じ姿勢のまま長時間動かさないことで「首・肩回りの血流が滞りがち」です。
首回りの血液循環が悪くなることで「首や肩のコリ・ハリ」が生じてしまいます。
よく、肩こりに悩んでいる方が肩を揉むことがあると思いますが、なかなか自分で揉んだ程度ではコリが解消されることはありません。
こういった場合にも、僧帽筋を鍛えて動かしてあげることで「首・肩回りの血流が活性化」され、首と肩回りのコリとハリの解消と予防に効果が期待できます。
僧帽筋を鍛えることは、見た目が良くなるだけでなく「日常生活の質の向上」まで効果が期待できる重要な部位と言えます。
「僧帽筋」を鍛える効果的なトレーニング種目!
上では、僧帽筋を鍛えるメリットと効果について解説しました。
ここでは、僧帽筋を効果的に鍛えられるトレーニング種目について解説します。
【シュラッグ系種目】
僧帽筋を鍛える効果的な種目「バーベル・シュラッグ」
この種目は、僧帽筋の中でも特に「僧帽筋上部」を鍛える種目として最も代表的な鍛え方の一つ。
両手に保持したバーベルによる負荷を利用し「肩をすくめる動作」によって僧帽筋を収縮・伸展させることで鍛えていきます。
僧帽筋上部の厚みと迫力を強調したい場合において、この種目が最も効果的。バーベルによる高重量で強烈に鍛えていきましょう。
【バーベル・シュラッグのやり方】
- 肩幅よりも気持ち広めの手幅でバーベルを保持し、直立します。
- バーを持つ両腕は自然に真下に伸ばしておきます。
- 背筋はまっすぐと伸ばしたまま、肩を高く真上に上げるようにすくませます。
- この時、肘は曲げずに伸ばした状態のまま、肩を上げていきます。
- その後肩をおろしていき、上記動作を繰り返します。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ビハインドバック・バーベルシュラッグ」
この種目は、上で解説した「バーベル・シュラッグ」を、カラダの後方側のバーベルを保持した状態で動作を行うバリエーション。
バーべルをカラダの後方側で保持してシュラッグを行うことで「肩関節の自然な軌道に沿って動作を行える」のが特徴的な種目。
結果的に、対象筋となる僧帽筋上部の「コントラクト(収縮)動作」を最大限収縮させられるというのが特徴です。
【ビハインドバック・バーベルシュラッグのやり方】
- カラダの後方側で肩幅よりも気持ち広めの手幅でバーベルを保持します。
- バーべルを持つ腕は自然に下に伸ばしておきます。
- 肩を高く真上に上げるようにすくませます。
- この時、肘は曲げずに伸ばした状態のまま、肩を上げていきます。
- その後肩をおろしていき、上記動作を繰り返します。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ダンベル・シュラッグ」
この鍛え方は、上で解説した「バーべル・シュラッグ」と同様の動作を、バーべルではなく「ダンベル」を利用したバリエーション。
バーベルのほどの高重量を利用できない反面、バーベルよりもよりカラダに近い位置で動作を行えるため「肩関節への負担が少ない」のが特徴。
また、バーベルを利用できない状況でもこの種目ではダンベル1セットさえあれば簡単に取り組めるため「家トレ」としてもおすすめです。
【ダンベル・シュラッグのやり方】
- 両手にダンベルを保持し、カラダの側面に位置させて直立します。
- ダンベルを持つ手のひらはカラダ側を向くように持ちます。
- 背筋はまっすぐと伸ばしたまま、肩を高く真上に上げるようにすくませます。
- この時、肘は曲げずに伸ばした状態のまま、肩を上げていきます。
- その後肩をおろしていき、上記動作を繰り返します。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「インクライン・ダンベルシュラッグ」
この種目は「インクライン(30~45度程度)」の角度に調整したアジャスタブルベンチを使用してシュラッグを行うバリエーション。
上半身が斜めの状態でシュラッグを行うことで、本来僧帽筋上部だけでなく「僧帽筋中部・僧帽筋下部」も同時に鍛えられるのが特徴。
僧帽筋全体への負荷の比重バランスに優れているため、僧帽筋全体をターゲットとして鍛えたい方におすすめな種目です。
【インクライン・ダンベルシュラッグのやり方】
- アジャスタブルベンチをインクライン(30~45度程度)に調整します。
- ベンチにうつ伏せになり、両手にダンベルを保持します。
- 背筋はまっすぐ伸ばしておき、両脚は床につけてバランスを取ります。
- この姿勢を維持したまま、シュラッグ動作を行います。
- 僧帽筋全体への負荷を感じながら動作を行いましょう。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ワンアーム・ダンベルシュラッグ」
https://www.youtube.com/watch?v=r6AeYYsJyXI
この種目は、上で解説した「ダンベルシュラッグ」と同様の動作を、片腕ずつ取り組むことで、片側の僧帽筋上部を集中的に鍛えるやり方。
両腕で取り組むのではなく、片腕ずつ取り組むことで「より広い可動域を活かせる」ため、収縮・伸展を強く引き起こせるのが特徴。
また、左右の僧帽筋上部の「筋力・大きさ・形」に左右差がある場合「左右差の是正」といった意味でも特徴的な鍛え方です。
【ワンアーム・ダンベルシュラッグのやり方】
- 片手でダンベルを保持し、直立します。
- シュラッグを行う際上半身がブレないよう体幹部を固定するで行います。
- ダンベルを持つ片腕側のみシュラッグを行います。
- 広い可動域を意識し、収縮・伸展を丁寧に行います。
- その後、反対側も同様の回数・セット数取り組みます。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「トレーニングチューブ・シュラッグ」
この種目は、バーべルやダンベルといったフリーウェイト器具ではなく「トレーニングチューブ」を利用したバリエーション種目。
チューブのもつ「張力による負荷」を利用することで、対象筋となる僧帽筋上部への負荷が抜けづらいのが特徴的な種目。
また、チューブは伸ばせば伸ばすほど強度が高まる「漸進性負荷」の作用をもつため、長さを調整することで「負荷の調整」が可能です。
【トレーニングチューブ・シュラッグのやり方】
- トレーニングチューブの中央部を両足で踏んで固定します。
- チューブのハンドルを両手で握り、背筋を伸ばして直立します。
- 肩を下した状態でもチューブがピンと張るように長さを調整します。
- チューブが緩んだ状態だと張力がなくなるため、常に負荷が掛かる長さに調整します。
- チューブを掴んだ両腕を伸ばしたまま、シュラッグを行います。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ケーブル・シュラッグ」
この種目は、ウェイトプレートにケーブルが付いた器具「ケーブルマシン」を利用してシュラッグを行うバリエーション種目。
ケーブルマシンは、全可動域で負荷が掛かり続ける作用をもつため「可動域中常に僧帽筋上部に負荷が掛かり続ける」のが特徴の鍛え方。
また、ダンベルやバーベルといったフリーウェイト器具よりも「肩関節への負担が少ない」ため、筋トレ初心者にもおすすめです。
【ケーブル・シュラッグのやり方】
- ケーブルマシンの「プレートウェイト」にピンを差し込んで重量を設定します。
- ケーブルマシンの「プーリー」を一番低い位置に調整します。
- プーリーに「ストレートバー」を装着し、両手で握ります。
- マシンに向き合って背筋を伸ばし直立します。
- シュラッグを行います。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「バーベル・オーバーヘッドシュラッグ」
この種目は、バーベルを頭上高い位置で保持した状態のまま、肩をすくめていくことで、僧帽筋上部を鍛えるやり方。
通常のシュラッグでは僧帽筋上部と同時に「肩甲挙筋」も同時に鍛えますが、この種目では「肩甲挙筋の関与が抑制される」のが特徴。
肩甲挙筋への負荷の分散が抑制されることで、ターゲットである「僧帽筋上部へ負荷を集中させながら鍛えられる」のが特徴の種目です。
【バーベル・オーバーヘッドシュラッグのやり方】
- 肩幅よりも広い手幅でバーベルを保持し、直立します。
- バーを持つ両腕を頭上高い位置に持ち上げたまま維持します。
- この状態のまま肩をすくめてシュラッグを行います。
- その後、ゆっくりと肩を元の位置に戻します。
【ローイング系種目】
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ベントオーバーロー」
この種目は、背筋群を最も効果的に鍛えられる代表的な種目の一つ。僧帽筋上部・僧帽筋中部・僧帽筋下部それぞれに効果的です。
上半身を前傾させた姿勢を維持したまま、肩甲骨を寄せる動作「肩甲骨内転」を行うことで、主動筋となる「広背筋・僧帽筋」を中心に鍛えます。
また、肩関節動作も関与するため、同時に肩の後ろに位置する「三角筋後部」も同時に鍛えられるのが特徴です。
【ベントオーバーローのやり方】
- バーベルを肩幅程度の手幅で握り、肩幅程度の足幅で直立します。
- 背筋を伸ばしたまま、膝を軽く曲げて上半身を45度程度の前傾させます。
- この時、膝を前に出して曲げるのではなく、腰を後方へ引くように曲げます。
- この姿勢を維持したまま、肩甲骨を寄せる動作によりバーベルを引き寄せます。
- 「おへそ」のあたりにバーを引き寄せ、その後肩甲骨を開いてバーをおろします。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「リバースハンド・ペンドレイローイング」
一見ベントオーバーローイングに似ていルこの種目は「上半身が床と平行になる深い前傾姿勢」でローイング動作を行うやり方。
上半身の前傾角度が深くなることで、肩甲骨内転動作が強く引き起こされ、主動筋となる「僧帽筋中部・僧帽筋下部」に効果的なのが特徴。
さらに「リバースグリップ(逆手)」で取り組むことで、より「僧帽筋下部」への負荷の比重を高めたトレーニングとなります。
【リバースハンド・ペンドレイローイングのやり方】
- バーベルを床に置き、バーの前に肩幅程度の足幅で直立します。
- 上半身を床と平行になる角度まで深く前傾させ、角度を固定します。
- 背筋は常に自然とまっすぐ伸ばしておき、丸まったり反ったりしないよう注意します。
- リバースグリップ(逆手)でバーを保持し、ローイング動作を行います。
- 僧帽筋中部・僧帽筋下部の収縮を意識しながら動作を行います。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ワンアーム・ベントオーバーロー」
この種目は、上で解説した「ベントオーバーロー」と同様の動作を「片腕ずつ取り組む」バリエーション種目。
ダンベルを保持しない側の片腕を膝につけることで「上半身の前傾姿勢を片腕で支えながら取り組める」というのが特徴の種目。
腰に不安がある方や、筋力に自身がない方におすすめです。また、片腕ずつ行うことで「対象筋に負荷を集中しやすい」のも特徴の一つです。
【ワンハンド・ベントオーバーローのやり方】
- 片腕にダンベルを保持し、肩幅程度の足幅で直立します。
- 背筋を伸ばしたまま、膝を軽く曲げて上半身を45度程度の前傾させます。
- 反対側の片手を膝につけ、上半身の前傾姿勢を維持します。
- この姿勢を維持したまま、ダンベルを持つ側だけでベントオーバーローを行います。
- 反対側の片腕でも同様の回数・セット数取り組みましょう。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「トレーニングチューブ・ワンアームローイング」
この種目は、上で解説した「ワンアームベントオーバーロー」と同様の動作を「トレーニングチューブ」を利用する種目。
トレーニングチューブを両足で踏んで固定する際、踏むチューブの長さを調整することで「負荷の調整が可能」です。
また、チューブを持たない側の片腕を上半身の前傾姿勢を維持するサポートとして膝におけるため、家トレでも効果的に僧帽筋を鍛えられます。
【トレーニングチューブ・ワンアームローイングのやり方】
- トレーニングチューブを2つ折りにして床に置きます。
- チューブを両足で踏んで固定し、片方のハンドルを片手で保持します。
- 上半身の前傾姿勢を作り、ハンドルを持たない側の片手を膝につけます。
- この姿勢を維持したまま、ワンアームベントオーバーローを行います。
- 腕を床に伸ばしたポジションでも、チューブがピンと張る長さに調整しましょう。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ワンハンドローイング」
ワンハンドローイングは、僧帽筋を含む背筋群全体を鍛える種目として最も代表的な種目の一つ。
フラットなトレーニングベンチに片膝と片手を置くことで、上半身の前傾姿勢を維持しやすいことで「より僧帽筋に負荷を集中させられる」のが特徴。
動作には、肩関節伸展・肩甲骨内転が含まれるため、主動筋となる「僧帽筋・広背筋・三角筋後部・脊柱起立筋」といった背筋群に効果的です。
【ワンハンドローイングのやり方】
- フラットなトレーニングベンチの横側にダンベル一つを置きます。
- ベンチの上に「左膝・左手」を置きます。
- 左膝は90度に曲げて置き、左腕は肘を伸ばしてつけます。
- 左脚は床に伸ばし、右腕でダンベルを保持し、上半身を床と平行の角度で維持します。
- この状態のまま、肩甲骨を寄せる動作によりダンベルを持ち上げます。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「インクライン・ダンベルローイング」
この種目は、アジャスタブルベンチをインクライン(30~45度程度)に調整したベンチの上で、ローイング動作を行うバリエーション。
上で解説した「ベントオーバーロー」では、上半身の前傾姿勢を自分でコントロールするため、姿勢の維持に多少の難易度があります。
その点、この種目ではインクラインベンチにうつ伏せになることで前傾姿勢を維持しやすいため「挙上動作に集中できる」のが特徴です。
【インクライン・ダンベルローイングのやり方】
- アジャスタブルベンチをインクライン(30~45度程度)に調整します。
- 両手にダンベルを保持し、ベンチにうつ伏せになります。
- 両脚は床に伸ばしておくか、ベンチの上に曲げて乗せておきます。
- 肩甲骨を寄せる動作で肘を曲げていき、ダンベルを挙上します。
- 僧帽筋を十分に収縮させた後、肩甲骨を開いてゆっくりとダンベルをおろします。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ナローグリップ・シーテッドローイング」
この種目は、僧帽筋を含む背筋全体「広背筋・三角筋後部・大円筋・脊柱起立筋」といった背中全体を鍛える代表的な種目。
このシーテッドローイングに「Vバー」を利用することで、手幅の狭いナロースタンスにより肩甲骨内転の収縮動作を強く引き起こせるのが特徴。
主動筋となる僧帽筋中部・下部の収縮を強烈に引き起こせるため、複数の対象筋の中でも特に僧帽筋に負荷が集中するのが特徴です。
【ナローグリップ・シーテッドローイングのやり方】
- シーテッドケーブルマシンのプーリーに「Vバー」を装着します。
- ベンチに座り、バーを保持して上半身を床に対して垂直にします。
- フットプレートに両足を乗せ、肩甲骨を寄せる動作によりケーブルを引き寄せます。
- 「おへそ」のあたりを目安にバーを引き寄せ、僧帽筋中部・下部を収縮させます。
- その後、肩甲骨を開いてバーを戻し、僧帽筋をストレッチ(伸展)させます。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「マシン・ローイング」
この種目は、専用のマシン「ローイングマシン」を利用してシーテッドローイングを行うことで、僧帽筋を含む背筋群を鍛えられる種目。
マシンローイングは、適切な軌道で取り組めるように固定されているため「筋トレ初心者や筋力に不安がある方」でも取り組めるのが特徴。
また、付属のウェイトプレートにピンを差し込むことで「細かく重量調節を行える」のも特徴の一つです。
【マシンローイングのやり方】
- 専用のマシン「ローイングマシン」のシート高さを調整します。
- マシンのアームがみぞおち下あたりに来る位置でシートを調整します。
- フットプレートに両足を乗せて安定させたまま、ローイングを行います。
- 僧帽筋中部・下部を意識して、肩甲骨を寄せながらハンドルを引き寄せます。
- シートの高さを高めに調整すると「僧帽筋上部」も鍛えることが可能です。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「トレーニングチューブ・ローイング」
この種目は、上で解説した「シーテッドローイング」と同様の動作を「トレーニングチューブ」を利用して行うバリエーション。
ケーブルマシンやローイングマシンといった専用のマシンが利用できない状況でも、トレーニングチューブが一本あれば畳一畳分のスペースで取り組めます。
取り組む際は、チューブを持つ手幅をナロースタンス(狭い手幅)のままローイングを行うことで、僧帽筋に負荷を集中させられます。
【トレーニングチューブ・シーテッドローイングのやり方】
- トレーニングマットまたはヨガマットなどを敷いた床に座ります。
- 両足の裏にトレーニングチューブの中央部を通し、両端を両手で握ります。
- 上半身を床に対して垂直に維持したまま、ローイング動作を行います。
- 腕を伸ばしてもチューブがピンと張る長さに調整しましょう。
- 両手の手幅は常に肩幅以下または肩幅程度の手幅のまま動作を行います。
【フェイスプル種目】
僧帽筋を鍛える効果的な種目「フェイスプル」
この種目は、ケーブルマシンを利用し、ケーブルを顔の位置に後方に引き寄せることで、僧帽筋上部と周辺の筋肉を鍛える種目。
ケーブルのアクセサリーに「ロープ」を利用することで、ケーブルを持つ両腕を顔より後方に引き寄せられるのが特徴。
そのため、広い可動域を意識して収縮を強く行うことで「僧帽筋上部・三角筋後部・広背筋」といった背筋群を同時に鍛えられます。
【フェイスプルのやり方】
- ケーブルマシンのプーリーを肩の高さ程度に調整します。
- プーリーに「ロープ」アクセサリーを装着し、マシンに向き合います。
- 大きく一歩分マシンと距離をとり、肩幅程度の足幅で直立します。
- 両手にロープを保持し、腕を水平に維持したまま曲げて引き寄せます。
- ロープをもつ両腕が耳のあたりにくるまで引き寄せていきます。
- その後、ゆっくりとケーブルを戻していき、両腕を伸ばします。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「シーテッド・ケーブルフェイスプル」
この種目は、上で解説した「フェイスプル」と同様の動作を「シーテッドケーブルマシン」を利用して行うバリエーション。
通常は「シーテッドケーブルローイング」を行うために利用する専用のマシン「シーテッドケーブルマシン」を利用してフェイスプルを行います。
座った状態でカラダを固定できるため、ケーブルによる負荷で前方に姿勢が崩されやすいフェイスプルのデメリットを解消できるのが特徴です。
【シーテッド・ケーブルフェイスプル】
- ケーブルマシンのプーリーの「ロープ」アクセサリーを装着します。
- マシンのベンチに座り、上半身が床に対して垂直になる角度にします。
- 両足は専用のフットプレートにつけてカラダ全体を安定させます。
- 両手でロープを保持し、フェイスプルを行います。
- ケーブルを引き寄せる際、上半身を後傾させないよう意識して行いましょう。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ダンベル・フェイスプル」
この種目は、通常ケーブルマシンを利用して行うフェイスプルを、フリーウェイト器具である「ダンベル」を利用して行うやり方。
ケーブルマシンが利用できない状況でも、ダンベル一つさえあれば取り組めるため、自宅で取り組む「家トレ種目」としてもおすすめ。
動作の際は、肩甲骨を寄せると「僧帽筋上部」がメインとなり、肩甲骨を寄せずに肩関節動作のみで行うと「三角筋後部」メインになります。
【ダンベル・フェイスプルのやり方】
- 高さのある台・椅子・トレーニングベンチを利用します。
- ダンベルを片手に持ち、反対側の片手を台の上に乗せて上半身を前傾させます。
- 背筋を伸ばしたまま、カラダに対して水平にダンベルを持つ腕を曲げて肩甲骨を寄せます。
- 耳のあたりまで引き上げた後、肩甲骨を開きながらダンベルを下ろします。
- 反対側も同様の回数・セット数行いましょう。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「バーベル・フェイスプル」
この種目は、上で解説した「ダンベル・フェイスプル」を、ダンベルではなく「バーベル」と「トレーニングベンチ」を利用するやり方。
ベンチの角度をインクラインに調整し、うつ伏せになることで上半身の前傾姿勢を作り、バーベルを利用してフェイスプルを行います。
トレーニングベンチを利用することで「安定的に動作を行える」上、バーベルを利用することで「より高負荷で鍛えられる」のが特徴です。
【バーべル・フェイスプルのやり方】
- アジャスタブルベンチをインクライン(30~40程度)に調整します。
- ベンチにうつ伏せになり、肩幅よりも広めの手幅でバーベルを保持します。
- 背筋を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せながら肘を曲げてバーベルを挙上します。
- 僧帽筋上部を十分に収縮させた後、肩甲骨を開いてバーを下ろします。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「トレーニングチューブ・フェイスプル」
この種目は、通常「ケーブルマシン」を利用して行うフェイスプルを「トレーニングチューブ」を利用して取り組むバリエーション。
チューブを肩の位置程度の高さで「ドア・柱」などに固定して両手にハンドルを握った状態でフェイスプルを行います。
ダンベルやバーベルといったフリーウェイト器具よりも「肩関節・腱・筋肉への負担が軽い」ため、筋トレ初心者・筋力に自信がない方におすすめです。
【トレーニングチューブ・フェイスプルのやり方】
- トレーニングチューブの中央部をドア・柱など固定します。
- チューブのハンドルを両手で保持し、固定部から一歩分離れます。
- 両腕を伸ばしてもチューブがピンと張る長さに調整します。
- 固定部に向き合うように直立し、フェイスプルを行います。
【ラットプルダウン種目】
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ナローグリップ・ラットプルダウン」
ラットプルダウンは、主に広背筋を中心に僧帽筋中部・僧帽筋下部・大円筋・三角筋後部といった背筋群を鍛える種目として代表的。
このやり方では、通常肩幅の1.5倍程度の広い手幅で取り組むラットプルダウンを、肩幅程度またはそれ以下のナロー(狭い手幅)で行います。
結果的に肩甲骨を下げながら寄せる「肩甲骨下方回旋」の動作をより強く引き起こし、僧帽筋中部・下部を強烈に収縮できるのが特徴です。
【ナローグリップ・ラットプルダウンのやり方】
- 専用の「ラットプルマシン」のプーリーに「ワイドバー」を装着します。
- シートの高さを調整し、ベンチに座って太ももパッドに太ももを固定します。
- バーを肩幅程度または肩幅よりも狭い手幅で握り、背筋を伸ばします。
- 肩甲骨を下げながら寄せていく動作で肘を曲げ、バーを下ろします。
- 鎖骨下5cm程度を目安におろし、僧帽筋中部・下部を完全に収縮させます。
- その後、肩甲骨を開いて腕を伸ばしていき、ストレッチ(伸展)します。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「リバースグリップ・ラットプルダウン」
この種目は、通常「順手」でバーを握るのに対し、リバースグリップ(逆手)でバーを握った状態でラットプルを行うバリエーション。
逆手にすることで自然と手幅が狭くなり、肩甲骨下方回旋が強く引き起こされるため、僧帽筋の中でも特に「僧帽筋下部」をメインに鍛えます。
また、肘を曲げる肘関節屈曲も関与するため、上腕の表側に位置する「上腕二頭筋」も同時に鍛えられるのが特徴の一つです。
【リバースグリップ・ラットプルダウンのやり方】
- 上で解説した「ナローグリップ・ラットプルダウン」と同様のセットアップを行います。
- バーを肩幅程度の手幅で「リバースグリップ(逆手)」で握ります。
- 肩甲骨を下げながら寄せるイメージでバーを引き寄せていきます。
- 逆手の場合は、胸の下あたりにバーを引き寄せていきます。
- 僧帽筋下部の収縮を感じたら、肩甲骨を開きながらゆっくりとバーを戻します。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ビハインドネック・ラットプルダウン」
この種目は、ラットプルダウンを行う際「ビハインドネック(首の後ろ側)」にバーを下していくことで、僧帽筋を鍛えるやり方。
カラダの前方にバーを引くのではなく、カラダの後方側にバーを引き寄せることで「僧帽筋上部・中部・大円筋」に負荷が集中するのが特徴。
本来のメインターゲットである広背筋への負荷が減るため、僧帽筋を含めた「背中の上部」を鍛えていきたい場合におすすめです。
【ビハインドネック・ラットプルダウンのやり方】
- 上で解説した「ナローグリップ・ラットプルダウン」と同様のセットアップを行います。
- バーを肩幅の1.5倍程度広めの手幅でバーを握ります。
- 肩甲骨を下げながら寄せる動作を意識し、バーを後頭部側に引き寄せていきます。
- 首の後ろを通り、肩甲骨が寄せきれるまで引き下ろします。
- その後、肩甲骨を開きながら肘を伸ばしていきます。
- 動作中は終始、僧帽筋への負荷を感じながら行います。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「Vバー・ラットプルダウン」
この種目は、ラットプルマシンのプーリーに取り付けるアクセサリーに「Vバー」を利用することで、僧帽筋全体への負荷を高めたやり方。
バーを握る手首の角度が「ニュートラルグリップ(手のひら同士が向き合う角度)」のまま動作を行うことで、より僧帽筋上部に負荷が入りやすいのが特徴。
さらに、バーを握る手幅が肩幅よりも狭い状態のまま動作を行うことで「僧帽筋中部・下部」も含めた僧帽筋全体に効果的なやり方です。
【Vバー・ラットプルダウンのやり方】
- ラットプルマシンのプーリーに「Vバー」を装着します。
- バーをニュートラルグリップ(手のひら同士が向き合う角度)で握ります。
- 肩甲骨を下ろしながら寄せる動作でバーを鎖骨下5cm程度の位置に下します。
- この際、僧帽筋全体を強く収縮させる意識で動作を行います。
- その後、肩甲骨を開きながら腕を伸ばしていき、ストレッチ(伸展)させます。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「トレーニングチューブ・ラットプルダウン」
この種目は、通常専用のマシン「ラットプルマシン」を利用して行うラットプルダウンを「トレーニングチューブ」を利用したやり方。
専用のマシンを利用するにはジムでの取り組みが前提となりますが、この種目では自宅で取り組む「家トレ種目」として取り組めるのが特徴。
また、伸ばせば伸ばすほどチューブの張力による負荷が強くなる「漸進性負荷」のため、僧帽筋を強く収縮させられます。
【トレーニングチューブ・ラットプルダウンのやり方】
- トレーニングチューブの中央部を「ドアの上部・柱」などに固定します。
- 頭上高い位置に固定し、両端のハンドルを両手で握ります。
- 片膝立ちの姿勢になり、固定部に向かって上半身を45度程度前傾させます。
- チューブの角度が上半身と平行になる程度が目安です。
- 両腕を伸ばしてもチューブがピンと張る長さに調整しておきます。
- チューブを持つ両腕をカラダの横側に沿って引き寄せていきます。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ライイング・ラットプルダウン」
この種目は、トレーニングチューブを利用したラットプルダウンを「床にうつ伏せの姿勢で行う」バリエーション種目。
上半身の前傾姿勢時に「腰に痛みを感じる方」や「前傾姿勢のまま動作を行うことが苦手」な場合においておすすめなやり方。
また、床に面した低い位置にある「ソファの脚やテーブルの脚」といった部分に固定できるため、通常よりも取り組みやすいのが特徴です。
【ライイング・ラットプルダウンのやり方】
- トレーニングチューブの中央部を「ソファの脚・テーブルの脚」など低い位置に調整します。
- 固定部から一歩分離れた位置で床にうつ伏せになり、チューブの両端を両手で保持します。
- 肩甲骨を下しながら寄せる動作で腕をカラダの横側に引き寄せていきます。
- 対象筋の収縮を感じたら、腕を伸ばしていきます。
【その他種目】
僧帽筋を鍛える効果的な種目「バタフライ・ラテラルレイズ」
この種目は、両手に保持したダンベルを「弧」を描くように頭上高くまで引き上げることで僧帽筋上部と三角筋を鍛えられる種目。
腕を側方へ開く「肩関節外転」と同時に「肩甲骨上方回旋」も関与するため、主動筋となる「僧帽筋上部・三角筋中部」を同時に鍛えられるのが特徴。
また、腕を上げていくと共に「手のひらが前方を向く」角度で挙上することで「三角筋前部」も同時に鍛えれる特殊な種目です。
【バタフライ・ラテラルレイズのやり方】
- 両手にダンベルを保持し、直立します。
- 両腕を側方に向かって開いていくと同時に、手首を「外旋」させます。
- 肩のあたりまで上げたところで「手のひらが前方を向く」角度になります。
- この手首の角度を維持したまま、頭上方向にさらに両腕を開いて上げていきます。
- 僧帽筋上部の収縮を感じながら動作を行います。
- その後、ゆっくりと元の位置までおろします。
僧帽筋を鍛える効果的な種目「ハイプル」
この種目は、主に「ウェイトリフティング」競技のトレーニングとして取り組まれることの多い、僧帽筋上部に効果的な種目。
床に置いたバーベルを勢いよく肩より上の位置まで持ち上げることで「肩甲骨上方回旋・肩関節外転」を引き起こすことで、主動筋となる「僧帽筋上部」を強烈に鍛えます。
動作に多少の難易度がある分、シュラッグよりもより「強烈な収縮動作・高重量を利用できる」ため、筋トレ中級者以上におすすめな種目。
【ハイプルのやり方】
- バーベルを床に置き、バーの前で肩幅程度の足幅で直立します。
- 膝を曲げて腰をおろし、肩幅よりも気持ち広めの手幅でバーを握ります。
- 背筋を伸ばし、顔を正面に向けた状態で立ち上がっていきます。
- 肘を伸ばしたまま、バーが太ももの位置にくるまで立ち上がります。
- 太もも上部あたりまでバーが来たら、勢いよく膝を伸ばしてバーをアゴのあたりまで挙上します。
- この際、肘を曲げながら持ち上げ、同時に肩をすくませることでバーを持ち上げます。
- 上記の一連動作を瞬発的な動作でスムーズに行います。
- その後、バーをおろします。
「僧帽筋」を鍛えるトレーニング効果を最大化するためのコツ!
上では、僧帽筋を効果的に鍛えられるトレーニング種目について解説しました。
ここでは、僧帽筋を鍛えるトレーニング効果をより高めることができるコツについて解説します!
僧帽筋トレの効果的なコツ①「筋トレ最初のトレーニングとして僧帽筋を鍛える」
もし、僧帽筋を最優先に強化していきたいのであれば、筋トレに取り組む最初のターゲットとして僧帽筋を鍛えるべき。
僧帽筋の筋トレといえば、どちらかというとトレーニングの後半に補助トレとして僧帽筋を鍛えることが多いかと思います。
多くの筋肉を同時に鍛えられる「デッドリフト・スクワット・ベンチプレス」といった種目に取り組むと、サブターゲットとして関与する僧帽筋に疲労が残りがち。
しかし、鍛える優先順位が高い僧帽筋から先に鍛えることで、疲労のない高いパフォーマンスを発揮できる状態で僧帽筋を鍛えることが可能です。
僧帽筋トレの効果的なコツ②「僧帽筋を鍛える日を増やす」
単純明快ですが、僧帽筋を優先的に鍛えてより早く発達させたいのであれば、僧帽筋を鍛える日を増やすというのもコツの一つ。
トレーニング頻度が多い分それだけ時間をかけてボリュームのあるトレーニングにより僧帽筋を鍛えられるため、成長の促進に効果が期待できます。
しかし、反対に多すぎるトレーニング日・トレーニングボリュームで鍛えすぎてしまうと逆効果になることもあるため、間を開けて多くても「週に3回程度」までとしましょう。
それ以上の頻度で取り組んでしまうと「オーバーワーク」となってしまい、筋トレ効果が落ちてしまうだけでなく、怪我の原因にもなりかねません。
僧帽筋トレの効果的なコツ③「広い可動域を意識して動作を行う」
僧帽筋を効果的に鍛えられる種目として解説した「シュラッグ・ローイング・ラットプルダウン・フェイスプル」といった種目に取り組む際に意識したいのが、
「広い可動域で動作を行う」ということ。扱う重量が重すぎたり、回数を重ねて疲労が溜まるとついつい可動域が狭くなりがち。
しかし、可動域が狭くなるとその分、僧帽筋の「収縮・伸展」が十分に引き起こされないため、筋トレ効果が弱まってしまいます。
筋トレ効果を高めたいのであれば、僧帽筋の収縮・伸展を十分に行うために、広い可動域を意識してダイナミックに動作することが大切です。
僧帽筋トレの効果的なコツ④「肩甲骨内転を含む種目では、肩甲骨を寄せることに集中!」
肩甲骨内転と言えば、左右の肩甲骨を中央に向かって寄せる動作のこと。この動作を含む種目は「ローイング種目・フェイスプル種目」です。
これらの種目に取り組む際に、筋トレ効果を高めるコツとして「可能な限り肩甲骨を寄せる」ということ。
肩甲骨内転が主動筋となる僧帽筋中部・下部を鍛えるためには、肩甲骨を内側に寄せて最大限収縮させてあげることが大切です。
また、この動作を行う際には肘を曲げる「肘関節屈曲」も関与しますが、腕の力で引くのではなく、あくまでも肩甲骨を寄せる力を意識して動作を行うようにしましょう。
僧帽筋トレの効果的なコツ⑤「ラットプルダウン系種目では、肩を上げないよう注意」
ラットプルダウンは、肩甲骨を下げながら寄せる動作「肩甲骨下方回旋」を含む種目であるため、動作を行う際は「肩を上げない」ことが大切。
ラットプルダウンでは、疲労の蓄積や使用重量が重すぎる場合などにおいて、動作中に肩が上がってしまいやすいということがあります。
力んで肩が上がってしまうと「肩甲骨挙上」が引き起こされてしまうため、僧帽筋中部・下部へ適切な負荷を加えられなくなってしまいます。
ラットプルダウンに取り組む際は、必ず肩を下げることを意識し、肩を下げながら肩甲骨を寄せる意識で動作を行うことがコツです。
僧帽筋トレの効果的なコツ⑥「動作スピードはゆっくりと行う」
脊柱起立筋をメインに鍛えたい場合、早いスピードで挙上動作を行うことは危険です。
例え軽い負荷であったとしても、早いスピードで動作を行うと一瞬に掛かる負荷が数倍となって腰に負担がかかるため、怪我の原因になりかねません。
また、早いスピードでの挙上では、対象筋である僧帽筋への負荷が抜けてしまいやすく「筋トレ効果が弱まりやすい」というデメリットもあります。
そのため、挙上動作はゆっくりと行い、僧帽筋への負荷を感じながら丁寧に取り組むことで、怪我のリスクを抑制しながら効果的に鍛えることが可能です。
僧帽筋トレの効果的なコツ⑦「ストレッチ・ウォーミングアップは入念に」
僧帽筋を鍛えるトレーニングに取り組む前に、ストレッチとウォーミングアップに取り組むことが大切。
ジムに来てすぐトレーニングに取り組んでしまうと、筋肉の柔軟性が低い状態のため「怪我のリスクが高まる」恐れがあります。
トレーニングに取り組む際必ず、入念なストレッチ・ウォーミングアップに取り組んで十分にカラダを温めてから取り組むようにしましょう。
また、トレーニング後にもストレッチを行うと、トレーニング後の「背中全体のハリの解消や筋肉痛の低減」にも効果的です。
「僧帽筋」の効果的なストレッチ法6選!
上では、僧帽筋を鍛えるトレーニング種目について解説しました。
ここでは、僧帽筋の柔軟性を高めてコリやハリを解消できるストレッチについて、解説します。
僧帽筋のストレッチ①「イヤー・トゥ・ショルダー」
このストレッチでは、首から肩の位置にかけて伸びる左右の「僧帽筋上部」のストレッチに効果的なやり方。
頭を傾けた側とは反対側の僧帽筋をストレッチできるため、左右交互にしっかりとストレッチを行うことで、僧帽筋をほぐします。
また、直立した姿勢でも簡単に取り組める上、必要となる特別な器具なども必要ないため、僧帽筋のストレッチとして最も代表的です。
【イヤー・トゥ・ショルダーのやり方】
- 右手を左側頭部に当て、右側に傾けていきます。
- 右耳を右肩に近づけるように傾けていきます。
- この際、左側の僧帽筋上部が引っ張られている感覚を感じましょう。
- この状態を15秒程度行い、反対側も同様に行います。
僧帽筋のストレッチ②「首前傾ストレッチ」
このストレッチは、両手を後頭部に当てた状態で首を前傾させていくことで、僧帽筋上部をメインにストレッチできるやり方。
上で解説した「イヤー・トゥ・ショルダー」と組み合わせて取り組むと僧帽筋上部全体を効果的にストレッチできるのでおすすめ。
一点ポイントとしては、首を前傾させる際に背中全体を丸めないよう意識することが大切。首の根本からだけ前傾させましょう。
【首前傾ストレッチのやり方】
- 両手を後頭部に当て、前方に向かって傾けていきます。
- アゴを首元に近づけるように傾けていきます。
- この際、後方側の僧帽筋上部が引っ張られている感覚を感じましょう。
- この状態を15秒程度行います。
僧帽筋のストレッチ③「コブラポーズ」
名前に「コブラ(ヘビ)」とあるように、床にうつ伏せの姿勢から頭から上半身だけを持ち上げて背中を反ることで、僧帽筋をストレッチします。
特に「僧帽筋中部・下部・脊柱起立筋」や、お腹前面に位置する「腹直筋」インナーマッスルである「腸腰筋」も同時に伸ばします。
また、脊柱(腰椎)の歪みの改善にも効果が期待できるため、背中の歪みに悩みのある方にもおすすめなストレッチ法です。
【コブラポーズのやり方】
- トレーニングマットやヨガマットなどを敷いた床にうつ伏せになります。
- 両手を胸の横で床につき、肘を伸ばしながら頭と上半身を持ち上げます。
- 自然に背中が反っていき、両脚は自然に伸ばしておきます。
- 頭を高く持ち上げる意識で、この姿勢を30秒程度キープしましょう。
僧帽筋のストレッチ④「キャット&キャメル」
このストレッチは、床に四つん這いになった姿勢で背中を「反る・丸める」といった動作を交互に繰り返すことで、僧帽筋をストレッチするやり方。
反る・丸めるの動作を交互に行うことで、僧帽筋と脊柱起立筋の「収縮・伸展」を作用させることで背中全体の可動性を高めていきます。
また、僧帽筋全体とお腹の前面に位置する「腹直筋」も同時に「収縮・伸展」させられるため「腰痛改善・予防」にも効果的です。
【キャット&キャメルのやり方】
- トレーニングマットやヨガマットを敷いた床に四つん這いになります。
- 背中をゆっくりと丸めるように上に向けて曲げていきます。
- その後、背中をゆっくりと深く反らせていきます。
- この動作を複数回取り組みます。
僧帽筋のストレッチ⑤「ワイドレッグ・フォワードフォールド」
このストレッチ法は「ヨガポーズ」にも含まれるやり方で、上背部・下背部ともに背中全体に効果のあるストレッチです。
両足を大きく開いた状態で上半身を大きく前傾させ、両腕をカラダ後方側に伸ばすことで、肩甲骨周辺の可動性を高めます。
前傾姿勢により下背部周辺をストレッチさせながら、後方側で両腕を伸ばすことで上背部(僧帽筋全体)をほぐします。
【ワイドレッグ・フォワードフォールドのやり方】
- 肩幅の2倍程度の足幅で直立します。
- 上半身をできるだけ深く前傾させていきます。
- この姿勢を維持したまま、両腕をカラダ後方側に伸ばして手を繋ぎます。
- 上半身の前傾と両腕を後方側へ伸ばした姿勢のまま、20秒程度キープします。
僧帽筋のストレッチ⑥「スパイナルストレッチ」
このストレッチは、僧帽筋を含む背中全体や脊柱を伸ばすストレッチとして、最も代表的なやり方の一つ。
床に座った状態で上半身を前傾させていくことで、僧帽筋上部・中部・下部と僧帽筋全体を伸ばしてストレッチします。
カラダの柔軟性が低くて硬い方という方でも比較的取り組みやすいため、取り組みはじめのストレッチとしておすすめです。
【スパイナルストレッチのやり方】
- トレーニングマットやヨガマットを敷いた床に座ります。
- 両脚は前方に伸ばしておき、上半身は床に対して垂直になるよう座ります。
- 両腕を前方に伸ばし、上半身を深く前傾させながら両腕も一緒に前方に伸ばします。
- できるだけ深く前傾させ、この30秒程度キープします。
「僧帽筋」トレーニングに取り組む際の注意点
①正しいフォームがなによりも大切!
すべてのエクササイズ・種目では基本的な動作フォームがなによりも大切です。正しいフォームをしっかりと身につけ、
体で覚えることで最も効率的に対象筋へ負荷を与えられます。間違ったフォームのままトレーニングを続けると対象筋以外の筋肉も使ってしまい、
適切な負荷が入らずいつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
②筋トレで一番注意しなければいけないことは「怪我」
それだけではなく関節・筋肉・腱を痛めてしまい怪我につながってしまいます。
1度怪我をすると、完治するまでその部位を鍛えることができなくなるのでその期間に筋肉を失ってしまう上、
他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果となってしまいます。
ここでまず覚えていただきたいのは「正しいフォームを覚えることが理想の肉体への一番の近道」であるということ。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない「脅威」だということです。
「僧帽筋」のトレーニングで利用したいアイテム2選
僧帽筋のトレーニングで利用したいアイテム①「トレーニングベルト」
トレーニングベルトとは、ジムでよくお腹にチャンピオンベルトのような大きなベルトを巻いてトレ―ニングを行っている方を見たことはありませんか?
トレーニングベルトとは、腰を保護しながら、より高い筋出力を発揮してくれるためのトレーニングギアです。お腹に巻くことで「腹圧」が高まることで腰の怪我から保護する効果を発揮します。
腰を保護するだけでなく、腹圧が高まることにより、筋出力も向上するため、より重い重量を扱うことができるようになります。
そのため、高重量トレーニングを行いたい方や、腰が弱いかたや、腰に不安を抱える方、はこのトレーニングベルトを有効活用していきましょう。
【関連記事】トレーニングベルトについてさらに詳しくはこちら♪
僧帽筋のトレーニングで利用したいアイテム②「パワーグリップ」
パワーグリップとは、「引く動作」を要するトレーニングの際に、握力のサポートに効果を発揮してくれるトレーニングギアの一つです。
パワーグリップを手首に通し、ベロの部分をバーべルに巻き付けてベロと一緒にバーべルを握ることで、少ない握力でも高重量のバーべルを保持し続けることが可能になります。
パワーグリップは、バーべルだけでなく、ダンベルやケーブルマシンにも活用することができ、基本的に引く動作を要するトレーニング種目全般に利用することができます。
パワーグリップについてより詳細な内容を知りたい方は、下にある記事も合わせて確認しましょう!
おわり
いかがでしたでしょうか?
今回は、僧帽筋の作用と概要・鍛えるメリット・トレーニング種目・ストレッチ法などについて解説しました。
僧帽筋を鍛えることは、ボディメイク上のメリットだけでなく「肩こり・腰痛」の改善と予防にも効果的。
さらに「猫背・姿勢改善」にも効果が期待できるため、僧帽筋を鍛えることは「私生活の質の向上」のも繋がっていきます。
僧帽筋を鍛えてより健康的でかっこいいカラダを手に入れていきましょう!
“No pain No gain”
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【バーベルの選び方】宅トレ・家トレ必須のおすすめバーベルセット紹介・シャフトの長さ・重さ設定・効果的なトレーニング種目21選!
AKI
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