デッドリフトの正しいフォームとやり方、効果と重量設定と腰を痛めないフォームを解説します。
逆三角形の男らしくたくましい広い背中、そんな背中を作るにはやっぱりデッドリフト!
背中の王道トレーニングとして一番有名な種目である「デッドリフト」は背中全体を鍛えることができる最も効率的であるトレーニングである反面、フォームが非常に難しい種目でもあります。
腰や背中を痛めてしまった経験がある方が多く、フォームが正しいのか自分ではわからない!という方は是非この記事を読んでデッドリフトを習得し、安全に効果的なトレーニングをしましょう!
今回はそんなデッドリフトの鍛えられる部位の解説、注意点、基本的なフォーム、やり方、コツ、ありがちな間違ったフォームの解説やバリエーションのご紹介までデッドリフトのすべてを完全解説します!
この記事の目次
デッドリフトが背中の筋肥大に効果的な理由とは?

デッドリフトは【BIG3】と呼ばれる、全身の筋肉を使用して行う3種類のトレーニングの内の一つです!
デッドリフト・スクワット・ベンチプレスこの3つの種目がBIG3です。この3種目でトレーニングをすることで全身を鍛えることができる非常に広い効果を持つトレーニング種目です。
3つの種目の中でもデッドリフトは特に背中の筋肉群への関与が大きく、背中全体に大きな負荷を与えることができるためこの種目をトレーニングメニューに入れている方は多いです。
デッドリフトと一言で表してもそのバリエーションは多く、効かせたい部位によってやり方や効かせ方を調整できるのも選ばれる魅力の一つと言えます。
【参考記事】スクワットとベンチプレスに関してはコチラ
僧帽筋(首から肩にかけての筋肉)

僧帽筋は首から肩にかけての筋肉で、前・後から見たときに背中の大きさを表現することができる部位です。
この僧帽筋を鍛えることで、なで肩解消やいかり肩解消に効果があります。この部位もデッドリフトで鍛えることが可能ですので是非とも効果的に鍛えていただきたい部位ですね!
ちなみに、この僧帽筋を鍛えることで逆三角形よりも美しいとされている、“ひし形”の背中を手に入れることができるためおすすめな部位になります。
Tシャツを着こなす上でも欠かすことのできない筋肉と言えるでしょう。
【参考記事】僧帽筋に効果のあるトレーニング
https://magazine.steadyjapan.com/parts/kata-kintore-katahaba-matome.html
広背筋(羽と呼ばれる筋肉)

広背筋は逆三角形の背中を作る上で一番重要視したい部位です!
腰の上あたりから肩の下あたりまであるこの広背筋は背中の逆三角形のシルエットを作るうえで一番重要な部位になります。
この広背筋の横への広がりが大きければ大きいほどウェストとの対比で逆三角形のシルエットにすることができるため背中の筋肉の王道部位と言えるでしょう。
【参考記事】広背筋に効果のあるトレーニング
脊柱起立背筋(背中の中央にある筋肉)

脊柱起立筋は腰から背骨に沿って首の下あたりまで縦に伸びている長い筋肉です。
下半身と上半身をつなぐこの筋肉は非常に大きな働きがあります。姿勢の維持や体幹の安定など四肢を自由自在に動かすために非常に重要で、様々なスポーツのパフォーマンス向上にも効果があるため鍛えることで得られる効果が高い筋肉です。
脊柱起立筋は複合筋で(棘筋・最長筋・腸助筋)の3つの部位をまとめて脊柱起立筋と呼ばれています。
この筋肉は身体を横から見たときの背中の厚みを表現できる部位で背中に“谷間”を作ることができる分厚い背中を作る上で欠かせない筋肉になります。
デッドリフトでも主にこの筋肉を鍛えることが可能です。
【参考記事】脊柱起立筋に効果のあるトレーニング
前腕筋と上腕二頭筋(腕)

デッドリフトで高重量のバーベルは前腕筋の出力によって保持するため前腕筋も鍛えることができ、握力の強化も可能です!
また上腕二頭筋も同様にバーベルをコントロールするために欠かせない筋肉なので、こちらも同時に鍛えることができます。
【参考記事】腕に効果のあるトレーニング
大臀筋(お尻の筋肉)

大臀筋はお尻の筋肉の一つで、お尻全体に広がる大きな筋肉です。その奥には中臀筋や小臀筋があります。
この部位を鍛えることでヒップアップの効果があり、お尻を大きく丸くすることが可能になります!また、下半身の瞬発的な運動(ジャンプや走り出しなど)もこの大臀筋が大きく関与するため様々なスポーツのパフォーマンス向上に重要な筋肉になります。
デッドリフトでもこの大臀筋の出力が大きく関与します。
【参考記事】大臀筋に効果のあるトレーニング
大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)

大腿四頭筋は太ももの前に位置する筋肉で、大腿四頭筋という名の通り(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋)と呼ばれる4つの筋肉で構成されている複合筋です。
大腿四頭筋を鍛えることで美しいレッグラインを表現することができます。前・横から見たときに四頭筋の発達した膨らみと細い膝関節との対比によって引き締まった健康的で美しい曲線美のある脚にすることができます。
デッドリフトでは下半身への関与も大きいため、大腿四頭筋も鍛えることが可能です。
【参考記事】大腿四頭筋に効果のあるトレーニング
ハムストリングス(太もも裏の筋肉)

ハムストリングスは(大腿二頭筋長頭、大腿二筋短頭、半膜様筋、半腱様筋)の4つの筋肉をまとめた総称です!
ハムストリングスはお尻の下から膝の裏あたりまで伸びている筋肉で、この部位を鍛えることによりお尻と太ももとの間をくっきりと表現することができ、引き締まった太ももとくっきりとした丸いお尻にすることができる下半身の美しさを表現する上で欠かせない筋肉です。
【参考記事】ハムストリングスに効果的トレーニング
デッドリフトのやり方
デッドリフトのやり方について解説していきます。
バーは体から離さず、地球を押す感じ
バーベルをボトムから挙上する際、バーベルを体から離れないようにスネ→膝→前太ももの順番でこすりながら挙上するイメージです。
両足で地球を押しこむような感覚が重要です!
前傾した上半身を直立させる
ボトムから膝あたりのハーフの位置までバーベルを挙上してからは前傾していた上半身を起こすようにして直立した状態にします。
フィニッシュ
後ろに引いていたお尻をバーベルに押し付けるようにして体を直立しそのまま同じようにバーベルを地面におろしていきます。

顔と顎の角度は常に胸の角度と同じ
ボトムからトップまでバーベルを挙上する際は顔の向きと角度は常に胸の角度と同じ角度を向くようにしてください。
首を上げすぎてしまうと首を痛めてしまったり、腹圧が抜けて出力の低下を招くこともあるので、まずは基本的動作として覚えておいてください。
デッドリフトの基本フォーム
足の位置
デッドリフトは足の位置、立ち位置が重要になります。自分の体に合った正しい立ち位置でデッドリフトをすることで重心のブレをなくし、最大出力を発揮し腰に過度な負担のかからない安全で質の高いトレーニングができます。
様々な足の位置、スタンスがありますが人それぞれ体格の差や骨格の差、筋力にの差や柔軟性の差によって相性はバラバラなので、一番自分が挙上しやすく出力しやすいスタンスを見つけることが重要になります。
デッドリフトのバリエーションによって足の位置は異なりますので自分の体と相性の良いスタンスをを確認しましょう。
ナロースタンス
一般的に肩幅と同じくらいの幅で立つスタンスをナロースタンスと言います。

ナロースタンスのデッドリフトは基本的なフォームとされており、他のデッドリフトのバリエーションのすべてに応用できる体の使い方の基本がすべてこのナロースタンスに含まれているため、まず最初はナロースタンスでのデッドリフトから始めることをおすすめします!
ナロースタンスの場合はバーベルに近づきすぎるとスネが詰まってしまい挙上しにくくなるため、3~5cm程離れた位置で立つことがおすすめです。しかし離れすぎると腰への負担が増してしまい怪我の原因になりますので、バーとの距離は注意が必要です。
つま先の角度について
つま先の角度はやや外側を向くあるいは真っすぐそろえる形が基本的な形となります。しかしあくまで基本的な形なため自分のやり易い角度で設定することが大切です!
自分のやり易い角度が分からない!という方は色々な角度を試してみてください。そうすると角度によって同じ重量でも挙げやすかったり、逆に挙げにくかったりという癖が出てくるはずです!
ワイドスタンス

ワイドスタンスはパワーリフティングの選手に多く採用されているスタンスで、通常のナロースタンスと比べるとバーベルを上下に動かす可動域が狭まり上体起こしの動作が小さく済むためより重い重量が扱えるというメリットがあります。
足幅は肩幅の1.5倍~2倍ほど大きく開きます。ナロースタンスとは反対にバーベルにスネが当たるくらい近くに立ちます。
ワイドスタンスはナロースタンスと比べて脚の関与が大きいため、内転筋や大臀筋といった部位を鍛えることができます。
ミドルスタンス
ミドルスタンスはワイドスタンスとナロースタンスの間の位置にあたります。
完全に自分との相性の話になってしますが、ミドルスタンスではナローとワイドのどちらの良さも活かせるスタンスです。
バーを握る位置について
デッドリフトには様々の幅の立ち位置・スタンスが存在するようにバーベルを握る位置にも様々な種類があります。
基本的な握る位置についてはだいたい肩幅と同じくらいの幅で握ります。デッドリフトのバリエーションによっては肩幅より短く握ったり、逆に肩幅より大きく握ったりします。それぞれ鍛えられる部位が異なるため確認していきましょう。
バーの握り方について
デッドリフトだけに限らず、バーベルを握るグリップにはいくつかの種類が存在します!
それぞれメリット・デメリットがあるので、自分に合ったグリップを見つけて効果的にトレーニングしていきましょう!
サムアラウンドグリップ

順手とも言いますが、手の甲を外側にして握る通常の握り方になります。
ジムでのトレーニーの間でもごく普通に見られる握り方です。
オルタネイトグリップ

オルタネート[alternate]“交互”という意味のあるオルタネイトグリップ。片方の手を逆手、もう片方の手を順手で握るグリップです。
このグリップの特徴はサムアラウンドグリップと比べるとより高重量を扱えるという点があります。サムアラウンドグリップだと人間の手首の構造上、バーを握っている手首が前に回転しようとする力が生まれ、これにより握る力の出力と持久力が低下してしまいます。
その反面オルタネイトグリップは順手で握っている方とは反対の手が逆手で握っていることにより、この前に回転しようとする力を相殺することが可能になるため、グリップ力が向上しより高重量を扱えやすくなります。
特にデッドリフト時によく見られるグリップです。
デメリットはサムアラウンドグリップと比べると左右のバランスが崩れやすくなるため、バーベルの安定性が失われやすいという点があります。
慣れてくると左右差はなくなりますが、初めのうちは慣れるために練習が必要になります。
サムレスグリップ

サム(親指)レス(外す)との名称通り親指を巻き付けず、他の指と同様に並べて握るグリップです。
デッドリフト時では主にパワーグリップやリストストラップを使用している前提でサムレスグリップを採用している方が多いです。
このグリップはデッドリフト以外でもプレス種目(押す動作)にも応用が可能で、例えばベンチプレスではウェイトが加わる位置が手首の内側(親指側)となることで手首全体でプレスすることができるため手首への負担が軽減されるというメリットがあります。
プル系やローイング系の引く種目ではサムアラウンドグリップと比べてより背中に効かせやすいという特徴があります。
上腕三頭筋の種目ではこのサムレスグリップの方が動作しやすく、前腕筋の疲労軽減にもつながるためおすすめです!
フックグリップ

フックグリップはオルタネイトと同等もしくは同等以上のグリップ力があるとされており、ウェイトリフターやパワーリフターの選手でも採用されている方が多いグリップです。とはいえ人それぞれ個人差がありますので、自分に合うグリップを探してみてください!
このグリップはセットアップの難易度が他のグリップと比べても難しいので初めのうちは練習が必要です。
親指を親指以外の指で覆うようにして握りこみます。これはパワーグリップやリストストラップと同じ原理です。
グリップ力が高い反面親指に大きな負担がかかるため、親指を怪我してしまう選手が少なくないようです。
呼吸法について
デッドリフトでは呼吸法が高重量を挙上するための大きなカギとなります。
呼吸法により大きな腹圧の力を利用して出力を向上させバーベルを挙上します。この腹圧は出力を高めてくれるだけでなく、腰の保護にもつながるため、是非とも習得したいテクニックになります。
この腹圧はデッドリフトだけでなく、ベンチプレスやスクワットでも同様に応用が可能です!
腹圧ってなに?!という方も多いと思いますので腹圧について詳しく解説していきます。
呼吸法を意識して“腹圧”を使う!

腹圧とは、横隔膜筋や数種類の筋肉を収縮させることで腹腔内の圧力を高め、体幹を安定させ筋肉の出力を高めること意味します。
妊婦さんが出産する際によく“ヒーヒーフー”と息をしながら、踏ん張りますよね。この呼吸をしてから踏ん張ることで腹圧をかけて赤ちゃんを外の世界に出してあげているわけです。
つまり、生命の誕生の瞬間にも腹圧を活用するほど、腹圧には大きな力があるということなんです!驚きですよね。
腹圧のかけ方は難易度が高く、正しく腹圧がかかっている状態なのか自分で把握することも初めのうちは困難なためしっかりと訓練することが大切です。
デッドリフトでの腹圧のかけ方は、バーを挙上する前に大きく息を吸い込み、お腹を膨らませて腹筋に力を入れ呼吸を止めたままバーを挙上し、バーをおろした後に吸い込んだ空気を吐きます。
動画などで動作を確認できない感覚的なテクニックのため、習得するには時間がかかりますが非常に大きな効果があるため是非とも練習して習得していただきたいテクニックになります。
背中は真っすぐに(ニュートラルスパイン)

デッドリフトをする上で非常に重要な背中の角度。ここではニュートラルスパインが重要になります。
ニュートラルスパインとは“正しい体のライン・正しい骨の位置”のことを指します。普通に真っすぐに立った状態がちょうどこのニュートラルスパインになります。
背中が丸まっていたり反りすぎている状態でトレーニングをしてしまうと大きな怪我につながる危険性がありますので、しっかり背中は“真っすぐ”の状態で動作できるよう意識しましょう。
デッドリフトの注意点
正しいフォームをなによりも重要視すること

デッドリフトは体の背面側の筋肉を全て鍛えることができるため、非常に効果的で効率的な種目であると同時に大きな負荷が体にかかります。
間違ったフォームのままデッドリフトでトレーニングをしてしまうと腰や背中を痛めてしまい、以後慢性的な腰痛を抱えることになりかねません!
一発で腰の怪我に繋がる可能性のある種目であるということを覚えておいてください。
そのため、まず基本的な正しいフォームを体でしっかり覚えてから使用重量を増やしていくようにしてください。
私自身もトレーニングを始めたばかりの初心者の頃に誤ったフォームのままデッドリフトでトレーニングをしてしまい、腰を怪我した経験があります。
腰を怪我してしまうとその他の部位のトレーニングは一切できなくなる上、日常生活に支障が出てしまいます。
デッドリフトでトレーニングするとき、動作するときも常に、“正しいフォーム”を念頭に入れて取り組むようにしてください。
デッドリフトのありがちな間違ったフォーム
バーが身体から離れてしまっている
バーが身体から離れると腰や背中に大きな負荷がかかるため怪我の原因になってしまいます。
必ずスネ→膝→前太ももの順にこするように挙上する癖をつけましょう。
背中が丸まっているor反りすぎている
背中が丸まっていたり、反りすぎていると背中と腰に過度な負荷がかかってしまい非常に危険です。必ず背中は真っすぐの状態を保ったまま動作するよう心がけてください。
引き上げる際腰が高すぎる
バーベルをボトムから挙上する際、腰の位置が高すぎてしまうとルーマニアンデッドリフトというハムストリングスが対象筋となる別の種目になってしまいます。
またこのフォームのまま高重量を扱ってしまうと腰や背中に過度な負荷が入ってしまうため、膝をしっかり曲げてバーベルに膝を近づけ、腰を落とすことが大切です。
背中の厚みを出す重量設定について
高重量低回数でしっかりと背中に負荷を与える!
デッドリフトは前述したとおり、使用する筋肉群が多いためそれだけ出力が大きくなり使用重量は必然的に重くなります。
使用する筋肉群が多い種目では軽い重量でトレーニングをすると対象筋以外の補助筋にも負荷が加わるため十分な負荷を対象筋に与えることができない可能性があります。
高重量低回数で追い込むことでメインターゲットとなる対象筋にしっかり負荷を与えることが可能になります。
筋肥大に効果的なセット数について
最低でも5セット以上!8セット以下!
効果的な種目があるように、重量設定・回数・セット数にも同様に効果的なやり方が存在します。
よく一般的な筋トレの知識で最低3セットという言葉を耳にしたことがあるかとは思いますが、これでは結果の出るレベルまで十分に鍛えこむことが難しいです。
そのため理想は最低でも5セット以上8セット未満です!
このセット数をデッドリフトでトレーニングすることで十分に背中を鍛えることが可能になります!
【参考記事】筋肥大を目指す人向けのプロテインとサプリメント
他にもある筋肥大に効果的なデッドリフトのバリエーション
デッドリフトには様々なバリエーションが存在します。
それぞれ特徴・特性は異なるのでしっかり理解して効果的なトレーニングをしていきましょう!
スモウデッドリフト(ワイドスタンスデッドリフト)
ルーマニアンデッドリフト
ルーマニアンデッドリフトは元々ルーマニア出身のウェイトリフティングのチャンピオンが自身のトレーニングにとりいれていたことからその名がつきました。
ルーマニアンデッドリフトの特徴は膝を伸ばし気味(完全に伸ばしきらない)状態で腰の位置を動かさずに上半身を前傾させて動作します。
この動作によりメインターゲットとなるハムストリングがストレッチされ大きな負荷を与えることが可能になります。
サブターゲットに脊柱起立筋も同時に鍛えることができます。
ダンベルデッドリフト
ダンベルデッドリフトの特徴はダンベルはそれぞれのウェイトが独立している分バーベルで行うデッドリフトに比べてより収縮を聞かせることができる点です。
バーベルに比べて高重量は扱えませんが、バーベルに比べてより収縮できるため異なる刺激を与えることが可能になります。
スナッチグリップデッドリフト
スナッチグリップデッドリフトでは通常のデッドリフトに比べ、上腕が体幹から離れているため、肩・肩甲骨回りの可動域が広くなります。
また肩・肩甲骨の内転も加わるため背部全体のより広い筋肉群に刺激を与えることができます。
デッドリフトを行う前・後のストレッチについて
デッドリフトは前述にもありますが腰や背中への負荷が大きいため、必ず入念なストレッチをしてからトレーニングすることを心がけて下さい。
背中や腰のストレッチをすることで柔軟性が向上し、出力向上や可動域も広がるため全体的なパフォーマンス向上につながり、体が温まることで血流がよくなり怪我のリスクも軽減させることができます。
トレーニング後も同様にしっかりとストレッチすることが重要です。トレーニング後は筋肉疲労や疲労物質が身体に蓄積し筋肉が緊張することで張りも出てきます。このため入念なストレッチで筋肉の緊張をほぐし、筋肉をOFFの状態に戻すことで後々の筋肉痛軽減や怪我の予防やパフォーマンス低下を防ぐことができます。
ストレッチポールでセルフマッサージをしてさらなるパフォーマンス向上へ
ストレッチポールとは長い筒状のクッションで、これを使用することでセルフマッサージをすることが可能になります。
通常のストレッチだけではほぐせない体のコリや張りをより効果的に解消することができます。背中や腰に使用すれば柔軟性もより向上するため、私もBIG3トレーニング前と後には必ずストレッチポールを使用しています。
【参考記事】フォームローラーについてさらに詳しく解説
デッドリフトでおすすめなトレーニングギア
パワーベルト
デッドリフトでは腰に大きな負荷がかかるため腰を保護してくれるパワーベルトは必須のアイテムになります!
パワーベルトは腰の保護だけでなく、腹圧を高めてくれるサポート力があるためベルトなしでの使用重量と比べてより重い重量を扱えるというメリットもあります。
パワーベルトはデッドリフトだけでなくBIG3(デッドリフト・スクワット・ベンチプレス)種目においても上記と同様の効果があります!
全ての筋トレ種目は必ず腰に負荷がかかるので、ぜひとも用意していただきたいギアです!
【参考記事】トレーニングベルト(パワーベルト)についてさらに詳しく解説
パワーグリップ
パワーグリップとは、握力をサポートしてくれるギアです。デッドリフトでは高重量になればなるほど素手のままバーベルを握り持つことが困難になります。
前腕筋はデッドリフトの対象筋である背中の筋肉と比べると小さいためその分出力も弱くなります。しかし背中の筋肉は大きく出力も大きいため高重量でない追い込み切れない場合があり、高重量のバーベルを素手で握り続けるには限界があります。
そのためパワーグリップを使用することで少ない握力でもしっかりと高重量のバーベルを握ぎり続けることが可能になります。
パワーグリップはデッドリフトだけでなくプル系種目(引っ張る種目)やローイング種目(引く種目)全般に使用することができるため、こちらのギアも用意していただくとトレーニングの質を向上させることができるうようになります。
ラットプルダウン・ダンベルローイング・ベントオーバーロー・ローイングマシンなどの背中の種目はすべて引く動作のためパワーグリップはおすすです!
リストストラップ

リストストラップは主に革製の細長いベルトのような形をしていてバーベルに巻き付けて使用します。
パワーグリップと同じ効果ですが、リストストラップの方が耐久性が高く超高重量でも壊れにくいです。その反面バーベルにストラップを巻き付けなければいけないため、セットアップに時間がかかるのと慣れるまではうまく使えないというデメリットがあります。
パワーグリップは容易に使用できるが140kg以上では壊れる危険性があり、リストラップは200kgでも安全に使用できるがセットアップに時間がかかる上慣れが必要ですので、まずは試してみて自分と相性の良いギアを選ぶことが大切です!
【参考記事】パワーグリップについてさらに詳しく解説
シューズ
通常の運動用シューズだと、アウトソールに衝撃吸収材のクッションが使われているものが多く、デッドリフトでは100kg以上の重量になるとこのクッションが沈み込んでしまい体幹の安定がなくなってしまったり、足首や膝に捻じれるように負荷が入ってしまうため怪我の原因になってしまいます。
ウェイトトレーニングでは必ず底が薄く硬いシューズを履いていただくか、裸足でトレーニングすることがおすすめです。※ジムでは裸足でのトレーニングを禁止されている店舗もあるため要注意。
また、デッドリフトやスクワットでは“踏圧”(足の指や足裏全体を使って地面を掴むこと)が体幹の安定や出力向上に影響するため、可能な限り素足に近い感覚のシューズを選ぶことをおすすめします。
【参考記事】リフティングシューズについてさらに詳しく解説
まとめ
いかがでしたでしょうか? デッドリフトは単純な動作に見えて実に奥の深い種目です。
何度も記載していますが“正しいフォーム”がなによりも大切です。正しいフォームでトレーニングができれば求める結果は必ず出ます。その上安全に怪我なくトレーニングを続けることができます。
ジムでのトレーニングでは周りの方の目を気にしてついつい高重量を扱いがちですが、自分に見合った使用重量でトレーニングをすることが賢明です。
ウェイトの重さに違いがあるのは当たり前の話ではありますが意味があります。高重量を使用してもその数字通りの重量を負荷として与えられなければ扱う意味がないんです。
なんのために筋トレをしているのか?なぜこの種目で筋トレをしているのか?なんのためにこの重量と回数設定にしているのか?
常に目的意識をもってトレーニングをしましょう!
そうすればきっと、あなたは理想の肉体を手に入れ、理想の人生も手に入れることができると思います。
他にもある!背中に効果的なトレーニング

AKI

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