この記事では背中の筋トレメニュー、背中を鍛える際のポイントや注意点などを紹介していきます。
ウエストとお腹が引き締まった「逆三角形」のスタイルは男女問わず憧れの体型ですよね。筋力トレーニングをしている方の中にはこの逆三角形スタイル手に入れたくてトレーニングを行っている方も多いでしょう。
この逆三角形スタイルを作るために欠かせない筋肉が背中の筋肉、総称して「背筋」と呼ばれる部分の筋肉です。背中を広くすることでウエストが引き締まったように見えるためですね。
この記事ではそんな背中のトレーニングについて王道のメニューやトレーニングを行う際の注意点などを紹介します。背中を鍛えて見栄えのする逆三角形体型を作りましょう!
この記事の目次
背筋トレーニングで鍛えられる部位は?
背筋トレーニングで鍛えられる部位①広背筋
では背中のトレーニングで鍛えられる部位を紹介していきましょう。まずは名称を聞いたことのある人も多いのではないかと思う「広背筋」です。
広背筋は縦は骨盤から胸椎、横は上腕骨にまで伸びる筋肉で、人間の筋肉の中でもかなり広い面積を持っている筋肉になります。上腕骨に繋がっているため大きくすれば脇の下が盛り上がった様に見えやすく、逆三角形を作るには必須の筋肉と言えるでしょう。
広背筋は、日常生活においては主に「物を引く」動作に影響する筋肉であるため、引っ越しなど高重量の荷物を運ぶ職業や柔道やレスリングなど格闘技の選手にとっては鍛えるメリットが大きいですね。
背筋トレーニングで鍛えられる部位②僧帽筋
僧帽筋は広背筋と比べて上、胸椎から首、肩の後方を通って後頭部に付着している部位になります。
こちらも面積が大きく、鍛えれば肩の首に近い部分が盛り上がり、また背中上部の面積も大きくなるためこちらも美しい体を作るのであればトレーニング必須の部位ですね。
また僧帽筋は肩、首に直接くっついている筋肉であり、肩甲骨の働きにも強い影響があります。そのため鍛えると首こりや肩こり、猫背の解消など見た目以外のトレーニングメリットもある筋肉と言えます。
背筋トレーニングで鍛えられる部位③脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
脊柱起立筋は厳密に言うと最長筋、棘筋、腸肋筋という3つの筋肉から構成されている部位で、背骨に沿うような形をしている細長い筋肉群です。
背骨に近い体幹部位のため寝る、起きる、姿勢を保持するなど日常生活のありとあらゆる状況で使用します。そのため僧帽筋と同様に肩こりを予防したり、猫背の解消や姿勢を良くしたりなど鍛えることによって得られるメリットは大きいです。
背中トレーニングのメニュー10選
広背筋に効く筋トレメニュー
広背筋に効く筋トレメニュー①チンニング
では背中をトレーニングするための王道メニューを紹介していきます。
まずは広背筋に効果の高い「チンニング」です。
チンニングとは身長より高く設定されたバーや鉄棒にぶら下がり広背筋の力を使ってアップダウンを繰り返す種目、つまり広義の意味では「懸垂」のことになりますね。
【チンニングのやり方】
- 肩幅より広い位置に手を置きバーを握る
- 胸をバーに近づけながら(胸を張る)肩甲骨をギュッ寄せるようなイメージで体を持ち上げる
- ゆっくり体を下ろす
- 2~3を10回程度繰り返す
広背筋を鍛え始めたばかりの人の中には10回もできない人もいるでしょうが、その場合はできる回数を限界まで行ってください。
なお、チンニングには手の甲を自分に向ける「順手」と反対側に向ける「逆手」があり、どちらの持ち方でも広背筋に効きますが、逆手は上腕二頭筋も使うのでより広背筋への純粋な効果を期待するのであれば順手で行った方がいいでしょう。
またこれはこの後に紹介するメニューすべてに言えることですが背筋は超回復が起こり、筋肉が修復されるまで72時間ほどが必要なため背中のトレーニングは3日、最低でも2日ほど間隔を空けて行いましょう。
チンニングの詳しい情報は↓の記事をご参考下さい。
広背筋に効く筋トレメニュー②ワンハンドローイング
ワンハンドローイングはダンベルを使って行う背中のトレーニングです。広背筋がメインになりますが、僧帽筋も少し鍛えることが可能。
【ワンハンドローイングのやり方】
- ベンチに同じ側の片足と片腕を乗せる
- 骨盤を前傾させるような姿勢をとる
- 肩甲骨を寄せるようなイメージでダンベルを持ち上げる
- ゆっくりとダンベルを下ろす
- 3~4繰り返し、回数は10回×3セットが目安
ワンハンドローイングは正しいフォームで行わないと腕の方に負荷が逃げてしまい、広背筋に効きにくくなります。そのため肩を下げる、脇を締める、腕ではなく肩甲骨を動かすイメージで行う、というのがコツになります。
重量は10回で丁度限界を迎えるような設定にしましょう。
広背筋に効く筋トレメニュー③シーテッド・ケーブルロウ
シーテッド・ケーブルロウはケーブルマシンやローイングマシンを使って行うトレーニングです。広背筋がメインですが、腕や僧帽筋も鍛えることができます。
【シーテッド・ケーブルロウのやり方】
- マシンに座ってパッドが胸に当たるように、ハンドルに手が届くようにシートを調整する
- 肩甲骨を寄せるようにケーブルを体の位置まで引く
- ゆっくり戻す
- 2~3を繰り返す、筋肥大なら6回~12回を目安に
しっかりと広背筋に効かせるため骨盤の前傾をキープする意識、肩甲骨を動かす意識を持つといいでしょう。
ちなみに強度は下がりますがチューブでも同じようなトレーニングができます。↓を参照ください。
広背筋に効く筋トレメニュー④ラットプルダウン
ラットプルダウンはラットプルマシンを使って行う広背筋の代表的なマシントレーニングです。
【ラットプルダウンのやり方】
- パッドが足に当たった時、膝の角度が90度になるように調節する
- 肩幅より広い位置でバーを握る
- 背中を反らせてバーを胸元まで下げる
- ゆっくりと戻す
- 2~5を繰り返す、目安は10回×3セット
重量に関しては初心者だと体重の半分くらいを目安にやってみるといいでしょう。上がらないようであれば徐々に下げていきます。
自重で行うチンニングと違ってマシンで行う種目なので細かい重量設定が可能になっています。
ラットプルダウンも上記の広背筋メニューと同じく、腕ではなく背中及び肩甲骨に効かせる意識で行うといいですね。
僧帽筋に効く筋トレメニュー
僧帽筋に効く筋トレメニュー①ショルダーシュラッグ
ショルダーシュラッグはダンベルやバーベルを使って行う僧帽筋がメインターゲットの筋トレです。
【ショルダーシュラッグのやり方】
- 肩幅くらいに足を開き、バーベル(ダンベル)を持つ
- 肩をすくめるようにしてバーベル(ダンベル)を上げる
- ゆっくり元に戻す
- 2~3を繰り返す、回数は10回~20回を目安
ショルダーシュラッグは比較的重めの重量でも意外とできる種目なので重量は重めで構いません。ただし腕を使わず肩だけで上げられる重量を選ぶのがコツです。
僧帽筋に効く筋トレメニュー②ベントオーバーロウ
ベントオーバーロウは僧帽筋の他に広背筋、大円筋、三角筋後部など様々な部位に効くトレーニングです。
【ベントオーバーロウのやり方】
- 骨盤を前傾させ、ゴリラの立ち姿のようなスタイルを作る
- 下腹部方向に向かってバーベル(ダンベル)を引き上げる
- ゆっくり戻す
- 2~3を繰り返す
腕ではなくしっかり背中に効かせるには顔は前を向く、脇を締める、肩甲骨を動かす意識などが必要になります。
比較的重い重量でも扱えるため最初から20kg~25kgの重さでトレーニングしてもいいでしょう。
ベントオーバーロウの詳細なやり方は↓をご参考下さい。
僧帽筋に効く筋トレメニュー③アップライトロウ
アップライトロウは三角筋のトレーニングですが、肩に近い僧帽筋にも刺激が入ります。ベントオーバーロウよりも比較的上部の僧帽筋を鍛えることができます。
【アップライトロウのやり方】
- バーベルのグリップを近め(こぶし2個分くらい)に握る
- 腕ではなく肘からバーベルを肩より上に上げる
- ゆっくり下げる
- 2~3を繰り返す、10回×3セットが目安
アップライトロウの重量は1セット10回ができるくらいが目安ですね。
また上記の通り三角筋もトレーニングできる種目ですが、より僧帽筋に効かせたい場合は体に近い位置でバーベルを上げ下げするといいです。
なお2つのダンベルで行うダンベルアップライトロウという種目もあります。
脊柱起立筋に効く筋トレメニュー
脊柱起立筋に効く筋トレメニュー①バックエクステンション
バックエクステンションは主に脊柱起立筋群に効く背筋トレーニングです。
【バックエクステンションのやり方】
- うつ伏せになって頭の上に手を上げる
- 背中を反る(このとき足も若干上げる)
- 体を戻す
- 2~3を繰り返す
バックエクステンションは「自重トレーニング」に当たる比較的軽めのトレーニングなので回数は15回×3セットくらいを意識するといいでしょう。
それでも足りない場合は手にダンベルやバーベルプレートなど重りを持ってやるのも一つの手です。
脊柱起立筋に効く筋トレメニュー②デッドリフト
デッドリフトは脊柱起立筋の他、広背筋や僧帽筋、太もも、大殿筋など様々な個所に効くコンパウンド(複合関節)種目になります。
【デッドリフトのやり方】
- 骨盤の前傾を作り、上体も45°くらい前傾させ、お尻を突き出す
- バーベルを握り引き上げる
- 膝くらいまで来たら股関節とお尻の動きを意識してさらに膝が伸び切る程度まで上げる
- ゆっくり下ろす(このときお尻を突き出す動作をイメージし膝すれすれを通すようにやると背中に効果的)
- 2~4を繰り返す、回数は8~12回×3セットが目安
デッドリフトは上記した通り複数の筋肉を鍛えられる種目であるため扱える重量が比較的大きいです。初心者でも少し慣れれば自分の体重くらいの重さは上げられるようになります。
またバーベルではなくダンベルを使った場合バーベルに比べて重量は落ちてしまいがちですが、その分肩の可動域を広げてトレーニングできるのでダンベルでも十分に効果があります。
動きが複雑で効かせるのが難しい種目デッドリフトの詳細なやり方は↓をご参考下さい。
脊柱起立筋に効く筋トレメニュー③スクワット
スクワットは下半身のトレーニングというイメージがありますよね。実際そうなのですが、実はスクワットは脊柱起立筋にも刺激が入ります。
【スクワットのやり方】
- ダンベルを左右に持つ、バーベルの場合は首の後ろやや下に乗せる
- 胸を張って前を見る、背中も反らせる
- 太ももを水平になるまで落とす
- 太ももの筋肉と背中の筋肉を使って伸びあがる
- 2~3を繰り返す、10回~15回×2、3セットが目安
重量は10回連続でできるくらいがいいですが、フォームを覚えてないうちに重い重量を扱うと膝や腰の怪我を招くので最初は軽めでフォームを覚えるのもいいですね。
ちなみにこのスクワットと上記で扱ったデッドリフトはベンチプレスと並んで筋トレBIG3と呼ばれている重要なトレーニングです。
スクワットについて↓もご参考下さい。
背中トレーニングを行うタイミングと順番
多関節・体力を使うメニューを優先
ここまで背中の筋トレメニューを紹介してきましたが、背筋は行うトレーニングの順番も重要です。
一般的に筋トレは多関節を使うコンパウンド種目や大きい筋肉を鍛えるトレーニングを先に行うのがいいとされています。
というのも例えば上記の種目ではデッドリフトがコンパウンド種目ですが、デッドリフトは太もも、お尻、背中などたくさんの筋肉を使うためトレーニング終盤に行った場合、筋肉が疲れて力が入らない可能性があるからです。
したがってデッドリフトやベントオーバーロウなどコンパウンド種目を先に行い、後の方でワンハンドローイングなどピンポイントな個所に効くトレーニングをやるのがいいですね。
軽い重量での追い込みも重要
筋トレにより筋肉がもうほとんど動かない限界状態になった後、さらにトレーニングを続けることで効果を高めることを追い込みと言います。
これは筋肥大効果がとても高いのですが、そのときの筋肉の限界を超えて重りを上げるトレーニング法ですので、補助してくれる人がいないとダンベルやバーベルを落とす可能性があり、危険もあります。何より初心者の場合肉離れや関節痛など怪我を引き起こしてしまうこともありますね。
そのため初心者で、かつ追い込みをやりたい場合は普段トレーニングしている重さより1段階、2段階ほど下げた重量で回数を多くして行うといいでしょう。具体的には普段10回で限界くらいの重量でやっているならば15回~20回できる重量にするということです。
仮に追い込みすぎてしまった場合の症状と対策は↓をご参考下さい。
背中トレーニングを行う際のポイント・注意点
怪我防止のためストレッチを行う
背筋のトレーニングはその性質上他のトレーニングに比べ、腰を痛めやすいです。
腰を痛めると背筋はおろか他の部位の筋トレもできなくなってしまいますので、トレーニング前にしっかり広背筋や僧帽筋に近い首をストレッチしておきたいですね。
できるだけ他の部位の力を使わない
また背中のトレーニングは多関節トレーニングであるコンパウンド種目が多いため、しっかりフォームを覚えてからトレーニングに臨まないと刺激が腕や三角筋などに流れてしまいやすいです。背中は筋肉の動きを見ながらトレーニングできないですしね。
それでは中々背中を鍛えられないので、上記のメニュー紹介にある「なるべく腕の力を使わない」、「骨盤を前傾させる」など背中に効率よく効かせる意識を覚えるまでは、極めて軽い重量でフォームを習得する練習をしてもいいですね。
背筋トレーニングにおすすめのマシン
背中のトレーニングにおいてチンニングは非常に重要ですが、ジムにいかないと中々できません。
そこで高さを変えられるタイプの懸垂マシンを自宅に持っておくといいでしょう。チンニング以外にもディップス、レッグレイズなどあらゆるトレーニングに応用できるタイプのものがおすすめです。
他にも自宅で背筋をトレーニングできるアイテムはたくさんあるので↓をご参考下さい。
【バーベルの選び方】宅トレ・家トレ必須のおすすめバーベルセット紹介・シャフトの長さ・重さ設定・効果的なトレーニング種目21選!
まとめ
この記事では背筋のトレーニングや注意点などについて紹介してきました。
背筋は鍛えると背中が広くなり、脇の下や肩が盛り上がるので引き締まった逆三角形ボディを作るためには必須のトレーニング個所だと言えます。
また見た目だけでなく姿勢の矯正や体幹部の強度など日常生活でも様々なメリットがあるので、これを機会に背中のトレーニングを始めてみてはいかかでしょうか。
ilohas834
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