逆三角形のかっこいい背中は、筋トレに取り組む多くの男性にとって憧れのボディでしょう。
Vシェイプの広い背中を作るために鍛える必要がある部位といえば「広背筋」。
この広背筋を鍛える種目では「ラットプルダウン」が非常に有名な種目です。
しかし、ラットプルダウンの他にも、広背筋はもちろん僧帽筋・三角筋後部・大円筋といった背中の筋肉群を効率的に鍛えることができる種目がありますよ。
その種目こそ、ワンハンドロウイングです。
ワンハンドロウイングはVシェイプの広がりを背中に作ることの他、背中の厚みを出すのにも最高のトレーニング。
今回は、ワンハンドロウイングの基本的なやり方・バリエーション種目・効果的なコツ・重量設定・角度設定などについて解説します!
この記事の目次
ワンハンドロウイングの基礎知識
ワンハンドロウイングは別名「ワンアームロウイング」とも呼ばれる、背筋群を鍛えられる種目です。
最も一般的なワンハンドロウイングではトレーニングベンチとダンベルの2つを利用して行います。
トレーニングベンチの上に片手・片膝を乗せ、反対側の手でダンベルを持ち、上半身を床と平行に近い角度で前傾させた姿勢のまま、体後方にダンベルを引き上げる動きですね。
これに含まれる関節動作には、肩を前後に動かす「肩関節伸展」・肘を曲げる「肘関節屈曲」・肩甲骨を寄せる「肩甲骨内転」があります。
そのため、これらの関節動作の主動筋となる広背筋をメインに、三角筋後部・大円筋・僧帽筋中部と下部を同時に鍛えることが可能なのです。
また、肘関節屈曲動作に関与する「上腕二頭筋」も鍛えますよ。
ワンハンドロウイングのバリエーション種目によっては、トレーニングベンチを利用せず、ダンベルだけで取り組める種目も!
背中を鍛えるトレーニングとして人気と定評があります。
ワンハンドロウイングは筋トレ初心者からおすすめ!
背筋群を鍛える「デッドリフト」「ベントオーバーロウ」といった代表的な種目は、適切な動作で効果的に効かせるにはかなりのテクニックが必要です。
多くは難易度が高く、相当の練習・技術がないと、効果的に鍛えられません。
また、それだけでなく動作の特性上腰に大きな負担がかかるため、腰を痛める原因にもなりやすい種目なのです。
そのため、筋トレ初心者が「デッドリフト」や「ベントオーバーロウ」といった種目にいきなり取り組むことはおすすめしません。
腰痛やぎっくり腰引き起こし、完治までの間トレーニングに取り組めないといった事態になりかねないからですね。
その点、ワンハンドロウイングは、トレーニングベンチを利用することで腰への負担を軽減させられます。
また、動作自体も比較的簡単な動きであるため、筋トレレベルに関係なく、初心者から上級者までおすすめな種目です。
ワンハンドロウイングとその他のロウイング系種目との違い
背筋群を鍛える代表的なロウイング系種目では、バーベル・ベントオーバーロウイングやロウイングマシンといった種目が存在します。
これらの種目とワンハンドロウイングの違いについて、特徴も含めて解説していきましょう。
ワンハンドロウイングの特徴①腰への負担が少ない
ワンハンドロウイングでは、片手にウェイトを保持して片側ずつ鍛えていきます。
そのため、ダンベルを保持していない側の腕を、上半身の前傾姿勢のサポートとして利用可能です。
つまり、100%腰や背筋で支える必要がなく、結果的に腰への負担を軽減させたトレーニングができるのですね。
また同じく両腕ずつ取り組むベントオーバーロウイングでは、両手のウェイトと上半身の体重のすべてを腰と背筋で支えなくてはなりません。
やはり腰への負担が大きく、腰を痛めやすいという特徴があります。
もし腰に不安があるなら、ワンハンドロウイングは特におすすめです。
ワンハンドロウイングの特徴②高重量の負荷を利用できる
ワンハンドロウイングでは、上半身の前傾姿勢を腰・背筋・ベンチを持つ手で維持できます。
そのため、両手にウェイトを持つベントオーバーロウイングと比べ、より重い重量でのトレーニングが可能です。
つまり、高重量による強烈な負荷を広背筋に加えることで筋トレ効果をより高められるのですね。
背筋群の主要な筋肉は体積が大きい分、高重量の負荷を与えることが効果的に鍛えるコツ。
背中を効果的に嫌えられるという点で、ワンハンドロウイングは非常におすすめです。
ワンハンドロウイングの特徴③より広い可動域を意識したトレーニングが可能
3つ目は「より広い可動域を意識した動作が可能」であるという特徴です。
ワンハンドローイングでは片側ずつ動作をしていくため、より広い可動域を利用できます。
つまり、筋トレ効果を最大化できるのですね。
より広い可動域をより重い重量による負荷で鍛えられるのが、最大の特徴と言えるでしょう。
ワンハンドロウイングの基本的なやり方
ワンハンドロウイングにはいくつかのバリエーション・やり方が存在しますが、ここでは最も一般的なやり方について解説します。
【やり方】
- トレーニングベンチの端にダンベル1つを置いておく
- ベンチに片手と片膝を乗せ、上半身を床と平行になる角度で前傾させる(ベンチに乗せる片膝は90度に曲げて膝をシート上に乗せる)
- ベンチに乗せていない側の反対の片手でダンベルを持つ
- 胸を軽く張り、背中は常にまっすぐに伸ばす
- これでセットアップ完了
- 次に、肩甲骨を寄せる動きでダンベルを体後方に向かって引き上げていく
- 腕の力ではなく、広背筋の力によってダンベルを引き上げる意識で行う
- 広背筋の収縮を感じたら、ゆっくりと広背筋の力を入れたままおろしていく
- 上記の動作を繰り返し行う
ワンハンドロウイングのバリエーション種目9選!
では、ワンハンドロウイングのバリエーション種目について解説します。
それぞれのバリエーションの違いを理解することで、より効果的なトレーニングに取り組んでいきましょう。
バリエーション①スタンディング・ワンハンドロウイング
ワンハンド・ダンベルロウイングは、通常トレーニングベンチを利用して取り組む方法が一般的。
しかし、このスタンディング・ワンハンド・ロウイングでは、直立に近い姿勢で行います。
そのため、トレーニングベンチを利用できない状況や、家トレでトレーニングベンチがない場合でも取り組めますよ。
直立した状態で上半身を前傾させた角度で行うため、より広い可動域を活かせるようになるのです。
結果的に、広背筋を最大伸展できます。
【やり方】
- お腹の位置程度の高さのあるベンチ・台・ダンベルラックなどを利用する
- 適切な重量のダンベルを片手で持ち、肩幅程度の足幅で直立する
- ダンベルを持っていない手で、高さのある台を掴んで安定させる
- このとき、上半身は軽く前傾姿勢になるようにする
- 肩甲骨を寄せる動作でダンベルを引き、その後おろしていく
- 広背筋のストレッチ(伸展)を十分に行う
バリエーション②ベントオーバー・ダンベルロウイング
ベントオーバー・ダンベルロウイングは、トレーニングベンチを利用せず、直立した状態から上半身を前傾させた姿勢で行います。
トレーニングベンチが不要でダンベル1セットさえあれば取り組めるため、家トレでもおすすめです。
動画では2個のダンベルを利用していますが、1個のダンベルを使ってワンハンド・ベント―バーロウイングにもできますよ。
ただし、難易度は高い種目です。
トレーニングベンチを利用しない分、体の前傾姿勢を自分で作り、維持しながら動く必要があるためですね。
そのため、筋トレ初心者の方にはおすすめしません。
【やり方】
- 適切な重量のダンベルを両手にそれぞれ持って直立する
- 上半身を45度程度に前傾し、両腕は地面に伸ばしておく
- この姿勢を維持したまま、ダンベルを体後方に引き寄せていく
- 背筋の収縮を感じたら、ゆっくりとダンベルをおろしていく
- 背筋のストレッチ(伸展)を感じるまでしっかりとおろす
バリエーション③インクラインベンチ・ダンベルロウイング
この種目では、インクラインの角度(30~45度程度)に調整したアジャスタブルベンチまたは、インクラインベンチを利用して行います。
特徴は、インクラインベンチにうつ伏せになることで上半身の前傾姿勢を作ることができるため、より適切な動作を行いやすいということ。
ベントオーバーロウイングで効かせることが困難な方は、このインクラインベンチ・ダンベルロウイングに取り組むことをおすすめします。
【やり方】
- アジャスタブルベンチをインクラインの角度(30~45度程度)に調整する
- ベンチにうつ伏せになり、両手にそれぞれ適切な重量のダンベルを持つ
- 肩甲骨を寄せる動きによって、ダンベルを体後方に向かって引き上げていく
- 背筋の収縮を感じたら、肩甲骨を開きながらダンベルをおろしていく
バリエーション④ワンアーム・ベントオーバーロウイング
前述した「ベントオーバー・ダンベルロウイング」を片手ずつ行うバリエーション種目です。
この種目も、トレーニングベンチを利用せずに、ダンベルさえあれば取り組めますよ。
ダンベルを持っていない側の手を膝へ当てることにより、上半身の前傾姿勢を支えながら取り組めるため、腰への負担が少ないのが特徴です。
また、片方ずつ広背筋へ集中したトレーニングが可能になるため、ターゲットの部位を絞ることで質の高い刺激を加えていけます。
【やり方】
- ダンベルを一つを片手で持ち、上半身を45度程度に前傾させる
- ダンベルを持っていない側の手は、膝に当てることで安定させる
- この姿勢を維持したまま、ダンベルロウイング動作を行う
- ダンベルを持つ側の広背筋を意識して動く
バリエーション⑤ウォール・ワンハンドロウイング
この種目は、壁(ウォール)に手をついて行うワンハンドロウイングのバリエーション。
トレーニングベンチを利用しないバリエーションだと、上半身の前傾姿勢を自分で上手に作ることができないという方におすすめです。
動画では壁に手を置いて上半身の前傾姿勢を作っていますが、ある程度の高さがある物であればどんなものでも利用可能。
ほどほどの高さの物があれば、そちらを代用して取り組んでも構いません。
【やり方】
- ダンベルを持っていない側の手の平を、壁に付けて体重を支える
- この状態から両足を後方に2歩程度下がることで上半身の前傾姿勢を作る
- この姿勢を維持したまま、ワンハンドロウイング動作を行う
- 手のひらが滑らないように注意しながら取り組む
バリエーション⑥ワンアーム・ランドマインロウイング
この種目では、バーベルの片側にのみプレートウェイトを取り付け、床に置いた状態で片手でバーベルを握ってワンハンドロウイングを行います。
特徴は、ウェイトがついていない側のバーベルが支点となってロウイング動作を行うことで、適切な軌道で動きやすいということ。
弧を描くように固定された軌道でロウイング動作を行えるため、通常のワンハンドロウイングのように自分で軌道を意識しながら取り組む必要がありません。
結果的に、より広背筋を意識したトレーニングに取り組むことが可能です。
また、軌道をコントロールする必要がないため、より重い重量での取り組みもできますよ。
【やり方】
- バーベルの片側を専用の器具「ランドマイン」に設置する
- もしランドマインを利用できない場合は、直接床に置く
- バーベルの反対側に適切な重量のウェイトを取り付ける
- プレートウェイトに近い位置のシャフトを片手で握る
- この状態から、ワンハンドローイング動作を行う
バリエーション⑦ケトルベル・ワンハンドロウイング
通常ダンベルを利用するワンハンドロウイングですが、フリ―ウェイト器具・ケトルベルを利用して取り組みます。
ケトルベルは、持ち手(ハンドル)から重心が離れた位置にあるため、ダンベルよりもより強い刺激をターゲットに加えられるのですね。
縦方向に長い形状をしているため、床と平行に近い角度で行う通常バージョンよりも、より浅めの前傾姿で取り組むことがおすすめです。
動画のように、インクラインの角度に調整したベンチのシートを掴んで、上半身の前傾角度を浅めにして取り組むのが効果的ですよ。
【やり方】
- 適切な重量のケトルベルを片手で持ち、肩幅程度の足幅で直立する
- ケトルベルを持つ反対側の手で高さのある台を掴み、安定させる
- このとき、上半身は軽く前傾姿勢になるようにする
- 肩甲骨を寄せる動作でケトルベルを引き、その後おろしていく
- 広背筋のストレッチ(伸展)を十分に行っていく
バリエーション⑧ケトルベル・レネゲードロウイング
この種目は、ケトルベルの縦方向への高さを利用し、腕立て伏せの姿勢にすることで上半身の前傾姿勢を作り出し、腕立て伏せの姿勢のまま交互にロウイング動作を行っていくバリエーション。
動作の中で、腕立て伏せの姿勢を維持して動作をするため、背筋群以外にも「体幹」が強く関わります。
その結果、体幹周辺の筋肉と、お腹前面にある「腹直筋」も同時に鍛えることが可能です。
さらにこの種目は、腕立て伏せの姿勢のまま片手を交互に床から浮かせていくためアンバランスになります。
そのバランスをとるためにお腹の脇に位置する「腹斜筋」といった筋肉も鍛えられるため、背筋と腹筋を同時に鍛えることができますよ。
【やり方】
- ケトルベル2個を、肩幅よりも気持ち広めな幅で床に置く
- ケトルベルを両手にそれぞれ握り、腕立て伏せの姿勢になる
- 体の背面が一直線になるようにまっすぐ背筋を伸ばす
- この姿勢を維持したまま、ワンハンドローイング動作を行う
- 動作中体が不安定になるため、しっかりと体幹に力を入れておく
バリエーション⑨トレーニングチューブ・ワンハンドロウイング
この種目はトレーニングチューブのもつ張力を負荷として利用して行うバリエーション。
チューブは軽量でコンパクトなトレーニング器具のため、場所に依存せず、いつでも好きな場所でトレーニングが可能です。
反対側の足でチューブを挟んで長さを調整することで、負荷を変えることができます。
また、両腕でトレーニングチューブの端を握ってロウイング動作を行うことで、ベントオーバーロウイングに取り組むことも可能です。
【やり方】
- トレーニングチューブが適切な長さになるように、鍛える側の腕とは反対側の足でチューブを固定する
- チューブを持つ腕を床に伸ばしても、ピンと張る長さに調整する
- 片手でチューブを持ち、上半身の前傾姿勢を作る
- この状態を維持したまま、ワンハンドロウイング動作を行う
上半身の前傾角度によって、効果を変えられる
ワンハンドロウイングでは、上半身の前傾角度によって特に鍛える部位を変えられます。
大きい背中は主に「上背部」「下背部」と筋肉部位が分類可能です。
つまりそれぞれに集中したトレーニングを行うことで、背筋全体を効果的に鍛えられるのですね。
上半身の前傾角度を浅めにして動作すると、より「上背部」に負荷を集中でき、上半身の前傾角度をより深くすると「下背部」に効かせやすくなります。
上半身の前傾を浅めにして行う場合は比較的簡単に取り組めますが、「下背部狙い」のワンはドロウイングだと、少し工夫が必要になります。
おすすめなのは「デクラインベンチ」を利用する方法。
上記の動画では、デクラインの角度に調整したアジャスタブルベンチを利用することで、上半身の前傾角度をより深い姿勢を作っています。
下背部狙いでワンハンドロウイングに取り組みたいのであれば、デクラインベンチを利用しましょう。
肘の高さによっても集中させたい部位を調整できる
動作をするさい、体後方から見たときの肘の動作位置を変えることで、上背部・下背部それぞれに効かせやすくなる角度があります。
【上背部狙い】肘の位置を「肩と同じ程度の位置」で動く
体後方から見たときに、肘の位置が肩と同じくらいの位置でロウイング動作を行うと、より上背部に効かせやすくなります。
筆者AKIの場合「三角筋後部・僧帽筋上部」に集中して鍛えたい場合は、肩と同じくらいの高い肘の位置でロウイング動作に取り組んでいます。
【下背部狙い】肘の位置を「腰上部の横辺りに引く意識」で動く
体後方から見たときに、肘の位置が腰上部の横辺りで引くようにロウイング動作を行うと、より下背部に効かせやすくなります。
肘の位置をできるだけ低くすることで僧帽筋中部と下部、そして広背筋下部に集中して負荷を加えられるのですね。
もし、上半身の前傾姿勢を深くできない場合は、肘の位置を低めに調整しましょう。
そうすれば下背部をしっかり鍛えられますよ。
ワンハンドロウイングの効果的な重量設定について
筆者のおすすめ:筋トレ初心者(12.5㎏~17.5㎏)
ワンハンドロウイングの効果的な重量設定について、筆者のおすすめは筋トレ初心者であれば12.5㎏~17.5㎏です。
まず、筋トレレベルが初心者の方の場合、適切なフォームでの動作が大前提となるため、軽めの重量(12.5㎏~17.5㎏)での取り組みがおすすめ。
まだワンハンドロウイングに慣れていない方が、いきなり高重量を利用しても非効率になりがちです。
非効率なだけでなく、腰を痛める原因にもなりかねません。
そのため筋トレ初心者の方の場合は、まず軽めの重量でしっかりと適切なフォームを体で習得することを心がけてください。
筆者のおすすめ:筋トレ中級者~上級者(20~30㎏)
筋トレ中級者~上級者の場合は、高重量のダンベルを利用しても適切な動作を行える範囲内であることが大前提。
おすすめは20~30㎏です。
適切な動きで筋肉に効かせることができれば、ダンベルの重量の数値分の強烈な負荷を効率よくターゲットに与えられます。
ぜひ高重量でのワンハンドロウイングをしてみましょう。
発揮できる出力以上の高重量でしっかりと追い込むことで、筋肥大に十分な刺激を与えられます。
ワンハンドロウイングを効果的に行うためのコツ6選!
では、ワンハンドロウイングの筋トレ効果を最大化するためのコツについて、解説します。
効果的なコツ①対象筋を意識して取り組む
ワンハンドロウイングは、背筋群の主要な筋肉である「広背筋・僧帽筋・三角筋後部・大円筋」といった筋肉を効果的に鍛えるトレーニング種目。
筋トレ効果を最大化するためには「対象筋を意識して動く」ことが大きなコツです。
広背筋・僧帽筋・三角筋後部・大円筋といった対象となる筋肉部位を意識して動くことで、筋肉部位の関与をより強められます。
結果、より大きな刺激を与えられるのですね。
どの部位を動かしているのか、どの部位を鍛えているのか、常に意識して感じながら、動きましょう。
効果的なコツ②肩甲骨の動きを意識して取り組む
背筋群を鍛えるワンハンドロウイングでは「肩甲骨の動き」を意識して取り組むことが大切です。
肩甲骨を中央に寄せる動作「肩甲骨内転動作」を意識すれば、その主動筋となる「広背筋・僧帽筋」といった主要な筋肉の関与がより強くなります。
ワンハンドロウイングでは、肘を曲げる動作「肘関節屈曲動作」が加わりやすいため、肩甲骨の動きを意識できていないと腕の筋肉に負荷が分散しやすくなるのですね。
腕の力は極力抑制し、背筋群だけの力でダンベルを引き上げる意識を持って取り組みましょう。
効果的なコツ③可動域を大きく動作する
ワンハンドロウイングだけに限らず、全てのウェイトトレーニングで重要なことが「可動域」。
対象の筋肉に、ウェイトによる負荷を加えながら筋肉を「最大伸展・最大収縮」させることで、より強烈な刺激を与えられます。
ワンハンドロウイングで肩甲骨動作・肩関節動作を狭い可動域で小さく動くと、それだけ筋トレ効果が弱まってしまいます。
そのため、必ず可動域を大きくダイナミックに動かす意識を持ちましょう。
ネガティブ動作(力を抑制してウェイトをおろす)では「遠くにダンベルを置きに行く」意識でダンベルをおろします。
そしてポジティブ動作(力を入れてウェイトを持ち上げる)では「遠くからダンベルを引き寄せる」意識を持って取り組んでくださいね。
効果的なコツ④ダンベルをおろすときはゆっくりとする
ダンベルをおろしていく動きのときは、ゆっくりと動くことでより筋トレ効果を高められます。
よくありがちなミスは、ネガティブ動作で力を抜いて一気にウェイトをおろしてしまうこと。
実は、これは非常にもったいないやり方です。
力を抜いて下した瞬間は、筋肉に負荷がほぼ乗っていない瞬間。
筋トレの効果が弱まってしまいます。
ネガティブ動作で大切なことは、力を抜くのではなく「力を抑制してウェイトをおろす」という意識で取り組むことです。
ポジティブ動作・ネガティブ動作共に常に「力を入れたまま」動作することを心がけておきましょう。
効果的なコツ⑤ダンベルを強く握りすぎない
ダンベルを必要以上に強く握ってしまうと、ターゲットである背筋群の前に前腕が先に疲れてしまい、ダンベルを持ち続けることが困難になってしまいます。
ダンベルを持てなくなると、当然ワンハンドロウイングによる背筋群のトレーニングを続行できず、筋肉を追い込み切ることができません。
また、ダンベルを強く握りながら動くと上腕部への関与も強まるため、本来背筋群に集中させたい負荷が腕に分散してしまいやすくなります。
必要以上に強くダンベルを握らないようにしましょう。
もしそれでも前腕が疲労してしまうという方は「パワーグリップ」というトレーニングギアの利用をおすすめします。
パワーグリップについては、後ほど詳しく解説しますね。
効果的なコツ⑥背中を反らない
ワンハンドロウイングを行うとき、背筋群により強く効かせようとして背中を反りすぎてしまいがちです。
しかし、背中を反る動作を繰り返し続けてしまうと腰痛の原因になりかねません。
また、背中を丸めたり、反ったりするように動作をすると「体幹伸展」も多少なりとも関わります。
結果的に、広背筋・僧帽筋よりも「脊柱起立筋」への関与が強くなり、ターゲットへの刺激が弱まってしまいます。
ワンハンドロウイングの動作中は常に、背中をまっすぐ一直線になるよう背筋を伸ばしたまま、動きましょう。
ワンハンドロウイングで利用したいトレーニング器具2選!
利用したいギア①トレーニングベルト
トレーニングベルトは、腰を保護しながらより高い筋出力を発揮してくれるためのトレーニングギアです。
お腹に巻くことで「腹圧」が高まり、腰の怪我から守ってくれる効果を発揮します。
また、腹圧が高まることにより筋出力も向上するため、より重い重量を扱えるようになります。
ここでいう「腹圧」とは、腹腔内の圧力のこと。
腹圧が高まることによって、体の中に一本の芯が通ったように安定します。
BIG3などの高重量のトレーニングのさいに、力が逃げることなく直接バーベルに力を伝えられるため、より重い重量を扱えるのですね。
【関連記事】トレーニングベルトについてさらに詳しくはこちら♪
利用したいギア②パワーグリップ
ワンハンドロウイングでは、ロウイング動作と呼ばれる「引く動き」により背中を鍛えます。
しかし、高重量のワンハンドロウイングでは、背筋群の前に「前腕筋」が疲労してしまってダンベルを持てなくなり、トレーニングの続行が困難になるケースがよくあります。
そんな場合には「パワーグリップ」というトレーニング器具の利用がおすすめです。
パワーグリップは、引く動きを行うトレーニング種目で効果を発揮する器具です。
手首にパワーグリップを通しベロ部分をダンベルやバーベルのバーに巻き付けることで、少ない前腕の力で体を支え続けられます。
パワーグリップについて、より詳細に知りたい方は下の記事もどうぞ↓
まとめ
背筋群を効果的に鍛えられる「ワンハンドロウイング」について解説しました。
トレ―ニングでどうしても避けられないことは、腰への負担です。
背筋を鍛えることで筋力低下が原因の腰痛を改善する効果がありますが、同時に、鍛え方を間違ってしまうと腰痛の原因になりかねません。
腰を痛めるリスクを回避することができるワンハンドロウイングに取り組むことで、安全にかつ効果的に背筋を鍛えていきましょう。
“No pain No gain”
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AKI
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