筋トレを本格的にしていない方でも、一度は聞いたことがあると思われるのが「懸垂(チンニング)」です。
懸垂(チンニング)は、背中全体を鍛えられる効果的な自重トレーニング種目。
背中を逆三角形のVシェイプにするのに最適な種目です。
今回はそんな懸垂(チンニング)のやり方と、効果的な聞かせるためのコツ・テクニックについて、解説していきます!
ちなみに、当サイトおすすめの懸垂マシンと懸垂バーはこちら。自宅でも懸垂を行うため何か欲しいと思っている方は、ぜひどうぞ。
この記事の目次
懸垂(チンニング)の概要
懸垂(チンニング)は、自分の体重を利用して行うトレーニング種目です。
メインターゲットは背中の筋肉全体。
また、バリエーションによっては大胸筋(胸)や上腕二頭筋(腕の力こぶ)の筋肉も同時に鍛えられます。
とても効果の範囲が広いトレーニング種目なのですね。
- 「背中の逆三角形(Vシェイプ)を作りたい」
- 「引き締まった背中を手に入れたい」
という方はもちろん、他にも各種スポーツ競技などで背筋を強化し、引っ張る力をつけたい方にもおすすめなトレーニング種目です。
懸垂(チンニング)で効果が期待できるのは下記の筋肉群。
- 大胸筋(胸の筋肉)
- 上腕三頭筋(二の腕の裏)
- 上腕二頭筋(二の腕の表側)
- 僧帽筋(首から肩にかけての筋肉)
- 広背筋(羽と呼ばれる筋肉)
- 大円筋
- 三角筋後部とは
- 菱形筋
- 腹直筋
- 腹斜筋
グリップの握り方・手幅を変えることで、重点的に鍛えたい箇所を変えることができるのも、懸垂(チンニング)の魅力の一つでしょう。
基本的にぶら下がることのできる場所さえあれば、簡単に取り組めるため、初心者の方でも始めやすい種目です。
懸垂(チンニング)は、肘関節・肩関節の複数の関節を含む、多関節運動種目(コンパウンド種目)に分類されます。
【参考記事】上半身を代表する大きな筋肉である、大胸筋と上腕三頭筋のトレーニング
懸垂(チンニング)のやり方
【やり方・フォーム】
- チンニングバーを肩幅より1.5程度広く順手で握り、ぶら下がる
- 姿勢が安定しやすいように足を後ろで組む
- 胸を大きく突き出すように張る
- 背中を反るように意識する
- これがスタートポジション
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力で体を上げていく
- できるだけ、顎や胸の上部につくまで体を引き上げていく
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げ、スタートポジションに戻る
- 広背筋がしっかりとストレッチ(進展)するのを感じるまで腕を伸ばしていく
- 上記の動作を繰り返す
懸垂(チンニング)の目安は8~15回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩が上がりやすいですが、肩は下げて動作することを心がけましょう。
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えることができます。
懸垂(チンニング)のバリエーション
懸垂(チンニング)には多様なバリエーションが存在します。
それぞれの特徴・効果をしっかりと理解し、理想的な肉体の実現に、効果的なトレーニングを実践していきましょう。
ネガティブ・チンニング
ネガティブ・チンニングは、ネガティブ動作(力を抑制して体を下ろしていく動作)をゆっくり行うトレーニング。
ゆっくりと動作することで、通常よりも大きな刺激を対象筋に与えられます。
筋肉は収縮するタイミングよりも、伸展(筋肉が伸ばされる)さいに筋肥大に効果的な負荷が加わるのですね。
そのため、ゆっくりと伸ばすネガティブ・チンニングは筋肥大に効果的。
チンニングの場合は、腕を伸ばす動きがネガティブ動作です。
ネガティブ・チンニングで効果的に鍛えるコツは、とにかくゆっくりと下ろすこと。
5秒~10秒ほどかけてゆっくりと下ろしていきましょう。
【やり方・フォーム】
- チンニングバーを肩幅より1.5程度広く順手で握り、ぶら下がる
- 姿勢が安定しやすいよう、足を後ろで組む
- 胸を大きく突き出すように張る
- 背中を反るように意識する
- これがスタートポジション
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力で体を上げていく
- できるだけ、顎や胸の上部につくまで体を引き上げていく
- 5秒~10秒ほどかけてゆっくりと下ろしていき、スタートポジションに戻る
- 広背筋がしっかりとストレッチ(進展)するを感じるまで腕を伸ばしていく
- 上記の動作を繰り返す
懸垂(チンニング)の目安は8~12回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- ネガティブ動作でゆっくりと体をおろすときに、肩に力が入ることで肩が上がます。力を抜いて肩を落とすことを意識しましょう。
- 常に胸は大きく張ったまま動作してください。
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えられます。
- 背中を反る意識で動作しましょう。
ビハインドネック・チンニング
ビハインドネック・チンニングは、首の後ろにバーを引き寄せるようにして行うチンニング。
「大円筋」を効果的に鍛えるトレーニングです。
ポイントは、背中を少し丸めて動作すること。
こうすることで、大円筋に重点的に負荷を加えられます。
しかし、ビハインドネック・チンニングは肩関節の柔軟性が必要な筋トレです。
そのため、初心者や肩関節の固い方が行うと、肩関節を痛めてしまう可能性があります。
比較的難易度が高いため、ジムのトレーナーやパーソナルトレーナーにフォームをチェックしてもらいながら取り組みましょう。
【やり方・フォーム】
- チンニングバーを肩幅より1.5程度広く順手で握り、ぶら下がる
- 姿勢を安定させるため、足を後ろで組む
- 背中を少し丸ませて、胸が内側に気持ち入る姿勢を作る
- これがスタートポジション
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力で体を上げていく
- 首の後ろの付け根にバーが触れるくらいまで上げる
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げていき、スタートポジションに戻る
- 広背筋がしっかりとストレッチ(進展)するのを感じるまで腕を伸ばす
- 上記の動作を繰り返す
ビハインドネック・チンニングの目安は8~15回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 背中を少し丸め、胸を内側にしぼませるような姿勢で動きましょう。
- 肩が上がりやすいですが、肩は下げることを心がけてください。
- 大きな可動域で動くことで、対象筋に効果的な負荷を与えられます。
タイプライター・チンニング
両手の間の中央の位置で体を上下させるのではなく、左右交互に体を引き上げて行う懸垂のバリエーションのひとつ。
上腕二頭筋のほか、大胸筋下部を強く刺激できるため、男らしく力強い胸板を作り上げられます。
タイプライター・チンニングで最も重要なコツは、一つ一つの動きを止めて行うこと。
流れるように筋トレしてしまうと、対象筋に効果的な負荷を加えることはできません。
しっかりと効かせられるよう、適切な動作を意識しましょう。
【やり方・フォーム】
- チンニングバーを肩幅より1.5程度広く順手で握り、ぶら下がる
- 姿勢が安定するように、足を後ろで組む
- 胸を大きく突き出すように張る
- 背中を反るように意識する
- これがスタートポジション
- 右(左)の懸垂バーを握っている位置まで体を斜めに引き上げる
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力を使う
- できるだけ、顎や胸の上部にバーつくまで引き上げる
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げていき、スタートポジションに戻る
- 同様に左(右)も行う
- 上記の動作を繰り返す
タイプライター・チンニングの目安は8~15回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 左右それぞれに動作していくため、左右対称に動作することを心がけましょう。
- 常に胸は大きく張ったまま動きましょう。
- 肩が上がりやすいですが、肩は下げてください。
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えられます。
- 背中を反る意識で動きましょう。
片手懸垂(ワンアーム・チンニング)
「最強の懸垂トレーニング」と呼ばれるほど、最強度を誇るバリエーションが片手懸垂。
負荷が非常に大きい分、得られる効果も凄まじいです。
広背筋に効くのはもちろん、握力強化も期待できます。
完全に片手で懸垂ができなくても、トレーニングチューブを使用して片方の腕に重点的に鍛えるバリエーションも。
ぜひトライしてみましょう。
【やり方・フォーム】
- チンニングバーを片方の手で逆手で握り、ぶら下がる
- 姿勢が安定するように足を後ろで組む
- 胸を大きく突き出すように張る
- 背中を反るように意識する
- これがスタートポジション
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力で体を上げていく
- できるだけ、顎や胸の上部につくようにする
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げていき、スタートポジションに戻る
- 広背筋がしっかりとストレッチ(進展)するのを感じるまで腕を伸ばしていく
- 上記の動作を繰り返す
片手懸垂(ワンアーム・チンニング)の目安は8~15回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩が上がりやすいですが、肩は下げてください。
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えられます。
ワイドグリップ・チンニング
- チンニングバーを肩幅より1.5程度広く順手で握り、ぶら下がる
- 姿勢が安定するように足を後ろで組む
- 胸を大きく突き出すように張る
- 背中を反るように意識する
- これがスタートポジション
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力で体を上げていく
- できるだけ、顎や胸の上部につくようにする
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げていき、スタートポジションに戻る
- 上記の動作を繰り返す
ワイドグリップ・チンニングの目安は8~15回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩が上がりやすいですが、肩は下げてください。
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えられます。
ナローグリップ・チンニング
ナローグリップ・チンニングは懸垂バーを肩幅よりも短い位置で握り、チンニングをするバリエーション。
通常のグリップやワイドグリップチンニングと比べて、より背中の筋肉(広背筋・大円筋・脊柱起立筋など)がストレッチ可能です。
そのため、肘を伸ばして体をおろしていく段階で、しっかりと肘を伸ばし切ることがポイントになります。
また、このとき対象筋の負荷が抜けないよう力を抜かないことも大切。
筋トレの効果を引き出すために必要な、筋肉の収縮・伸展をより意識して動作することを心がけましょう。
ナローグリップ・チンニングのやり方はワイドチンニングと同じで、手幅だけを変えてください。
リバースハンド・ナロー・チンニング
リバースハンド・ナロー・チンニングは、背中を鍛える通常のチンニングとは異なり、大胸筋と上腕二頭筋を鍛えます。
男性は大胸筋が分厚くなった逞しい体に、女性は美しいバストアップに効果が期待できる優れたトレーニング種目です。
やり方は、リバースハンド(逆手)でグリップを握りますが、握り幅は拳一個分程度か拳同士が触れるくらいの手幅が理想です。
肩甲骨を寄せるようなイメージで体を引き上げます。
引き上げる際、上腕二頭筋と大胸筋の筋肉に負荷が加わっているのを感じながら引き上げると効果的です。
やり方は他のチンニングと同じですが、手幅の違いに注意しましょう。
L字・チンニング
L字・チンニングは、背筋、腹筋、上腕二頭筋など、上半身全体を効果的に鍛えることのできるトレーニング種目です。
しかしその分、通常のチンニングよりも難易度が高いので、トレーニングに慣れてきたときに挑戦するようにしましょう。
やり方は、順手もしくは逆手でグリップを握り、脚を上げて体がL字型になるようにキープ。
その状態から、脚を下げずに体全体を引き上げていきます。
ポイントは脚が下がらないように、腹筋と背筋に常に力を入れておくことです。
初めのうちは慣れないのでなかなか回数をこなせないと思いますが、動作に慣れれば十分な効果が得られるくらい回数をこなせるようになります。
懸垂(チンニング)ができない方におすすめなバリエーション
では、筋力の不足などで懸垂が十分にできない初心者の方におすすめなバリエーションを2つ紹介します。
- チューブ・チンニング
- インバーテッド・ロウ
チューブ・チンニング
懸垂(チンニング)は懸垂バー以外に器具が必要ないトレーニングです。
しかし本格的な筋トレをしたことがない場合、「懸垂ができない」「できても2〜3回だけ」という人は多いでしょう。
ベンチプレスやスクワットと異なり、懸垂は自重を利用して行うため、ウェイトの調整が難しいもの。
そこで、懸垂ができないという人はゴムチューブを活用しましょう。
ゴムチューブの張力を補助として利用し、懸垂の回数を重ねます。
すると効果的な負荷を対象筋に対し与えられるうえ、自信もつきますよ。
【やり方・フォーム】
- 片膝を90度に折り曲げ、スネにゴムチューブを引っかける
- ゴムチューブの端をそれぞれの手で握り、チンニングバーをゴムチューブごと握る
- 体を浮かせ、足を後ろで組む
- 胸を大きく突き出すように張る
- 背中を反るように意識する
- これがスタートポジション
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力で体を上げていく
- できるだけ、顎や胸の上部につくようにする
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げていき、スタートポジションに戻る
- 上記の動作を繰り返す
チューブ・チンニングの目安は8~15回×3セット。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩が上がりやすいですが、肩は下げてください
インバーテッド・ロウ(斜め懸垂)
インバーテッド・ロウ(斜め懸垂)は、体を斜めして足を地面につけたまま行う、懸垂のバリエーションの一つです。
鉄棒や、スミスマシンのバーベルを、自分の胸のバストトップのあたりの高さにくるようにして行います。
インバーテッド・ロウは斜めの角度で動作するため、広背筋よりも僧帽筋や「ローテータカフ」に強く負荷がかかります。
ローテータカフとは、(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)という複数の筋肉群のこと。
そのため背中(特に広背筋)を意識すること重要です。
また、通常のチンニングと比べると負荷が軽いため、回数は自分の出来る限界まで行いましょう。
【やり方・フォーム】
- 鉄棒または、スミスマシンのバーベルを使用する
- 自分の胸のバストトップあたりにバーがくるように体の位置を調整する
- バーを肩幅より1.5程度広く順手で握り、体が45度程度になるくらいまで斜めの姿勢を作る
- 脚は伸ばし切ったままで角度を固定する
- 姿勢はまっすぐ美しい直線を意識し、胸を大きく突き出すように張る
- これがスタートポジション
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力で、バーが胸につくまで体を上げていく
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げていき、スタートポジションに戻る
- 広背筋がしっかりとストレッチ(進展)するのを感じるまで腕を伸ばしていく
- 上記の動作を繰り返す
インバーテッド・ロウ(斜め懸垂)の目安は8~15回×3セットです。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩が上がりやすいですが、肩は下げください。
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えられます。
正しいフォームがなによりも大切!
懸垂(チンニング)だけでなく、すべてのエクササイズ・種目で基本的な動作フォームがなによりも大切です。
まずは正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えること。
そうすれば理想の肉体を作り上げられます。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入りません。
そのためいつまでたっても肉体に変化のない、質の低いトレーニングになってしまいます。
それだけではなく関節・筋肉・腱を痛めてしまい怪我につながることも。
1度怪我をすると完治するまでその部位を鍛えられずその期間に筋肉を失ってしまう上、他の部位のトレーニングに影響が出ます。
正しいフォームを覚えることが理想の肉体への一番の近道です。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない脅威だと知っておきましょう。
懸垂(チンニング)で鍛えられる部位
懸垂(チンニング)を活用して鍛えられる部位は非常に多いです。
鍛えられる筋肉の部位を理解することで、より効果的に、より効率的にトレーニングができますよ。
トレーニング前に刺激を与える筋肉部位についてチェックしましょう。
大胸筋(胸の筋肉)
大胸筋は上部(インクライン)下部(デクライン)内側(インサイド)外側(アウトサイド)と区別されていて、それぞれに効果的なエクササイズがあります。
厚い大胸筋は男らしさを表現できる花形的存在の筋肉。
またTシャツをかっこよく着こなすためには、この大胸筋の発達は必要不可欠です。
また、他の筋肉と違って鍛えれば鍛えるほど目立つやすい筋肉でもあります。
女性にとってのメリットは、バストラインの崩れを防ぎ、バストラインを上げる効果が期待できることです。
バストラインを綺麗にキープすることができますよ。
上腕三頭筋(二の腕の裏)
上腕三頭筋は、(長頭・内側筋・外側筋)という3つの筋肉から構成される複合筋です。
腕を伸ばした時に、腕の後ろ側に浮き出てくる筋肉が上腕三頭筋。
部位を知るためにも、実際に自分で見て触り、確認することがおすすめです。
長頭の働きと部位に関して
長頭(画像の赤色部分)とは、肩甲骨関節下結節というところに付着している筋肉。
肘関節の伸展動作だけでなく、肩関節の伸展動作に関わる働きをしています。
長頭を鍛える事で筋肥大だけでなく、スポーツ競技全般における能力の向上に役立つと言われていますよ。
効果的に鍛えるコツ
長頭に効かせるためには、極力上腕を体幹に近づけて行う事が大切。
具体的には、脇を締めて行うと長頭への刺激を実感できます。
そのさい、肘は固定しながら行いましょう。
短頭(内側頭・外側頭)の働きと部位に関して
短頭とは、内側頭(画像の緑色部分)と外側頭(画像の黄色部分)をまとめて表現した言葉。
具体的には、肘関節収縮時だけに作用する働きをしています。
腕を伸ばしたときに外側にある筋肉で、上腕を内転方向に動かすさいにも使われる筋肉です。
鍛える上でのコツ
短頭に効かせるためには、やや肘を開き気味に行うこと。
長頭と同様に、肘は固定しながら行う事がポイントです。
上腕二頭筋(二の腕の表側)
上腕二頭筋は手のひらを上に向けたときに二の腕の表側に位置する筋肉。
肘を曲げる動作「肘関節屈曲」で使用される筋肉部位です。
肘を曲げたときに盛り上がる“力こぶ”は、まさにこの上腕二頭筋のこと。
腕の太さを表現する上で一番大切な部位です。
【参考記事】太く大きな腕を手に入れるためのトレーニング
僧帽筋(首から肩にかけての筋肉)
僧帽筋は首から肩にかけての筋肉で、前・後から見たときに背中の大きさを表現することができる部位です。
この僧帽筋を鍛えることで、なで肩解消やいかり肩解消に効果があります。
ちなみに、この僧帽筋を鍛えれば逆三角形よりも美しいとされている、“ひし形”の背中が手に入りますよ。
Tシャツを着こなす上でも欠かすことのできない筋肉と言えるでしょう。
【参考記事】僧帽筋だけじゃなく、背中全体に効果のあるトレーニング
広背筋(羽と呼ばれる筋肉)
広背筋は、逆三角形の背中を作る上で一番重要な部位です。
腰の上あたりから肩の下あたりまであるこの広背筋は背中の逆三角形のシルエットを作るうえで一番重要な部位。
この広背筋の横への広がりが大きければ大きいほど、ウェストとの対比で逆三角形のシルエットにできますよ。
広背筋は本来、体幹の中の一つの筋肉。
しかし大円筋と共に、肩関節の様々な動作(内転、内旋、伸展)に関与し、重要な役割を果たしています。
大円筋
大円筋は、脇の下の背面部に位置する筋肉です。
働きは広背筋と同様に、肩関節の内転、内旋、伸展動作に関与しています。
この筋肉は広背筋と共同に作用することが多い筋肉。
そのため大円筋は、”広背筋のヘルパー”とも呼ばれることがあります。
三角筋後部とは
三角筋後部とは、三角筋の中でも後方部分を占めている筋肉です。
下記3つが三角筋後部の主な働き。
すべて肩の動きです。
- 伸展(腕を後ろに引く動作)
- 水平外転(水平に上げた腕を外側に絞る動作)
- 外旋(肩後部にあるインナーマッスル)
菱形筋
菱形筋は菱形をした背中の小さい筋肉。
広背筋や僧帽筋などの深層に位置する、インナーマッスルです。
菱形筋群はその上部にある小菱形筋と下部にある大菱形筋の二つで構成されています。
二つは大きさなどに違いはありますが、形状も働きもほぼ同じ。
主に肩甲骨を内転(引き寄せる働き)に作用し、肩甲挙筋、小胸筋と協同して肩甲骨を下方回旋させる働きがあります。
また、小菱形筋は肩甲挙筋とともに肩甲骨の拳上にも関与します。
小菱形筋や大菱形筋の筋力が弱くなってくると猫背のように背中が丸くなってしまうので、しっかり鍛えましょう。
腹直筋(腹筋)
腹直筋は、皆さんが想像する「腹筋」の部分。
お腹のど真ん中に縦に付いている筋肉です。
シックスパックと呼ばれる6つのブロックだけでなく、ヘソの下から股下までの長い三角形の部分も腹直筋になります。
腹直筋は寝ている状態から起き上がるときなどに使われ、働くと体がお辞儀をするように曲がっていきます。
これが体幹の屈曲です。
腹斜筋(腹筋側面)
腹斜筋とは、お腹の横にあたる筋肉を指です。
「腹直筋」「腹横筋」と共に腹筋を形成している筋肉で、さらに「外腹斜筋」・「内腹斜筋」の2種類に分けられます。
横腹にコルセットのように巻き付き、体幹を安定させたり、排便を助けたりするのが役割です。
懸垂(チンニング)の筋トレ効果
筋トレのモチベーションを上げるためにも、懸垂によって期待できる効果を知っておきましょう。
次の4つです。
- 上半身全体の筋力アップ
- 代謝が上がり太りにくく痩せやすい体になる
- 見た目が洗練される
- 身体能力の向上
上半身全体の筋力アップ
チンニングを行うことで、一度に多くの筋肉を刺激できます。
背中や腕、お腹などを同時に刺激。
そのため、全体的な筋力アップが見込めます。
複数の筋肉を鍛えられるということは、短期間で体全体の筋肉の発達に効果があらわれるということ。
バランスよく、全身を鍛えていきましょう。
代謝が上がり太りにくく痩せやすい体になる
懸垂でトレーニングをすることで、上半身全体の筋肉を鍛えられます。
その結果、鍛えれば鍛えるほど代謝機能の向上が可能です。
基礎代謝が上がれば、太りにくく痩せやすい“理想的”な身体を手に入れることができますよ。
見た目が洗練される
引き締まった細マッチョ、大きな体のゴリマッチョ、どちらを目指す上でも背中の筋肉は重要です。
細マッチョの場合は、広背筋を鍛えて作り上げる「逆三角形」というボディが理想ですし、体も引き締まって見えます。
ゴリマッチョの場合は、当然ながら背中の筋肉は必要です。
ここが不十分で胸筋や腕だけ鍛えてる人は、いかにも「見せ筋」という感じがします。
ボディメイク的観点からしても、この懸垂(チンニング)でトレーニングすることで得られるメリットは、非常に多いですね。
身体能力の向上
体の様々な動作には、背中の筋肉が大きく関与しています。
そのため背中を鍛える事で、日常生活のみならず各種スポーツ競技のパフォーマンス向上にも効果的です。
また、背中周りの筋肉を日常的に鍛えていることで、怪我の防止にもなります。
腰を守るのはもちろん、懸垂では僧帽筋も鍛えることができるため、首の怪我も防止できますよ。
懸垂(チンニング)で推奨するギア
懸垂トレーニングの効果を最大化することができる、トレーニングギアを紹介します。
上手に活用して、質の高いトレーニングを実践していきましょう。
- 懸垂マシン・懸垂バー
- トレーニンググローブ
- パワーグリップ
懸垂マシン(チンニングマシン)・懸垂バー
ジムにいけば懸垂マシンは必ず設置してあります。
しかし自宅でも気軽にトレーニングをしたいなら、懸垂マシンや懸垂バーを購入しておくことがおすすめです。
ぶら下がり健康器やマルチチンニングマシンなど、さまざまな種類・呼び方がありますが、1つあれば宅トレが充実しますよ。
当サイトおすすめは自社製品STEADYの懸垂マシンと懸垂バーです。
握力を持続させるためのトレーニンググローブ
筋トレ初心者が陥りがちなのが、チンニングをしていて数回足らずで握力が無くなってしまうこと。
握力がなくなれば、トレーニングが続行できなくなってしまいます。
一般の人は棒にぶら下がるという習慣がありません。
そのため、トレーニングし始めの方は腕や背筋よりも握力が先に失われてしまい、思うようにトレーニング出来ないのですね。
それを防ぐためには、トレーニンググローブがおすすめです。
これを使えばある程度握力を補助してくれるため、素手の時よりも長くぶら下がることができます。
また、素手での懸垂では手のひらにマメができることがありますが、トレーニンググローブは手の保護にもなって便利。
仕事柄手をきれいに保ちたいという方にもおすすめです。
安価なものでは1000円程度で購入できるので、そこまで費用がかからず購入できますよ。
より握力を保持したい方はパワーグリップがおすすめ
パワーグリップとは、握力をサポートしてくれるギアです。
懸垂(チンニング)では多くの場合、素手のまま回数を重ねることが困難。
そこでパワーグリップを使用しましょう。
少ない握力でも、しっかりと懸垂の回数重ね続けられます。
パワーグリップは懸垂だけでなく、プル系種目(引っ張る種目)やローイング種目(引く種目)全般に使用可能です。
つまりパワーグリップを1つ用意しておくと、トレーニングの質を簡単に向上できます。
ラットプルダウン・ダンベルローイング・ベントオーバーロー・ローイングマシンなどの背中の種目はすべて引く動作。
パワーグリップはおすすです!
まとめ
懸垂(チンニング)でトレーニングすると、得られるメリットが多いことを知っていただけたかと思います。
正しいフォームで懸垂をすることで、男らしい逆三角形の背中を手に入れてください!
”男は背中で語る”という言葉がありますが、大きな背中はそれだけで頼りがいのある印象を与えることができます。
背中を鍛えて、背中で語れる男になりましょう!
懸垂(チンニング)が、あなたの生活をより豊かにしてくれること、間違いなしです!
”No pain No gain”
他にもある! 懸垂トレーニングに関する記事
AKI
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