トレーニングチューブで背筋を集中的に鍛える!チューブローイングのやり方を徹底解説します!
トレーニングチューブは、自宅筋トレのグッズとして非常に優秀な筋トレ器具。
そんなトレーニングチューブを利用して行う「チューブローイング」は、固定したトレーニングチューブやレジスタンスバンドを、地面に座った状態で、体の後方に引っ張ることで背中全体の筋肉を鍛えることができる効果的なトレーニング種目。
今回はそんなトレーニングチューブ・チューブローイングについて解説していきます!
この記事の目次
トレーニングチューブの効果とメリット
トレーニングチューブを活用することで得られる効果として以下の点が考えられます。
ゴムの張力を利用して高い負荷をかけることができる

チューブトレーニングは、ゴムチューブを引っ張ったり、押したりすることで、張力を利用して負荷をかけるトレーニングです。
そのためトレーニング器具を使用せずに行う自重トレーニングと比すると、トレーニングチューブの張力を利用したトレーニングのほうが、より高い負荷を与えることが出来るので、非常におすすめです。
負荷の強度を変えることができる

筋量・体格・体質・性別などによって人それぞれ適切な負荷のかけ方と強度は異なります。
トレーニングチューブは、比較的安価なトレーニンググッズで種類も豊富なので、ご自身のニーズに合わせて強度の選択しやすいというのも取り組みやすい理由の一つです。
ひも状チューブは持ち手を変えて長さを調節すれば、1本のトレーニングチューブでも強度を調節することができます。
しかし、チューブの長さにはもちろん制限があるので、エクササイズのバリエーションに限りがあります。
同じタイプにもので、硬さや太さなど強度が異なるものも多いので、数本のチューブを用意することで、様々なエクササイズに使用することが可能です。
鍛えたい部位を意識しやすいため、トレーニング効果が高い

筋力トレーニングを行うとき、鍛えている筋肉を見ながら行う、実際に触れながら行うことで、トレーニング効果を高めることができると言われています。これを「意識性の法則」と言います。
チューブトレーニングは、ポジティブ動作でもネガティブ動作でも負荷がかかり続けます。その結果、鍛えたい部位が常に意識しやすい状態で、質の良い負荷を対象筋に与えることができる効果的なトレーニングとなります。
筋トレ初心者でも簡単にできる

ダンベルやバーベルなどと比較して、チューブは過度な負荷をかけることなくフォームを意識しながら効果的で安全なトレーニングをすることができます。
そのため、筋トレ初心者の方でも気軽にトレーニングすることができ、効果を体感することができます。
場所を選ばずトレーニングできる

トレ-ニングチューブのほとんどは、カバンなどに入れて持ち運べるようなサイズなので、出張先や旅行先、家のどこでも場所に関係なく簡単に効果的なトレーニングを行うことができます。
トレーニングによるケガのリスクが他のトレーニングと比べて低い

トレーニングチューブは、ダンベルやバーベルその他のトレーニング用品と比べると、重量が軽く、また、素材自体非常に柔らかいため、怪我のリスクが低いです。
また、ゴムチューブによる強度はそんなに高くはありません。そのため落としたり、ぶつけたりしても痛めにくく、ケガのリスクが低いこともメリットです。
コストがかからない

ゴムチューブトレーニングに必要なものは、トレーニングチューブ一つだけです。
店頭での価格相場も1000円〜3000円と非常にリーズナブルです。
かさばらないので自宅・公園・出張先など、どこででもトレーニングできるので、ジム代がかからず経済的です。
コンパクトに収納できる

フィットネスバイク・ダンベル・バーベル・バランスボールなど、トレーニンググッズを活用したトレーニングは気軽にチャレンジできるため人気ですが、大きくて収納面のデメリットがあります。
トレーニンググッズを買っても、スペースを占有してしまうため、物干し台の代わりになってしまうこともありますよね。
その点、チューブはコンパクトにまとめることができて持ち運びも簡単、出張先などでもトレーニングができます。
トレーニングチューブ選びのポイント
市販されているチューブは大きく分けて4種類あります。ご自身の目的・ニーズにあったチューブを選択しましょう。初心者におすすめ順に紹介します。
オススメ1位: 輪状のトレーニングチューブ
まず最初の一つは、ゴムバンドがおすすめです。理由は、安い、かさばらない、トレーニングが豊富だからです。ゴムバンドは、平たい形状で輪状の形になっています。輪状トレーニングチューブはシンプルで簡単にトレーニングができるので、初心者にもおすすめです。
また、種類によっては強度別に色分けされており、自分の筋力とエクササイズの種類に応じて、負荷の大きさを選べるようになっています。
しかし、二の腕、肩、下半身など鍛えることが出来る部位に限りがあります。それ以外にも鍛えたい部位があるという方は、チューブ状のものを選ぶのが無難です。
輪状チューブは3タイプ(小、大、ヒップバンド)に分けられます。それぞれご紹介します。
輪状ゴムチューブ(小)
手軽さダントツナンバーワン!ゴムチューブトレーニングをするなら、まずは輪状ゴムチューブ(小)がおすすめです。強さ5段階のゴムバンドが一般的です。これだけで全身のトレーニングができます。
輪状ゴムチューブ(大)
これがあるとより本格的なゴムバンドトレーニングが可能になります。チェストプレスやデッドリフト、スクワットなどBIG3の筋トレにも強い負荷をかけることができます。ジムでも活躍し、チンニングの補助や、レッグプレスの負荷アップなどに使うトレーニーも多いです。トレーニングジムでも置いてある場所が増えてきています。
ヒップバンド(下半身トレーニング専用)
ヒップバンドは、脚にはめて下半身を鍛えるのに一番おすすめです。お尻トレーニングに圧倒的負荷をかけることができます。最近では、アスリートの体幹強化トレーニングやストレッチ目的で活用されています。宅トレ女子なら必須のゴムバンドです。
オススメ2位:グリップが付いているトレーニングチューブ
トレーニングでの使いやすさで言えば、グリップがついているものがおすすめです。よりジムでのマシンに近いトレーニングができます。トレーニング中に汗をかいても、滑りにくく、しっかりと掴むことができます。
両端にグリップが付いているチューブは、主に上半身を鍛えるトレーニング種目に向いています。脚を使うトレーニングをする場合は、脚用の専用グリップに付け替えましょう。また写真のように、チューブを重ねて付けることで、筋トレ上級者でも扱いきれないほどの重量を設定することも可能です。初心者から上級者まで活用できるアイテムです。
ひも状のトレーニングチューブ
ひも状のチューブは切ったり、持ち手で長さを調節して負荷を自由に変えることができます。エクササイズメニュー全般に役立つオールラウンドタイプです。応用が利き自由度が高いため、筋トレ中級者以上の方におすすめです。
きしめん状チューブ
平らなきしめん状チューブは、結んだり何重にも重ねることで強度を自由に調節することができます。幅もあるため、より自由度が高くバリエーション豊富なトレーニングが可能です。カラーによって強度が異なるので、ご自身の筋力と用途に適したものを選択して使用できます。また、薄いので他のチューブと比べると劣化しやすいです。
チューブローイングトレーニング6選
背中は、男女限らず気にしている方も多いのではないでしょうか?女性であれば、引き締まった綺麗な背中、男性であれば、たくましい逆三角形の背中でありたい。このように考える方のために、ここではチューブローイングトレーニングを6種目ご紹介します。
シーテットローイング
背筋を鍛えるトレーニングです。

【シーテッドローイングのやり方】
- 脚を伸ばして床に座り両足にチューブをひっかけ、手を軽く伸ばした状態でチューブが張るようにします。
- 肩甲骨を寄せながら、背中にチューブの負荷を感じるように肘を曲げチューブを引きます。
- チューブの負荷を背中(肩甲骨周り)に感じながらゆっくり戻します。
シーテッドローイングは、15回×3回を目安に行いましょう。
チューブデッドローイング
デッドリフトのくの字の状態で動作するエクササイズです。

【チューブデッドローイングのやり方】
- 両足を肩幅に広げチューブを踏みます。軽く膝を曲げて、骨盤を前傾させ上半身を前方に傾け、写真のように「くの字」のように姿勢をとります。
- 体がくの字の状態でチューブが張るピンと張るようにします。
- くの字の体勢をキープして、肩甲骨にチューブの負荷を感じながら肘を真上に上げます。
- チューブの負荷を背中に感じながら、ゆっくりと腕を伸ばしていきます。
デッドローイングは、自然な呼吸で15回×3回行いましょう。
ワンハンドローイング
デッドローイングを片手ですることで、体の軸がブレないように体幹も鍛えることができます。

【ワンハンドローイングのやり方】
- 両足を肩幅に広げチューブを踏みます。軽く膝を曲げて、骨盤を前傾させ上半身を前方に傾け、写真のように「くの字」のように姿勢をとります。
- 片手でチューブを掴みます。体がくの字の状態でチューブが張るピンと張るようにします。
- くの字の体勢をキープして、肩甲骨にチューブの負荷を感じながら肘を真上に上げます。
- チューブの負荷を背中に感じながら、ゆっくりと腕を伸ばしていきます。
- 両手でやるよりも体の軸がブレやすいので、体幹でキープを意識しましょう。
ワンハンドローイングは、自然な呼吸で左右15回×3回行いましょう。
シーテッドロー(ひも状・ハンドル付き・表面が平らなチューブ使用)
シーテッドローは、ベントオーバーローイングと同様の動作ですが、より簡単に広背筋を鍛えることが可能な種目です。
基本姿勢は床に座った状態のままの動作になります。
自宅でテレビを見ながら取り組むことのできる、「ながら筋トレ」として広背筋を鍛えてみるのもおすすめです。
【シーテッドローのやり方】
- 足にトレーニングチューブを巻き付けて、地面に座ります。
- 負荷を高めたい場合は、チューブを幾重にも足に巻き付けておきましょう。
- 両膝はしっかりと伸ばしておきます。
- 両腕をまっすぐ伸ばして、チューブのグリップを握ります。
- この時、ピンっと張るようにチューブの長さを調整しましょう。
- 肩甲骨を寄せていき、チューブをお腹後方へと引き寄せていきます。
- その後、腕を戻して上記の動作を繰り返し行います。
両腕を体の後方に引き切ることで、最大限効果を高めることができます。
シーテッドローは、息を止めないように注意して15回×3回行うようにしましょう
スタンディングローイング(ひも状・ハンドル付き・表面が平らなチューブ使用)
https://www.youtube.com/watch?time_continue=22&v=EsdOzif7-6s
スタンディングローイングは、先ほどご紹介したシーテッドローを立った状態でローイング動作を行う種目です。
家の中にある柱や公園の木などにチューブを巻き付けて固定し、引っ張ることで広背筋を効果的に鍛えていくことが可能です。
【シーテッドローのやり方】
- チューブをお腹の位置に合わせて、強度のある柱に巻き付けます。
- チューブがピンっと張るように距離をとって直立します。
- 両腕をまっすぐ伸ばして、チューブのグリップを握ります。
- 膝を軽く曲げておくと体全体が安定します。
- 肩甲骨を寄せていき、チューブをお腹後方へと引き寄せていきます。
- その後、腕を戻して上記の動作を繰り返し行います。
両腕を体の後方に引き切ることで、最大限効果を高めることができます。
シーテッドローは、息を止めないように注意して15回×3回行うようにしましょう
ゴムチューブ+ダンベルローイング(ひも状・ハンドル付き・表面が平らなチューブ使用)
ダンベルローイングは、上半身を前傾させた姿勢のまま、床からダンベルを引き上げるように動作することで、肩の後ろ(三角筋後部)や広背筋を鍛える種目です。
このダンベルローイングに、ゴムチューブの負荷の抜けにくい性質・伸びれば伸びるほど負荷が強くなる性質をプラスすることで、より筋肥大の効果を高めた種目になります。
動作のコツは、少しを肘を開いて動作することで、より三角筋後部に負荷が入りやすくなります。
【ゴムチューブ+ダンベルローイングのやり方】
- 両足の下にチューブを挟むようにして立ちます。軽く膝を曲げて、上半身を前方に傾け、動画のように「くの字」のように姿勢をとりましょう。
- 体の前方に柱などがある場合、そこにチューブを固定しても同様に取り組むことができます。
- 手を床面に向けて伸ばし、チューブをつかみます。この時にチューブがピンと張るように長さを調節しましょう。
- 上半身の姿勢はそのままで肘をまっすぐ肩甲骨の後ろに向けて引っ張るイメージで、拳を胸の横あたりまで引き上げましょう。
- 負荷を少しずつ解除するように元の姿勢に戻りこの動作を繰り返します。
ゴムチューブ+ダンベルローイングは、自然な呼吸で15回×3回行いましょう。
正しいフォームがなによりも大切!

肩のインナーマッスルトレーニングだけでなく、すべてのエクササイズ・種目では基本的な動作フォームがなによりも大切です。
まずは正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることで最も効率的に対象筋への負荷を与えることができるので理想の肉体を作り上げることが可能になります。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入らずいつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
それだけではなく関節・筋肉・腱を痛めてしまい怪我につながってしまいます。1度怪我をすると、完治するまでその部位を鍛えることができなくなるのでその期間に筋肉を失ってしまう上、他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果となってしまいます。
ここでまず覚えていただきたいのは、正しいフォームを覚えることが理想の肉体への一番の近道であるということ。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない脅威だということです。
チューブローイングは背中の筋肉をバランスよく鍛えられる!

チューブローイングは背中の筋肉をバランスよく鍛えるのに最適な種目です。
例えば、ベントオーバーローイングの場合「ウェイトやチューブの負荷+自分の上半身の重さ」を腰で支えるため、腰の負担を考えると肩甲骨を開閉する余裕がありません。
しかし、チューブローイングであれば、負荷に引っ張られる分だけを支えれば良いため、肩甲骨を動かすことも可能となり、菱形筋など背中の筋肉をバランスよく鍛えることができます。もちろんチューブを使ったチューブローイングも同様です。
ただ、マシンの場合と違いとしては、動作中にストレッチを効かせようと上半身を前に倒しすぎるとチューブの張りが弱くなって負荷が抜けてしまうという点があるので注意してください。
チューブトレーニングの場合は、ストレッチ重視と収縮重視で持つ位置、上体の角度を変えて、それぞれ別のセットで鍛えた方が良いでしょう。
木や頑丈な柱があれば、巻き付けて取り組むことでさらに効果的に!

トレーニングチューブ自体、非常に柔軟性のある素材のため、木や柱に巻き付けてチューブローイングに取り組むことも可能です。
自分の足を使ってトレーニングチューブを固定するやり方と比較すると柱や木に巻き付けて行う方が、チューブの固定する位置をより遠くに調整することができるため、より広い可動域を活かした効果的なトレーニングができます。
持ち運びに便利なトレーニングチューブを、公園などに持参し、天気が良い日にトレーニングチューブを木や公園の遊具の柱などに固定してチューブトレーニングに取り組むのも、楽しく効果的なトレーニングになるのではないでしょうか?
チューブローイングの基本的な動作のおさらい

- トレーニングチューブの張力による負荷を、しっかりと対象筋に与えるためにも、ゆっくりとした動作を意識して両腕を引き、その後戻す動作も同様にゆっくりと戻していきましょう。
- 動作中に負荷が抜けてしまうと、効果が半減してしまうため、両腕を伸ばした状態でもピンと張るようにトレーニングチューブを調節しておくことをおすすめします。そうすることで、すべての動作中に負荷が対象筋にかかりつづけます。
- トレーニングチューブの長さに余裕がある場合は、固定する足や柱などに幾重にも巻き付けることで、より負荷を高めることができます。
- トレーニングチューブが複数あるようであれば、チューブを重ねて活用することで、より負荷を高めたトレーニングが可能です。
- ローイング動作は、腕の力で引くのではなく、背中の筋肉を使って引くことが大切です。肩甲骨を寄せる動作で僧帽筋や広背筋全体を収縮させることを意識して動作しましょう。
- シーテッドローイングの場合、上半身を後ろに倒しすぎた姿勢のまま動作してしまうと、広背筋に適切な動作が入らなくなってしまいます。注意しましょう。
背中の筋肉の種類について
僧帽筋(首から肩にかけての筋肉)

僧帽筋は首から肩にかけての筋肉で、前・後から見たときに背中の大きさを表現することができる部位です。
この僧帽筋を鍛えることで、なで肩解消やいかり肩解消に効果があります。この部位もチンニングで鍛えることが可能ですので是非とも効果的に鍛えていただきたい部位です。
ちなみに、この僧帽筋を鍛えることで逆三角形よりも美しいとされている、“ひし形”の背中を手に入れることができるためおすすめな部位になります。
Tシャツを着こなす上でも欠かすことのできない筋肉と言えるでしょう。
広背筋(羽と呼ばれる筋肉)

広背筋は逆三角形の背中を作る上で一番重要な部位です。
腰の上あたりから肩の下あたりまであるこの広背筋は背中の逆三角形のシルエットを作るうえで一番重要な部位になります。
この広背筋の横への広がりが大きければ大きいほどウェストとの対比で逆三角形のシルエットにすることができるため背中の筋肉の王道部位と言えるでしょう。
広背筋は本来、体幹の中の一つの筋肉に属しますが、大円筋と共に、肩関節の様々な動作(内転、内旋、伸展)に関与し、重要な役割を果たしています。
懸垂、ロープ・クライミング・綱引きのように、腕を伸ばした状態から身体を引き上げるという動作では、広背筋の関与が高まります。
大円筋
大円筋は、脇の下の背面部に位置する筋肉です。
大円筋の働きは、広背筋と同様に、肩関節の内転、内旋、伸展動作に関与しています。
この筋肉は広背筋と共同に作用することが多い筋肉です。そのため大円筋は、”広背筋のヘルパー”とも呼ばれることがあります。
三角筋後部
三角筋後部とは、三角筋の中でも後方部分を占めている筋肉になります。
下記3つが三角筋後部の主な働きになります。
- 肩の伸展(腕を後ろに引く動作)
- 肩の水平外転(水平に上げた腕を外側に絞る動作)
- 肩の外旋(肩後部にあるインナーマッスル)
菱形筋
菱形筋は小さい筋肉で、背中にある広背筋や僧帽筋などの深層に位置するインナーマッスルです。
菱形筋群はその上部にある小菱形筋と下部にある大菱形筋の二つで構成され、僧帽筋に被さるように覆う菱形の筋です。
大きさなどに違いはありますが、形状も働きもほぼ同じで、主に肩甲骨を内転(引き寄せる働き)に作用し、また、肩甲挙筋、小胸筋と協同して肩甲骨を下方回旋させる働きがあります。
また、小菱形筋は肩甲挙筋とともに肩甲骨の拳上にも関与します。
小菱形筋、大菱形筋の筋力が弱くなってくると、肩甲骨が外転するので結果的に肩関節が内旋し、猫背のように背中が丸くなってしまいます。
脊柱起立背筋(背中の中央にある筋肉)

脊柱起立筋は腰から背骨に沿って首の下あたりまで縦に伸びている長い筋肉です。
下半身と上半身をつなぐこの筋肉は非常に大きな働きがあります。姿勢の維持や体幹の安定など四肢を自由自在に動かすために非常に重要で、様々なスポーツのパフォーマンス向上にも効果があるため鍛えることで得られる効果が高い筋肉です。
脊柱起立筋は複合筋で(棘筋・最長筋・腸助筋)の3つの部位をまとめて脊柱起立筋と呼ばれています。
この筋肉は身体を横から見たときの背中の厚みを表現できる部位で背中に“谷間”を作ることができる分厚い背中を作る上で欠かせない筋肉になります。
ベントオーバーローイングでも主にこの筋肉を鍛えることが可能です。
上腕筋(上腕二頭筋の深部に位置する筋肉)

上腕筋は上腕二頭筋の奥、深部に位置する筋肉で上腕骨の真ん中あたりから肘関節を覆うようについています。
こちらも上腕二頭筋と同じような作用をもつ、肘を曲げる動作「肘関節屈曲」時に使用される筋肉部位です。
主に上腕二頭筋と協調して動作する働きがあり、上腕二頭筋と比べると表から確認することはできませんが、上腕二頭筋の土台に位置するため、この筋肉も鍛えることで力こぶをより大きくすることが可能になります。
チューブローイングトレーニングの効果を高めるポイント
マッスルコントロールを意識

マッスルコントロールとは、筋肉の出力によりウェイトを扱い制御するという意味です。すべての種目に共通することですが、ウェイトの数字通りの負荷を筋肉に与えなければ、そのウェイトを扱っている意味がなくなってしまいます。
例えば、ウェイトを使用して行う背中のトレーニングでは、下す際に力を抜いて勢いよくおろしてしまうと、20kgのダンベルでもおろす瞬間には実際に筋肉に負荷として乗っている、ウェイトの重量は5kgだったり、ゼロになっている可能性があります。
つまり負荷が入っている瞬間と入っていない瞬間があり、負荷が入っている瞬間でもその負荷はウェイトの数字より軽い場合があるということになります。これは非常に効率の悪い、質の低い効果的ではないトレーニングということになります。
おろす際も力を抜かず、筋肉にウェイトの数字通りの負荷を乗せたままおろす意識を持つ必要があります。これがマッスルコントロールです。
マッスルマインドコネクション

マッスルマインドコネクションとは、「筋肉と脳神経のつながり」です。
なかやまきんに君の筋肉ルーレットのように、大胸筋をピクッピクッと動かすのを想像するとわかりやすいかと思います。
彼は筋肉を自由自在に操ることが出来るからこそ、あの芸ができるのです。
筋肉を自在に操ることが出来るということは、筋トレでメインターゲットを効率的に効かせることが出来るということです。
“負荷を感じる”というのもこのマッスルマインドコネクションでは重要です。
トレーニング中にメインターゲットの部位に対し、負荷を感じながら動作させることで、効かせるべき部位だけに効かせることができます。
体をおろすときはゆっくりとおろす(ネガティブ動作)
筋肉への負荷が入る瞬間というのは「ポジティブ動作、力を入れてウェイトを挙げていくコンセントリック動作時」と、「ネガティブ動作、力を抑えてウェイトをおろしていくエキセントリック動作」の2つに分けることができます。
このエキセントリック動作はコンセントリック動作に比べるとより“1.7倍の高重量”を扱うことができるのでより強い刺激を筋肉に与えることが可能になります。
エキセントリック動作で負荷をしっかり入れるためには3秒~5秒程度長い緊張時間で刺激するのが理想です。
筋肉は筋繊維に傷がつくことで、修復段階で筋肉がより増強されるので、エキセントリック動作をゆっくり行うことでより引き締めに適した負荷を与えられるということです。
トレーニングマシンのように同じ動作を意識する

トレーニングマシン種目のように、毎回の動作を同じようにきれい適切なフォームを維持しながら動作することが大切です。
正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることで最も効率的に対象筋への負荷を与えることができるので、理想の肉体を作り上げることが可能になります。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると、対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入らずいつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
体の反動を使わない

体の反動というのは、膝を曲げてから伸ばす伸展動作や、腰を大きく反るようにして行う腰伸展動作をすることで生まれる反動の力を使って体を上げてしまうことです。
チーティング動作を行わなければウェイトが上がらないのは、重すぎることが原因で、肩や腰を痛めてしまう可能性もあります。
これを“マッスルコントロール”といいます。
マッスルコントロールとは“筋肉の力でウェイトを扱う”という意味です。オーバーウェイトによりウェイトに筋肉が扱われてしまうと効果は期待できません。ウェイトは、筋肉がコントロールして扱うことで意味のある価値ある負荷を与えることができます。
ダンベルやバーベルなどのウェイトを使用しない、チューブトレーニングでも、体の反動を使わずに、対象筋の力だけで動作することが大切です。
全ての筋トレはこのマッスルコントロールから始まります。
“チーティング”と“ストリクト”の概念を理解し、より効果の高い筋トレへ

筋トレには「チーティングフォーム」と「ストリクトフォーム」という概念が存在します。
ストリクトフォームとは“正しい”“正確な”“厳格な”という意味があり、つまり反動を使わず丁寧で正しいフォームという意味になります。
反対にチーティングフォームとは“反則”という意味があり、体の反動を使ってメインターゲット以外の筋肉を使用して行う自分で自分を補助することができるフォームという意味になります。
この2つの概念がトレーニングでは非常に効果的な役割を果たしてくれます。
ここで先ほどの“体の体幹伸展動作は間違ったフォームだ”と解説しましたが、これはこのチーティングじゃないのか?とお気づきになった方もいらっしゃるかと思います。
しかしこのチーティングというのはあくまで、“ストリクトフォームで挙がらなくなってから最後に追い込むために対象筋以外の筋肉を少しだけ使い、ぎりぎり対象筋の力のみで挙げられる程度の力で補助をするフォーム”なので、ただ闇雲に体の反動を使って動作するのとではまったたく意味が異なるわけですね。
この概念を踏まえた上で、しっかりと質の高い筋トレを行っていきましょう。
チューブローイングトレーニングの効果的なセット数について
効果的なセット数について

一般的には最低でも“3セット”と聞いたことがあるかもしれませんが、これでは少ないです。3セットのみでは筋肥大・引き締めには十分な負荷を与えられずに効果が表れにくいです。
最低でも5セット以上10セット以下
最低でも5セット以上はトレーニングすることをおすすめします。
引き締めに効果的な負荷を与えるには筋肉の緊張時間を長くし、かつしっかり重量をかけてオールアウト(追い込み切る)することが重要になります。
また、筋出力向上の観点からしても5セット以上でないとすべての筋繊維が使用されずに使用重量もあまり発揮されません。つまり3セットではウォーミングアップレベルでしかないということになります。
パワーリフティングのトレーニングでも基本的に8セット・10セットというのはごく普通のトレーニング強度です。それくらいのセット数で追い込まなければ目に見える効果はなかなか表れてくれません。
しっかりとオールアウトさせることを意識してください
チューブローイングトレーニングを行う前・後のストレッチについて
チューブローイングトレーニングは、腰に負荷が加わりやすいため、必ず入念なストレッチをしてからトレーニングすることを心がけて下さい。
背中や腰のストレッチをすることで柔軟性が向上し、出力向上や可動域も広がるため全体的なパフォーマンス向上につながり、体が温まることで血流がよくなり怪我のリスクも軽減させることができます。
トレーニング後も同様にしっかりとストレッチすることが重要です。トレーニング後は筋肉疲労や疲労物質が身体に蓄積し筋肉が緊張することで張りも出てきます。このため入念なストレッチで筋肉の緊張をほぐし、筋肉をOFFの状態に戻すことで後々の筋肉痛軽減や怪我の予防やパフォーマンス低下を防ぐことができます。
フォームローラーでセルフマッサージをしてさらなるパフォーマンス向上へ
フォームローラーとは、適度な柔軟性のある素材で出来た円筒形のマッサージ器具、ストレッチ健康器具です。
筋トレをしている方であれば一度は耳にしたことがあると思われる「筋膜リリース」
筋膜リリースは、体のパフォーマンスを向上させ、各種スポーツ競技や、ウェイトトレーニングの場面で最大の効果を発揮します。
怪我の防止や筋肉痛の改善、関節・筋肉の柔軟性を向上させてくれる、広範囲に効果があるとされています。
そんな筋膜リリースを自分で行うことが出来るのが、「フォームローラー」
通常のストレッチだけではほぐせない体のコリや張りをより効果的に解消することができます。背中や腰に使用すれば柔軟性もより向上するため、私もBIG3トレーニング前と後には必ずストレッチポールを使用しています。
【フォームローラーの驚くべき効果!筋膜リリースで体のパフォーマンスを飛躍的に向上させる秘密兵器!】
↑合わせて確認していただき、よりパフォーマンスの高いトレーニングをしていきましょう!
チューブローイングトレーニングで生じる筋肉痛について

「筋肉痛=効果」というわけではありません。「筋肉痛がない=効果がない」というわけでもありません。筋肉痛は、筋肉の使い方・使用する筋肉によって生じたり、生じなかったりします。
運動をされる方の体質や過去の運動経験、持っている筋組織によっても違いが生じます。
ここでは、そんな筋肉痛のケア方法をご紹介します。
ビタミンB1・カルシウムを積極的に多く摂取しましょう

筋肉痛を早く解消するには、豚肉、ウナギ、カレイなどのビタミンB1を多く含む食材、牛乳、乳製品、わかさぎなどの小魚、小松菜、ヒジキなどカルシウムを多く含む食物を食べると効果的といわれています。
有酸素運動も積極的に取り組もう

また、筋肉痛の度合いを見ながら、適度な有酸素も効果的です。急激な運動はさらに筋肉の炎症を起こしてしまうため、軽めの有酸素運動が筋肉痛の改善には効果的です。
有酸素運動をすることで、血液の循環がよくなり、溜まった乳酸を放出しやすくなります。軽いウォーキングやランニングなど、無理しない程度に運動しましょう。
ストレッチも効果的

縮んだ筋肉を伸ばし、血流を良くするために、ストレッチも有効です。しかし、急激に伸ばしてしまうと、反対に筋肉が縮こまってしまうので、徐々に伸ばしましょう。
優しくゆっくりとストレッチすることが大切です。
しっかり休息を取ることが大事

筋トレの強度によって、筋肉痛の度合いや長さは異なります。
強度の高いトレーニングで追い込んだのにもかかわらず、短期間で筋肉痛が治まってしまうパターンや、筋肉痛が出ないケースなどもあります。「筋肉痛がない=筋肉が超回復した」と思ってしまいがちですが、筋肉の超回復には十分な休息が必要不可欠です。
筋肉が超回復をしていないと、パフォーマンスにも影響するため、しっかり休息を取りましょう。
筋肉痛には、どれくらいの期間で治るという目安はありません。
運動不足の人は筋肉痛になりやすく、なかなか疲れが抜けず長引きやすいです。
十分な強度で筋トレをしたら、トレーニング後最低でも48~72時間の休息が必要です。
ペースを考慮して、休む。または鍛える部分を変えることが大切です。
トレーニングを行う際のポイント・注意点

- 体を締めつけない、動きやすい服装で行いましょう
- ゆっくりとした動作を心がけ、動きに反動をつけないよう気をつけましょう。
- 呼吸をしたまま動作を続けましょう。押す動作(ポジティブ動作)で息を吐き、戻す動作(ネガティブ動作)で息を吸いながら自然な呼吸を意識します。
- 決して無理をせず、痛みを感じない範囲内で行いましょう。
- 限度を超えた負荷でやりすぎると、逆に痛みを悪化させてしまったり、膝関節の劣化を早めてしまう原因になります。
- 負荷は少しずつ高めて行きましょう。特に運動不足の方は必ず軽めからスタートしましょう。
- 運動中に違和感や気分が悪くなったら直ちに中断して休みましょう。
- フィットネスは「続ける人」が最強です。痛みや疲れがある日は除き、チューブトレーニングはできるだけ毎日続けましょう。
- 筋肉が十分に鍛えられるまでにはそれなりに時間がかかります。焦らずに続けましょう。継続が大事です。
- トレーニング前後にストレッチで筋肉を伸ばしておくと、筋肉痛を緩和できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
チューブローイングの優れた効果について確認していただけたかと思います。
トレーニングチューブを利用したチューブローイングは、背中全体という大きな筋肉群に広範囲にその効果をもたらしてくれる効果的な種目です。
是非このチューブローイングに取り組んでいただき、理想的な引き締まった美しい背中を手に入れていただければと思います。
“No pain No gain”

AKI

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