内側からスッキリ体幹!ニートゥチェストのやり方・コツと7つの注意点を初心者向けに解説していきます!
腹直筋と腸腰筋、そして大腿直筋も鍛えるニートゥチェストは体幹トレーニングでもあり、アンチエイジングボディの要ともいえます。
ニートゥチェストはシットアップのように腹筋をダイレクトに鍛えるイメージは薄いものの、トレーニングのポイントを押さえて行うことで腹直筋下部を鍛えると同時に、股関節の運動に作用する腸腰筋の力も強くなります。腸腰筋は腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉、外観上は人の体を真横から見たときに上半身と下半身を結ぶ美しいS字のラインを描く働きがあります。筋肉の働きとしては階段の上り下り、歩くことなど、フットワークの軽快さにつながります。
エクササイズに取り組むときのポイントと、より効果アップさせるための注意点を押さえてマスターしてしまいましょう。
この記事の目次
ニートゥチェストの概要
ニートゥチェストは、腹筋を使って膝を胸に近づける動きをすることで腹直筋と腸腰筋を強くしていくトレーニングです。そして膝を寄せるときに大腿直筋にかなりの不可がかかります。シットアップのような完全な腹筋運動が出来なくてもニートゥチェストなら手軽に行えて、しかしながらエクササイズの難易度も自己流では決して低くない、下腹の引き締めに効果的な運動です。ダブルクランチとも呼ばれるクランチのバリエーションのひとつです。
体幹を効果的に鍛えられるニートゥチェスト
ニートゥチェストには2種類あります。
- 床に手をつかない
- 床に手をついて体を支える
ニートゥチェストのやり方は後で説明しますが、足を床につけずに行うトレーニング、1のやり方は足同様に両手も床につけません。まさに四肢の力に頼ることなく胴体=体幹の力が全てです。私たちの体幹の要である腹直筋と腸腰筋だけに意識を向けて刺激することを実感できる筋トレです。
手を床について体を支える方法は、1のやり方よりもシットアップの負荷に近づきます。
ニートゥチェストで鍛えられる筋肉
ニートゥチェストは下腹の引き締めのために取り入れたい筋トレですが、腹直筋下部。腸腰筋、そして大腿直筋にも強化が及びます。
腹直筋下部
下腹を引き締め、いわゆるシックスパックの下の方の力を鍛え、見た目もスッキリと引き締めます。
こちらの記事でシックスパックの様子を動画もご覧いただけます。
腸腰筋
腸腰筋とは、大腰筋、小腰筋からなり、骨盤、大腿骨へ繋がる筋肉で、股関節を上げたり屈曲させる筋肉です。日常的に長時間座っていることが多かったり、加齢などで、鍛えないと無意識のうちにパワーが衰えてしまう場所です。長時間座っていると腸腰筋を縮めていることになり、立っているときも股関節が縮んだままの姿勢で動作が硬くなり、歩き方や階段の上り下りなど、足元の安定に影響を及ぼします。
動画はフランスのものですが、音声なしで腸腰筋の場所と体の動作に伴う動きを見ることができます。
- 翼のように左右に開いている骨盤の中に腰骨筋があります。骨盤の中の赤い部分です。(片側の筋肉だけで始まります)
- 次に現れるのが大腰筋。腰椎の第一腰椎から第五腰椎の突起から始まり、続いて腰骨の前面に現れる、より大きな筋肉群です。
- 腰骨筋と大腰筋は共同の腱となり 大腿骨の小突起まで伸び、鼠径(そけい)部の靭帯として骨盤を包む様子が見て取れます。
- 腸骨筋と大腰筋が腸腰筋群です。(小腰筋も含まれますが誰にでもある筋肉ではないといわれています)
続く動画で、脚の上げ下ろし、脚の付け根の回転、背中を起こしたときに腸腰筋がどのように働いているのか?はとても興味深く、鍛えなくては!と思わず力が入ります。
大腿直筋
大腿骨を起点として太腿の前面にあり、股関節の屈曲、膝間接の曲げ伸ばしを行う筋肉です。膝関節と聞くと、ちょっとドキッとしませんか?膝関節がパワフルだということは若々しさのツボ、すごく重要!ですよね。
動画は大腿四頭筋の様子です。ご覧いただくと、腿の筋肉がどのようについているかがわかります。腸腰筋から繋がる大腿直筋は、47秒あたりの Le quadriceps fémoral から見ることができます。大腿直筋が膝にどれほど関与しているかがよくわかりますね。
ニートゥチェストのメリット
腹直筋下部、腸腰筋、大腿直筋を鍛えることで次のようなメリットが期待できます。
特に、加齢とともに弱くなる「足腰」とは、正にこの3つの筋肉のこととも言えるでしょう。これらの筋肉を鍛えることで「歩くこと」もパワフルな運動になり得ます。
- 下腹が引き締まり、ウエストのくびれ作りに繋がる
- 腰痛の予防になる
- 姿勢がよくなる
- 日常の動作が強靭に滑らかになる
いつまでも若々しくアクティブな体でいるためにもエクササイズの習慣を持ちたいですね。車での移動が多い方もぜひとも気をつけたい場所です。
ニートゥチェストのやり方
初心者向け
動画の最初のエクササイズ、腕でバランスを取りながら膝と胸を近づけます。
両腕、両足を床につけないので、初めは難しく感じるかもしれません。ですが、最初は形を取るだけでも大変だったのが、諦めずにやっていくうちにすぐに慣れてきてニートゥチェストの筋トレになってきます。
そのためには、足をつけないとムリ〜💦と思ったら迷わず足を一旦床に下ろしましょう。それでまた続けて、足を下ろしたくなったら下ろします。足を下さないなんてムリだからってニートゥチェストをやめてしまったら筋トレ効果はゼロですが、足を下ろしながら続けていくうちに、面白いほど滞空時間?が伸びて膝の曲げ伸ばしがモリモリ進みます。
詳しいやり方はこちらで解説していますのでご覧ください。
中級以上向け
両手を床について両膝を胸に近づけます。筋トレとしてはかなりシットアップに近くなります。
手を床におく位置については様々です。
- 体の後ろにおく
- 体の脇におく
- 腰の前方におく
身長や腕の長さによりベストな位置を見つけていただければと思います。気をつけたいことは、座り方です。椅子に座るように床に座ると滑らかなエクササイズが行いにくくなります。椅子に座るような床との接点で手を床におくと筋トレ効果のアップが期待できないばかりか腰に余分な負担がかかる懸念もあります。これから解説する「効果アップのための7つの注意点」で座り方について詳しく解説していきます。
詳しいやり方は上記と同じ記事で初心者向けに続いて解説しています。
ニートゥチェストの5つのコツ
それでは、ニートゥチェストでターゲットとなる腹直筋下部と腸腰筋、大腿直筋に効果的に効かせていくためのポイントを解説しますね。一見地味な筋トレながら、コツを押さえて下腹から股関節周りの筋肉を鍛えていきましょう。
1. 始める前のストレッチ
二の腕から脇、ウエスト、腰回りにかけて伸ばしましょう。
- 仰向けになり右手を頭の上に上げる。
- 胴体はなるべくまっすぐのまま、右脚を左脚の向こうへ十分に倒す
- この大勢で脇からウエスト、腰までを十分にストレッチする
- 左側も同様に行う。1回ずつで十分伸びます。
背骨でコリがボキッと解れる音がするかもしれません。硬い背中のままだと腹筋運動もキツイので、ぜひほぐしてニートゥチェストに入ってくださいね。
2腹直筋下部で膝を引き寄せる
膝を胸に寄せるときに、腹筋下部=お腹の下の方を曲げるのではなく、腹直筋下部を使いながら胸と膝を近づけるから、腹筋を曲げてるかのような体勢になるのです。腹筋を曲げる意識は忘れましょう。
3呼吸とともにリズミカルに行う
呼吸と動きが連動することがニートゥチェストを滑らかに行うコツ。特に初心者向けの、両腕でバランスをとるやり方は「バランスを取る」という動作が加わります。バランスを取るというと難易度が高い印象があるかもしれませんが、実際に行ってみるとむしろ楽しい筋トレという風に感じられると思います。呼吸とバランスがマッチしてくると腹直筋、腸腰筋、大腿直筋により効いてくるのがわかりますので、最初は足を床につけたまま膝を胸に近づけて呼吸のイメージをつかんでみるのもおすすめです。
4後のストレッチ
バランスボールに仰向けに乗り、ニートゥチェストで収縮した腹直筋、大腿直筋を裏返すように、腹筋を解放して十分に伸ばします。伸ばすことも腹筋を鍛えることに繋がりますのでバランスボールを使ったお腹のストレッチは効果的です。
バランスボールの選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
5絶対に足をつけない状態に追い込むには
ベンチなどを使って足元に床がない状態を作ります。床の上でのニートゥチェストに慣れてきたら設備のあるジムなどでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ベンチに座るときも、先に説明しましたように、お尻とベンチの接点はお尻の上の方です。
ニートゥチェスト効果アップのための7つのポイント
ニートゥチェストを行う上で押さえておきたい7つのポイントを解説します。
1 最も重要!お尻のどこで座るか
フランスのマリ・クレール誌オンラン版でわかりやすい動画をご紹介します。クリックしてご覧ください。
最初に “Je veux un ventre plat” とタイトルが出てきて、意味は「平らなお腹になりたい」(*^-^)。
床に座るときに、椅子に座るようにお尻の下の方で座るとニートゥチェストはうまく行きません。もしニートゥチェストが全然ムリ〜と思ったら、腹筋がないからではなく座り方に問題があるかもしれません。
上の動画で1分5秒あたりから、お尻のどこで座るか?ついて注意をしています。お尻の下の方ではなく、お尻の上の方を床につけます。仙骨を寝かせる感じ、というとわかりやすいでしょう。
お尻の上の方で座ることで、胸から膝までが伸びやかになり、腿の前面の大腿直筋にもしっかり効いてくるのがわかります。
また、動画の冒頭で、先に解説しましたようなニートゥチェストで鍛えられる部位、腹直筋、腸腰筋、大腿直筋に効きますよ、といっています。
2 足を床に下ろしちゃダメ、だけど…
足を床につけないことでニートゥチェストの筋トレ効果が期待できますが、始めてみて、足を下さずにはいられない、足をつけないなんてムリ〜!と思った場合は、足をつけて一呼吸おきましょう。ムリと思ってニートゥチェストをやめてしまうのは本当にもったいないので、休み休みでも諦めずに毎日少しずつやってみることをおすすめします。続けるうちには足をおろす必要がなくなって来ますので、楽しみに続けてくださいね。
3 足を伸ばしたときに上体を反りすぎない
お腹が伸びてしまうと、上体が反ってしまいます。ニートゥチェストに限ったことではありませんが、腹筋に力を入れるという意識よりは、お腹を締めた状態を保つことが大切です。お腹を閉めることでおへそがお腹の内側に入り、お尻も自然に締まります。すると、両膝を引き寄せるときの腹筋もパワーあるものとなります。
4 膝を胸に寄せるときに背中を丸め過ぎない
胸に膝を寄せるときに、顎を引いて胸を前に押して行くようにします。背中を丸めると、胸は下がります。胸を落とさないことで体幹全体がひき締まることを実感できるでしょう。
5 呼吸法
息をフーッと吐きながら膝を引き寄せます。ニートゥチェストはゆっくり行うことでより負荷がかかりますが、息を止めるほどスローテンポになると筋トレ効果も半減してしまいます。呼吸の深さと動作がマッチする速さで行いましょう。
深い呼吸とは?
筋トレでは深く息を吸う、しっかり呼吸する、といわれていますが、呼吸の深さとはどれくらいのこと?と思いますよね?
具体的な呼吸法は以下の通りです。
- 肩は絶対に上げずに、胃から下腹がへこむまで息を吸う。
- 同時に胸が風船のようにボリュームアップする
- その息を吐き出すことでお腹が風船のように膨らむ。
ニートゥチェストに限らず、どんな筋トレにも必要で、日常生活でも深く呼吸する習慣とスッキリ下腹はどうやら比例することがわかりますね(*^-^)。
6 腰痛にならないために
今までの注意点のまとめのようになりますが、次の2点に注意することで腰へ余分な負担がかかるのを防ぐことができます。
- 床とお尻の接点を間違いない
- 背中を丸めて胸を落とさない
7 回数よりスムーズに動くフォーム
筋トレはとかく、何回やれば効果が出る?と思いがちですが、ニートゥチェストもコツをつかんで慣れてしまえばターゲットの筋肉を鍛えるための回数の目安はあります。ですが、ここまで解説してまいりましたように、ニートゥチェストはいくつになってもアクティブに日常生活を続けるための体幹トレーニングでもあります。
回数を設定してまとめて行うのもいいですが、床に座っていればテレビを見ながらでも出来ますので気がついたらちょこちょこやってみることでスムーズに動けるようになります。ニートゥチェストは回数よりきれいなフォームで滑らかに動くことがとても大切です。
回数の目安はこちらの記事をご参照ください。
シックスパックは腹筋を鍛えて手に入れる
ニートゥチェストは完全な腹筋=シットアップに変わる筋トレですが、他のメニューと合わせることで、シックスバックは夢ではありません。家でできる自重トレのメニューはこちらで詳しく解説しています。
頑張っているのに腹筋が割れない・・・そんなあなたはこちらの記事をご参照ください。思い当たることがあるかもしれません。
女性のシックスパックについてこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
ニートゥチェストで鍛えられる場所は、まさに美容と健康を支えるアンチエイジング筋といえますね。腹筋力をアップさせることは股関節から膝関節まで繋がる大腿直筋を鍛えることに繋がります。
- 座り方
- 呼吸
- フォーム
に注意して行うことで、猫背の解消、引き締まった下腹、上々のヒップラインが期待できます。
手軽な筋トレですのでコツをつかんでマメに行い、内側からスッキリ引き締まったボディとアクティブな日常生活をキープしていきましょう!
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