腹筋を鍛えることで下腹を引き締め、ウエストのくびれを作るとわかるものの、腹筋できない場合はどうやって鍛えてたらいいか? 今日は腹筋ができない理由に迫り、誰でもできる腹筋のはじめの一歩からモリモリ鍛えて行くコツまで解説して行きます。
腹筋ができない人でも手軽に始められるエクササイズばかりですので、体とコンディションに合った筋トレを見つけていただければと思います。
この記事の目次
あなたが思ってる腹筋とは?
腹筋には2通りある
私たちが「腹筋運動」と認識しているのは人により結構バラツキがあるもので、大きく次の2つに分かれるでしょう。
- 仰向けから上体を肩甲骨が上がる程度に起こす程度の腹筋。
- 手を頭の後ろで組み、仰向けから上体を座る体勢まで起こす、お馴染みの本格的な腹筋運動。
1の腹筋はクランチと呼ばれ、2の腹筋はシットアップと呼ばれるエクササイズです。
多くの場合、「腹筋1回もできない。このままではウエストが成長するばかり?」と焦るのは、2のシットアップができないケースではないでしょうか?
腹筋は難しいと思い込んでいないか
シットアップは上体を起こすときに、背中を丸めるように起き上がる「体幹屈曲動作」が加わります。「体幹屈曲動作」を行うためには腹直筋の力が必要になり、股関節周り・腰回りの筋肉も使います。ということは、運動の難易度は決してかんたんではないことがわかりますね。ですので腹筋=シットアップができないからといって落ち込まなくても大丈夫です。
腹筋ができない理由のひとつに、腹筋がないから腹筋ができない、という思い込みもありますが、完全なシットアップをできるようになることよりも、腹筋=腹直筋を鍛えることに着目して、あとで解説するクランチで腹直筋を鍛えることで「腹筋」はちゃんと手に入ります。
腹筋を鍛える意外なメリット
腹筋を何としてでもできるようになりたい!鍛えたい!という願いは、平らで贅肉のないお腹とスッキリくびれたウエスト、たて長の若々しいおへそのイメージそのものでしょう。ですが、腹筋(腹斜筋)は健康面からも重要な役割を持っています。
腹筋と骨盤底筋のアップ
外腹斜筋、内腹斜筋は排尿、排便をスムーズにする働きがあります。欧米では腹筋と骨盤底筋を鍛える必要性が広く認識されており、日本でも同様に鍛えて将来に備えようという動きが注目されていますが、太ることで腹筋力が下がる健康上のデメリットの一つは尿もれ防止という視点です。健康にいいことは美容にもいいですね。
美声が手に入る
腹筋を深い呼吸で行うトレーニングが身につくと、声が自然に「ハリとツヤのある美声」になってきます。腹筋が必要ないスポーツはほとんどありませんが、筋トレのために腹筋をする人も、他のスポーツのために腹筋をする人も、然るべきレベル以上になると腹筋力は「よく通る素晴らしい声」となって現れます。
あなたの身の回りの方でもきっと、思い当たる方がいらっしゃることと思います。歌うためには腹筋を鍛える必要があり、私たちも腹筋を鍛えることでスッキリしたお腹にくびれたウエスト、もしや声優さん?と思わせるハリのある美声がいつの間にか!育つのです。
ジムのトレーナーや各スポーツの指導に当たる人たちの気合いの入った声は、鍛えられた腹筋の成せるワザというわけです。
腹筋ができない人によくある理由
腹筋の筋トレの前に、腹筋ができないわけを探ってみましょう。
もしや、反り腰?
反り腰とは?
ウエストの下からヒップにかけて脊柱が反っているようなライン(画像のオレンジライン)になってしまうこと。骨盤が前に傾いてしまい、腹筋に力が入りにくい状態ともいえます。
ウエストのくびれとヒップラインの正しい認識が大切です。ウエストのくびれとは「正面から見て左右にくびれがある」ということです。横から見たらときは、胃の上には筋肉がのって、ウエストの後ろには画像のように背筋があることで、丸い胴体であることが審美的にも理想です。
もしや反り腰?調べる方法
- 壁に踵をつけて立つ。
- ヒップ、背中、頭を壁につける。
- ウエストの下、ヒップの上のすき間に手の平を入れる。
このときに手の平1枚が入るくらいなら心配いりません。かなりすき間がある場合は、知らず知らずの間に腰が反っているかもしれません。
なぜ反り腰になるのか
よく聞かれるのが、姿勢をよくしようと思うあまり、無理にお尻を出そうとして反ってしまうケース。最近はモデルの画像などでウエストのくびれとヒップラインを強調するあまり不自然な加工をされているのをよく見かけ、人工的な見た目の影響も考えられます、でもこれを真似ては骨盤が前に傾くだけではなく腰痛を招いたり背中や肩への負担にもつながります。
その他では呼吸が浅いこと、腹筋の力が不足気味、などの影響も上げられます。
腰痛で腹筋するのが不安
- 腰が痛くて現実的に腹筋は厳しい。
- 腹筋で無理して腰を痛めそう。
腰に自信がない場合はシットアップを考えるよりも、腰痛緩和やごく軽いエクササイズから取り組んでみるといいでしょう。
腰の疲労対策に骨盤歩き
骨盤の歪みを整えることで腰の疲労を軽減する古典的なエクササイズ。同時に心と体のパワーの元である丹田を鍛えることができると言われています。
やり方
- 床に脚を投げ出して座る。
- 座ったままお腹を立てて骨盤でまっすぐ前進する。
- 前進するときに左右の腕の肘を曲げて走るときのように前後に振る。
- 前に6歩、後ろに6歩を繰り返す。
- 慣れてきたら左右にも移動してみる。
コツ:骨盤で歩くときにウエストと腕を捻らないように真っ直ぐ前進、後退を行います。
回数:暇さえあればいくらやってもいい。前に6歩、後ろに6歩を3往復はしたいもの。時間も気力もないときでもスッキリします。反り腰の方も骨盤がととのぜひお試しください。
腹筋ができない人はおへそを見ることから
いきなり背中の下までの上体を起こす腹筋=シットアップではなく、クランチから取り組むことで無理なく腹筋を鍛えられます。そのクランチも、手軽な体操レベルから負荷をかける筋トレレベルまで多様です。そこで、気分的にも体にもこれ以上ないかんたんなエクササイズをご紹介しますね。
このエクササイズは筆者が足の怪我をしたときに、腹筋足りない。。が治療師にバレてしまい、教わったものです。その治療師さんはスポーツケアが得意、トリノオリンピックで選手に同行、腹筋に消極的だった私に目からウロコのエクササイズを教えてくれました。
クランチより簡単!おへそを見るだけ
仰向けで自分のおへそを見る。
これだけです。腹筋をしなきゃ、クランチをやらなきゃ、と課してしまうと、腹筋できない人←かつての私も! にはちょっとプレッシャー、でも「おへそを見るだけでいい」と言われれば気分的なハードルが下がり、実際に腹筋の筋トレ効果もちゃんと上がります。
やり方
- 仰向けになって膝を曲げる。
- 両手を軽く握り、こめかみの辺りに持っていくか、手を自然に下ろしたそのままでも。
- この体勢で自分のおへそを見るために上体を上げる。
呼吸のポイント:鼻から息を吸い、上体を上げながら息を吐く。
回数
「今日はこれが限界」を更新して行きます。上体を背中の下まで完全に起こすシットアップの1回よりも、おへそをちょこっと見るだけの3回、くらいに気楽に構えて少しずつ自信をつけて行きましょう!
これだけでもけっこう腹直筋に効きますので、大切なのは続けること。記録をとっておくといいですね。
腹斜筋と呼吸の深い深い関係
全ての筋トレ、あらゆるスポーツに正しい呼吸は欠かせないものですが、腹筋の筋トレの場合には、より一層深く呼吸することが大切です。筆者はフランスでオステオパシー(整体等ではない専門家による運動療法)を受けているのですが、口を酸っぱくして言われることが「深く呼吸すること・肩を上げて呼吸しないこと」。
それで、深い呼吸とは具体的にどれくらいの深さなの? オステオパシーの先生曰く「骨盤まで使って鼻で吸って口から吐く」。
腹筋は非常に大きく広範囲に渡り、コルセットのような形をしています。
インナーマッスルとは、お腹に力が入って強く締まる力のことではなく、表面の筋肉はリラックスしていながら内側がパワフルに稼働する状態を意味します。表面の筋肉をいかにも締めると、内側の力が働かないのが腹筋の形状の特徴でもあります。
このような深い呼吸のイメージを持つと、これからご紹介するクランチの動画も見え方が変わってくるかも知れません。単なる体の運動ではなく、呼吸で筋トレしてるイメージですね。ぜひ呼吸しながらご覧ください。
その他のトレーニングも深い呼吸法に注目することで筋トレ効果は確実にアップします。
腹筋ができない人のため腹筋トレ
腹筋=シットアップができない人のために、負荷が少なめのエクササイズをご紹介します。寝転がってできる筋トレは疲れているときでも体が自然に動くようになるといいですね。
1 クランチ
上で解説しました「おへそを見るだけ」に慣れてきたら、筋トレとしてのクランチに取り組んでみましょう。「腹直筋」にダイレクトに効きます。
やり方
前出の「おへそを見るだけ」エクササイズからいよいよ筋トレとして行っていきます。
スタートポジションは同様に、クランチでは背中でお腹を織り込むようにすることで肩甲骨が床から離れます。
- 上体を上げる動作では腹筋を織り込むように。
- 肩甲骨が離れるまで息をフーーッと吐き続ける。
- 息を止めない。
クランチのやり方はこちらの記事で詳しく解説しています。
ポイント
- 腰で頑張らないこと。呼吸とともにお腹の力で滑らかに動かすことを意識する。
- 仰向けでも呼吸は肩が上がらないように深く正しく。
上の動画をお腹に手を当てながら一緒に呼吸しながら見てみます。
慣れてきたら、呼吸をより深くしながらゆっくり行うことで腹筋に負荷をかけることができます。
2プランク
プランクとは「板」という意味の通り、体を真っ直ぐに固定して腹筋で支えます。シンプルなエクササイズながら、「腹横筋」「腹直筋」「腹斜筋(内、外とも)」「臀筋」を鍛えることができる筋トレです。最初はけっこうキツイですが毎日行うことで以下のような優れた効果も期待できます。特に、1日デスクワークの方におすすめです。プランクは動かないのに、あとがすごくスッキリしますよ。
毎日5〜10分行うメリット
- 重い物を持ち上げる力がアップする。
- シックスバックの見た目に変化が現れる。
- 背中からヒップの筋力を上げる。
- 他の腹筋運動よりカロリーを消費し代謝アップ。
- 姿勢がよくなる。
- 体全体のバランスがよくなる。
- 肩、肩甲骨など背中にある背中の筋肉がストレッチされるため柔軟性がアップ。
- ストレスや緊張の原因となる筋肉をほぐす。
やり方
- 腕とつま先を床につける。
- 耳からつま先まで直線を描く。
- 頭は床を見てリラックスさせる。
- 深い呼吸を続ける。
- 最初は10秒から!徐々に時間を伸ばして行く。
コツとバリエーション
リラックスして体を真っ直ぐに伸ばすことで気持ちよさを感じてください。その気持ちよさを腹筋でキープする意識です。最初は腹筋がたちまちブルブルしてきますが、持ちこたえる時間は焦らず、コツコツ伸ばして行きましょう!
慣れてきて同じポジショニングでつまらなくなってきたら次のようなバリエーションを取り入れるのもいいですね。
必ずリラックスした深い呼吸で行います。
- 片脚を上げる。
- 片方の腕だけで体を支える。もう一方の腕は肘を曲げて手は耳の後ろ。
- 腕立て伏せの基本の姿勢。
これらを時間の中で変化をつけてみます。
プランクのやり方はこちらの記事でも詳しく解説しています。
3レッグレイズ
クランチから少し負荷をかけて、インナーマッスルの元となる「腸腰筋」を鍛えて行くことができます。脚を伸ばしてつま先を顔の方に向けることで、腿の後ろ「ハムストリングス」にも効いてきます。
やり方
- 両手をお尻の下に置く
- 床から足を10〜15cm上げて息を深く吸う。
- 脚を上げるときに息をフーーッと吐きながら上げて行く。
- 脚が垂直近くになったときに、お腹が最も小さく収縮している。
コツ
- 腰で頑張らないこと。呼吸とともにお腹の力でスムーズに動かすことを意識する。
- スタート地点(床近く)に戻ったときに足を床に置かないことで腹筋への効きめを持続させる。
- 呼吸は深く正しく、良いフォームを保つこと。
特に、腰に負担がかかるのは間違いですので気をつけましょう。腹筋の収縮だけを意識して行います。
エクササイズの前に動画を見ながらお腹に手を当てて動きに合わせて呼吸してみるとコツがつかめますよ。
レッグレイズのやり方はこちらの記事でで詳しく解説しています。
また、ぶら下がり健康器があれば、レッグレイズをはじめ幅広いトレーニングができるのでオススメです(^^)
4レッグツイスト
腹筋ができない人でも仰向けに寝転がってできるエクササイズ。筋トレの難易度が低いながら「腹斜筋」を十分に鍛えてウエストのくびれ作りが期待できます。
やり方
上体を固定して息を吐きながら脚で扇を描くように脇腹をひねります。
レッグツイストのやり方はこちらの記事で詳しく解説しています。
5ニートゥチェスト
ダブルクランチと呼ばれるクランチのバリエーション、お腹の力で胸に膝を引き寄せるエクササイズ。難易度は上がりますが、「腹直筋」と「腹斜筋」、そして「大腿直筋」にも効きます。
やり方
ニートゥチェストには2つのやり方があり、やさしい方から解説して行きます。
腕でバランスを取るやり方:お腹で自分の体のバランスを取るエクササイズ
- 上体を斜めにして両脚を軽く伸ばして床に座る。
- 膝を曲げて両足を床から少し上げる。
- 腕を前方に、バランスが取れる位置に持っていく。
- 体を伸ばす動作:脚を軽く伸ばしながら同時に上体を横たえていく。
- 戻る動作:膝を折りながら同時に肩甲骨を上げていく。
- 5で元の位置に戻るとき、腹筋を十分に収縮させ胸と膝を近づけていく。
- 元の位置に戻ったら呼吸=鼻から息を十分に吸う。
- 息を吸ったら4から繰り返す。
両手を床について体を支えるやり方:シットアップにかなり近いエクササイズ
- 上体を斜めにして両脚を軽く伸ばして床に座る。
- 膝を曲げて両足を床から少し上げる。
- 両手は床について体を支える。
- 息を吐きながら、腹筋を収縮させながら胸に膝を近づける。
- 肩甲骨が上がって胸と膝が近づいたところで元の体勢に戻る。
- 元の位置に戻ったら呼吸=鼻から息を十分に吸う。
- 息を吸ったら4から繰り返す。
両手をついた方が簡単?と思いきや、意外と難易度を感じるかもしれません。1は骨盤で体を支えて腹筋でバランスを取る面白い筋トレです。床との接点は骨盤だけですので、先に解説しました骨盤歩きに似た、骨盤が整う実感があります。
回数
動画の最後に回数の目安がありますので、ご参考にされていただければと思います。
- 初心者:10回を3セット:最初は1回やったら足をつけて、から無理なく増やしていくといいでしょう。
- 中級者:20回を4セット
- 上級者:30回を5セット
コツ
- 上体の動きと脚の動きを同時進行で行う。
- 足を床につけない。
- 腰ではなく骨盤で運動を支える意識を持つ。
- 腹筋を収縮させるとき=膝を引き寄せるときに息を吐く。
6腹筋ローラー
「器具を使わない自重トレだけではなく、やはり、何か「道具」があるとトレーニングの気分転換になり、モチベーションもアップしてきますね。腹筋ローラーを使うことで「腹直筋」「腹横筋」「屈筋股関節」に効かせることができます。
ここでは一般的に「膝コロ」と呼ばれるエクササイズをご紹介します。膝コロは「上腕三頭筋」にも効きます。
やり方
- 四つん這いの姿勢から腹筋ローラーを持ち、床と腕が直角になるように。
- ローラーを転がしながら、上体を前に伸ばしながら降ろしていき、腕と床の角度が30度を割るくらいまでローラーを転がす。
- 前方に降りて行くときには息を吐きながら。
- 元の位置に戻るために、ローラーを引き寄せながら腹筋を収縮させる。
コツと注意点
- 戻るときに背中を反ったりアーチにしない
- 前方へ伸びるときに急いで転がさない
- 膝の黒ずみ防止のために膝の下にマットなどを敷くと良い
ある程度腹筋をトレーニングして腹筋力がないとローラーの力に負けてしまうこともあります。最初はできたら経験のある人に見てもらえるといいですね。ケガには十分に注意しましょう。
腹筋ローラーの選び方、腹筋ローラーでの筋トレについてはこちらで詳しく解説しています。
ストレッチで腹筋を鍛える
シットアップすることなく行える腹筋のトレーニングをご紹介してまいりましたが、収縮させた腹筋は「伸ばす」ことも大切です。
腹部を伸ばすことでも腹部を強化することにつながります。また、ストレッチは筋肉痛を取り除くのにも役立ちます。
やり方
- 腹這いになり、お腹から胸を起こし、首筋まで伸ばす。
- 脚は膝を楽に伸ばすか、画像のように膝を折ってつま先を伸ばすとヒップアップに効く。
- 腹筋を伸ばしながら骨盤を膨らませる気持ちで息を吐く。
まとめ
腹筋できないあなたへの処方箋、いかがでしたでしょうか?
腹筋ができない理由は反り腰や腰痛の不安によることが多いので思い当たることがあれば筋トレの前に簡単なエクササイズで腰痛対策すると安心です。完全なシットアップができなくても腹筋を十分鍛えらる方法がいくつもあり、前向きに腹筋のトレーニングができますね。気に入ったエクササイズを見つけて、強くてしなやかなウエスト目指して頑張ってまいりましょう!
【関連記事】腹筋に関する記事はこちらご参照ください(^^)
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