リフティングシューズ(ウエイトリフティングシューズ)とは、主にウエイトリフティングやパワーリフティングといった重量挙げの競技で使用される専用のシューズのことです。
重量を扱うウエイトトレーニングを前提に設計されたシューズのため、一般的な筋トレに対しても、高い有用性を発揮します。
しかし、実際にリフティングシューズはどういったものでどのような効果があるのか、ご存知でしょうか?
そこで、今回はウエイトトレーニングの頼もしい味方「リフティングシューズ」について、解説します!
この記事の目次
リフティングシューズの基礎知識
リフティング(重量挙げ)シューズは、ウエイトリフティング競技での使用を前提として設計されている専用のシューズ。
オリンピック正式種目に含まれるウエイトリフティングでの種目や、ウエイトレー二ングを代表するバーベルスクワットなどの高重量を扱う種目のさいに、最大の効果を発揮します。
ウエイトリフティング競技以外にも、パワーリフティング競技でも利用可能です。
この両者の違いについては、後ほど解説します。
リフティングシューズの基本構造
一般的なスポーツシューズとウエイトリフティング専用のシューズは具体的にどういった違いがあるのでしょうか。
ウエイトリフティングシューズの特徴と構造について解説をします。
【アウトソール】
ウエイトリフティング専用のシューズの裏面は、硬く強度のある滑りづらいゴム製のアウトソールが使われています。
あえてクッション性のない硬い素材を利用することで、高重量トレーニングのさいにシューズのアウトソールが沈み込むことがなく、足元を安定させられるのですね。
【カカト部分】
リフティングシューズのカカト部分は高さのある作りです。
これにより、バーベルスクワット時に上半身の前傾を抑制しながら深い位置まで腰を落とせるため、より効果的にトレーニングに取り組めます。
リフティング種目だけに有効なのか?
前述したように、このシューズはウエイトリフティング種目を行う前提で設計をされています。
しかし、基本的には高重量対応型のトレーニングシューズなので、その他の筋トレ種目にも利用可能です。
たとえば、高重量のダンベルトレーニング。
リフティングシューズは足元の安定性が高いため、フォームがブレにくく、安全にトレーニングを行えます。
リフティングシューズがおすすめな理由3つ
続いて、リフティングシューズがおすすめな理由についてみていきましょう。
- 使用重量が向上する
- 最大筋出力が向上する
- 怪我をしにくい
リフティングシューズがおすすめな理由①使用重量が向上する
リフティングシューズを利用する最大のメリットは「使用重量が向上する」という点です。
前述したように、リフティングシューズのアウトソールとカカト部分には、硬いゴム素材が使用されています。
ゴムはただ硬いだけでなく、強い「反発性」も持つ素材。
高重量のバーベルを利用したトレーニングでも、アウトソールが重量に負けることがなく、床を踏み込むさいに強い反発力を発揮してくれます。
そのため、高重量トレーニングのさいに挙上できる重量が増えることに繋がるのですね。
その他のランニング用シューズや通常のトレーニングシューズでは、クッション性のあるアウトソールを使用しています。
クッション性があれば、高重量を扱うウエイトトレーニングでアウトソールが床を踏み込む力を吸収してしまい、逆効果です。
リフティングシューズがおすすめな理由②最大筋出力が向上する
使用重量が向上するということはその分筋肉をより高強度に鍛えられるということ。
つまり、筋肉の持つ最大筋出力向上にも繋がります。
最大筋出力が向上すると、より重い重量でより強度の増した、筋肥大に効果的なウエイトトレーニングに取り組めます。
従って結果的に、より大きな肉体に繋がるのです。
筋肉は、同じ負荷を与え続けるトレーニングを続けるとそのうち効果がでなくなってきます。
これは、筋肉がその負荷に慣れてしまい、発達した筋肉にとってその負荷に耐えることが容易になったため。
筋トレの効果を出し続けるためには、使用重量を増やしていくことが大切なのですね。
常に新しい刺激を与えていくことが、肉体を進化させ続けるポイントになります。
ウエイトリフターは最大挙上重量で競う競技なので、最大筋出力が向上するというのは最も重要な要素です。
リフティングシューズがおすすめな理由③怪我をしにくい
リフティングシューズは、アウトソールとカカトが硬い素材で作られており、カカトから足首にわたる部分もすべて強度のある作りです。
そのため、足首から足全体の安定感が飛躍的に向上。
高重量のウエイトトレーニングでも怪我をしにくというメリットがあります。
高重量のトレーニングでは、足元の安定性が低いと足だけでなく体のすべての関節に過度な負荷が加わります。
怪我の原因になりかねません。
リフティングシューズを利用すれば、全身の怪我から体を守ってくれます。
パワーリフティング競技
ウエイトリフティングだけでなく、パワーリフティング競技・種目にもウエイトリフティングシューズは最適のアイテムです。
でもそもそもウエイトリフティングとパワーリフティングに違いをご存知でしょうか?
ここでは簡単に、両者の競技の違いについても軽く解説していきます。
ウエイトリフティングとは
ウエイトリフティングはオリンピック正式種目のうちの一つで、いわゆる「重量挙げ」と呼ばれている種目です。
「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」の2種目の挙上重量で競います。
スナッチとは、1つの動作で頭上までウエイトを持ち上げる種目。
そして、グリーン&ジャークは2つの動作で頭上にウエイトを持ち上げる種目です。
この上記2種目をそれぞれ3回試技を行い、各種目の成功重量のトータル最高重量で競い合います。
簡単に覚えるなら、頭上高くバーベルを挙上する競技は「ウエイトリフティング」です。
パワーリフティングとは
パワーリフティングは、現在のところオリンピックの正式種目としては認定されていない重量挙げ競技です。
「BIG3」と呼ばれる「ベンチプレス・デッドリフト・スクワット」の3種目で競技を行います。
これら3つの種目はすべて「頭より上にウェイトを持ち上げない」種目です。
そのため、頭上高くバーベルを挙上する競技は「ウエイトリフティング」。
頭より下で挙上動作を行うのが「パワーリフティング」ということになります。
パワーリフティングでは「ベンチプレス・デッドリフト・スクワット」の3種目をそれぞれ3回ずつ行い、その3種目の最高重量をトータルして競い合います。
ウエイトリフティングとパワーリフティングの違いまとめ
【ウエイトリフティング】
- スナッチとクリーン&ジャークの2種目の合計挙上重量で競う競技
- 各種目はすべて、頭より高い位置にウェイトを持ち上げる
- 2種目をそれぞれ3回ずつ試技を行い、成功試技の重量を合計する
【パワーリフティング】
- BIG3「ベンチプレス・デッドリフト・スクワット」の3種目の合計挙上重量で競う種目
- 3種目とも、頭より低い位置でウェイトを挙上する
- 3種目をそれぞれ3回ずつ試技を行い、成功試技の重量を合計する
ウエイトリフティングとパワーリフティングの使用重量
ウエイトリフティング競技とパワーリフティング競技は共に、ウエイトリフティングシューズで行うことが公式に認められており、練習・試合限らず使用しています。
双方の種目においても、リフティングシューズが最高のパフォーマンスを発揮するアイテムです。
ウエイトリフティングに比べるとパワーリフティングは一見地味に見えますが、使用重量がケタ違い。
ウエイトリフティングの競技種目では、最も重い階級でもそれぞれ2種目は100~250㎏程度です。
それに対しパワーリフティングでは、最も重い階級の場合、それぞれ3種目で200~450㎏程度の重量で競う合うことになります。
そのため、パワーリフティングで何重枚ものプレートを付けたバーベルを選手が扱う迫力は、まさに圧巻です。
リフティングシューズを利用する上での注意点2つ
リフティングシューズは有酸素系トレーニングには利用しない
有酸素トレーニングには、リフティングシューズは適しません。
有酸素トレーニングをする場合には、ランニング用シューズなどを利用しましょう。
というのも、リフティングシューズは衝撃吸収力が全くない作りであるからです。
有酸素運動時に床への足の着地で生じる衝撃を、シューズが吸収できません。
そのため直接、足首・ヒザ関節・股関節・腰といった体内でも特に重要な関節に、直接衝撃が加わってしまうのです。
それは、関節を痛める原因になります。
ウエイトトレーニング以外ではリフティングシューズを履かない
これは、先ほどの解説内容と似ていますが、基本的にリフティングシューズはウエイトトレーニング以外では履かないようにしましょう。
ウエイトリフティングシューズは靴底が非常に硬いもの。
人間の足が持つ本来の柔軟な動作を妨げてしまい、関節に負荷のかかりやすくなります。
そのため、リフティングシューズと一緒にもう一足普段用のシューズやランニング用のシューズを用意しておいてくださいね。
リフティングシューズの選び方について
ここからは、リフティングシューズの選び方について解説します。
自分の足に合ったウエイトリフティングシューズでないと、そのシューズがもつ効果を十分に発揮できません。
それだけでなく、反対に怪我に繋がる可能性もあるため、しっかりと自分の足に合った製品を選んでいきましょう。
リフティングシューズの適切な選び方①足のフィット感
リフティングシューズに限らず、自分の足サイズに合ったシューズ選びは、健康的な生活を歩む上で非常に重要な要素です。
そのためリフティングシューズでも同様に、自分の足にピッタリとフィットしたサイズを選びましょう。
高重量のトレ―ニングのさいに怪我に繋がる可能性もあるため、サイズ選びに関しては細心の注意が必要です。
しっかりと試し履きをして自分の足のサイズにあったシューズを選んでくださいね。
リフティングシューズの適切な選び方②足幅のサイズ感
リフティングシューズを選ぶさいには、足の幅のフィット感も非常に重要です。
高重量の種目に取り組むときに足幅が合っていないシューズだと、足元の安定性が損なわれてしまいます。
シューズの中で足が動いてしまい、シューズが本来持つ安定性や反発力を十分に得ることができません。
シューズの種類によって、足幅が狭く作られている物や足幅が広く作られている物もあります。
必ず試し履きをして、自分の足幅に合ったリフティングシューズを選んでいきましょう。
リフティングシューズの適切な選び方③カカトの高さ
リフティングシューズはカカト部分が高く作られています。
この高さにより、スクワットやバーベルデッドリフトといった種目を行う際に、より効果的な動作が可能になるわけですね。
しかし、このカカトの高さもリフティングシューズの種類によって異なるため、カカトの高さもしっかりと確認しなければなりません。
適切なカカトの高さは人それぞれで変わってくるので、試し履きをして自分で確認しましょう。
リフティングシューズの適切な選び方④グリップ力
グリップ力も、リフティングシューズを選ぶうえで重要な要素です。
基本的にどのシューズでもグリップ力のある裏面を使用していますが、製品によって違いがあります。
しかも、試し履きだけでは判断することが難しい部分でもあるのですね。
グリップ力に関しては製品のレビューを確認したり、実際に使用していくしかありません。
しかし、グリップ力についても必ず意識して選んでみてください。
おすすめのリフティングシューズ5選!
では、おすすめのリフティングシューズを紹介します。
おすすめのリフティングシューズ①(イノヴェイト) Inov-8 Fastlift 400 BOA
イノヴェイトは、イギリス発祥のスポーツブランド、
高品質なトレーニングシューズに定評があります。
特徴は「パワートラスヒール機能」を装備した軽量シューズであること。
このパワートラスヒール機能では、シューズに搭載しているダイアルを回すことで、足のフィット感を調整可能です。
おかげで自分の足に合った形に調整できるため、よりハイレベルなパフォーマンスを発揮できます。
また、さらに「BOAシステム」という機能が搭載されており、シューズの脱着が容易。
ハイパフォーマンスを発揮しながらも、軽量で脱着がしやすいのですね。
非常に使いやすい、優れたリフティングシューズと言えるでしょう。
価格は約5万円と高額ではありますが、機能面を考えると、コストパフォーマンスは優れているといえます。
おすすめのリフティングシューズ②(イノヴェイト)inov-8 ファーストリフト 325
イノヴェイト FAST LIFT 325の特徴は、軽量な作りなうえ通気性に優れたメッシュ素材を使用しており、使用感に優れていることです。
上で解説した「Inov-8 Fastlift 400 BOA」よりも安定感は低いものの、一定の安定性は保たれていますよ。
よほどの高重量を扱う方でなければ十分な性能を持っているといえるでしょう。
トレーニングシューズとウエイトリフティングシューズをミックスしたような仕様となっているため、さまざまなトレーニングシーンで活用できます。
価格も、2万円台前半と手が届きやすい価格。
まずは一足、購入検討されている方におすすめなシューズです。
おすすめのリフティングシューズ③adidas(アディダス)adipower Weightliftadidas Trace Cargo/Trace Cargo/Gum
このリフティングシューズは、ウエイトリフティング種目前提に設計されています。
そのためカカト部分が高く作られており、足首の可動域を楽にできます。
つま先のトゥボックスも強度のある素材を使用。
足先がシューズの中で踊ることがなく、安定した動作を行えますよ。
また、アディダスを象徴する3本のストライプがついているので、デザイン性も優れています。
高機能だけどデザイン性が高いシューズがほしいという方におすすめなリフティングシューズです。
価格は約4万円と高額ではありますが、アディダスのブランドとしての信頼性の高さや、その機能性の高さを考えると、安心価格といえるでしょう。
おすすめのリフティングシューズ④リーボック トレーニングシューズ R レガシー リフター
リーボックが発売している、高性能ウエイトリフティングシューズです。
高重量を利用したトレーニングでも足元の安定性が損なわれないように、2本の太いストラップが搭載されています。
カカト部分も耐久性の高い構造となっているため、足首の安定性も同様に安心です。
ヒール部分は22mmと高めに設定。
これにより、高重量でのトレーニングでも安定した力を発揮できますよ。
裏面は超硬質のTPUミッドソールが使用。
シューズ全体の耐久性が高いため、長く使用できます。
価格は約3万円後半と、リフティングシューズの中では標準的な価格ですが、その機能性の高さは非常に魅力的な一足ですよ。
おすすめのリフティングシューズ⑤NIKE ROMALEOS 3 パワー リフティング シューズ
スポーツブランドとして不動の地位を確立している「ナイキ」が販売するウエイトリフティングシューズです。
このシューズの特徴は「硬め・柔らかめ」といった2種類の異なるインソールが付属していること。
高重量トレーニングのさいは、高い安定性を発揮する「硬め」のインソールを利用しましょう。
そして、その他の補助種目に関しては「柔らかめ」のインソールを利用できます。
トレーニングのニーズに応じてより適した履き心地に選択できことはとても便利ですよね。
リフティングシューズ以外にも、ウエイトトレーニングで利用可能なシューズについて
リフティングシューズ以外にも、高重量のトレーニングに適したトレーニングシューズがあります。
ここでそれぞれ異なる特徴を持つシューズについて理解を深め、自分のトレーニングの目的に合ったシューズタイプを選んでいきましょう。
ウエイトトレ―ニングで利用できるシューズ①レスリングシューズ
レスリングシューズの特徴①フラットなアウトソール
レストリングシューズは、名称の通りレスリング競技のさいに利用する専用のシューズ。
しかし、このレスリングシューズもウエイトトレーニングで利用可能です。
レストリングシューズは、アウトソールが地面を足裏で感じることができるよう薄く作られています。
クッション素材は使われていないため、踏み込む力が逃げず、地面を蹴りやすいのですね。
リフティングシューズと比べると靴底が柔らかいため、地面を指で掴む感覚でトレーニングを行えます。
ただし、これは人それぞれに好みが違うので、自分に合っている方のシューズを選んでいきましょう。
高重量のウエイトトレーニングでも、その特徴を活かして効果的なトレーニングができます。
特に、リフティングシューズのようにカカトが高くなっているシューズが体に合わない方や苦手な方は、レスリングシューズがおすすめです。
レスリングシューズの特徴②くるぶしまで保護するハイカット
レスリングシューズのもう一つの特徴は、くるぶしまであるハイカットです。
足首全体を覆うように大きいハイカット仕様で、足首から足全体を固定できるため、高重量でのトレーニングのさいにも高い安定性を発揮します。
レスリングシューズの特徴③足裏のグリップ力
レスリング競技では、瞬発的な動作である「タックル」があるため、滑らず地面を蹴ることが重要です。
そのため、レスリングシューズの多くは、足裏のグリップ力が非常に優れています。
このグリップ力の高さは、ウエイトトレ―ニングでも大きな力を発揮するのですね。
靴底が柔らかいうえにグリップ力に優れたアウトソールのため、「踏圧」が向上。
結果的に、より高いパフォーマンスを引き出してくれます。
ウエイトトレ―ニングで利用できるシューズ②5本指シューズ
最近、シューズショップや、ジムでも見かけることの多くなった5本指シューズ。
5本指のシューズはさまざまなブランドが発売していますが、中でも「ビブラム社の5本指シューズ」が有名です。
ビブラム社製のシューズはグリップ力の高さに定評のあるアウトソールが特徴です。
念のため、このシューズの特徴についても触れていきます。
5本指シューズの特徴①5本に分かれたトゥボックス
このシューズの最大の特徴は、5本に分かれたトゥボックスです。
5本指シューズを代表するブランドといえば「ビブラム社」。
これにより、より素足に近い状態でのトレーニングが可能になります。
地面を足で掴む感覚を持ちながら高重量のトレーニングに取り組むため、より高い安定性とバランス力が発揮できるのですね。
踏圧が高いので、足裏の重心取りがより分かりやすくなりますよ。
5本指シューズの特徴②素足感覚のアウトソール
これもこのシューズの特徴は、素足感覚のアウトソール。
素足に近い感覚のため、どんな地形に対しても足裏で掴む感覚を持てるのです。
より高い踏圧を実現できるため、高重量のトレーニングでも安心して取り組めます。
また、足裏全体の指の部分までグリップ力の高い「ビブラムソール」が使用されており、非常に高いグリップ力を発揮します。
5本指シューズの特徴③軽量でコンパクトに収納できる
5本指シューズのもう一つの特徴はそのコンパクトさ。
持ち運ぶさいに、手軽に折りたためます。
前述したように、リフティングシューズはシューズ全体が非常に硬い素材で作られているため、そのまま持ち運ばなくてはなりません。
さらにシューズ自体が重いため、持ち運びには不向きです。
しかし一方、5本指シューズは「折りたたんで持ち運べる」のですね。
小さく折りたためるうえに、シューズ自体の重量が片足で100g前後と非常に軽量。
持ち運ぶことを考えれば非常に便利です。
非常に利用性の高いシューズとなっていますよ。
リフティングシューズの効果的な種目6選!
ここからは、リフティングシューズを利用して行う6つの種目について、解説していきます。
- バーベル・スナッチ
- ハイクリーン(パワークリーン)
- クリーン&ジャーク
- バーベル・デッドリフト
- バーベル・スクワット
- バーベル・ベンチプレス
リフティングシューズを使いたい種目①バーベル・スナッチ
バーべルスナッチの解説
バーベルスナッチは、ウエイトリフティング競技で取り組まれる種目の一つ。
勢いよく体を連動させてバネのように使い、高重量のバーべルを一気に頭上高く挙上していくトレーニング種目です。
全身の筋肉を全て関与させながら瞬発的な動作を行うため、高い筋トレ効果を発揮します。
分類は多関節運動種目(コンパウンド種目)。
基本的にはボディメイク的な意味よりも、全身の出力のパフォーマンを向上させたい方におすすめです。
この種目には、リフティングシューズが最適です。
高重量のバーベルを頭上に挙上する動きを安定的に行えるうえ、高い出力をサポートする機能があります。
【バーベルスナッチのやり方】
- バーベルに適切な重量のプレートを装着し、足の甲の真上にバーが来る位置で、足幅は肩幅と同じくらいを目安にして直立する
- 手幅は肩幅の1.5倍程度を目安に順手で握る
- バーを握ったら、両膝を曲げ腰を落とす
- これがセットアップ
- 足裏全体で地球を押すように意識してバーベルを挙上していく
- 背中が丸まったり反ったりしてしまうと怪我に繋がりやすいため、背中はまっすぐな状態のまま動く
- バーがスネを通過したら、瞬発的な動作で一気に肩の真上にバーを挙上する
- 挙上と同時に伸ばし気味だった膝を素早く曲げ、スクワットの状態でバーの重量を受け止める
- スクワットと同じにように、バーを保持しながら体を起こし直立する
- バーベルと体が横から見たときに一直線になる
リフティングシューズを使いたい種目②ハイクリーン(パワークリーン)
ハイクリーン(パワークリーン)の解説
ハイクリーンは、ウエイトリフティング競技で取り組まれる「クリーン&ジャーク」の一つ。
ウエイトリフティングの選手が練習でよく取り組む種目でもあります。
上で解説した「バーべル・スナッチ」と同様に全身を鍛えられる種目のため、一般的なトレーニーの間でもよく取り組まれています。
動作の中に全身の関節が含まれるため、その関節動作に関わる「ふくらはぎ」「太もも」「お尻」「背中」「腕」「肩」などの全身の筋肉を同時に刺激。
筋肉を鍛えるだけでなく、全身を連動させて瞬発的に動くことで、瞬発的なパフォーマンスの向上も期待できます。
【ハイクリーン(パワークリーン)のやり方】
- 「バーベル・スナッチ」と同じセットアップを行う
- 足裏全体で地球を押すように意識してバーベルを挙上する
- 背中が丸まったり、反ってしまうと怪我に繋がりやすいため、背中はまっすぐな状態のまま動く
- バーがスネを通過したら、瞬発的な動作で一気に肩の上部にバーを乗せる
- このとき、バーベルを握った両肘を前方に向かって突き出すようにしてバーベルを肩の上部で安定させる
- そこから、スクワットと同じにようにバーを保持しながら体を起こし直立する
リフティングシューズを使いたい種目③クリーン&ジャーク
クリーン&ジャークの解説
クリーン&ジャークもウエイトリフティングを代表する種目の一つです。
基本的には、上で解説した「ハイクリーン」と「ジャーク」の動作を組み合わせて一つの種目として取り組みます。
床に置いてあるバーベルを一気に肩の上部に引き上げる「ハイクリーン」と、肩上部に乗せたバーベルを一気に頭上高く挙上する「ジャーク」の2つを連続で行い、高重量のバーベルを頭上高く挙上します。
「ハイクリーン」と「ジャーク」の動作ではそれぞれ全身の関節が関与。
そのため、全身の筋力向上・連動性の向上・瞬発力の向上といった全身のパフォーマンス向上が期待できます。
この種目は基本的に上級者向け。
取り組むときにはしっかりと基本動作を習得し、重量のあるバーベルを利用しましょう。
【クリーン&ジャークのやり方】
クリーン動作に関しては上で解説したため、ここではクリーン動作を行った後の、ジャーク動作から解説します。
- 肩の上部でバーべルを保持したまま、膝を軽く曲げ、膝を伸ばす勢いと共に両膝を深く曲げていく
- バーベルの下に潜り込むイメージで両膝を曲げる
- この動作と同時に、両肘を伸ばしてバーベルを一気に肩から頭上まで挙上する
- バーべルの重量を全体で受け止め、最後はバーベルを頭上高く挙上したままスクワット動作で直立する
バーベルを肩上部から頭上に挙上するさい、ジャンプするようにして両足を前後に出してフィニッシュするやり方もあります。
リフティングシューズの効果的な種目④バーベル・デッドリフト
バーべル・デッドリフトの解説
バーベルデッドリフトは「BIG3」という全身を鍛える種目の一つで、主に体の背面側の筋肉全体を鍛えます。
上でも解説をしましたが、この種目はウエイトリフティングの種目ではなく、パワーリフティングの種目。
デッドリフトで鍛えることができる部位は以下の通りです。
- 背中(広背筋・脊柱起立筋・三角筋後部・大円筋)
- お尻(大臀筋・中臀筋)
- 脚(大腿四頭筋・ハムストリング)
【バーベル・デッドリフトのやり方】
- バーベルに適切な重量のプレートを装着し、足幅は肩幅と同じくらいを目安にしてバーの前で直立する
- 手幅は肩幅より気持ち広めを目安に順手で握る
- バーを握ったら、両膝を曲げ腰を落とす
- これがセットアップ
- 次に、股関節→膝の順番でバーベルを持ちあげ、直立していく
- バーはスネ→膝→太ももをこすりながら引き上げていくイメージで動く
- 引き上げきったら、持ち上げた動きと同じようにバーべルを床におろしていく
バーベル・デッドリフトにはいくつかの種類・テクニックが存在します。
詳細について知りたい方は下の記事も合わせて確認しましょう。
リフティングシューズを使いたい種目⑤バーベル・スクワット
バーベル・スクワットの解説
バーベルスクワットは「キング・オブ・トレーニング」と称される種目。
筋トレ効果が非常に高いことから、世界中のトレーニーの間で取り組まれている全身運動性のトレーニングです。
主に下半身全体に特化して鍛えられるトレーニングですが、バーベルを保持するために必要になる上半身の筋力や、姿勢を維持するさいに関わる背中の筋肉も同時に刺激。
結果的に全身を同時に鍛えられます。
バーべルスクワットで鍛えることができる筋肉は下記の通りです。
- 脚(大腿四頭筋・ハムストリング)
- お尻(大臀筋・中臀筋)
- 背中(広背筋・脊柱起立筋・三角筋後部・大円筋)
減量期・増量期にも効果的
人体にある筋肉の6割は下半身に集中しているため、基礎代謝の向上や成長ホルモン分泌量向上といったメリットにも期待できます。
【バーベルスクワットのやり方】
- ラックに置いてあるバーベルに適切な重量のプレートを装着する
- 肩の上・首の下あたり(僧帽筋上部)にバーベルを載せて両手で握る
- バーベルを握る手幅は肩幅より広めを目安にする
- 足幅は肩幅より気持ち広めに直立し、つま先は自然に外側に向けておく
- これがセットアップ
- 次に、股関節→膝の順番で腰を落としていき、太ももが床と平行になる位置まで落とす
- このとき、背中はまっすぐ伸ばしたままで動く
- その後、元の直立した姿勢に戻るため体を起き上げていく
バーベルスクワットにはいくつかの種類・テクニックが存在します。
詳細について知りたい方は下の記事も合わせて確認しましょう。
リフティングシューズを使いたい種目⑥バーベル・ベンチプレス
バーベル・ベンチプレスの解説
バーベルベンチプレスもBIG3のうちの一つ。
主に上半身の主要な筋肉群を鍛える代表的な種目です。
上半身の筋肉の中でも「大胸筋」「上腕三頭筋」「三角筋前部」をメインとして同時に鍛えますが、そのほかに「下半身」にも負荷が加わります。
このベンチプレスにもリフティングシューズを履くことで、より効果的に取り組めますよ。
【バーベルベンチプレスのやり方】
- ラックに置いたバーベルシャフトに適切な重量のプレートを装着する
- トレーニングベンチに仰向けになり、バーベルを持つ
- 肩→肘→バーベルが床に対して垂直になる位置で持つ
- これがセットアップ
- バーベルをバストアップのあたりにおろしていく
- 胸に触れるくらいしっかりとおろしたら、元の位置に向かってバーベルを挙げる
まとめ
リフティングシューズの基礎知識・効果・選び方のポイント・おすすめ・効果的なトレーニング種目について解説していきました。
高重量のバーべル・ダンベルといったフリーウエイトトレーニングを取り組む方は、リフティングシューズを利用することで高い効果を発揮できます。
パフォーマンス面・安全面から考えてみても、リフティングシューズの活用がおすすめです。
リフティングシューズをトレーニングで利用し、さらに高いレベルのトレーニングに取り組んでいきましょう。
“No pain No gain”
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AKI
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