大きく厚みのある背中は頼りがいを感じるため、男らしさの象徴ともいえますよね。
筋トレに取り組む方であれば、ぜひ意識したい要素です。
かっこいい後ろ姿を作るためには、背筋を効果的に鍛えられるトレーニング器具、鍛え方について理解を深めておく方がよいでしょう。
そこで今回は、背筋を鍛えるマシンの解説とそれぞれのマシンの特徴・期待できる効果などについて、ジムトレ・家トレに分けて解説していきます!
それぞれのマシンの特徴と使い方を理解して、背筋を効果的に鍛えていきましょう。
この記事の目次
- 背筋にしっかり刺激を与えるマシン・器具9選!
- 背筋のトレーニングマシン①チンニングスタンド(ぶら下がり健康器具)
- 背筋のトレーニングマシン②アシステッド・プルアップマシン
- 使い方・トレーニング種目の具体例
- 背筋のトレーニングマシン③ラットプルマシン(ラットマシン)
- 使い方・トレーニング種目の具体例
- 背筋のトレーニングマシン④ケーブルローイングマシン
- 使い方・トレーニング種目の具体例
- 背筋のトレーニングマシン④ケーブルマシン
- 使い方・トレーニング種目の具体例
- 背筋のトレーニングマシン⑤ハイパーエクステンションベンチ
- 使い方・トレーニング種目の具体例
- 背筋のトレーニングマシン⑥シーテッドバックエクステンションマシン
- 使い方
- 背筋のトレーニングマシン⑦Tバー・ローイングマシン
- 使い方
- 背筋のトレーニングマシン⑧スミスマシン
- 使い方・トレーニング種目の具体例
- 背筋のトレーニングマシン⑨プルオーバーマシン
- 使い方
- トレーニングに取り組む際の注意点
- 背筋トレーニングで利用したいトレーニングギア2選!
- おわりに
- 【関連記事】他にもある「背筋」を鍛える効果的な筋トレ情報についてはこちら♪
背筋にしっかり刺激を与えるマシン・器具9選!
背筋のトレーニングマシン①チンニングスタンド(ぶら下がり健康器具)
懸垂マシン(チンニングスタンド)は、自重の背筋トレーニングとして代表的な「チンニング(懸垂)」を行う器具。
一般的なスポーツジムはもちろん、一畳分のスペースさえあれば、自宅で取り組む「家トレ器具」としても利用できます。
価格も安価なため、日常的にジムに通うのが困難な方はチンニングスタンドを検討してみてくださいね。
また、チンニングスタンドはチンニング以外にも使えます。
たとえば大胸筋に効く「ディップス」や「プッシュアップ」、腹筋に効く「ハンギングレッグレイズ」といった種目もOK!
このマシン一台さえあれば全身をバランスよく鍛えられます。
懸垂トレーニングの詳細なやり方・バリエーションについては、次のアシステッドプルアップマシンと合わせて解説します。
背筋のトレーニングマシン②アシステッド・プルアップマシン
このマシンは、プルアップ(懸垂)を行う際のサポートが前提で設計された背筋トレーニングマシン。
懸垂はウェイトを利用せず、自分の体重を負荷にする「自重背筋トレーニング」として代表的な種目です。
しかし通常の懸垂では、筋力が不足している場合にはそもそも取り組めません。
そして反対に、筋力の強い上級者の場合は自重以上の負荷を利用できないのですね。
つまり、「負荷の調整ができないというのが最大のデメリット」です。
その点、アシステッドプルアップマシンは備え付けのウェイトにより「負荷の調整」が可能。
そのため、誰でも効果的な懸垂トレーニングに取り組めます。
使い方・トレーニング種目の具体例
懸垂の中には一般的な懸垂以外にもいくつかのバリエーションが存在するため、意外にも活用と効果の幅は広いと言えます。
このマシンはウェイトを重く設定するとより強く補助してくれるマシン。
しかし、補助に頼りすぎて負荷が軽すぎてしまうと、思ったような筋トレ効果は期待できません。
適切なやり方・フォームでの動作を前提として、10~12回×3セットを目安にして取り組むようにしましょう。
アシステッドプルアップマシンを利用した種目①チンニング
チンニングとは、いわゆる懸垂のこと。
「プルアップ」とも言いますが、チンニングの方が懸垂を表す言葉として一般的です。
基本は肩幅よりも広めの手幅で取り組み、背筋全体に刺激を送ります。
具体的には「広背筋・僧帽筋・大円筋・三角筋後部」といった部位ですね。
また、背筋以外にも上腕部の「上腕二頭筋・上腕三頭筋」や、腹部の「腹直筋・腹斜筋」にも負荷が加わります。
【やり方】
- マシンのウェイトを10~12回が限界となる重量に調整する
- パッドに両膝を90度に曲げた状態で乗せ、両手でバーを掴む
- 肩幅よりも広い1.2~1.5倍程度の手幅でバーを握る
- 大きく胸を張り、背中を反る姿勢を維持する
- 両脚は体の後方側に組んでおく
- 肩甲骨を寄せる意識で肘を曲げ、体を引き上げる
- 顎や胸の上部につくまで体を引き上げたら、その後ゆっくりと元の位置に戻る
アシステッドプルアップマシンを利用した種目②ワイドグリップ・チンニング
ワイドグリップチンニングは、バーを握る手幅を通常よりも広くした状態(肩幅の1.5~1.7倍程度)でチンニングを行うバリエーション。
手幅が広くなるとより広背筋への負荷比重が高まるため、背筋の中でも特に「背中の逆三角形を強化したい」場合におすすめです。
上の動画ではアシステッドプルアップマシンを利用していませんが、同様の取り組みが可能ですので参考にしてみてください。
【やり方と注意】
- 「チンニング」と同様にマシンを調整する
- バーを掴む手幅を肩幅の1.5~1.7倍程度にする
- 肩甲骨を寄せる動作で広背筋を意識しながらチンニングを行う
- 通常のチンニングと比べると力が発揮しにくいため、ウェイト調整に注意する
- 体を下すさいは、肘を伸ばして広背筋を十分に伸ばす
アシステッドプルアップマシンを利用した種目③ナローグリップ・チンニング
ナローグリップチンニングは、上で解説したワイドグリップチンニングとは反対に「ナロー(手幅が狭い)」状態で行います。
手幅を肩幅よりも狭くし、かつ「逆手」でバーを掴んでチンニングをすることで「広背筋・大円筋・脊柱起立筋」を強烈刺激。
通常のチンニングよりも背筋の「収縮・伸展」を強く引き起こせるため、広い可動域でダイナミックに動きましょう。
【やり方と注意】
- チンニングと同様にマシンを調整する
- 手幅は肩幅よりも狭くして「逆手」でバーを掴む
- 肩甲骨を寄せる動きで対象筋を意識する
- 上腕の表側に位置する「上腕二頭筋」は極力脱力しておく
- 体を下す際は、肘を伸ばして対象筋を十分に伸ばす
背筋のトレーニングマシン③ラットプルマシン(ラットマシン)
ラットプルマシンは、背筋を効果的に鍛えられるマシンとして代表的なものの一つ。
ウェイトに繋がれたケーブルを、プーリー(滑車)を通して引っ張ることで、背筋へ負荷を加えていきます。
頭上高い位置のプーリーからウェイトに繋がれたケーブルを引き下げるように動く結果、背筋の中でも特に「広背筋・僧帽筋」に刺激を送ります。
ウェイトとバーの間にはケーブルのみ繋がれている状態です。
そのため動作は比較的自由度が高く、効かせたい部位によって微妙に角度を変えるといった使い方ができるのも特徴の一つ。
ケーブル以外のタイプについては、後ほど下で解説しますね。
使い方・トレーニング種目の具体例
ラットプルマシンを利用したトレーニング種目には複数のバリエーションが存在しますが、代表的なのが「ラットプルダウン」です。
ただし、ラットプルダウンの中でも手幅を広さやバーを順手で握るか逆手で握るかなどにより、背筋への刺激に変化をつけられます。
そのため、それぞれのやり方についても理解を深めておけば、より効果的に背筋を鍛えられますよ。
ラットプルマシンを利用した種目①ラットプルダウン
最も一般的なラットプルダウンは、背筋の中でも特に「広背筋」を中心に鍛えるもの。
そのため「背中の広がり・逆三角形の背中」を作るのに効果的です。
ラットプルマシンには「ワイドバー・EZバー・Vバー・パラレルグリップバー」といった器具を取り換えできます。
しかし、一般的なラットプルダウンでは「ワイドバー」を利用。
手幅を広く保持することで、広背筋への負荷を高めていきます。
【やり方】
- ラットプルマシンのウェイトを好みの重量に調整する
- マシンのケーブルに「ワイドバー」を取り付ける
- マシンの「太ももパッド」に脚がしっかりと固定されるようにシートの高さを調整する
- シートに座り、両手でバーを肩幅の1.5倍程度の手幅で順手で握る
- 胸を張り、背中を軽く反った姿勢のまま維持する
- 次に、肩甲骨を寄せる意識でバーを胸の上部あたりに引いていく
- バーをしっかりと引き寄せたら、ゆっくりと肩甲骨を広げて腕を伸ばしていく
ラットプルマシンを利用した種目②リバースグリップ・ラットプルダウン
この種目では「リバースグリップ(逆手)」でバーを掴み、トレーニングします。
逆手かつ手幅が狭くなることで、背筋の中でも特に「僧帽筋」への負荷が高まるのが特徴。
背中の厚みを作るのにおすすめなトレーニングです。
使用するアクセサリーは一般的なワイドバーでも可能ですが、波状の形をした「EZバー」良いでしょう。
手首への負担が軽減されますよ。
【やり方】
- ラットプルダウンと同様のセットアップを行う
- アクセサリーにはワイドバーもしくはEZバーを使う
- 手幅を「肩幅よりも狭く」し、バーをリバースグリップ(逆手)で握る
- 腕の力ではなく、肩甲骨を寄せる意識でバーを胸の下部あたりに引き寄せる
- 十分にバーを引き寄せたら、ゆっくりと肩甲骨を広げていき、腕を伸ばす
ラットプルマシンを利用した種目③ビハインドネック・ラットプルダウン
通常のラットプルダウンでは顔の前でバーを上下に動作しますが、この種目は「ビハインドネック(首の後ろ)」で動作します。
首の後ろ側でラットプルダウンを行うことで、背筋の中でも「大円筋・僧帽筋」への負荷が高まるのが特徴のトレーニング。
背筋全体への負荷のバランスが優れていますが、肩関節の柔軟性が低い方は肩を痛めてしまう可能性があるため、注意が必要です。
【やり方と注意】
- ラットプルダウンと同様のセットアップを行う
- アクセサリーにはワイドバーを使用する
- バーを肩甲骨を寄せる意識で「首の後方側」に引き寄せていく
- 軽くアゴを引いて顔を下げた状態で行うと引き寄せやすい
- 腕で引くのではなく、肩甲骨を寄せる動作で引いていく意識を持つ
- 背中の収縮を感じたらゆっくりと肩甲骨を広げていき、腕を伸ばす
背筋のトレーニングマシン④ケーブルローイングマシン
ラットプルダウンと同じく、一般的なスポーツジムでも普及されていることの多い背筋トレーニングマシンの一つです。
ラットプルマシンはケーブルを頭上から下に引き寄せるのに対し、ケーブルローイングマシンは水平方向にケーブルを引き寄せます。
そのため、背筋の中でも特に「僧帽筋中部・僧帽筋下部・広背筋」といった部位に特に効果的です。
中背部~下背部をターゲットとして鍛えたい場合において、このケーブルローイングマシンが最大の効果を発揮します。
使い方・トレーニング種目の具体例
ケーブルローイングマシンを利用したトレーニング種目で最も代表的なのが「シーテッドローイング」です。
基本的にこのマシンはシーテッドローイングを行う前提で設計された背筋マシン。
とはいえ、いくつかのバリエーションが存在します。
さまざまなアクセサリーを利用できる他、バーの持ち方や手幅に変化をつければ筋トレ効果にも変化をつけられます。
背筋への刺激に変化をつけることができるため、それぞれのやり方についても理解を深めておくと、より効果的に背筋を鍛えられますよ。
ケーブルローイングマシンを利用した種目①シーテッドローイング
一般的なシーテッドローイングでは「僧帽筋中部・僧帽筋下部・広背筋」を中心に鍛えるため、背中の厚みを作るのに効果的です。
【やり方】
- マシンのプーリー(滑車)に「Vバー」を取り付ける
- フットプレートに両足を乗せてシートに座る
- 膝は軽く曲げておき、背筋をまっすぐに伸ばす
- バーを握ったら、上半身が床に対して垂直になる角度に起こす
- この状態を維持したまま、肩甲骨を寄せながらバーを「おへそ」に引き寄せる
- バーを十分に引き寄せたら、肩甲骨を開きながらバーを元の位置に戻す
ケーブルローイングマシンを利用した種目②マシン・ローイング
こちらの種目では、鉄製のアームが直接プーリーとケーブルに固定されているタイプのローイングマシンを利用します。
ケーブルローイングマシンとは異なりますが、スポーツジムでは基本的にケーブルタイプかアームタイプかどちらか一方のみ設置されている場合も多いため、紹介しておきますね。
アームタイプのローイングマシンは軌道が固定されており、ケーブルと比べると適切な軌道で動作ができます。
そのため、筋トレ初心者や筋力に不安がある方にもおすすめです。
【やり方】
- マシンのシートの高さを、アームを引き寄せた際におへそ辺りにくる位置に調整する
- シートに座り、グリップを両手で保持して両足はフットプレートに乗せる
- 背すじはまっすぐに伸ばしたまま、肩甲骨を寄せる意識でアームを引き寄せる
- 十分にアームを引き寄せたら、肩甲骨を開きながらアームを元の位置に戻す
ケーブルローイングマシンを利用した種目③ワイドグリップ・シーテッドローイング
このやり方では手幅が広くなる「ワイドバー」を利用します。
手幅が広くなることで、通常のシーテッドローイングと比較して「より広背筋への負荷比重が高まる」のが特徴です。
背筋全体への負荷比重バランスに優れているため、背筋全体を満遍なく鍛えたい場合におすすめですよ。
【やり方】
- シーテッドローイングと同様のセットアップを行う
- ケーブルに「ワイドバー」を取り付ける
- バーを握る手幅は、肩幅よりも広めにして握る
- この状態のまま、ローイング動作を行う
- 対象筋となる「広背筋」を意識して動作を行う
背筋のトレーニングマシン④ケーブルマシン
ケーブルマシンは、背筋だけでなく「全身の筋トレに利用できる」のが特徴のマシン。
背筋を鍛えるマシンとして特化しているわけではありませんが、さまざまな背筋トレーニングが可能です。
このケーブルマシンに装備されている「プーリー(滑車)」は、上下の高さを自由に調整できます。
つまり、プーリーの位置を変えることで異なる角度から背筋を鍛えられるのですね。
また、ケーブルの先に装着するアクセサリーも自由に交換可能。
そのため、ラットプルマシンやケーブルローイングマシンと比べると、幅広い活用法ができるのが特徴のマシンです。
使い方・トレーニング種目の具体例
ケーブルマシンは、上でも触れたように数多くの種目で活用できるため、全ての種目をここで解説することは困難です。
そのため、ここではケーブルマシンを利用した背筋トレーニング種目の中でも、特に代表的なトレーニングについて解説します。
ケーブルマシンは、フリーウェイト器具と比較すると「全可動域で負荷が抜けづらい」という特徴を持ちます。
そのため筋肉への負荷が抜けることなく、効果的に鍛えられるのが特徴です。
さらに、関節への過度な負担も掛かりにくいため、安全に取り組めますよ。
ケーブルマシンを利用した種目①ストレートアームプルダウン
ストレートアームプルダウンは、背筋トレーニングの中では珍しく「広背筋に特化して刺激を集中的に加えられる」種目。
肘の角度を固定した状態で、腕を後方に向かって引き下げる「肩関節伸展」を行い、広背筋を中心に強烈な負荷を加えます。
サブターゲットは背筋の一つである「大円筋」や、上腕裏側に位置する「上腕三頭筋」です。
【やり方】
- ケーブルマシンのプーリー(滑車)を高い位置に調整する
- ケーブルに「ワイドバー・EZバー」を装着する
- マシンに向き合う形で直立し、バーを肩幅程度の手幅で握る
- 肘は9割程度伸ばした角度のまま固定し、動作中動かないよう注意する
- 肘の角度を固定したまま、肩関節の動作のみで「弧」を描くようにバーを下げる
- 広背筋の力を意識し、バーを股関節のあたりに引き下ろす
- 十分にバーを引き下げたら、ゆっくりとバーを元の位置に戻す
ケーブルマシンを利用した種目②ケーブル・リバースフライ
この種目は、体後方へ向かって両腕を開くようにして背筋を鍛える「リバースフライ」のケーブルマシンバージョン。
動作を通して主に上背部に位置する「僧帽筋上部・僧帽筋中部」を中心に、肩の後部に位置する「三角筋後部」も同時に鍛えられます。
基本的にはシーテッドローイングなど、比較的高重量を扱える種目の後の仕上げとして取り組むのがおすすめです。
【やり方】
- ケーブルマシンのプーリー(滑車)を高い位置に調整し、左右の両手で対角のケーブルを持つ
- マシンに向き合うように直立し、両手に保持したケーブルを「体幹後方」に向かって開いていく
- 「僧帽筋上部・中部・三角筋後部」への負荷を感じながら、肩甲骨を寄せる意識で動作を行う
- 十分に両腕を開いたら、肩甲骨を開きながらゆっくりと両腕を元の位置に戻す
ケーブルマシンを利用した種目③フェイスプル
この種目は、両手に保持したケーブルを顔に向かって引き寄せるトレーニングです。
背筋の中でも特に「僧帽筋上部」へ負荷が集中するうえ、肩の後部に位置する「三角筋後部」も同時に鍛えられるのが特徴。
アクセサリーには「ロープ」を利用すると良いでしょう。
そうすれば、顔よりもより後方へケーブルを引っ張れるため、高い筋トレ効果に期待できます。
【やり方】
- ケーブルマシンのプーリー(滑車)を胸の位置に調整する
- プーリーに「ロープ」アクセサリーを装着する
- ロープを両手に持ち、マシンに向き合うように直立する
- 背すじは伸ばし、肘を曲げ肩の位置よりも高く上げた状態のまま頭の後方へ引き寄せる
- 両手が後頭部の位置にくるまで引き寄せたら、ゆっくりと元の位置に戻す
背筋のトレーニングマシン⑤ハイパーエクステンションベンチ
ハイパーエクステンションベンチは、背筋を鍛える自重トレーニングの「バックエクステンション」を行うための専用器具。
通常は、床の上でうつ伏せの状態で背中を反るように上半身を反り上げることで背筋を鍛えます。
しかしハイパーエクステンションベンチを利用することで、通常よりも「より広い可動域」で動作できるようになるのが特徴です。
上半身を深い位置まで前傾できるため、対象となる背筋の「収縮・伸展」を強く引き起こし、自重でも十分な筋トレ効果に期待できます。
使い方・トレーニング種目の具体例
バックエクステンションは背筋だけでなく、お尻の筋肉「大臀筋」や、太ももの裏側「ハムストリング」も同時に鍛えられます。
バリエーションとしてダンベルやプレートといったウェイトを利用することで強度の調整が可能。
また、ハイパーエクステンションベンチは、背筋トレ―ニングだけでなく「腹筋トレーニングとしても利用可能」ですよ。
ハイパーエクステンションベンチを利用した種目①ベンチ・バックエクステンション
ベンチ・バックエクステンションは、バックエクステンションを、ハイパーエクステンションベンチを利用して行います。
背中中央に縦に長く位置する「脊柱起立筋」や、お尻の筋肉「大臀筋」太もも裏側「ハムストリング」を同時に鍛えます。
脊柱起立筋を鍛えると「背中の厚みを強化できる」ほか「正しい姿勢矯正・猫背改善」といった効果に期待可能です。
【やり方】
- ハイパーエクステンションベンチにうつ伏せになるように乗る
- 太ももパッドがちょうど太ももの付け根あたりに来る位置に調整する
- 専用の足パッドにカカトを固定し、背筋をまっすぐ伸ばす
- 両手は胸の前でクロスさせるか、耳の後方あたりに固定する
- 背中を丸めずに、上半身を深く前傾させる
- 太もも裏のハムストリングが伸びている感覚を感じるまで深く前傾させる
- その後、背筋を意識して上半身を元の位置に戻していく
ハイパーエクステンションベンチを利用した種目②ウェイテッド・バックエクステンション
この種目は、バックエクステンションを「プレート・ダンベル」というフリーウェイト器具を持った状態で行うバリエーション。
ウェイトによる負荷を追加することで「より高強度に背筋を鍛えられる」のが特徴です。
より高強度に背筋を鍛えたい筋トレ上級者におすすめ。
ただし、腰への負担が大きいため筋トレ初心者や筋力に自信のない方には不向きです。
【やり方】
- 「バックエクステンション」と同様のセットアップを行う
- プレートまたはダンベル一つを両手で保持し、胸の前で抱えるように持つ※首の後方側で両手で持ってもOK
- 動作中ウェイトが落ちたりしないよう注意しながら、バックエクステンションを行う
ハイパーエクステンションベンチを利用した種目③バックエクステンション(90度タイプ)
ハイパーエクステンションベンチには、45度と90度の2種類が存在します。
この種目は90度タイプを利用したやり方です。
90度タイプは、通常の45度タイプよりも「より背筋への負荷が高い」のが特徴。
そのため、筋トレ中級者~上級者に特におすすめですよ。
背筋への効果が高い分45度タイプと比べると腰への負担が大きくなります。
腰に不安がある方や、筋力に自信のない方には不向きです。
【やり方と注意】
- マシンのフットプレートにカカトを固定し、うつ伏せになるようにマシンに乗る
- 太ももパッドがちょうど太ももの付け根が当たるように調整する
- マシンに乗りこむさいは専用のバーを両手で掴んで行うと簡単にできる
- 床に対して平行の状態から、背筋を伸ばしたまま上半身を深く前傾させる
- 上半身が床に対して垂直になるまで前傾させ、その後背筋の力で上半身を元の位置に戻す
背筋のトレーニングマシン⑥シーテッドバックエクステンションマシン
この背筋トレーニングマシンは、バックエクステンションの動きにマシンによる負荷を掛けた状態で行うためにあります。
シーテッドバックエクステンションマシンは「座った状態で取り組める」ため、取り組みやすさが特徴の器具。
さらに「ウェイトによる細かな重量設定が可能」なのも特徴の一つです。
また、適切な軌道で動作を行えるよう軌道が固定されています。
筋トレ初心者や筋力に自信のない方でも効果的に取り組めますよ。
ただし、軌道が固定されている分、自由な動作を行うことができません。
そのため、人によっては可動域や効き方に制限が生じる場合があります。
使い方
このマシンについてはバリエーションは存在しません。
背筋トレーニングマシンの中で最も簡単に取り組めるものの一つなので、筋トレ初心者や筋力に不安のある方はこの器具から始めてみましょう。
重量や回数にこだわらず、適切なやり方・フォームでの動作を心がけて取り組むことが大切です。
【使い方】
- トレーニングマシンのシートに座る
- ウェイトを自分の好みの重量に設定する
- 腰と背中がマシンのバックシート部分に密着するように座る
- 両足をマシンの「足パッド」に当てて固定する
- ハンドルが付いているタイプであれば、両手で握ることで体を固定する
- 背筋の力を意識して上半身を後方へ傾けていく
- その後、ゆっくりと背筋を意識しながら元の位置に戻る
背筋のトレーニングマシン⑦Tバー・ローイングマシン
Tバー・ローイングマシン(Tバーロウ)は、バーベルの片側を床に固定した形をした背筋トレーニング専用のマシン。
バーベルをまたぐ姿勢となり、床に固定されている側とは反対側のシャフトにプレートを装着し、そのバーを上下に動かすことで背筋を鍛えます。
独特な「弧」を描く軌道となることで背筋へアプローチし、高重量のバーベルによって高強度に鍛えられるのが特徴です。
本格的なスポーツジムにしかないことがネックですが、その効果は抜群なため、筋トレ上級者やベテランの方に多く愛用されています。
使い方
Tバー・ローイングマシンで取り組める種目は「Tバーロウ」という背筋トレーニングです。
Tバーロウは、背筋全体「広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋」に効果的な種目。
弧を描く軌道により背筋へ強烈な刺激が加わるのが特徴です。
特に海外の有名ボディビルダーの間でも多く取り組まれており、その筋トレ効果は抜群です。
【やり方】
- マシンのシャフト部分に好みの重量のプレートを装着する
- マシンのシート部にうつ伏せになるように乗る
- 両手でシャフトに付いているハンドルを握り、背筋を伸ばす
- バーを横に浮かせながら移動させてラックからバーを外す
- 肩甲骨を寄せる意識でバーを体側に引き寄せていく
- 十分に引き寄せたら、肩甲骨を開きながらバーを下ろす
また、マシンの種類によってはフットプレートの上に直立した姿勢のまま行うタイプのTバー・ローイングマシンも存在します。
このタイプは、マシンにうつ伏せになるタイプと比較すると「お尻・太もも裏側」に位置する筋肉も関わってきます。
背筋以外にも関与する部位が増えるため、うつ伏せになるタイプよりも「より高負荷を利用」できるのが最大の特徴。
背筋を鍛える代表的なフリーウェイトトレーニングの「ベントオーバーロー」と近い動作です。
背筋のトレーニングマシン⑧スミスマシン
スミスマシンは、ケーブルマシンと同じく背筋を鍛えるだけでなく「全身を鍛えるトレーニングができる」器具。
バーベルのサイドに「ガイドレール」が付いていることで、バーべルの軌道が固定されているのが特徴です。
フリーウェイト器具とマシン器具のハイブリッドのような特徴をもち、純粋に挙上動作に集中できるのですね。
とはいえ、これまで解説した器具の中でも「フリーウェイトに近い器具」であるため、背筋トレーニングのレベルは高めになります。
使い方・トレーニング種目の具体例
スミスマシンも利用が多岐に渡るため、ここではスミスマシンを利用した代表的な背筋トレーニングについてみていきましょう。
スミスマシンでは、基本的にバーベルを利用した背筋トレーニングに取り組めます。
代表的な種目である「デッドリフト・ベントオーバーロー・ルーマニアンデッドリフト」などを中心に取り組むのが効果的です。
背筋を鍛える種目の中でも特に高負荷のトレーニングにおいて、スミスマシンは最大の効果を発揮します。
スミスマシンを利用した種目①スミスマシン・デッドリフト
デッドリフトは、背筋を効果的に鍛えられるトレーニングとして代表的な種目の一つ。
背筋全体を中心に、お尻の筋肉「大臀筋」や太ももの筋肉「ハムストリング・大腿四頭筋」も同時に鍛えられるのが特徴です。
全身の筋肉を使う基本的種目「BIG3」に含まれ、数ある背筋種目の中でも最大の重量を扱えます。
【やり方と注意】
- スミスマシンの「セーフティストッパー」を一番低い位置に調整し、バーの前に直立する
- 肩幅程度の足幅で、バーがスネに当たる程度まで近い位置で直立する
- バーを肩幅程度の手幅で握り、膝を曲げて腰を落とす
- 背すじは常に真っすぐ伸ばしたまま、背筋を意識してバーと一緒に立ち上がる
- 動作中に背中が丸まったり、反ってしまうと腰を痛めるため注意
スミスマシンを利用した種目②スミスマシン・ベントオーバーロー
ベントオーバーローは、背筋群を効果的に鍛えられる種目「デッドリフト」に次いで代表的な種目です。
対象筋はデッドリフトと同様ですが、対象筋の「収縮・伸展」を強く引き起こせるため、中重量でもしっかり効かせられるのが特徴。
デッドリフトに取り組んだ後に、ベントオーバーローで最後の仕上げに追い込み、背筋を強烈に鍛えていきましょう。
【やり方】
- デッドリフトと同様のセットアップを行う
- バーを両手に保持した状態で一度直立し、上半身が45度程度になるまで前傾する
- お尻を後方へ突き出すイメージで中腰となり、この姿勢を維持する
- 次に、肩甲骨を寄せる意識でバーベルを「おへそ」の下あたりまで引き上げる
- 背中の収縮を感じるまでバーベルを引き上げたら、肩甲骨を開きながらバーベルを下す
スミスマシンを利用した種目③スミスマシン・ルーマニアンデッドリフト
ルーマニアンデッドリフトは、通常のデッドリフトを「膝を伸ばし気味」で行うことで、背筋への刺激を変えたバリエーション。
膝関節の動作が抑制され股関節動作が中心となることで「脊柱起立筋」や「大臀筋・ハムストリング」に集中的に負荷が加わります。
この種目では脊柱起立筋と下半身背面部に位置する筋肉を中心に鍛えられますよ。
【やり方と注意】
- デッドリフトと同様のセットアップを行う
- 動作中は膝を極力伸ばし気味で、膝の角度は一定に維持したまま動作を行う
- 股関節の動作を中心に意識し、上半身を床と平行になる程度まで深く前傾させる
- 背すじは常にまっすぐ伸ばす
- その後、脊柱起立筋・大臀筋・ハムストリングの力を意識して上半身を起こす
背筋のトレーニングマシン⑨プルオーバーマシン
プルオーバーマシンは、背筋トレーニングの「プルオーバー」を行う前提で設計された専用のマシン。
頭上に高く両腕を上げた状態から、マシンによる負荷を掛けた状態で両腕を下に引き下げ、背筋を鍛えます。
この動作により、背筋の中でも特に「広背筋へ集中的に負荷を掛けられる」うえ、胸の筋肉である「大胸筋」も同時に鍛えられます。
背中の広がりを作る背筋トレーニングとして優秀なマシンです。
使い方
プルオーバーマシンを使ったトレーニングは「マシンプルオーバー」です。
一般的なダンベルを利用したプルオーバーよりもより高負荷を利用できるため、強烈な負荷を広背筋に掛けていきましょう。
また、適切な軌道で動作を行えるよう軌道が固定されています。
そのため挙上動作にのみ集中して取り組めるので、高い筋トレ効果に期待できますよ。
【やり方】
- マシンのシートを適切な高さに調整する
- シートに座り「肘パッド」に両肘を当て、ハンドルを両手で握る
- 広背筋の力を意識して、肘パッドごと両腕をアームの軌道に沿って引き下げる
- 広背筋が収縮しきるまで引き下げ、その後両腕を元の位置に戻す
- このとき、広背筋がストレッチ(伸展)するまで高く両腕を上げる
トレーニングに取り組む際の注意点
背筋のみならず、すべての筋トレで大切なこと以下2つについて説明します。
- 正しいフォームが最重要
- 最も怖いのは怪我をすること
①正しいフォームが最重要
すべてのエクササイズ・種目では、基本的な動作フォームがなによりも大切です。
正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることで最も効率的に対象筋へ負荷を与えられます。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入りません。
その結果、いつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
②最も怖いのは怪我をすること
正しいフォームでトレーニングを行わない場合、怪我をする恐れがあります。
1度怪我をすると完治するまでその部位を鍛えられず、その期間に筋肉を失ってしまいます。
さらに他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果となってしまいます。
正しいフォームを覚えることが理想の肉体への一番の近道です。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない「脅威」だと覚えてくださいね。
背筋トレーニングで利用したいトレーニングギア2選!
ここでは、背筋トレーニングを行うときに利用することで、より効果的にできるトレーニングギアを紹介します。
- トレーニングベルト
- パワーグリップ
背筋トレーニングで利用したいギア①トレーニングベルト
トレーニングベルトとは、革・ナイロン製の太いチャンピオンベルトのような形をしているアイテムです。
トレーニングベルトは体の中でも特に重要な関節である「腰」をサポートし、怪我から守ってくれます。
また「腹圧」と呼ばれる筋出力の向上にも効果を期待できますよ。
腹圧とは「腹腔内の圧力」を意味しています。
この圧力が高まることで、脊椎を縦に引き伸ばすように力が働き体幹の安定性が向上。
より強い力を発揮しながらも、腰の怪我から守ってくれるのです。
トレーニングベルトについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
背筋トレーニングで利用したいギア②パワーグリップ
背筋を鍛える種目に含まれる動作に多いのが「プル動作・ローイング動作」と呼ばれる「引く動作」です。
高重量のウェイトを引き上げるさい、素手のままだと背筋群の前に「前腕筋」が先に疲労してしまいます。
その結果バーを保持できなくなり、トレーニングの続行が困難になってしまうというケースがあるのですね。
そういった場合に「パワーグリップ」を使いましょう。
パワーグリップは「ラットプルダウン・デッドリフト・ベントオーバーローイング・ワンハンドローイング」といった種目で利用します。
パワーグリップについて、より詳細に知りたい方は下の記事もどうぞ↓
「パワーグリップ」と「リストストラップ」の違いについて
リストストラップとは、対象のウェイトに長いストラップを巻き付けることで、握力のサポートに効果を発揮するもの。
丈夫な一本の革から作られているためパワーグリップよりも耐久性が高く、200kg以上の高重量のバーベルでも安心して利用可能です。
しかしその反面、バーに巻き付けるときにパワーグリップよりも手間が掛かるため、慣れが必要になります。
しっかりと適切に巻き付けないと効果が発揮されないというデメリットがあるうえに、インタ―バルが長い引いてしまう恐れがあります。
パワーグリップと比べると、使い勝手が良いとはいえません。
そのため、筋トレ上級者や150㎏以上のウェイトを利用する方といった本格派の方に、おすすめです。
おわりに
今回は、背筋を効果的に鍛えられる背筋トレーニングマシンについて、解説しました。
せっかくたくさんのマシンが置いてあるジムに通っているのに、マシンの使い方が分からないからと利用しないのはもったいないです。
それぞれのマシンの正しい使い方・効果について理解を深め、ジムを最大限有効活用していきましょう。
“No pain No gain”
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AKI
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