「ベンチプレス」と「ダンベルプレス」と言えば、胸の筋肉(大胸筋)を鍛える種目としてどちらも代表的ですよね。
やることは同じなのですが、両者の違いといえば使用する器具。
ベンチプレスは一本の棒状の器具「バーベル」を、そしてダンベルプレスは「ダンベル」を利用します。
実際のところ、それぞれの器具を利用することで具体的にどういった効果の違いがあるのか、理解しいる方は意外と少ないようです。
そこで今回は、バーベルとダンベルのそれぞれを利用したプレストレーニングの効果の違いについて、比較解説します!
この記事の目次
- ベンチプレスとダンベルプレスについての概要
- ベンチプレスとダンベルプレスの比較!
- ベンチプレスとダンベルプレスどちらが筋肥大に効果的?
- ベンチプレスとダンベルプレスの両方に取り組むのもOK!
- チェストプレス系種目の後にチェストフライ系種目を組み込むとより効果的!
- チェストプレス系種目の後におすすめなチェストフライ系種目11選!
- おすすめなチェストフライ系種目①ダンベルフライ
- おすすめなチェストフライ系種目②ダンベル・フロアフライ
- おすすめなチェストフライ系種目③チューブ・チェストフライ
- おすすめなチェストフライ系種目④ケーブルフライ
- おすすめなチェストフライ系種目⑤マシン・チェストフライ
- おすすめなチェストフライ系種目⑥インクライン・ダンベルフライ
- おすすめなチェストフライ系種目⑦インクライン・チューブフライ
- おすすめなチェストフライ系種目⑧インクライン・ケーブルフライ
- おすすめなチェストフライ系種目⑨デクライン・ダンベルフライ
- おすすめなチェストフライ系種目⑩デクライン・チューブフライ
- おすすめなチェストフライ系種目⑪デクライン・ケーブルフライ
- ウェイトトレーニングで利用したいトレーニングアイテム3選!
- おわりに
- 【関連記事】他にもある「大胸筋」に効果的な筋トレ情報についてはこちら♪
ベンチプレスとダンベルプレスについての概要
バーベルベンチプレスとダンベルベンチプレスの効果の違いについて比較する前に、まずはそれぞれの種目について解説しましょう。
最初にベンチプレスです。
ベンチプレスとは?
ベンチプレス(バーベルベンチプレス)とは、一本の棒状のフリーウェイト器具「バーベル」を利用した、大胸筋を鍛える最も有名な種目。
取り組むときにはバーベルの他にベンチプレスラック(またはパワーラック)・トレーニングベンチといった器具を利用します。
特徴は、高重量による高負荷によって対象部位を強烈に鍛えられること。
これは棒状のバーベルを利用することで挙上動作が安定しやすいためですね。
ベンチプレスは、メインターゲットが大胸筋、そしてサブが上腕三頭筋と三角筋前部です。
ベンチプレスの特徴
①高重量のウェイトによる高負荷を利用できる
ベンチプレスは、数ある大胸筋を鍛える種目の中で最も高負荷を利用できます。
安定しやすく挙上動作を比較的安定的に行えるため高重量が可能になり、それによって対象部位を強烈に鍛えられるのですね。
筋肥大に効果的とされる高負荷トレーニングを行えるのが、ベンチプレスの特徴と言えるでしょう。
②筋出力向上に効果的
バーベルを利用したベンチプレスは最大収縮と最大伸展が特徴の種目。
高重量による高負荷トレーニングに取り組むことで、上半身全体の筋力や筋出力向上に高い効果が期待できます。
基礎的な筋力向上はもちろん、より重い重量を挙上したい場合や重量挙げ競技などのスポーツウェイトトレーニングのパフォーマンス向上に対して効果的です。
ベンチプレスのやり方
【やり方】
- 専用のベンチプレスラック・パワーラックなどにバーベルを置く
- アゴの真上あたりにバーがくる位置で、トレーニングベンチに仰向けになる
- 両脚は膝を曲げて床につけておき、体を安定させる
- 肩幅の1.5倍程度の手幅でバーを握り、ラックからバーを外す
- バーを水平に肩の真上まで移動させる
- 胸は大きく張ったままで、肘を曲げてバストトップ(胸の一番高い位置から少し下)あたりにバーを下ろす
- バーが胸に触れるまでおろしたら、大胸筋の力を意識してバーを真上に挙上する
- 動作中は肩が上がらないように、肩を落としたまま取り組む
ダンベルプレスとは?
ダンベルプレス(ダンベルベンチプレス)とは、両手に持ったダンベルを利用した、大胸筋を鍛える代表的な種目。
ベンチプレスのようにベンチプレスラック(またはパワーラック)を利用する必要がないため、ダンベル1セットの他にはトレーニングベンチのみで取り組めます。
基本的な動作は前述したベンチプレスと同じで、対象となる筋肉も大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部です。
ダンベルプレスの特徴
①筋肥大に効果的な広い可動域を活かせる
ダンベルプレスはベンチプレスほどの高重量は利用できないものの、左右に持つウェイトがそれぞれ独立している分自由度が高くなっています。
胸の高さよりも下にダンベルを下ろせることで「より広い可動域」で対象筋を鍛えられるのですね。
対象となる大胸筋を最大収縮・最大伸展させられるため、中重量でもしっかりと筋肥大に効果的なトレーニングを実現できます。
②大胸筋の左右対称性に優れる
ダンベルプレスは、対象部位の形・大きさ・筋力といった左右差を改善・是正する効果に期待できます。
左右の大胸筋どちらかに偏ることなく、それぞれの部位をバランスよく鍛えられますよ。
筋力バランスの取れた体は、その他のウェイトトレーニングのパフォーマンスに影響するだけでなく、日常生活やスポーツ競技においても重量な要素と言えます。
ダンベルプレスのやり方
【やり方】
- 両手にそれぞれ一つずつダンベルを持ち、トレーニングベンチに仰向けになる
- 両脚は膝を曲げて床につけておき、体を安定させる
- 一度胸の上にダンベルを挙上し、腕を伸ばす
- 胸は大きく張ったまま、肘を曲げてダンベルをバストトップ(胸の一番高い位置から少し下)の横に下ろす
- 肘は90度になる角度を目安に曲げる
- 大胸筋が十分にストレッチ(伸展)するまで下ろしたら、ダンベルを真上に挙上する
- 胸の中央に向かって肘を伸ばしていく
- 動作中は肩が上がらないように、肩を落としたまま取り組む
ベンチプレスとダンベルプレスの比較!
では2つの種目について、以下の4つを比較していきます。
- 使用重量の違い
- 可動域の違い
- 対象筋の左右対称性
- 上腕三頭筋の関与度
①使用重量の違い
筋肥大に効果的な筋トレに取り組む上で、利用するウェイトの重量設定は非常に重要です。
高重量のウェイトを利用すれば、それだけ対象となる筋肉に掛かる負荷も大きくなるため、高負荷の刺激を筋肉に加えることは理論的に効果的とされています。
使用重量という観点から考えると、ダンベルプレスよりもベンチプレスの方がより重い重要を扱えるため、ベンチプレスの方が高負荷トレーニングに適しています。
②可動域の違い
筋トレは、ウェイトや自重による負荷を筋肉に掛けた状態で「収縮・伸展」を行うことで、筋肉を鍛えます。
この収縮と伸展がより強く引き起こされると、その分筋肉に掛かる刺激も強まるのですね。
そのため、可動域の広さは筋肥大に効果的な筋トレを実現する上で重要な要素となります。
ベンチプレスの可動域
バーベルベンチプレスで利用する棒状のバーベルは「胸につくとそれ以上低い位置までおろせない」という特徴があります。
そのため、大胸筋のストレッチ(伸展)動作には制限が生じるため、可動域の面から考えると限定的です。
また、バーベルを挙上するさいにもバーを握る両手の手幅は固定されてしまうため、同じくコントラクト(収縮)動作も十分な収縮は難しいと言えるでしょう。
ダンベルプレスの可動域
ダンベルプレスは、両手にそれぞれに持つウェイト(ダンベル)が独立しているため「胸の高さよりも低い位置まで下せる」のが特徴です。
つまり、より広い可動域を活かして大胸筋の「ストレッチ(伸展)」を強烈に引き起こし、最大伸展させることで高い筋肥大効果に期待できます。
また、挙上動作においても両腕の手幅を自由に動かすことができるため「大胸筋の「コントラクト(収縮)」も同様に強く引き起こすことが可能です。
③対象筋の左右対称性
実のところ、私達の人体を構成する筋肉で「形・大きさ・筋力」が左右対称であるほうが少ないでしょう。
たとえば、利き手によっても左右の腕や肩といった部位に左右差があることがほとんどです。
また、野球・バスケットボール・サッカーといったスポーツに取り組む方であれば、日常的な体の使い方でも左右差は生じやすくなります。
筋肉の左右差は見た目の美しさに影響するだけでなく、全体がアンバランスになります。
その結果、スポーツ競技はもちろん、日常生活にも影響を及ぼすのです。
ベンチプレスの左右対称性
結論から言うと、ベンチプレスは「左右対称性」という面においては優れていないという言うよりも、逆効果となることがあります。
これは、バーベルを両手で持った状態で挙上を行うため、左右どちらかの対象部位(胸・肩・腕)で強い側の筋肉が先導してしまうため。
筋力の弱い側の対象部位への負担が減り、筋力の強い側の対象部位への負荷が増えるため、継続的に取り組むことで「左右差の助長」となることもあります。
ダンベルプレスの左右対称性
一方でダンベルプレスの場合、両手に持つウェイトがそれぞれ独立するため、どちらかの対象部位が先導することなくバランスよく鍛えられます。
また、筋力の弱い側の対象部位だけをダンベルプレスを行うことで集中的に鍛えることが可能。
左右差是正にも効果が期待できます。
④上腕三頭筋の関与度
ベンチプレスではメインとなる大胸筋以外にも、上腕裏側に位置する「上腕三頭筋」も鍛えられます。
バーベルを利用するかダンベルを利用するかによって、上腕三頭筋への負荷の加わり方が変化するのですね。
バーベルを利用したベンチプレスの方が、ダンベルと比べてより上腕三頭筋への負荷が高まります。
反対に、ダンベルを利用した場合では、上腕三頭筋ではなく、上腕の表側に位置する「上腕二頭筋」への負荷が高まるのです。
これは上腕の自由度が高まることで、軌道のコントロールのさいに上腕二頭筋の関与が高まるためだと考えられます。
つまり「上腕三頭筋も同時に鍛えたい場合はバーベルベンチプレス」「大胸筋を集中的に鍛えたい場合はダンベルプレス」がおすすめです。
ベンチプレスとダンベルプレスどちらが筋肥大に効果的?
では、ベンチプレスとダンベルプレスどちらが筋肥大に効果的なのでしょうか。
大前提として、人はそれぞれ体質や体格の違いによって”効かせやすい種目”が異なります。
そのため、一概にどちらの方がが効果的とは言えません。
しかし、どちらの種目がより筋肥大に効果的なのか選べと言われた場合、私としては「初心者はベンチプレス」で「中級者~上級者はダンベルプレス」と答えます。
筋トレ初心者はベンチプレスがおすすめ
ベンチプレスはバーベルを持つ両腕の手幅が固定されるため、ダンベルプレスと比べると挙上動作がコントロールしやすいのが特徴です。
そのため、適切な軌道でのやり方・フォームでの取り組みがまだ難しい筋トレ初心者であれば、よりコントロールしやすいベンチプレスがおすすめ。
一方、ダンベルプレスは両腕の自由度が高い分挙上動作のコントロールが難しいため、誤ったやり方で取り組んでしまいがちです。
誤ったやり方での取り組みは本来の筋トレ効果が弱まるだけでなく、怪我の原因となり得ます。
そのため、まずはベンチプレスから取り組み、適切なやり方を習得してください。
筋トレ中級者~上級者はダンベルプレスがおすすめ
筋トレ中級者~上級者は「適切なやり方・フォームが習得できている方」という意味で表現しています。
筋トレ中級者以上になれば、適切なやり方が身についてると考えられます。
尚且つベンチプレスの使用重量が100㎏を超える筋力が身に付いている方も多いでしょう。
使用重量が増えることでより高強度に対象部位を鍛えられることは確かですが、100㎏近い重量となると怪我のリスクが高まることがネックですね。
高重量になればなるほど筋肉・腱・関節といった部位へのストレスも増えるため、一度怪我をすると重症化しやすいことも考えられます。
そういった面で考えると、筋トレ中級者~上級者にはダンベルプレスがおすすめです。
適切なやり方でダンベルプレスを行えば、ベンチプレスよりも使用重量が軽くなったとしても十分に対象部位へ”効かせる”ことができますよ。
ベンチプレスとダンベルプレスの両方に取り組むのもOK!
ベンチプレスとダンベルプレスどちらにも取り組めば確実に効果があるのでは? と考える方も多いと思います。
確かに、それぞれ同じ大胸筋を鍛える種目だとしても、その負荷と刺激は異なるもの。
理想を言えばどちらもバランスよく取り組むことが最も効果的と言えるでしょう。
ベンチプレス→ダンベルプレスの順番で取り組む
もし両方取り組みたい場合は、ベンチプレス→ダンベルプレスの順番で取り組むのがセオリーです。
筋トレの基本に沿い、使用重量が重い種目から先に取り組みましょう。
そうすれば一種目で筋肉に疲労が蓄積しても、その後の種目に取り組めるためです。
先にダンベルプレスに取り組んだ結果、筋肉が疲労します。
そのあとさらに重いベンチプレスを上げるのは困難ですよね。
順番を間違えると、非効率な筋トレになります。
チェストプレス系種目の後にチェストフライ系種目を組み込むとより効果的!
ベンチプレスやダンベルプレスといった「チェストプレス系種目」に取り組んだ後に「チェストフライ系種目」を行うことがおすすめです。
チェストフライ系種目(ダンベルフライ・ケーブルフライなど)は、アイソレーション種目(単関節種目)で、大胸筋を集中的に鍛えられます。
チェストフライ系種目は収縮・伸展といった大胸筋の可動域を活かした種目のため、チェストプレス系の後に取り組むことで、より高い筋肥大効果に期待できるのですね。
では次から、プレス系種目に取り組んだ後におすすめな、チェストフライ種目について解説します。
チェストプレス系種目の後におすすめなチェストフライ系種目11選!
チェストプレス系種目のあとは、以下のフライ系種目に取り組んでみましょう!
できるものからトライしてくださいね。
おすすめなチェストフライ系種目①ダンベルフライ
ダンベルフライは、大胸筋をメインに鍛えるフライ系種目の代表的なやり方の1つ。
両手にダンベルを持ってトレーニングベンチの上に仰向けになり、両腕を外方へ”開いて閉じる”ように動きます。
自宅で取り組む場合は床の上に仰向けになることで同じく取り組めますが、ベンチを使用した場合と比べて可動域は狭くなります。
【やり方】
- 両手にダンベルを持ち、トレーニングベンチに仰向けになる
- ダンベルを一度胸の真上に持ち上げ肘を8割程度伸ばした角度で固定する
- 両手は手のひら同士が向き合う角度にする
- 肘の角度を固定したまま、息を吐きながら両腕を側方に向かって開く
- 大胸筋のストレッチ(伸展)を十分に感じるまで開く
- その後、息を吸いながら大胸筋の力を意識しつつ両腕を閉じる
- ”開いて閉じる”意識で動く
おすすめなチェストフライ系種目②ダンベル・フロアフライ
一般的なダンベルフライではダンベル1セットの他にトレーニングベンチを利用しますが、この種目ではベンチを利用しません。
床の上に直接仰向けになることで、トレーニングベンチを利用できない状況でも取り組めるのが特徴です。
ただし、トレーニングベンチを利用した場合と比べて「可動域に制限が生じる」ため、ストレッチ(伸展)を十分に行えないというデメリットがあります。
【やり方】
- トレーニングマットやヨガマットなどを敷いた床に仰向けになる
- 膝は90度程度に曲げ、床に足裏をつける
- この状態のまま、ダンベルフライを行う
両腕を側方へ開くさい、ダンベルを床に置いてしまうと大胸筋の緊張が途切れてしまいます。
床に触れたらすぐ閉じるか、床に触れるギリギリまでダンベルを下ろすようにしましょう。
おすすめなチェストフライ系種目③チューブ・チェストフライ
この種目は、トレーニングチューブを利用して行うバリエーション。
チューブの持つ「張力による負荷」により伸ばせば伸ばすほど強度が高まるため、家トレでも高強度に鍛えられるのが特徴です。
また、チューブは動作中に負荷が掛かり続けるため、大胸筋への負荷を逃がすことがありません。
効果的に鍛えられますよ。
【やり方】
- トレーニングチューブ中央部を、ドアや柱などに固定する
- 直立した姿勢で胸の高さ位置にチューブを固定する
- チューブの固定部に背中を向け、両手にチューブの端を持つ
- 両脚を前後に開いて安定させ、正面に向かってフライ動作を行う
大胸筋中部を意識し、広い可動域で動作を行ってくださいね。
おすすめなチェストフライ系種目④ケーブルフライ
ケーブルフライ(ケーブルクロスオーバー)は、ダンベルフライに次いで代表的な種目。
ダンベルではなくケーブルマシンを利用します。
ケーブルマシンは全可動域で負荷が一定に掛かり続けるため、動作中に大胸筋への負荷が抜けることなく効果的に鍛えられるのが特徴です。
また、ダンベルフライと比べて関節への負担も多少軽減されるため、ケーブルマシンが利用できる場合におすすめなフライ種目ですよ。
【やり方】
- ケーブルマシンのプーリー(滑車)を胸の高さ程度の位置に調整する
- プーリーにグリップを装着し、両手にそれぞれのグリップを持つ
- マシンに背を向け、一歩前に大きく踏み出す
- 両脚は前後に開いて安定させ、胸を張ったまま両腕を胸の前へ閉じる
- 両肘は8割程度伸ばした角度のままフライ動作を行う
おすすめなチェストフライ系種目⑤マシン・チェストフライ
この種目では、専用のマシンであるバタフライマシンを利用します。
バタフライマシンはチェストフライを行う前提で設計された専用のマシンです。
マシン系種目は「動作の軌道が固定」されているため、まだ適切なやり方が身についていない筋トレ初心者でも効果的に安全に取り組めるのが特徴。
また、軌道が固定されている分細かなコントロールを行う必要がないため、高負荷を利用しやすいというのも特徴の一つですね。
【やり方】
- マシンのシートの高さを、グリップを握る上腕が床と平行になる高さに調整する
- 左右のアームの可動域を、大胸筋がストレッチ(最大伸展)できるよう広く調整する
- マシンに座り、腰と下背部をバックシートに密着させる
- アームを両手で握り、肘の角度は8割程度伸ばした角度で固定する
- 肘の角度は固定したまま、両腕を閉じるように動く
- その後、ゆっくりと両腕を開いていき、大胸筋がストレッチ(最大伸展)するまで開く
おすすめなチェストフライ系種目⑥インクライン・ダンベルフライ
この種目は、ダンベルフライと同様の動きを、インクライン(30~45度程度)に調整したアジャスタブルベンチで行います。
体に対し斜め上方向に向かってフライ動作を行うため、大胸筋の中でも特に「大胸筋上部を集中的に鍛えられる」のが特徴です。
鎖骨に近い大胸筋上部を鍛えることで、より迫力のある分厚い胸板を強調可能。
ぜひ、通常のダンベルフライと組み合わせて取り組んでみましょう。
【やり方】
- 両手にダンベルを持ち、インクライン(30~45度程度)に調整したベンチに仰向けになる
- ダンベルを一度肩の真上に持ち上げ肘を8割程度伸ばした角度で固定する
- 動作中は常に上腕が床に対して垂直の角度を維持したまま行う
- 肘の角度を固定したまま、大胸筋上部のストレッチ(伸展)を十分に感じるまで両腕を側方に向かって開く
- その後、大胸筋上部の力を意識して両腕を真上に閉じる
おすすめなチェストフライ系種目⑦インクライン・チューブフライ
この種目では、チューブ・チェストフライと同じ動きをインクライン(斜め上方向)に行うことで、大胸筋上部をメインとします。
チューブを固定する高さを変えることで、大胸筋の上部・中部・下部と負荷比重を変えていきましょう。
角度調整機能の付いたトレーニングベンチや、それぞれの角度に特化したベンチを利用する必要がないため、取り組みやすい点も特徴の一つです。
【やり方】
- トレーニングチューブ中央部を、ドアや柱などのできるだけ床に近い位置に固定する
- チューブの固定部に背中を向け、両手にチューブの端を持つ
- 両脚を前後に開いて安定させ、斜め上方向に向かってフライ動作を行う
- 大胸筋上部を意識して、頭の高さまで動く
おすすめなチェストフライ系種目⑧インクライン・ケーブルフライ
この種目では、ケーブルフライと同じ動きを、インクライン(30~45度程度)に調整したアジャスタブルベンチを利用して行います。
インクライン・ダンベルフライと比べると、大胸筋のストレッチ(伸展)はもちろん「コントラクト(収縮)が強く引き起こされる」のが特徴です。
ケーブルマシンは対象部位への負荷が抜けづらいため、大胸筋上部の収縮ポジションでも筋肉の緊張を維持し続けられますよ。
※インクラインベンチを利用せず直立姿勢でも同様の取り組みが可能ですが、ベンチを利用した方がより効果的
【やり方】
- ケーブルフライと同様のセットアップを行う
- プーリーは一番低い位置に調整する
- ケーブルマシンの間にインクラインベンチを配置し、仰向けになる
- 左右のグリップを両手で持ち、胸を大きく張る
- 肘を8割程度伸ばした角度で固定したまま、真上に向かってフライ動作を行う
おすすめなチェストフライ系種目⑨デクライン・ダンベルフライ
この種目は、デクライン(15~30度程度)に調整したアジャスタブルベンチを利用して行います。
体に対し斜め下方向に向かってフライ動作を行うため、大胸筋の中でも特に大胸筋下部を集中的に鍛えられるのが特徴です。
大胸筋下部を鍛えれば、腹筋と大胸筋の境目をよりクッキリと強調できます。
積極的に取り組みたい種目ですね。
【やり方】
- 両手にダンベルを持ち、デクライン(15~30度程度)に調整したベンチに仰向けになる
- ダンベルを一度肩の真上に持ち上げ、肘を8割程度伸ばした角度で固定する
- 動作中は常に、上腕が床に対して垂直の角度を維持したままで行う
- 肘の角度を固定したまま、大胸筋下部のストレッチ(伸展)を十分に感じるまで両腕を側方に向かって開く
- その後、大胸筋下部の力を意識して両腕を真上に閉じる
おすすめなチェストフライ系種目⑩デクライン・チューブフライ
この種目は、デクライン(大胸筋下部)に効果的なやり方です。
チューブの固定部を高い位置に調整し、体に対し斜め下方向にフライ動作を行うことで、大胸筋下部を鍛えます。
チューブさえあれば、大胸筋上部・下部ともに大胸筋全体をバランスよく鍛えられるため、家トレ器具として非常に優秀ですよ。
【やり方】
- トレーニングチューブ中央部を、ドアや柱などの頭の高さ程度の高い位置に固定する
- チューブの固定部に背中を向け、両手にチューブの端を持つ
- 両脚を前後に開いて安定させ、斜め下方向に向かってフライ動作を行う
- 大胸筋下部を意識し、腰の高さを目安にフライ動作を行う
おすすめなチェストフライ系種目⑪デクライン・ケーブルフライ
この種目では、大胸筋下部を鍛えます。
デクライン・ケーブルフライではトレーニングベンチを必要としないため、ケーブルマシンが利用できれば効果的に大胸筋下部を鍛えられますよ。
また、ケーブルマシンでは肩関節への負担が多少軽減されるため、安全な取り組みが可能です。
【やり方】
- ケーブルフライと同様のセットアップを行う
- プーリーは一番高い位置に調整する
- マシンの間に背を向けて立ち、一歩分前に踏み出した位置で両脚を開く
- 左右のグリップを両手で持ち、胸を大きく張る
- 肘を8割程度伸ばした角度で固定したまま、斜め下方向に向かってフライ動作を行う
ウェイトトレーニングで利用したいトレーニングアイテム3選!
では最後に、ウェイトトレーニングでの利用がおすすめなトレーニングアイテムを3つ紹介します。
- トレーニングベルト
- パワーグリップ
- リストラップ
ウェイトトレーニングで利用したいアイテム①トレーニングベルト
トレーニングベルトとは、腰を保護しながらより高い筋出力を発揮してくれるためのトレーニングギアです。
お腹に巻くことで「腹圧」が高まり、腰の怪我から保護する効果を発揮します。
また、腹圧が高まることにより筋出力も向上するため、より重い重量を扱うことが可能です。
そのため、高重量トレーニングを行いたい方や腰が弱い方、腰に不安を抱える方は、トレーニングベルトを有効活用していきましょう。
【関連記事】トレーニングベルトについてさらに詳しくはこちら♪
ウェイトトレーニングで利用したいアイテム②パワーグリップ
パワーグリップは、引く動きが必要なトレーニングのさいに、握力のサポートに効果を発揮してくれるトレーニングギアの一つ。
手首に通してベロの部分をバーべルに巻き付け、ベロと一緒にバーべルを握ります。
そうすることで、少ない握力でも高重量のバーべルを持ち続けることが可能です。
パワーグリップはバーべルだけでなく、ダンベルやケーブルマシンにも活用可能。
基本的に引く動きが必要なトレーニング種目全般に利用できますよ。
パワーグリップについてより詳細な内容を知りたい方は、下にある記事も合わせて確認しましょう!
ウェイトトレーニングで利用したいアイテム③リストラップ
リストラップとは、手首に巻き付けることで手首の関節を保護してくれるトレーニングギアの一つです。
これによって高重量のウェイトを扱うとき、必要以上に手首が反るのを防止したり、手首のブレを抑制したりできます。
ウェイトを挙上するための力をダイレクトにウェイトに繋げられるようになるため、手首の怪我のリスクを回避可能です。
おわりに
ベンチプレスとダンベルプレスの特徴と比較について解説しました。
それぞれの種目が持つ筋トレ効果について理解を深めることで、自身の目的に合った種目選びを行っていきましょう。
また、自身の体(体質・体格)に合った最適な種目選びが重要となるため、とにかく自分の体を使って試してみることがおすすめですよ。
“No pain No gain”
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AKI
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