ベンチプレス/ダンベルフライの効果の違いを解説!大胸筋を鍛える二大種目の特徴と取り組み方のコツ!について解説します!
胸の筋肉である大胸筋を鍛える種目として、最も代表的な二大種目と呼ばれるのが「ベンチプレス」と「ダンベルフライ」です。
多くのトレーニーの間で取り組まれていることが理由で、なんとなく自身のトレーニングメニューに加えているという方も少なくないはず。
実際のところ、両種目の特徴と効果・違いについて具体的に理解している方は意外と少ないかもしれませんね。
そこで今回は、ベンチプレスとダンベルフライの特徴と効果の違い、効果的な取り組み方などについて解説します!
この記事の目次
「ベンチプレス」の概要

もうすでにご存知の方も多いとは思いますが、後に解説する比較において重要になるため、それぞれの種目の簡単な解説から始めます。
ベンチプレスは、フリーウェイト器具である「バーベル」を利用した、大胸筋を含む上半身の主要な筋肉群に効果的な種目の一つ。

メインターゲットは「大胸筋」で、サブターゲットに上腕裏側に位置する「上腕三頭筋」肩の前面に位置する「三角筋前部」も同時に鍛えられます。
動作には「肩関節・肘関節」の2つの関節動作が関与するため、複数の関節・筋肉が関与する「コンパウンド種目」に分類されます。
ベンチプレスは”コンパウンド種目”

コンパウンド種目とは「2つ以上の複数の関節・筋肉が関与する種目」のことで、別名「多関節種目」とも呼ばれる種目分類です。
コンパウンド種目は、動作の中で関与する関節が多い分、主動筋として作用する筋肉が多くなるため、一つのコンパウンド種目で「多くの筋肉を同時に鍛えられる」のが特徴。

さらに、多くの筋肉が関与するため、それだけ「大きな力を発揮できる」ことから「高重量による強烈な負荷」を利用して鍛えられるのも特徴の一つ。
そのため「筋肥大に高い効果を期待できる」というメリットを持ちます。
ベンチプレスのやり方
ベンチプレスのバリエーションにはいくつかのやり方が存在しますが、ここでは最も一般的なやり方について解説します。
【ベンチプレスのやり方】
- 専用のベンチプレスラック・パワーラックなどにバーベルを置きます。
- アゴの真上あたりにバーがくる位置で、トレーニングベンチに仰向けになります。
- 両脚は膝を曲げて床につけておき、カラダ全体を安定させます。
- 肩幅の1.5倍程度の手幅でバーを握り、ラックからバーを外します。
- 水平にバーを肩の真上まで移動します。
- 胸は大きく張ったまま肘を曲げてバーを下ろします。
- バストトップ(胸の一番高い位置から少し下)あたりにバーを下ろします。
- バーが胸に触れるまでおろしたら、大胸筋の力を意識してバーを真上に挙上します。
- 動作中は肩が上がらないように、肩を落としたまま取り組みましょう。
ベンチプレスの「筋トレ効果」について
ここでは、ベンチプレスのトレーニングに期待できる筋トレ効果について解説します。
①複数の筋肉群を同時に鍛えられる

上でも解説した通り、ベンチプレスは「大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋」といった上半身の主要な筋肉群を同時に鍛えられる種目です。
これらの筋肉は、上半身の「アウトライン(上半身の輪郭・外側の形)」を強調する部位であるため、ベンチプレスに取り組むことで「上半身全体のたくましさ」を作ることができます。

胸(大胸筋)・肩(三角筋前部)・腕(上腕三頭筋)といった上半身の主要な筋肉群を同時に鍛えられるのも、ベンチプレスが多くのトレーニーに取り組まれている理由の一つです。
②「筋出力向上」に高い効果が期待できる

ベンチプレスは、関与する筋肉が多い分「大きな力を発揮できる」ため「高負荷を利用できる」のが特徴のコンパウンド種目。
高重量のウェイトを利用した高負荷トレーニングを行うことで「上半身全体の筋力・筋出力向上」に高い効果を期待できます。

基礎的な筋力向上はもちろん、より重いウェイトの挙上を目的とする場合や、各種スポーツ競技・ウェイトトレーニングのパフォーマンス向上に最適な種目です。
③「胸板の厚み」を強調するのに効果的

ベンチプレスは、胸の筋肉である「大胸筋」を鍛える種目として最も「高負荷を利用して鍛えられる」のが特徴の種目。
そのため、胸板や上半身の厚み・体幹部の厚みといった「横から見たときのカラダの厚み」を作りたい場合において高い効果を発揮します。

カラダ全体の線が細い方は、高重量を利用できるベンチプレスに取り組むことで、土台から大きく筋肥大させることが可能です。
細かなディテール作り(セパレーション・形)には不向きですが、大胸筋全体の肥大という面においては優秀な種目です。
「ダンベルフライ」の概要

ダンベルフライは、フリーウェイト器具である「ダンベル」を利用した、大胸筋を集中的に鍛えられるトレーニング種目。
メインターゲットとして「大胸筋だけを集中的に」鍛えられ、ベンチプレスとは異なり「上腕三頭筋・三角筋前部」といった部位は関与しにくいのが特徴。

動作には「肩関節」一つのみ関与するため、単一の関節と限定された筋肉のみが関与する「アイソレーション種目」に分類される種目です。
ダンベルフライは、ベンチプレスのように「ラック」を利用する必要がないため、ダンベルとトレーニングベンチさえあれば取り組むことができます。
ダンベルフライは”アイソレーション種目”

アイソレーション種目とは「単一の関節と限定された筋肉のみ関与する種目」のことで、別名「単関節種目」とも呼ばれる種目分類です。
アイソレーション種目は、動作の中で関与する関節が一つである分、主動筋として作用する筋肉が限定的(少ない)ため「対象部位だけを集中的に鍛えられる」のが特徴。

関与する筋肉が少ない分、扱えるウェイトの重量は「軽くなる」のが特徴。軽い重量でも対象となる部位が少ないため、筋肉に疲労がある状態でも追い込み切る「オールアウト」させられることで筋肥大に高い効果を期待できます。
「特定の部位を集中的に鍛えたい」場合や「追い込み切る(オールアウト)させたい」場合におすすめなトレーニング種目分類です。
ダンベルフライのやり方
ダンベルフライのバリエーションにはいくつかのやり方が存在しますが、ここでは最も一般的なやり方について解説します。
【ダンベルフライのやり方】
- 両手にそれぞれダンベルを一つずつ保持し、トレーニングベンチに仰向けになります。
- 両脚は膝を曲げて床につけておき、カラダ全体を安定させます。
- ダンベルを一度胸の真上に持ち上げ「肘を8割程度伸ばした角度で固定」しておきます。
- ダンベルを持つ両手は「手のひら同士が向き合う角度」にします。
- 肘の角度を固定したまま、両腕を側方に向かって開いていきます。
- 肩の位置より頭側で動作を行うと肩を痛めやすくなるため、肩より上に腕を上げないよう注意します。
- 大胸筋のストレッチ(伸展)が感じるまでしっかりと開きます。
- その後、大胸筋の力を意識して両腕を閉じていきます。
- ベンチプレスのように”引いて押す”のではなく”開いて閉じる”意識で動作を行いましょう。
ダンベルフライの「筋トレ効果」について
ここでは、ダンベルフライのトレーニングに期待できる筋トレ効果について解説します。
①大胸筋を集中的に鍛えられる

上でも解説した通り、ダンベルフライでは「肩関節(肩関節水平内転)」のみが関与するため、大胸筋だけを集中的に鍛えられるのが特徴。
ベンチプレスでは高負荷を利用できる反面、適切なやり方でないと大胸筋以外に関与する「上腕三頭筋・三角筋前部」に「負荷が逃げやすい」というデメリットがあります。

その点、ダンベルフライでは多少、上腕三頭筋・三角筋前部にも負荷が加わるものの「大胸筋に集中して負荷を掛けられる」ため、大胸筋だけ効率よく鍛えることができます。
②軽い重量でも筋肥大に効果的

ダンベルフライは、ベンチプレスと比較すると扱えるウェイトの重量は半分以下になりますが、大胸筋の収縮・伸展を最大限行えることで高い筋肥大効果に期待できます。
筋トレは、ウェイトによる負荷を対象の部位に掛けた状態で「収縮・伸展」動作を行うことで、筋肉を刺激します。

この収縮と伸展をより大きく、より強くを行うことで、その分「高い筋肥大効果・筋トレ効果」に期待できます。
ダンベルフライは、ベンチプレスよりも「より広い可動域を確保できる」ため、軽い重量でも最大限収縮・伸展動作を行うことで高い筋トレ効果に期待できます。
③大胸筋の「ストリエーション・ディテール」作りに効果的

ベンチプレスが大胸筋全体のバルクアップ(筋肥大)に効果的であれば、ダンベルフライは大胸筋の「ストリエーション・ディテール作り」に効果的。
ストリエーションとは、筋肉の「スジ」のことで、筋肉に力を入れるとグッと筋肉のスジが見えることを言います。

これらの要素は、大胸筋のキレのある見た目に影響するため、ベンチプレスで土台となる大胸筋の厚みを出した後は、
彫刻家の様に細かく美しく細部(ディテール)を作っていく、それがダンベルフライです。
「ベンチプレス」と「ダンベルフライ」の比較
ここでは、実際にベンチプレスとダンベルフライの比較について解説します。
ここでは、双方の種目の効果の違いについて、比較して理解を深めていきます。
それぞれの種目の違いを明確に理解することで、自身のトレーニングに合った種目選びを行っていきましょう。
①「使用重量の違い」

使用重量の違いは「関与する関節・筋肉の数」によって使用重量は変わります。
ベンチプレスは「肩関節・肘関節」が関与するため、それらの関節動作に作用する「大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋」といった上半身の主要な部位が関与します。

そのため、大胸筋以外の部位の関与が限りなく少ないダンベルフライと比較すると「ベンチプレスの方がより重い重量を扱える」ということになります。
高重量による高負荷を利用したい場合はベンチプレス、軽い重量で可動域を意識したい場合はダンベルフライがおすすめです。
②「可動域の違い」

使用重量の次に挙げられる違いが「可動域」の違いです。
ベンチプレスでは、一本の棒状の「バーベル」を利用しますが、バーベルは胸についてしまうとそれ以上低い位置に下すことができないため「可動域は限定的」です。

一方でダンベルフライは、両手に保持するそれぞれのウェイト(ダンベル)同士が独立しているため、胸の高さよりもより低い位置までおろすことができます。
結果的に「ダンベルフライの方がより広い可動域を確保できる」ため、大胸筋の「最大収縮・最大伸展」を引き出せるということになります。
可動域の広さは、ベンチプレスにはない強みと言えます。
③「関与する筋肉の多さ」

ベンチプレスは、上でも解説したように「大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋」といった部位が強く関与します。
しかし実際には、扱うウェイトの重量が重くなればなるほど上記にある筋肉以外にも「脚・背中・体幹」など全身の筋肉を使っています。

脚はカラダ全体と安定したバーベル動作を行うための「土台」の役割を持ち、背中と体幹はバーベルの挙上と安定化に関与します。
高重量を利用しやすいベンチプレスでは、バーベルを安定的に挙上するため実際には「全身の筋肉を使う」ことになります。

一方でダンベルフライでは、使用重量が軽いというのと、関与する関節動作が「肩関節のみ」であるため、大胸筋以外の全身の筋肉が関与しにくいのが特徴です。
「大胸筋を含めた上半身全体を鍛える場合にはベンチプレス」が有効で「大胸筋を集中的に鍛えたい場合にはダンベルフライ」が有効です。
④「肘関節の関与」

ベンチプレスでは上で「肩関節・肘関節」が関与すると関節しましたが、ダンベルフライでは「肘関節が関与しない」のが特徴。
厳密に言うと、ベンチプレスでは上腕をカラダに対して水平に前方へ動かす「肩関節水平内転」と、肘を伸ばす「肘関節伸展」が関与します。

ベンチプレスでバーベルを押し上げる際には、上2つの関節動作により挙上を行うため、主動筋として関与する「肩関節水平内転(大胸筋・三角筋前部)・肘関節伸展(上腕三頭筋)」に負荷が加わります。
一方で、ダンベルフライの動作では”肘の角度を固定したまま”上腕を水平に動かす「肩関節水平内転のみ」行うため、肘関節伸展に関与する「上腕三頭筋が関与しにくい」のが特徴。
⑤「最大負荷が掛かるポジションの違い」
ベンチプレスは「ミッドレンジ種目」

ベンチプレスは「ミッドレンジ種目」に分類される種目で「収縮・伸展の中間の位置」で負荷が最大化します。
ミッドレンジ種目は、筋出力を最大限活かせる(高重量を利用しやすい)ため、高重量のウェイトによる「物理的負荷」によって筋肥大に効果的な刺激を加えます。

また、高重量を利用した高負荷トレーニングでは、筋肉の合成に必要不可欠な「成長ホルモン・テストステロン」の分泌促進に効果が期待できるのも特徴です。
ダンベルフライは「ストレッチ種目」

ダンベルフライは「ストレッチ種目」に分類される種目で「ストレッチ(伸展ポジション)」で負荷が最大化します。
動作時に、筋肉が伸びながらもブレーキを掛けるように力を発揮しつづける「エキセントリック収縮」を意識することで、筋肥大に効果的な刺激を加えられます。

エキセントリック収縮による刺激により「筋タンパク質の合成が促進」され、筋肉が発達しやすい体内環境「アナボリック」な状態に変化させることができます。
⑥「取り組みやすさ」

最後は、ベンチプレスとダンベルフライの「取り組みやすさ」の違いです。
ベンチプレスでは、一本の棒状のウェイト「バーベル」を利用するため、専用の「ベンチプレスラック・パワーラック」といったバーベルを置くための専用の台が必要になります。
これらの器具は、一般的なスポーツジムであれば普及しているものの「家トレ・宅トレ」として取り組みたい方にとっては非常にハードルが高いです。

コスト面・スペースの占有といった観点から考えると「ダンベル1セットさえあれば取り組めるダンベルフライの方が取り組みやすい」といえるでしょう。
また、筋トレとしての難易度の面から考えても、軽い重量で効かせやすいダンベルフライのほうが取り組みやすいといえます。
「ベンチプレス」と「ダンベルフライ」両種目それぞれに取り組むことが大切?

上では、ベンチプレスとダンベルフライの効果と特徴の違いについて解説しましたが、大胸筋を最も効果的に鍛えるためには「ベンチプレスとダンベルフライそれぞれに取り組むことが大切」です。

よく「ベンチプレスとダンベルフライはどちらの方が効果的なのか?」という話を耳にしますが、両種目は同じ大胸筋というターゲットでありながら、
全く異なる種目で、作用する関節動作も筋肉に掛かる負荷もすべてが別の種目です。

”どちらがより効果的なのか”ではなく上でそれぞれの種目の特徴を解説してきたように、
「それぞれの種目にしかない効果がある」ため、それぞれの種目に取り組むことが「最も効果的なトレーニング法」と言えます。
しかし、ベンチプレスとダンベルフライを効果的に取り組むためには「取り組む順番が大切」です。
「ベンチプレス」→「ダンベルフライ」の順番で取り組む

一般的な筋トレの取り組み方として、コンパウンド種目(多関節種目)→アイソレーション種目(単関節種目)の順番で取り組むのが定説。
これは、先に最初にアイソレーション種目で特定の部位を鍛えることで疲労が蓄積すると、その後のコンパウンド種目でもその部位が関与する場合に、
アイソレーション種目で疲労した部位が影響してしまい、十分なパフォーマンスを発揮した挙上動作に取り組むことが困難になってしまうためです。

例として、先にアイソレーション種目である「ダンベルフライ」に取り組むと、大胸筋に疲労が溜まります。
その後にコンパウンド種目である「ベンチプレス」に取り組むと、大胸筋の疲労が蓄積されているため、コンパウンド種目のもつ「高負荷を利用しやすい」特徴を活かすことができなくなってしまいます。

本来挙上できる重量を扱えなかったり、十分な回数の挙上ができなくなってしまいます。
あえて「予備疲労」を利用するために”逆の順番”で取り組む場合もある

上級者のトレーニーによっては、あえて「アイソレーション種目→コンパウンド種目」の順番で取り組む方がいます。
これはアイソレーション種目により対象の部位に「予備疲労」を作ることで、その後のコンパウンド種目で重量は扱えないものの「対象の部位に効かせやすい」という効果があるためです。

例えば、ベンチプレスが苦手な人で「先に肩が疲れて大胸筋に刺激を感じにくい」という場合は、先にダンベルフライで大胸筋の疲労を作ることで効かせやすくできます。
しかし、この取り組み方ではコンパウンド種目に取り組む際に疲労によりフォームが崩れやすく怪我のリスクが高まるため、まずは基本となる「コンパウンド種目→アイソレーション種目」の順番で取り組むことがおすすめです。
「ベンチプレス」と「ダンベルフライ」の重量換算

ベンチプレスが100㎏ならダンベルフライは〇〇kgといった換算式や定説は基本的にはあまり耳にしませんが、実際に筆者AKIの今までの経験からすると、
ベンチプレスの使用重量の「40%(両手)」程度がダンベルフライで使用できる重量という感覚です。

ベンチプレスが80㎏で10回できる方であれば、ダンベルフライは32㎏(16㎏ダンベル2つ)で10回は挙上可能でしょう。
反対に言えば、ダンベルフライが32㎏で10回できれば、ベンチプレスは80㎏で10回の挙上が可能だということになります。
当然ですが、経験や得手不得手によっても左右するため、一概には言えませんがおおよその数値としては換算できると思います。
「ベンチプレス」と「ダンベルフライ」のバリエーション種目
上では、ベンチプレスとダンベルフライの効果と特徴の違い、効果的な取り組み方などについて解説しました。
ここでは、ベンチプレスとダンベルフライそれぞれの種目のバリエーション種目について解説します。
両種目の特徴と取り組み方を確認した後は、それぞれの種目の応用種目も一緒に確認しておきましょう。
【ベンチプレス】バリエーション種目
ベンチプレスのバリエーション種目「ダンベル・ベンチプレス」
通常のベンチプレスでは、一本の棒状のウェイト「バーベル」を利用しますが、この種目では「ダンベル」を利用して行います。
バーベルと比べると、高重量は扱いにくいものの「広い可動域を活かせる」ため、大胸筋の「最大収縮・最大伸展」を引き起こせるのが特徴。
また、バーベルやラックが利用できない状況でも「ダンベル1セットさえあれば取り組める」ため、家トレ種目としても優秀です。
【ダンベル・ベンチプレスのやり方】
- 両手にそれぞれダンベルを保持し、フラットなトレーニングベンチに仰向けになります。
- 両脚は曲げた状態で床につけ、カラダ全体を安定させます。
- 一度ダンベルを胸の上に持ち上げ、胸を張ったまま肘を曲げてダンベルを下ろします。
- 胸の横側におろし、大胸筋を最大限ストレッチ(伸展)させます。
- その後、大胸筋の力を意識してダンベルを挙上し、大胸筋を最大限コントラクト(収縮)させます。
ベンチプレスのバリエーション種目「スミスマシン・ベンチプレス」
この種目では、フリーウェイト器具であるバーベルではなく「スミスマシン」というバーベルの軌道が固定されたマシンを利用します。
バーベルの上下動作の軌道が固定されているため、細かなバーベルのコントロールをする必要がなく「挙上動作に集中できる」のが特徴。
フリーウェイト器具を利用したベンチプレスでは、大胸筋に効きにくい方などは、スミスマシンを利用したベンチプレスがおすすめです。
【スミスマシン・ベンチプレスのやり方】
- スミスマシンの「セーフティ」を胸の位置あたりに調整します。
- フラットベンチに座り、肩幅の1.5倍程度の手幅でバーベルを握ります。
- バーベルを保持する手首を返してラックからバーを外し、プレス動作を行います。
- バーを下した時にバストトップに来る位置にベンチを配置します。
- 動作中は常に対象となる大胸筋への負荷を感じながら取り組みます。
ベンチプレスのバリエーション種目「インクライン・ベンチプレス」
インクラインベンチプレスは、インクライン(30~45度程度)に調整したアジャスタブルベンチを利用して行うベンチプレスのバリエーション。
カラダに対し「斜め上方向にバーベルを挙上する軌道」となるため、大胸筋の中でも特に「大胸筋上部」に負荷の比重が高まるのが特徴。
大胸筋上部を鍛えることでバランスのいい分厚い胸板を強調できるため、積極的に取り組みたいベンチプレスのバリエーションです。
【インクライン・ベンチプレスのやり方】
- アジャスタブルベンチをインクライン(30~45度程度)に調整します。
- ベンチに仰向けになり、バーベルを肩幅の1.5倍程度の手幅で握ります。
- 両足は肩幅程度に開いて床につけ、カラダ全体を安定させます。
- バーベルをラックから外し、鎖骨の真上にバーがくるように移動します。
- 胸を張ったまま、肘を曲げて「バーをアゴ下5㎝程度」の位置におろします。
- その後、大胸筋上部の力を意識してバーを真上に押し上げます。
ベンチプレスのバリエーション種目「デクライン・ベンチプレス」
デクラインベンチプレスは、上で解説した「インクライン・ベンチプレス」とは反対に「頭側が低くなる斜め下の角度」にベンチを調整して行います。
こうすることで、カラダに対して「斜め下方向にバーベルを挙上する軌道」となるため、大胸筋の中でも特に「大胸筋下部」に負荷の比重が高まるのが特徴。
大胸筋下部を鍛えることで腹筋と大胸筋の境目をハッキリと強調できるため、積極的に取り組みたいベンチプレスのバリエーションです。
【デクライン・ベンチプレスのやり方】
- アジャスタブルベンチまたはデクラインベンチを「15~30度程度」に調整します。
- ベンチに仰向けになり、バーベルを肩幅の1.5倍程度の手幅で握ります。
- 両足は肩幅程度に開いて床につけ、カラダ全体を安定させます。
- ※デクラインベンチの場合は「足パッド」に両足を固定します。
- バーベルをラックから外し、鎖骨の真上にバーがくるように移動します。
- 胸を張ったまま、肘を曲げて「バーを大胸筋の下あたり」の位置におろします。
- その後、大胸筋下部の力を意識してバーを真上に押し上げます。
ベンチプレスのバリエーション種目「ワイドグリップ・ベンチプレス」
ワイドグリップ・ベンチプレスは、通常行うベンチプレスの手幅よりも「拳一つ分広く」バーを握り手幅を広げて行うバリエーション。
通常よりも「大胸筋のストレッチ(伸展)が強く引き起こされる」ため「筋出力向上・大胸筋外側」に効果が期待できるのが特徴。
しかし、高い効果に期待できる反面、通常のベンチプレスよりも「肩関節への負担が大きい」ため、中級者以上におすすめのやり方です。
【ワイドグリップ・ベンチプレスのやり方】
- バーベルを肩幅の1.5倍以上の広い手幅でバーベルを握ります。
- バーベルをラックから外し、肩の真上にバーを移動します。
- 胸を張ったまま、肘を曲げてバーを下ろします。
- 胸にバーが触れるまで下ろし、大胸筋のストレッチ(伸展)を感じます。
- その後、大胸筋の力を意識してバーを挙上します。
ベンチプレスのバリエーション種目「ナローグリップ・ベンチプレス」
この種目は、通常の手幅で行うベンチプレスよりも「拳1~2つ分程度」狭くした手幅の狭い状態で行うバリエーション種目。
通常のやり方よりも両手の手幅が狭くなることで、肘を伸ばす「肘関節伸展」の主動筋である上腕裏側の「上腕三頭筋」への負荷が高まるのが特徴。
肘を開き気味で行うと「上腕三頭筋外側頭」に負荷が高まり、肘を閉じて行うと「上腕三頭筋長頭」への負荷が高まります。
【ナローグリップ・ベンチプレスのやり方】
- 肩幅の1.5倍程度の手幅から「拳1~2つ分程度」狭くバーを握ります。
- 肩幅よりも狭くしてしまうと手首への負担が高まるため、肩幅程度までにとどめましょう。
- ラックからバーを外し、肩の真上にバーを移動します。
- 肘は外側に開かないよう閉じる意識をしたまま肘を曲げてバーを下ろします。
- その後、上腕三頭筋を意識して脇を閉じたまま肘を伸ばして挙上します。
【ダンベルフライ】バリエーション種目
ダンベルフライのバリエーション種目「インクライン・ダンベルフライ」
インクラインダンベルフライは、インクライン(30~45度程度)に調整したアジャスタブルベンチを利用して行うダンベルフライのバリエーション。
カラダに対し「斜め上方向にフライ動作」を行うため「インクライン・ベンチプレス」同様に、特に「大胸筋上部」に負荷の比重が高まるのが特徴。
大胸筋上部を鍛えたい場合は「インクライン・ベンチプレス」→「インクライン・ダンベルフライ」の順番で取り組むのが効果的です。
【インクライン・ダンベルフライのやり方】
- アジャスタブルベンチをインクライン(30~45度程度)に調整したベンチを利用します。
- 肩の真上に向かってカラダに対し、斜め上にダンベルフライを行います。
- 動作を行う際は腕が床に対して常に垂直となる角度のまま動作を行います。
- 大胸筋上部の「収縮・伸展」を意識し、大胸筋上部の力で動作を行います。
- ベンチプレスのように”引いて押す”のではなく”開いて閉じる”意識で動作を行いましょう。
ダンベルフライのバリエーション種目「デクライン・ダンベルフライ」
デクラインダンベルフライは、上で解説した「インクライン・ダンベルフライ」とは反対に「頭側が低くなる斜め下の角度」にベンチを調整して行います。
カラダに対して「斜め下方向にフライ動作」を行うため「デクライン・ベンチプレス」同様に特に「大胸筋下部」に負荷の比重が高まるのが特徴。
大胸筋下部を鍛えたい場合は「デクライン・ベンチプレス」→「デクライン・ダンベルフライ」の順番で取り組むのが効果的です。
【デクライン・ダンベルフライのやり方】
- アジャスタブルベンチまたはデクラインベンチを「15~30度程度」に調整します。
- カラダに対し、斜め下方向にダンベルフライを行います。
- 動作を行う際は腕が床に対して常に垂直となる角度のまま動作を行います。
- 大胸筋下部の「収縮・伸展」を意識し、大胸筋下部の力で動作を行います。
- ベンチプレスのように”引いて押す”のではなく”開いて閉じる”意識で動作を行いましょう。
ダンベルフライのバリエーション種目「フロア・ダンベルフライ」
フロア・ダンベルフライは、名前に「フロア(床)」とあるように、トレーニングベンチがなくても利用できるのが特徴のやり方。
トレーニングベンチが利用できない状況でも「ダンベル1セットさえあれば取り組める」ため「家トレ種目」としても優秀です。
ただし、トレーニングベンチを利用した場合と比べて「可動域に制限が生じる」ため、大胸筋のストレッチが弱まるのがデメリットです。
【フロア・ダンベルフライのやり方】
- トレーニングマットやヨガマットなどを敷いた床に仰向けになります。
- 膝は90度程度に曲げ、床に足裏をつけます。
- この状態のまま、ダンベルフライを行います。
- 両腕を側方へ開く際、ダンベルを床に置いてしまうと大胸筋の緊張が途切れてしまいます。
- 床に触れたらすぐ閉じるか、床に触れるギリギリまでダンベルを下ろすようにしましょう。
ダンベルフライのバリエーション種目「ダンベルフライプレス」
この種目は「ダンベルプレス」と「ダンベルフライ」のハイブリッド種目と呼べる少し変わったやり方。
ダンベルプレスの特徴である「高重量を扱える」点と、ダンベルフライの特徴である「大胸筋の最大伸展(ストレッチ)」の効果にバランスよく期待できるのが特徴。
特に、ベンチプレス・ダンベルフライ両種目の負荷に筋肉が慣れてしまった場合に「停滞期の打開」としてもおすすめなやり方です。
【ダンベルフライプレスのやり方】
- 両手にダンベルを保持し、トレーニングベンチの上に仰向けになります。
- 一度胸の真上にダンベルを持ち上げます。
- ダンベルを持つ両手は「手のひら同士が向き合う角度」にします。
- 肘を多少曲げながら両腕を側方に開いてフライ動作によりダンベルを下ろしていきます。
- 可動域を意識し、大胸筋の収縮・伸展を十分に行います。
- その後、真上にダンベルを押すようにプレス動作を行います。
「ダンベルフライ」が効かないという方
ダンベルフライに取り組んでいても、いまいち大胸筋に効かないという方が少なくないようです。
ここでは、ダンベルフライで効果的に大胸筋に効かせるためのコツ・やり方について解説します。
ダンベルの重量が重すぎる

ダンベルフライでは効きにくいという方の多くは「使用しているダンベルの重量が重すぎることが原因」であることがほとんどです。
ダンベルフライの特徴である「大胸筋の最大収縮・最大伸展」を効果的に引き起こすためには「広い可動域」で動作を行うことが大切。

しかし、使用しているダンベルの重量が重すぎてしまうと、ダンベルフライなのかダンベルプレスなのかわからないやり方となってしまい「狭い可動域で動作してしまいがち」です。
ダンベルフライは、重量を追求する種目ではなく「どれだけ大胸筋を最大伸展・最大収縮させられるか」が重要なため、広い可動域で取り組める範囲内で重量を調整しましょう。
ダンベルフライで十分に大胸筋を最大伸展させるコツ

ダンベルフライで大胸筋を最大伸展(ストレッチ)させるコツは「できるだけ下までダンベルをおろす」ということ。
ダンベルフライに取り組む際、可動域がどうしても狭くなってしまう場合は、使用重量が重すぎる場合があります。
そのため、ダンベルを下までしっかりと落とし、大胸筋を最大伸展させた状態からでも挙上できる重量設定で取り組むことがポイントです。
「ウェイトトレーニング」で利用したいトレーニングアイテム3選!
ウェイトトレーニングで利用したいアイテム①「トレーニングベルト」
トレーニングベルトとは、ジムでよくお腹にチャンピオンベルトのような大きなベルトを巻いてトレ―ニングを行っている方を見たことはありませんか?
トレーニングベルトとは、腰を保護しながら、より高い筋出力を発揮してくれるためのトレーニングギアです。お腹に巻くことで「腹圧」が高まることで腰の怪我から保護する効果を発揮します。
腰を保護するだけでなく、腹圧が高まることにより、筋出力も向上するため、より重い重量を扱うことができるようになります。
そのため、高重量トレーニングを行いたい方や、腰が弱いかたや、腰に不安を抱える方、はこのトレーニングベルトを有効活用していきましょう。
【関連記事】トレーニングベルトについてさらに詳しくはこちら♪
ウェイトトレーニングで利用したいアイテム②「パワーグリップ」
パワーグリップとは、「引く動作」を要するトレーニングの際に、握力のサポートに効果を発揮してくれるトレーニングギアの一つです。
パワーグリップを手首に通し、ベロの部分をバーべルに巻き付けてベロと一緒にバーべルを握ることで、少ない握力でも高重量のバーべルを保持し続けることが可能になります。
パワーグリップは、バーべルだけでなく、ダンベルやケーブルマシンにも活用することができ、基本的に引く動作を要するトレーニング種目全般に利用することができます。
パワーグリップについてより詳細な内容を知りたい方は、下にある記事も合わせて確認しましょう!
ウェイトトレーニングで利用したいアイテム③「リストラップ」
リストラップとは、Wrist(手首)Wrap(巻く)その名称通り、手首に巻き付けることで手首の関節を保護してくれるトレーニングギアの一つです。
これにより、高重量のウェイトを扱う際でも、必要以上に手首が反るのを防ぐことや、手首のブレを抑制することができます。
結果的にウェイトを挙上するための力をダイレクトにウェイトに繋げることができるようになり、手首の怪我のリスクを回避することができます。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は、大胸筋を鍛える代表的な種目「ダンベルフライ」と「ベンチプレス」の効果の違いについて解説しました。
それぞれの種目は胸の筋肉「大胸筋」を鍛える種目ですが、これまで解説したきたように、それぞれの種目は全く異なる効果を持つことがご理解いただけたかと思います。
それぞれの種目の特徴と効果について理解を深め、より効果的な筋トレに取り組んでいきましょう。
“No pain No gain”
【関連記事】他にもある「大胸筋」に効果的な筋トレ情報についてはこちら♪

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