筋トレに普段から取り組む方であれば「オールアウト」という言葉をご存知の方も多いはず。
オールアウトの概念を念頭においてトレーニングに取り組むことで、筋トレ効果を最大化引き出せます。
そこで、今回は「オールアウト」の概要・やり方・コツ・効果・デメリットなどについて、解説します!
この記事の目次
筋トレ界で使われる「オールアウト」とは?
筋トレ用語の「オールアウト(All-Out)」とは「全力・疲労困憊」という意味が含まれる言葉です。
つまり、オールアウトは「筋肉が疲労困憊するまで追い込み切る」ことを意味します。
このオールアウトは日本で使われている筋トレ用語であり、実は欧米では使われていません。
英語では同様の意味をもつ言葉として「train to failure」が使われています。
オールアウトのもつ筋トレ効果・特徴について
実際、オールアウトについてはさまざまな議論がされており、疲労困憊になるまで鍛えることによる筋トレ効果についての研究でも諸説あります。
しかし、ここでは現在の時点で最も一般的とされる研究内容や私的経験から、オールアウトのもつ効果・特徴について解説しますね。
- 成長ホルモン・テストステロンの分泌促進
- 筋肥大効果を最大化できる
- 停滞期の打開
オールアウトのもつ筋トレ効果・特徴①成長ホルモン・テストステロンの分泌促進
筋肉の合成・発達に必要不可欠なのが、成長ホルモンのテストステロンです。
オールアウトまで筋肉を鍛えることで、ホルモンの分泌量が増加することが研究で実証されています。
そのため、オールアウトの状態まで筋トレに取り組むことで得られるのは以下の2点です。
- 物理的刺激によって筋肉に負荷を加える
- 化学的刺激によって筋肉のさらなる合成を促がす
これが、多くのボディビルダーや各種スポーツ競技のアスリートがトレーニングにオールアウトを利用する理由です。
オールアウトのもつ筋トレ効果・特徴②筋肥大効果を最大化できる
筋トレで筋肉に負荷を掛けることで筋肉の材料となる筋タンパク質の合成が促進され、筋肥大が引き起こされます。
そのため、筋トレによる筋肥大を効果を最大限引き出すためには「多くの筋線維に負荷を与える」ことが大切。
これがすなわち、オールアウトということですね。
オールアウトの状態まで筋肉に負荷を与えることで、全ての筋肉が動きに関わります。
その結果、より多くの筋線維に負荷を与えられるのです。
オーバーロードの必要性
筋肉にさらなる成長をさせ続けるには、これまで経験したことのないような過負荷によって刺激を与え続けることが大切です。
このことを「オーバーロードの原則」と呼びます。
筋肉の成長・強化に合わせて筋トレの負荷も高めていくことで、筋肉を成長させ続けられるのです。
このオーバーロードの原則を最大限活かすには、毎回のトレーニングで限界まで追い込む必要があります。
オールアウトのもつ筋トレ効果・特徴③停滞期の打開
普段取り組むトレーニング内容に筋肉が慣れてくると、思うように筋肉の成長を感じられなくなってきます。
この筋トレの効果に頭打ちを感じてしまう瞬間が「停滞期」です。
この停滞期も、オールアウトさせることで打開できます。
今までのトレーニングで筋肉が慣れて強化されても、強化された筋肉がオールアウトするまでさらに鍛えられることで、負荷に慣れさせず追い込めるのです。
つまり、筋肉の発達に相応の強度でさらに追い込んでいくため、筋肉の成長を停滞させられるのですね。
オールアウトのやり方・コツ
では、実際に筋トレでオールアウトさせるための以下のコツについて、解説します。
- 使用重量が大切
- 高いスキルやテクニックが必要な種目では行わない
- AMAPの概念を利用する
- 加減を考える
オールアウトのやり方・コツ①使用重量が大切
筋肥大効果を高めるためのオールアウトは、使用するウェイトによる筋トレ強度によっても左右します。
筋肥大が目的でのオールアウトであれば「1RMの90%」以上の強度で取り組まないことが重要です。
「RM」とは”repetition maximum”のこと。
そのウェイトの重量で何回挙上することができるかによって運動強度を決める方法です。
使用するウェイトの強度が自身にとって高すぎると筋肥大効果が薄れ、逆効果になる恐れがあります。
また、1RMの90%程度にもなる重量でのトレーニングでは、適切な動作で取り組むことが難しいもの。
怪我の原因にもなりかねません。
基本的には1RMの70~80%程度の強度で取り組むのがおすすめ
効率よく負荷を筋肉に与えるためには「1RMの70~80%」の強度でオールアウトさせるのがおすすめです。
比較的重めの重量でありながら回数を重ねられるため、対象となる筋肉をオールアウトさせるレベルまで追い込めますよ。
オールアウトのやり方・コツ②高いスキルやテクニックの必要な種目では行わない
高いスキル・テクニックを必要とする種目は、基本的にオールアウトさせるまでの筋トレには適していません。
適しているのは、連続性の高い種目、すなわち動作を繰り返しやすい簡単な動作で取り組むメニューです。
たとえば、高いスキルとテクニックを必要する「バーベルスナッチ」は、オールアウトを行うには不向き。
また、1回の動作を繰り返して回数を重ねるメニューでもないため、バーベルスナッチでオールアウトまで取り組むのは危険です。
オールアウトに適したトレーニング種目とは
前述したように、オールアウトに適した種目は「動作が簡単シンプルで、連続性の高い種目」です。
よって、動作に関与する関節が限定的な「アイソレーション種目(単関節種目)」が最も適しています。
もちろん、複数の関節が関与する「コンパウンド種目(多関節種目)」にも適した種目が存在しますが、取り組みやすいのはアイソレーション種目でしょう。
簡単にまとめると、下記のような種目がおすすめです。
- バイセプスカール
- トライセプスエクステンション
- ラットプルダウン
- シーテッドローイング
- レッグエクステンンション
- レッグカール
- カーフレイズ
- 懸垂
- スクワット
- ベンチプレス
など。
オールアウトのやり方・コツ③AMAPの概念を利用する
筋トレでオールアウトを狙う場合、最もシンプルな取り組み方で「AMAP(As much as possible)」という概念があります。
これは「回数を決めずに可能な限り多く動作を行う」という考え方のこと。
あらかじめ回数を決めて取り組むのではなく、限界まで取り組むというやり方です。
しかし、このAMAPをオールアウトのために利用するには、下記のような取り組み方をおすすめします。
ラストセットでAMAPを利用する
たとえば、ベンチプレス10回1セットとして合計3セット取り組む場合、最後の3セット目だけにAMAPを利用します。
最初の2セットまでを10回で取り組み、最後の3セット目だけをこれ以上挙上できない回数まで取り組むことでオールアウトを狙うのですね。
なぜ最後のセットだけAMAPにするかと言うと、それは「オーバートレーニング」のリスクがあるためです。
オーバートレーニングについて、後ほど解説しますね。
オールアウトのやり方・コツ④加減を考える
オールアウトは、もうこれ以上追い込めない疲労困憊レベルにまで筋肉を追い込んでいくことです。
しかし、トレーニングの疲労・追い込みというのは感覚的な部分であるため、他人から見て客観的に測定するのは難しいですよね。
疲労や追い込みレベルは、その個人の痛みに対する耐久力・意思の強さ・精神面での強さといった要素によって感じ方が異なります。
誤ったトレーニングの取り組み方によくあるのは「ツラくなってきたらセットを終える」やり方です。
しかし、オールアウトを狙って筋トレ効果を高めたい場合、むしろ”辛くなってからが本番”。
それまでの回数は予備動作でしかないことを念頭に置きましょう。
バーンアウトを一つの指標にする
バーンアウトとは、筋トレ用語のひとつ。
回数を重ねることで「筋肉が焼き付くような痛み」を感じることを指します。
筋トレ種目に複数回取り組み続け、筋肉に徐々に疲労が蓄積することで「バーン」を感じるのです。
このバーンによる”焼き付くような痛み”を感じてからさらに、もう1回の挙上ができなくなるレベルまで追い込めば、オールアウトに繋がります。
オールアウトを行う上での一つの指標として、筋肉が「バーン」するまでと覚えてくださいね。
オールアウトのデメリットについて
では、オールアウトのデメリットについて解説します。
オールアウトのメリット・デメリットの理解を深め、効果的にボディメイクに取り組みましょう。
- フォームの崩れで怪我のリスクが高まる
- オーバートレーニングを引き起こしやすい
- 筋力増強や筋出力向上には不向き
オールアウトのデメリット①フォームが崩れて怪我のリスクが高まる
デメリットの一つ目は「怪我のリスクが高まる」こと。
動作を繰り返して筋肉の疲労が限界を迎えてくると、適切な軌道での動作が困難になってフォームが崩れやすくなります。
また、特に筋トレ初心者に多いのが、疲労のピークを超えると対象筋以外の筋力も関与させ、誤ったフォームで挙上を続けようとすることです。
誤ったフォームでトレーニングを続行すると「関節・筋肉・腱」を痛める原因になりかねません。
そのため、筋トレで効果的にオールアウトを狙うのであれば、疲労によって挙上できなくても「フォームが崩れない」ことが大切です。
適切なやり方・フォームのままトレーニングに取り組めるレベルにまで訓練してから取り組むようにしましょう。
オールアウトのデメリット②オーバートレーニングを引き起こしやすい
オールアウトを行う筋トレは強度が非常に高いため、体への負担やダメージが大きくなります。
この状態でさらに高強度なトレーニングを続けていくと、オーバートレーニング状態となり、筋トレ効果が極端に低くなってしまいます。
それだけでなく、筋肉の萎縮やカタボリック(筋肉が分解されやすい体内環境)となってしまい、逆効果になるリスクが高まるのです。
オーバートレーニングを回避するためには、高強度なトレーニング後はしっかりと休養を取り、筋肉を休めることが大切。
毎回のトレーニングでオールアウトするのではなく、一定期間だけ追い込みすぎないようにして強弱をつけることも意識しましょう。
高頻度でのオールアウトは筋肥大に逆効果
オールアウトは筋肥大を目的とする筋トレでは効果的です。
しかし、あまりに高頻度で取り組んでしまうと「テストステロン値の低下」やストレスホルモンの一種「コルチゾール値の上昇」が引き起こされやすくなります。
テストステロンは、筋肉の合成するときに重要な分泌物。
そのため、このテストステロン値が低下すると、筋肥大効率が落ちます。
さらにコルチゾール値が高くなるとカタボリック(筋肉が分解されやすい体内環境)を引き起こすため、逆効果となりますよ。
オールアウトのデメリット③筋力増強や筋出力向上には不向き
発揮できる筋肉の力を高めたい目的の場合、たとえばパワーリフティングや重量挙げなど、使用重量を高めたい場合にはオールアウトは不向きです。
ある研究結果では、疲労困憊レベル(オールアウト)まで追い込まない方が、筋力増強の効果が高いことが認められています。
というのも、オールアウトまで筋肉を使うと、筋肉のもつパフォーマンスが低下するからですね。
つまり、筋力増強を目的とする場合は不向きと言えます。
筋肥大を目的とする場合にオールアウトは効果的ですが、筋力増強を目的としている場合は追い込みすぎないようにしましょう。
筋肉を限界まで追い込む「テクニック」を利用してオールアウトを引き起こす!
では続いて、実際にオールアウトを効果的に引き起こすためのトレーニングテクニックについて解説します。
限界まで追い込むテクニック①ドロップセット法
ドロップセットは、別名「ディセンディング法」とも呼ばれるトレーニングテクニックの一つ。
高負荷のトレーニングでこれ以上挙上できない限界まで筋肉を追い込んだ後、インターバルをとらず、即座に負荷を下げて再び限界まで筋肉を追い込みます。
ドロップセットの具体例
ベンチプレス100kgが最大で10回繰り返せる場合を例として解説します。
- 100㎏=10回
- 80㎏ =10回
- 65kg =10回
計30回休憩なしでそれぞれの重量で限界まで追い込みます。
上記のように一定の負荷で限界を迎えたら、少し負荷を下げてさらに限界まで取り組み、筋肉をオールアウトさせます。
“筋肉に休憩する瞬間を与えない”ことがより効果を高めるポイントです。
毎セットごと必ず限界を迎えるようにしましょう。
限界まで追い込むテクニック②フォーストレップ
このテクニックは「トレーニングパートナーと一緒にトレーニングを行う」のが前提の方法です。
動作を限界まで繰り返し、自分一人の力でもう挙上できなくなったら、パートナーの力を借りてもう2~3レップ補助をしてもらいます。
パートナーに「助けてもらう」のではなく、あくまでも「追い込むために補助してもらう」という意識です。
自分の力でギリギリ上げられる程度の力でパートナーが補助することで、自分一人で取り組むよりも限界を超えて鍛えられます。
フォーストレップ具体例
ベンチプレスを例にすると
- ベンチプレスを6回繰り返す
- 7回目を挙上しようとしたところ、胸から少し離れた位置で挙がらなくなった
- 挙上の限界
- パートナーに少しだけ補助してもらう
- 挙上の限界を超えた
上記のように、限界を超えてからパートナーに少しだけ補助してもらうことで、限界を超えて挙上を繰り返せます。
パートナーが補助するさいは、取り組む人が100%の力でギリギリ上がるか上がらないか程度の力で補助することを意識しましょう。
補助する力が強すぎると負荷が抜けすぎてしまい、筋トレ効果が弱まります。
限界まで追い込むテクニック③レストポーズ法
レストポーズ法は、高重量のウェイトを限界まで挙上した後、10~15秒程度休憩してから再度同じ重量で限界まで挙上を行うテクニック。
上で解説した「ドロップセット法」とは異なり、レストポーズ法では毎セットの「重量は変えず」に取り組むのが特徴です。
重量設定は「1RMの70~80%」程度の重量を利用して取り組むのがおすすめです。
レストポーズ法の具体例
- 6~8回程度の回数で限界手前まで追い込む
- 10~15秒程度のインターバルを取る
- 3~5回程度の回数で限界手前まで追い込む
- 10~15秒程度のインターバルを取る
上記のように、1セット目の重量を変えずに間に短いインターバルを挟みながら挙上を繰り返してオールアウトさせます。
トレーニングパートナーがいない場合や、時間と手間をかけずにオールアウトさせたい場合において効果的なテクニックです。
しかし、レストポーズ法では重量を変えずに挙上を繰り返すため、パワーラックの使用をおすすめします。
限界まで追い込むテクニック④チーティングレップ
チーティングとは、対象筋の力だけでは挙上ができなくなってから、本来関与させるべきでない他の筋肉・反動も関与させることでオールアウトをするテクニックです。
ポイントとしては、このテクニックでは最初からチーティングを行うのではなく、最初は正しく丁寧な「ストリクトフォーム」で追い込むこと。
ストリクトフォームでの動作で限界を迎えてから、チーティング動作へ移行するのがおすすめです。
チーティングレップの具体例
上腕二頭筋を鍛える「バーベルカール」を例として解説します。
- バーベルカールを10回挙上した
- 肘を曲げる動作だけでは11回目の挙上が難しい
- 正確な動作である「ストリクトフォーム」での動作では限界
- 上半身を後方に振る反動を利用して2~3回挙上した
- 本来であれば関与させない反動・筋肉を関与させて限界を超えた
上記のように、正確で適切な動作「ストリクトフォーム」での挙上が限界となってから、チーティングレップを行っていくことでオールアウトします。
しかし、最初からチーティングで取り組むと本来の対象筋への筋トレ効果が弱まるため、注意が必要です。
また、闇雲なチーティングでは「関節を痛めるリスク」が高まります。
あくまでもギリギリ対象筋の力で挙げられる程度でチーティングを行いましょう。
限界まで追い込むテクニック⑤パーシャルレップ法
パーシャルレップ法とは、可動域を一部制限して取り組むトレーニングテクニックの一つです。
オールアウトを起こすためのパーシャルレップ法としてはまず、始めに全可動域(フルレンジ)でトレーニングを行います。
その後、全可動域で限界を迎えたら「可動域を狭く」して、さらに挙上回数を増加。
そして、また限界までオールアウトするとった方法です。
パーシャルレップ法の具体例
- 全可動域(フルレンジ)でベンチプレスを10回取り組む
- 11回目は挙上できなそう→限界
- 可動域を半分に制限してさらに限界まで挙上を行っていく
上記のように、全可動域では11回目の挙上で潰れてしまい、セットは終了します。
しかし、パーシャルレップによって可動域を制限することで、さらに挙上できる回数を増やせるのですね。
そのため、可動域を狭くして限界まで取り組むことで対象筋をオールアウトさせます。
限界まで追い込むテクニック⑥ネガティブトレーニング
ネガティブ動作とは「筋肉の力を抑制しながら、ウェイトをおろしていく動作」のこと。
筋肉が伸ばされながらも力を出し続ける「エキセントリック収縮」に大きな負荷が掛かることで、筋肉を限界まで追い込めます。
ネガティブ動作をゆっくりと行うと、筋タンパク質の合成が促され「筋肥大効果が活性化」されるという特徴があります。
ネガティブトレーニングの具体例
- やり方①【ネガティブ動作を3~10秒程度ゆっくりと行う】
- ポジティブ動作で瞬発的に挙上した後、3~10秒程度でゆっくりとネガティブ動作を行う
- ウェイトをおろすときに力を抜くのではなく、力を出し続けながらゆっくりとおろす
- やり方②【ポジティブ動作では扱えない高重量をネガティブに掛ける】
- 両手で挙上できる最大重量の1.1倍程度のウェイトを、軽くチーティングを使って持ち上げ、下すときにはゆっくりとおろしていく
オールアウトトレーニングに最適な筋トレ種目8選!
実際に筋肉をオールアウトさせるための最適な筋トレ種目8つについて、解説します!
取り組みやすい種目から挑戦していきましょう。
オールアウトに最適な筋トレ種目①ベンチプレス
ベンチプレスは上半身の主要な筋肉を鍛える代表的なトレーニング種目の一つ。
大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋などを鍛えます。
ベンチプレスも、オールアウトを狙う種目として取り組みやすいのが特徴です。
特に、ドロップセット法と組み合わせることをおすすめします。
ベンチプレストレーニングでオールアウトを狙う場合は、潰れても怪我がないように「セーフティラック」を利用しましょう。
【ベンチプレスのやり方】
- トレーニングベンチに仰向けになる
- バーベルを肩幅の1.5倍程度の手幅で握る
- 胸を張ってバーをラックから外し、胸の上に移動する
- 肘を曲げてバーをおろし、バストトップにおろす
- その後、大胸筋の力を意識して肘を伸ばし、挙上する
オールアウトに最適な筋トレ種目②バーベルスクワット
バーベルスクワットはキング・オブ・エクササイズと称される、下半身の主要な筋肉を鍛える種目。
お尻の筋肉「臀筋群」脚の筋肉「大腿四頭筋・ハムストリング」をメインに鍛えるうえに、成長ホルモンの分泌促進にも効果的です。
バーベルスクワットも、もし潰れても怪我をしないように「パワーラック」の利用をおすすめします。
【バーベルスクワットのやり方】
- バーベルを肩幅よりも広めの手幅で握り、肩の上部背面側でバーべルを担ぐ
- 肩幅よりも気持ち広めの足幅で直立し、股関節→膝関節の順番で膝を曲げる
- 太ももが床と平行になるまで腰をおろす
- その後、股関節→膝関節の順番で立ち上がっていく
オールアウトに最適な筋トレ種目③ラットプルダウン
ラットプルダウンは、背筋群の主要な筋肉「広背筋・僧帽筋・大円筋・三角筋後部」を鍛える種目。
動きに「肩関節内転・肘関節屈曲」が含まれるため、主動筋となる背筋以外に腕の上腕二頭筋を鍛えられますよ。
背筋を鍛える種目としては比較的取り組みやすく、背筋をオールアウトさせるには最適です。
【ラットプルダウンのやり方】
- 専用の「ラットプルマシン」のシートに座る
- 太ももパッドの高さを調整し、両脚を固定する
- バーを肩幅の1.5倍程度の手幅で握る
- 胸を張り、軽く背中を反った状態で肩甲骨を寄せてバーを引き寄せる
- その後、肩甲骨を開いて肘を伸ばし、動作を繰り返す
オールアウトに最適な筋トレ種目④シーテッドロウイング
シーテッドロウイングは「ケーブルマシン」を利用し、座った状態で体後方にケーブルを引くことで背筋を鍛えます。
肩関節と肩甲骨が関与するため、広背筋・僧帽筋・三角筋後部を強烈に鍛えられるのが特徴です。
この種目も背筋を鍛えるメニューでは動作を繰り返しやすいため、オールアウトに最適と言えます。
【シーテッドロウイングのやり方】
- 「ケーブルマシン」の前にトレーニングベンチを配置する
- マシンのプーリーにストレートバーを装着する
- ベンチに座り両手でバーを握って、上半身は床に対して垂直にする
- 肩甲骨を寄せながらバーを「おへそ」のあたりを目安に引き寄せる
- その後、肩甲骨を開いて両腕を伸ばしていき、動作を繰り返す
オールアウトに最適な筋トレ種目④バイセプスカール
一般的には「力こぶ」と呼ばれる、上腕の表側に位置する上腕二頭筋を鍛える種目が「バイセプスカール」です。
ダンベル・バーベル・EZバー・ケーブルマシンといったウェイトを利用し、肘を曲げる動きによって上腕二頭筋を鍛えます。
この種目は「肘関節」のみ関与するアイソレーション種目。
そのため動きが繰り返しやすく、オールアウトに最適です。
【バイセプスカールのやり方】
- 両手にダンベル・バーベル・EZバー・ケーブルマシンといった器具を持つ
- 直立した状態で、両肘を体の側面の位置で固定する
- 肘を前後に動かさないように固定しながら、肘を曲げ収縮させる
- 限界まで曲げ切ったところでゆっくりと肘を伸ばし、伸展させる
- 動作中は肘を前後に動かさず、肘から先だけで動かす
オールアウトに最適な筋トレ種目⑤トライセプスエクステンション
この種目は、上腕の裏側「上腕三頭筋」を鍛える種目として代表的です。
たくましい腕作りには大切なメニューですよ。
バリエーションがいくつか存在しますが、ここでは取り組みやすい「トレーニングベンチ」を利用します。
トレーニングベンチを利用することで、体全体のブレや反動を抑制できるため、純粋に「肘関節伸展」を引き起こせるのが特徴です。
【ライイング・トライセプスエクステンションのやり方】
- トレーニングベンチに仰向けになり、両手にダンベルやEZバーなどを持つ
- 肘を「耳の横辺り」で固定し、肘から先だけを真上に伸ばして収縮させる
- その後、肘をゆっくりと90度を目安に曲げていき、伸展させる
- 動作中は肘を前後に動かさず、肘から先だけで動く
オールアウトに最適な筋トレ種目⑥マシン・レッグエクステンション
レッグエクステンションは、太ももの前面に位置する「大腿四頭筋」を集中的に鍛えるマシン系種目。
専用の「レッグエクステンションマシン」を利用することで純粋に「膝関節伸展」を起こし、主動筋の大腿四頭筋を鍛えていきます。
膝関節のみが関与するアイソレーション種目です。
そのため、動作を繰り返しやすいことでオールアウトに最適といえます。
【マシン・レッグエクステンションのやり方】
- 専用のレッグエクステンションマシンを利用する
- マシンのシートに座り、太ももパッドを調整して脚を固定する
- 足パッドに足首の上側を固定し、マシンのハンドルを握る
- 曲げた状態の膝をまっすぐ足パッドと一緒に伸ばしていく
- その後、ゆっくりと膝を90度を目安に曲げていき、動作を繰り返す
オールアウトに最適な筋トレ種目⑦マシン・レッグカール
レッグカールとは、専用の「レッグカールマシン」を利用して膝を曲げる動きにより脚を鍛えるマシン系種目です。
主動筋となる太ももの裏側「ハムストリング」を集中的に鍛えられます。
【マシン・レッグカールのやり方】
- 専用の「レッグカールマシン」を利用する
- マシンのシートに座り、太ももパッドを調整して脚を固定する
- 足パッドに足首の下側を固定し、マシンのハンドルを握る
- 伸ばした状態の膝を足パッドと一緒に曲げる
- 90度程度曲げたら、その後膝をゆっくりと伸ばし、動作を繰り返す
オールアウトに最適な筋トレ種目⑧マシン・カーフレイズ
マシン・カーフレイズは、専用の「カーフレイズマシン」を利用し、ふくらはぎ(下腿三頭筋)を鍛えるマシン系種目です。
ふくらはぎを鍛えることで「脚長効果」に期待できるうえ、たくましい脚を手に入れられます。
積極的に鍛えていきたい部位ですね。
また、ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれています。
そのため鍛えることで、冷え性やむくみ体質の改善といった、副次的な効果にも期待できますよ。
【マシン・カーフレイズのやり方】
- 専用の「カーフレイズマシン」を利用する
- マシンのシートに座り、膝パッドで太ももを固定する
- ハンドルを両手で握り、カカトを深く下げていく
- その後、カカトを高く持ち上げていき、ふくらはぎを収縮させる
- 動作を繰り返し行う
オールアウトトレーニングで利用したいトレーニングアイテム3選!
無理をする、限界まで追い込むというのがオールアウトです。
そのため、サポートしてくれるアイテムは積極的に使っていきましょう。
オールアウトトレーニングで利用したいアイテム①トレーニングベルト
ジムで、お腹にチャンピオンベルトのような大きなベルトを巻いてトレ―ニングを行っている方を見たことはありませんか?
あれがトレーニングベルトです。
トレーニングベルトは、腰を保護しながらより高い筋出力を発揮してくれるためのトレーニングギアのこと。
お腹に巻くことで「腹圧」が高まり、腰の怪我から保護する効果を発揮します。
また、腰を保護するだけでなく、腹圧が高まることにより筋出力も向上するため、より重い重量を扱えるようになります。
そのため、高重量トレーニングを行いたい方や腰が弱い方、腰に不安を抱える方は、トレーニングベルトを有効活用していきましょう。
【関連記事】トレーニングベルトについてさらに詳しくはこちら♪
オールアウトトレーニングで利用したいアイテム②パワーグリップ
パワーグリップは、引く動作を要するトレーニングのさいに、握力のサポートに効果を発揮してくれるトレーニングギアの一つ。
手首に通し、ベロの部分をバーべルに巻き付けてベロと一緒にバーべルを握ることで、少ない握力でも高重量のバーべルを持ち続けられます。
パワーグリップは、バーべルだけでなく、ダンベルやケーブルマシンにも活用可能です。
基本的に引く動作を要するトレーニング種目全般に利用できますので、ぜひ利用してくださいね。
パワーグリップについてより詳細な内容を知りたい方は、下にある記事も合わせて確認しましょう!
オールアウトトレーニングで利用したいアイテム③リストラップ
リストラップは、手首に巻き付けることで手首の関節を保護してくれるトレーニングギアの一つ。
これにより、高重量のウェイトを扱うときでも、必要以上に手首が反るのを防止し、手首のブレを抑制できます。
結果的に、ウェイトを挙上するための力をダイレクトにウェイトに繋げられるため、手首の怪我リスクを回避可能です。
まとめ
今回は、トレーニングテクニックの一つ「オールアウト」について解説しました。
筋肥大効率をより高めたい場合、対象となる筋肉をオールアウトさせることで筋トレ効果を最大化させていきましょう。
オールアウトを正しく理解し、適切に行っていくことで、より高いレベルの筋トレを実現させられますよ。
“No pain No gain”
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AKI
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