この記事では腰痛の悩みや筋トレが原因の腰痛、3つの予防法を紹介しています。
加齢や激しい運動、はたまた怪我や病気などで腰痛を経験したことがあるという人は非常に多いと思います。
特に日常的に筋トレを行っているトレーニーの方は、筋トレを始めたばかりの頃や重量の重いメニューを行った際などに腰に強い痛みを覚えたこともあるでしょう。
腰痛があると思うようなトレーニングができないので辛い期間ですよね。
ではこの「筋トレが招く腰痛」は何が原因で、どんな予防法があるのでしょうか?
この記事ではトレーニーの腰痛について紹介してきたいと思います。
腰痛になる原因は?
腰痛の原因①筋力不足
では筋トレ腰痛の予防法を知る前にそもそも腰痛は何が原因で起こるのか?を見ていきましょう。
腰痛の原因となる要因は非常に多いのですが、「腰の筋力の衰え」はその要因の一つです。
加齢や運動不足などにより腰回りの筋肉である腸腰筋や脊柱起立筋、大殿筋などの筋肉が衰えてくると体幹を支える腰の部分を支えらえれなくなり、負担が増して慢性的またはちょっとの運動で痛みを感じるようになります。
年齢を重ねて慢性的に腰痛を感じるようになった人はこの筋力不足が原因であることが多いです。
腰痛の原因②長時間同じ姿勢
また長時間同じ姿勢を続けた場合も腰痛になりやすいです。
特に座った際の姿勢はとても重要で、猫背の状態が続くと腰の筋肉が硬くなり、血行が悪くなって痛みが生じる場合があります。
この状態でいきなり動くと筋肉が一気に硬くなって炎症を引き起こす通称「ぎっくり腰」を引き起こしてしまうこともあります。
普段座って仕事をすることが多いトレーニーの方は注意が必要だと言えるでしょう。
腰痛の原因③筋トレフォーム
フォームが違うと痛めやすい
「筋トレが原因の腰痛」という意味では筋トレのフォームも腰痛の原因になり得ます。
筋トレを始めたばかりの頃や、扱ったことのない重い重量でトレーニングを行った場合はフォームが崩れて腰が曲がってしまうこともありますよね。
メニューにもよりますが、背中系のトレーニングなどは腰が丸くなった状態で行うと高確率で腰を痛めてしまいます。
「背中のメニューを覚える時はまず軽量で始めてフォームを覚えるべき」とよく言われますよね。
これは難しい背中への効かせ方を覚えるという意味ももちろんありますが、それと同時に腰への負担が掛からないやり方を覚えるためでもあるのです。
腰を痛めやすい筋トレメニューは?
ちなみに腰を痛めやすい筋トレメニューの筆頭はデッドリフトになるでしょう。
比較的高重量を扱っていくメニューですし、疲れてくると腰を丸めてしまいがちなメニューだからです。
スクワットもそうですね。お尻の落とし方次第では腰に負荷が集中してしまうこともあります。
また意外かもしれませんが、腰の表にある筋肉、つまり腹筋系のメニューでも腰を痛めることがあります。
例えば定番の腹筋メニューであるシットアップなんかは腰も稼働しやすいため腰痛を覚える人も多いのです。
後述するように腹筋と背筋は密接な関係にあるので腹筋系のメニューをやるときにも腰痛には注意すべきと言えますね。
腰痛の原因④外傷性・神経性の腰痛
また上記のような日常生活が原因の腰痛ではなく、怪我や神経の痛みが原因の腰痛ももちろんあります。
中でもポピュラーなもので言うと脊椎にある椎間板がはみ出して神経を圧迫する「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」が有名でしょうか。
いずれにしても腰は神経が集中しているところでもあるのでこういった神経圧迫が原因の腰痛はかなり多くなっています。
腰痛の原因⑤内臓疾患
また外傷性・神経性だけでなく内臓疾患が原因の腰痛も多いですね。
胃や腸など消化器系に炎症があった場合なども腰痛になることが多いですし、腎盂腎炎や肝臓の病気、すい臓の病気などでも腰に痛みが出ます。
風邪やインフルエンザなどで高熱が出た際も「プロスタグランジン」という痛みの元となる物質が分泌されるのでこれも腰の筋肉痛の原因となっています。
筋トレが招く腰痛予防方法3選
筋トレが招く腰痛予防方法①ストレッチ
筋トレ前にストレッチ!
上記腰痛の原因のうち④外傷性・神経性の腰痛⑤内臓疾患が原因の腰痛は個人レベルではどうしようもない場合が多いです。
というか中には重大疾患が隠されているケースもあるのですぐに病院に行くべきだと思いますね。
しかし①~③のような日常生活及び筋力トレーニングが原因の腰痛の場合、個人でも症状をなんとかできる可能性があります。
まずは基本であるストレッチ。
上記のように腰部の筋肉が硬くなっていると血行が悪くなり、腰痛を招きますので床に寝て左右にゆっくり腰を捻るツイストストレッチやヨガなどを筋トレ前、寝る前などに行うといいでしょう。
フォームローラーも有効
ストレッチポールの表面をでこぼこにさせたような「フォームローラー」という器具を使ったストレッチも非常に有効です。
フォームローラーは今やアスリートからモデルまで大人気の器具で、固くなった筋膜をほぐしてあげる「筋膜リリース」を行うことが可能になっています。
筋膜リリースを行うとその部位の筋膜がほぐれ、筋肉が柔軟性と可動性を取り戻します。
腰痛だけでなく、体中のあらゆる部位において筋膜リリースができるのでデスクワークなどで筋肉が硬くなりがちな人には特におすすめですね。
フォームローラーに関しては↓の記事もご参考下さい。
筋トレが招く腰痛予防方法②フォームを正しくする
また上記のように筋トレはフォームを間違うと腰や背中を非常に痛めやすいです。
筋トレで腰を痛めてしまう場合、その多くがプル系メニューで腰が丸くなってしまったり、重量が間違っていることが原因であることが多く、トレーニングのたびに腰を痛めてしまうような人はまずフォームの見直しから行ってみるといいでしょう。
フォームの欠点はなかなか自分では分かりにくいので、トレーナーやトレーニングパートナーにチェックしてもらう方法がベストですね。
トレーナーなどがいない場合、動画などで多数筋トレフォームの解説がされていますのでそちらを参考にするのももちろん有効です。
↓のようにこのサイトでも各部位の筋トレフォームが解説されていますので是非参考にしてみてください。
筋トレが招く腰痛予防方法③体幹部の筋肉を鍛える
さて、病気でも怪我でもない、ストレッチも十分に行っているしフォームもバッチリ、なのに腰痛が発生する・・・という場合は単にその筋トレメニューがこなせるだけの筋力がついていない可能性があります。
おそらく中級者以上の人であれば経験のある人も多いでしょう。
それまで特別トレーニング経験がない人がデッドリフトやスクワット、ベントオーバーローイングなどを最初に行ったとき、真っ先に腰が痛くなって最後までできなかった、というケースは珍しくないはずです。
これはそもそも体幹部の筋力が弱いために発生する腰痛で、体幹の筋肉がついてくれば徐々に改善していきます。
実際私もそうでした。最初はどんなメニューをやっても腰が痛かったのですが筋トレを継続して数か月するとちょっとやそっとの負荷では腰が痛くならなくなったのです。
もちろん筋力不足だけが腰痛の原因ではないのである程度人によるところはありますが、筋トレ原因の腰痛は筋力をつけることで改善する可能性があります。
腰痛に関わる筋肉部位
腰痛に関わる筋肉部位①ハムストリング
では筋トレ原因の腰痛、特に筋力不足が原因の場合はどの筋肉を鍛えていけばいいのでしょうか?
下から順番に見ていきましょう。
まずは「ハムストリング」です。
ハムストリングは太ももの裏側、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋という3つの筋肉から構成される筋肉群になります。
腰痛なのになぜ脚?と思われるかもしれませんが、ハムストリングは骨盤に直結していて後述するお尻の筋肉「大臀筋」と共に腰の動きを支えています。
したがってハムストリングの筋肉が衰えると骨盤が不安定になり、腰に負荷が掛かってしまうのです。
また近年ハムストリングの筋肉が硬くなってしまう「タイトハム」も腰痛の原因として注目されていますので、そういう意味でも重要な部位になりますね。
ハムストリングについては↓の記事もご参考下さい。
腰痛に関わる筋肉部位②大臀筋(だいでんきん)
ハムストリングの上部に位置しているお尻の筋肉「大臀筋」も衰えると腰痛の原因となります。
ハムストリングと共に骨盤、腰を支え、歩く際や走る際の衝撃を吸収する役割も持っているため、腰への負荷を抑えるという意味では鍛えておきたい筋肉の一つですね。
お尻の筋トレに関しては↓の記事もご参考下さい。
腰痛に関わる筋肉部位③腸腰筋(ちょうようきん)
腸腰筋(ちょうようきん)は大腰筋、小腰筋、腸骨筋から構成される筋肉群で大腿骨と腰椎を繋いでいる筋肉です。つまり「腰」と言えばこの筋肉ということですね。
体の深部にあるため外からは見えない「インナーマッスル」に分類されますが、姿勢の保持や歩行動作、重力から身を守る働きなどで常に負荷が掛かっているため痛めやすい部位となっています。
またかの短距離王ウサイン・ボルトなど短距離走のスペシャリストたちはこの腸腰筋が常人に比べて非常に発達しているのも有名です。
鍛えることで瞬発力など筋トレのレベルを引き上げることができるでしょう。
腰痛に関わる筋肉部位④脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は腸肋筋(ちょうろくきん)、最長筋、棘筋からなる背中の筋肉群で脊柱に沿うようにして位置するインナーマッスルの一種になります。
姿勢の保持や起き上がる動作、物を持ち上げる動作など日常生活のありとあらゆる場面で使用する筋肉であるため、衰えると背中や腰に痛みを感じやすいです。
鍛えることで腰痛が改善する可能性があるのはもちろんのこと、筋トレのパフォーマンスも上がる可能性があるのでトレーニーであれば積極的に鍛えていきたい部位になりますね。
腰痛に関わる筋肉部位⑤広背筋
広背筋は背部の骨盤上部から上腕骨に繋がっている筋肉で、広い背中を作るために重要な筋肉になります。
この広背筋は下部が腰の付近を通っているため硬くなると背中や腰に痛みを感じることがあります。
特にデスクワーク中心の人はこの広背筋に痛みを覚える人が多いですね。
全身の筋肉の中でも面積の大きい筋肉になるため痛みがでると影響が広範囲にわたることもあるので、積極的に筋トレをしストレッチも欠かさないようにしたい部位になります。
広背筋の筋トレに関しては↓の記事もご参考下さい。
腰痛に関わる筋肉部位⑥腹筋
上記しましたが、体の表側にある腹筋と裏側にある背筋は密接な関係にあります。
腹筋と背筋は反対の動きを行う「拮抗筋(きっこうきん)」という関係性にあり、どちらか一方の筋力が弱い(または強い)と筋肉のバランスが崩れ痛みが生じやすくなってしまいます。
腰を表から支えるのも腹筋の重要な役割なので、筋トレ時の腰痛を改善させたいなら腹筋の筋トレもしっかり行っておくべきだと言えるでしょう。
ただし従来通りのシットアップは股関節も動員されるので腰への負荷が比較的大きいです。腰痛持ちの人が腹筋を鍛えるなら別のメニューを選んだ方がいいケースもあります。
腹筋に関しては↓の記事もご参考下さい。
腰痛を予防・解消する筋トレメニュー
腰痛を予防・解消する筋トレメニュー①プランク
【プランクのやり方】
- 床にうつ伏せになり、つま先を立てる
- 腕を床に立て、つま先から頭までを一直線にする
- 30秒その体勢をキープ
- 3を3セット繰り返す
プランクは腹筋、脊柱起立筋など体幹部の筋肉を鍛えられる基本的なメニューになっています。腰回りの基本的な筋力が不足している場合はこちらのプランクから取り組んでみましょう。
トレーニングの見た目だけを見るととても簡単そうに見えるトレーニングですが、30秒~1分×3セットでもやっているとなかなかきついけっこう負荷の強いトレーニングとなっていますね。
しっかり体幹に負荷を掛けるためのコツは「背中をまっすぐにすること」です。
そもそもトレーニング名にもなっているプランク(plank)とは「板を張る」などといった意味がありますが、腰が落ちたり上がったりすると体幹から負荷が抜けてしまいますので、最後まで背中に1枚板が入ったようなイメージを持ち続けることが重要です。
プランクに関しては↓の記事もご参考下さい。
腰痛を予防・解消する筋トレメニュー②リバースプランク
【リバースプランクのやり方】
- 仰向けになる
- 指先を脚側に向けて腕が一直線になるように体を起こす
- そのまま30秒~1分キープ
リバースプランクは前述のプランクと反対、上を向いて行うメニューになります。
そのためプランクに比べてより脊柱起立筋、広背筋、大殿筋などに刺激が入りやすくなっています。
コツはプランクと同じ「背中に一枚板が入ったイメージを保つ」ことになります。
回数、セット数もまずは30秒~1分×3セットから始めるといいでしょう。
腰痛を予防・解消する筋トレメニュー③バックエクステンション
【バックエクステンションのやり方】
- うつ伏せになる
- 手を耳の横に添える
- 背中を収縮させるように上半身と足を反らす
- ゆっくり元に戻す
- 3~4を繰り返す
バックエクステンションは背中のトレーニングとしてかなり有名なトレーニングになっていると思います。
脊柱起立筋の他、大殿筋、ハムストリングにも刺激が入ります。
コツは反動を使わず背中の筋肉が伸び縮みすることで上体を行すイメージを持つことですが、筋力が足りてない、もしくは腰痛を持っている人への注意点として「背中を反らせ過ぎない」ことが挙げられます。
背中を必要以上に反らせ過ぎると逆に腰を痛めてしまう可能性もあるので、上体を起こす位置は水平になるくらいで止めておきましょう。
最初は15回×3セットを目安に行いましょう。
バックエクステンションに関しては↓の記事もご参考下さい。
腰痛を予防・解消する筋トレメニュー④ヒップリフト
【ヒップリフトのやり方】
- 仰向に寝て膝を90°程度に曲げる
- 体の真横に腕をセット
- 大臀筋を意識してお尻を体がまっすぐになるまで上げていく
- ゆっくり元に戻す
- 3~4を繰り返す
お尻の筋肉である大臀筋のトレーニングとしてはヒップリフトが基本的なメニューになるでしょう。ハムストリングも鍛えることができます。
お尻を持ち上げるだけという単純なトレーニングですが、しっかり「お尻を上げる意識を持つ」ことと「肩を上げない」意識を持つことが大切です。
太ももの力や反動を使ってお尻を上げると効果が半減してしまいます。しっかりお尻から上げる意識を持てばその後に自然とハムストリングはついてくるのでお尻の収縮を意識することが大切になってきます。
こちらも最初は15回×3セットが目安になります。
ヒップリフトに関しては↓の記事もご参考下さい。
https://magazine.steadyjapan.com/kintore-menu/takutore/hipup-5min-hiplift-yarikata-kotsu.html
腰痛を予防・解消する筋トレメニュー⑤バックランジ
【バックランジのやり方】
- 肩幅程度に足を開く
- 膝を曲げながら片方の足を後ろに下げていく
- ゆっくり元に戻す
- 2~3を繰り返す
ハムストリングや大臀筋を鍛えるのにスクワットは非常に有効なのですが、上記の通り腰の筋力がまだついていない人がスクワットを行うと腰を痛めてしまう可能性があります。
そこでおすすめなのがスクワットより比較的腰への負荷が低い片足を特定の方向に踏み込む「ランジ」系の種目です。
ランジには前に踏み込む「フロントランジ」、横に踏み込む「サイドランジ」などがありますが、大殿筋やハムストリングに効かせるなら「バッグランジ」がおすすめ。
バッグランジはフロントランジに比べ重心がブレにくいので安定していますし、より大臀筋やハムストリングに刺激が入りやすいです。
最初は自重で、慣れてきたら軽めのダンベルを持って行うといいでしょう。10回~12回×3セットが目安です。
ランジに関しては↓の記事もご参考下さい。
https://magazine.steadyjapan.com/parts/legs/lunge-workout.html
腰痛予防におすすめの筋トレグッズ
腰痛予防におすすめの筋トレグッズ①フォームローラー
上記の通り筋肉が固まってしまっている場合、腰痛を引き起こしてしまうことがあります。
フォームローラーを使えば簡単に、かつ短時間で筋膜をほぐしてくれるので非常におすすめです。
基本的な製品であれば値段もそんなに高いものではありません。
腰痛予防におすすめの筋トレグッズ②トレーニングベルト
ジムなどで重い重量を上げている人がお腹にベルトのようなものを巻いているシーンはよく見られますよね。
あれはトレーニングベルト、またの名をパワーベルトと言って腹圧をサポートしてくれるギアになります。
腹圧を適切に掛けることができれば筋トレのパフォーマンスも上がりますし、腰や背中の怪我予防にもなるので腰痛がある人でしたら使用してみるといいでしょう。
トレーニングベルトに関しては↓の記事もご参考下さい。
腰痛予防におすすめの筋トレグッズ③ヨガマット
腰痛があるのあればストレッチをする機会は多いでしょう。
ストレッチを行うのであればトレーニングマットやヨガマットはあった方がいいと思います。
床が固いと単純に痛いですし、ストレッチの効果も十分に発揮されません。
ヨガマットは数mmの厚さがあり、固い床の上でも気持ちよくストレッチを行うことができるためおすすめです。
ヨガマットに関しては↓の記事もご参考下さい。
まとめ
このように筋トレで今まで扱ったことのない高重量を扱ったり、初めて筋トレを行った場合に腰痛を発症してしまうことはよくあることです。
しかし体幹部の筋肉をつけたり日頃のストレッチ、フォームの練習などで改善できる可能性はありますので腰痛があるからといって運動やトレーニングを諦めないようにしましょう。
ilohas834
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