筋トレのさいに利用するトレーニング器具には「バーベル・ダンベル」などがあります。
実は、それらの器具の「握り方」によって、筋トレ効果が大きく変わることをご存じでしょうか。
一般的な握り方で言うと「順手・逆手」や「ハンマーグリップ」といった握り方が想像しやすいですが、他にもいくつかの握り方(グリップ)が存在します。
そこで今回は、筋トレ効果を高めるさまざまな握り方について解説していきます!
この記事の目次
筋トレのグリップ・握り方についての概要
筋トレに取り組むときのグリップ・握り方には、大きく3つに分類できます。
- 「手の幅」を変えるグリップ
- 「手首の角度」を変えるグリップ
- 「親指の位置」を変えるグリップ
得られるそれぞれの効果の違いについて解説しますね。
手幅の違いによるグリップのバリエーション
まずは、手幅の違いによるグリップの効果についてです。
手の幅の違いによるグリップの種類には、以下3つのタイプがあります。
- ミディアム(スタンダード)
- ナロー(クローズ)
- ワイド
筋トレグリップのバリエーション①ミディアム(スタンダ―ド)グリップ
この手幅のグリップは、筋トレの手幅の中では最も一般的かつ標準的とされています。
目安は肩幅の1.5倍程度。
ベンチプレス・チンニング(懸垂)・ラットプルダウンなどで利用する手幅ですね。
一般的にはミディアムグリップで、基本となる動作ややり方を正しく習得することになります。
体格の違いによっても異なりますが、ミディアムグリップは力を発揮しやすい自然な手幅であるため、取り組みやすさも特徴の一つ。
また、対象となる筋肉が複数の場合、対象部位への負荷の比重バランスが優れています。
そのため、バランスよく体を鍛えたい場合においておすすめですよ。
ミディアムグリップで取り組む具体例①バーベルベンチプレス
ベンチプレスは、上半身の主要な筋肉である大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋を最も効果的に鍛えられるトレーニング種目。
ミディアムグリップ(肩幅の1.5倍程度)で取り組むことにより、対象の部位をバランスよく鍛えられます。
「胸・肩・腕」を総合的に鍛え、たくましい上半身をバランスよく作りたい方におすすめですよ。
【やり方】
- バーベルを「肩幅の1.5倍程度」の手幅で握る
- バーをラックから外し、胸の上に移動する
- 胸を大きく張ったまま、肘を曲げてバーをおろす
- バストトップの位置にバーをおろし、肘を伸ばして挙げる
ベンチプレスについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
ミディアムグリップで取り組む具体例②チンニング
チンニング(懸垂)は、背中の主要な筋肉である広背筋・僧帽筋・三角筋後部などを最も効果的に鍛えられる自重トレーニング種目です。
このチンニングも、ミディアムグリップで取り組むことで対象部位にバランスよく負荷を加えられます。
ミディアムグリップはチンニングに取り組むときの手幅としては最も一般的。
バランスのいい逆三角形の背中を手に入れたい方におすすめです。
【やり方】
- チンニングバーを「肩幅の1.5倍程度」の手幅で握る
- 両脚を床から浮かせ、両腕だけで全体重を支える
- 背中を大きく反り、肩甲骨を寄せながら肘を曲げる
- 腕の力ではなく背筋の力によって体を持ち上げる
- その後、肘を伸ばして体をおろし、動作を繰り返す
チンニングについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
ミディアムグリップで取り組む具体例③ラットプルダウン
ラットプルダウンは、チンニングと同じ動きを専用のマシンであるラットプルマシンで取り組むマシン系トレーニング種目。
チンニングと同様に「広背筋・僧帽筋・三角筋後部」に効果的で、マシンによるウェイトの負荷の調整ができるのが特徴です。
自重で取り組むチンニングでは負荷の調整が困難なため、自分の筋力レベルにあった取り組みをしたい方はラットプルダウンをおすすめします。
【やり方】
- ラットプルマシンのシートの高さを調整する
- マシンのシートに座って膝パッドに太ももを固定する
- バーを「肩幅の1.5倍程度」の手幅で握る
- 肩甲骨を寄せるイメージでバーを鎖骨のあたりに引き寄せる
- その後、肩甲骨を開きながら腕を伸ばしていく
ラットプルダウンについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
筋トレグリップのバリエーション②ナロー(クローズ)グリップ
この手幅のグリップは、ミディアムグリップよりも狭い手幅です。
一般的には「肩幅程度または肩幅よりも狭い」手幅の場合はすべて、ナローグリップと呼ばれます。
特徴は、手幅を狭くしたグリップで筋トレに取り組むことで、対象となる部位の負荷の比重を変えられること。
取り組むトレーニング種目の違いによっても効果が変わるため、下で具体例を解説しますね。
ナローグリップで取り組む具体例①ナロー・ベンチプレス
肩幅よりも狭くバーを握った状態でベンチプレスに取り組むことで、通常のミディアムグリップとは異なる効果が期待できます。
ナロー・ベンチプレスは、対象筋の中でも上腕三頭筋と大胸筋内側に特に負荷の比重が高まるのが特徴です。
また、手幅が狭くなることで大胸筋の収縮感を強く意識できるため、大胸筋の内側を肥大させるのにも効果的ですよ。
【やり方】
- バーベルを肩幅程度、または肩幅よりも狭い手幅で握る
- バーをラックから外し、胸の上に移動させる
- 胸を大きく張ったまま肘を曲げてバーをおろす
- バストトップの位置にバーをおろし、肘を伸ばして挙げる
ナローグリップで取り組む具体例②ナローグリップ・チンニング
バーを握る手幅を狭くしてチンニングを行うことで、背筋群と同時に「腕」も鍛えられます。
ナローチンニングでは僧帽筋中部・下部に負荷の比重が高まるため、背中の「厚み」を出すのに効果的。
また、腕の表側である上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋といった部位への比重も高まるため、腕も強化したい方にもおすすめです。
【やり方】
- チンニングバーを肩幅程度、または肩幅よりも狭い手幅で握る
- チンニングと同じく動く
- 背筋だけでなく、腕の力も意識して動く
- 肩甲骨の下げながら寄せるイメージで行う
ナローグリップで取り組む具体例③ナローグリップ・ラットプルダウン
ナローグリップでラットプルダウンに取り組むさいは、一般的に「逆手でバーを握る」もしくは「Vバー」を利用します。
利用するアクセサリーの種類によっても効果は異なりますが、ここで紹介するのは一般的な「Vバー」を利用したナローグリップラットプルダウンです。
Vバーは、手幅が狭い状態でパラレルグリップ(手のひら同士が向き合う)状態になるため、僧帽筋中部・下部に特に効果的という特徴があります。
【やり方】
- ラットプルマシンにVバーを装着する
- Vバーを手のひらが向き合う角度で握る
- ラットプルダウンの動きを行う
- 背筋の「収縮・伸展」を意識して取り組むこと
筋トレグリップのバリエーション③ワイドグリップ
ミディアムグリップ(肩幅の1.5倍程度)よりも広い手幅がワイドグリップです。
ワイドグリップは、ミディアムグリップやナローグリップとは異なる効果・異なる比重バランスに期待できます。
ワイドグリップで取り組む具体例①ワイドグリップ・チンニング
肩幅の1.5倍以上の手幅でバーを持ち、広い手幅で取り組むのがワイドグリップ・チンニング。
対象筋の中でも特に「広背筋上部・下部」に負荷が高まるのが特徴のバリエーションです。
「背中の広がり」「逆三角形の背中」といった、かっこいい背中を手に入れたい方には取り組むことをおすすめします。
【やり方】
- チンニングバーを「肩幅の1.5倍以上」の手幅で握る
- 前述したチンニングと同じ動きを行う
- 背筋だけでなく、腕の力も意識して動く
- 肩甲骨の下げながら寄せるイメージで動く
ワイドグリップで取り組む具体例②ワイドグリップ・ベンチプレス
ワイドグリップ・ベンチプレスは、主に重量挙げ競技の一つである「パワーリフティング」で採用される種目です。
特徴は、手幅を肩幅の1.5倍以上の広い手幅で行うことで「最大挙上重量」を高められること。
扱える重量が増えますが、ボディメイクとしての筋トレ効果は低くなります。
また、関節を痛めるリスクも高くなるため注意が必要です。
【やり方】
- バーベルを「肩幅の1.5倍以上広い」手幅で握る
- バーをラックから外し、胸の上に移動させる
- 胸を大きく張ったまま肘を曲げてバーをおろす
- バストトップの位置にバーをおろし、肘を伸ばして挙げる
ワイドグリップで取り組む具体例③ワイドグリップ・シーテッドロウイング
ケーブルマシンを利用するシーテッドロウイングも、ワイドグリップで取り組むことで、効果的に背筋群を鍛えられます。
バーを握る手幅をワイドグリップにすることで「広背筋・三角筋後部」といった部位に負荷が集中するのが特徴です。
「背中の広がり」を強調したい場合にはしっかり取り組みましょう。
【やり方】
- ケーブルマシンにワイドバーを装着する
- シートに座りワイドバーの両端を両手で持つ
- 肩甲骨を寄せる動きを意識してバーをおへそのあたりに引き寄せる
- その後肩甲骨を開き、両腕を伸ばしていく
シーテッドロウイングについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
手首の角度の違いによるグリップのバリエーション
ウェイトを持つ手首の角度によって効果の異なる筋トレグリップについて、ここではその種類を解説します。
手首の角度を変えるだけで筋トレ効果が大きく変わるため、筋トレ効果を高めるテクニックとして覚えておきましょう。
- オーバーハンドグリップ(順手)
- アンダーハンドグリップ(逆手)
- ハンマーグリップ(ニュートラルグリップ)
- オルタネイトグリップ
- リバースグリップ
- スピネイトグリップ
筋トレグリップのバリエーション①オーバーハンドグリップ(順手)
オーバーハンドグリップは「順手」と呼ばれている握り方のことです。
バーを上から握り、「手の甲が上を向き、手のひらが下を向く」ようにします。
ウェイトトレーニングにおいては、このグリップが最も一般的な握り方。
そのため、多様なトレーニング種目に対して基本となる握り方なのですね。
筋トレ初心者の方はまず、このオーバーハンドグリップを基本として取り組むことがおすすめです。
オーバーハンドグリップで取り組む具体例①デッドリフト
デッドリフトは、背筋群を最も効果的に鍛えられる代表的なトレーニング種目。
床に置いたバーベルを両手で握り、膝を曲げて腰を下ろした位置からバーベルを持った状態のままで立ち上がっていきます。
背中の主要な筋肉である広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・三角筋後部といった部位を強烈に鍛えられるのが特徴です。
【やり方】
- 床に置いたバーベルの前で肩幅程度の足幅で直立する
- バーを「オーバーハンドグリップ」で持ち、膝を曲げて腰をおろす
- 背筋をまっすぐ伸ばしたまま、膝を伸ばすと同時に上半身を起き上げていく
- バーベルを持った状態のままで直立した姿勢になる
デッドリフトについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
オーバーハンドグリップで取り組む具体例②ベントオーバーロウイング
ベントオーバーロウイングは、背筋群を効果的に鍛える代表的なトレーニング種目の一つ。
オーバーハンドグリップで行うのが一般的で、背中の広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・三角筋後部に効果的なのが特徴です。
背筋群全体を総合的に鍛えられるため、たくましい後ろ姿を手に入れたい方におすすめします。
【やり方】
- バーベルを肩幅程度の手幅で「オーバーハンドグリップ」で握る
- 肩幅程度の足幅で直立し、上半身を45度程度前傾させた姿勢で維持する
- 肩甲骨を寄せる意識でバーべルを「おへそ」のあたりに引き寄せる
- その後、肩甲骨を開き、バーベルをおろし腕を伸ばす
ベントオーバーロウイングについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
筋トレグリップのバリエーション②アンダーハンドグリップ(逆手)
アンダーハンドグリップは、いわゆる「逆手」と呼ばれるグリップ。
バーベルを下から握りこみ「手の甲が下を向き、手のひらが上を向く」角度がアンダーハンドグリップです。
このグリップは、主に上腕の表側に位置する「上腕二頭筋」を鍛えるトレーニング種目で多く利用されています。
オーバーハンドグリップとは異なる筋トレ効果に期待できますよ。
アンダーハンドグリップで取り組む具体例①ダンベルカール
ダンベルカールは、上腕の表側に位置する「上腕二頭筋」を最も効果的に鍛えられる代表的なトレーニング種目。
アンダーハンドグリップでダンベルを持ち、肘を曲げていくカール動作「肘関節屈曲」を行います。
主動筋となる「上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋」といった腕の主要な筋肉を鍛えられるのが特徴です。
【やり方】
- アンダーハンドグリップで両手にそれぞれダンベルを持って直立する
- 肘は体の側面の位置で固定し、背筋は自然に伸ばしておく
- 肘の位置を前後に動かさないように意識し、肘を曲げてダンベルを持ち上げる
- 上腕二頭筋の収縮を感じたら、ゆっくりと腕をおろしていく
ダンベルカールについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
アンダーハンドグリップで取り組む具体例②バーベルカール
バーベルカールは、ダンベルカールと並んで上腕二頭筋を鍛える代表的なトレーニング種目の一つ。
重い重量で取り組めるため、強烈な物理的負荷によって上腕二頭筋を高強度に鍛えられます。
ダンベルカールに比べ可動域が限定されるため「収縮・伸展」がやや行いづらくなりますが、その分高重量を利用できるのが特徴です。
【やり方】
- バーベルをアンダーハンドグリップで持って直立する
- 肘は体の側面の位置で固定し、背筋は自然に伸ばす
- 肘の位置を前後に動かさないように意識し、肘を曲げてバーベルを持ち上げる
- 上腕二頭筋の収縮を感じたら、ゆっくりと腕をおろしていく
バーベルカールについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
アンダーハンドグリップで取り組む具体例③リバースハンド・チンニング
チンニングを行うときにバーの握り方をアンダーハンドグリップにして行うバリエーション種目。
特徴は、アンダーハンドグリップでチンニングを行うことで、「腕」も同時に鍛えられることです。
【やり方】
- チンニングバーをアンダーハンドグリップで握る
- 両手の手幅は肩幅よりも狭い手幅にする
- 両足を床から浮かせ、腕だけで全体重を支える
- 背筋と腕の力を意識して体を持ち上げていく
- その後、腕を伸ばしていき体をおろす
筋トレグリップのバリエーション③ハンマーグリップ(ニュートラルグリップ)
ハンマーグリップは、別名「ニュートラルグリップ・パラレルグリップ」。
手のひら同士が向き合う角度になるグリップです。
特に「腕・背中」を鍛えるトレーニング種目のさいに利用されることが多いグリップですね。
ハンマーグリップで取り組む具体例①ハンマーカール
ハンマーカールは、親指を上に向け「左右の手のひら同士が向き合う角度」でダンベルを持ち、アームカールを行うトレーニングです。
通常のダンベルカールでは上腕二頭筋を中心に鍛えますが、ハンマーカールの場合は「上腕筋・腕橈骨筋」を中心に鍛えます。
腕の「土台」である上腕筋と、上腕から前腕にかけての「腕橈骨筋」を鍛えることで、腕を総合的に肥大させましょう。
【やり方】
- 両手にダンベルを持って直立する
- ハンマーグリップのままダンベルを持つ
- 上腕筋の収縮を感じるまでしっかりと肘を曲げる
- 肘を前後に動かさないように固定し、腕を伸ばしてダンベルをおろす
- 動作中は終始ハンマーグリップのままで行う
ハンマーカールについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
ハンマーグリップで取り組む具体例②パラレルグリップ・シーテッドロウイング
ケーブルマシンでの「シーテッドロウイング」もパラレルグリップで取り組むことで、対象筋への負荷の比重を変えられます。
ちなみにパラレルグリップとハンマーグリップはほぼ同じ握り方ですので、ここで紹介しますね。
ワンハンドグリップやVバーといったアクセサリーをフックに装着することでパラレルグリップでの取り組みが可能です。
この種目の特徴は、広背筋・僧帽筋の中でも特に「僧帽筋下部・中部」に効果的なこと。
背中の厚みを出したい方におすすめです。
【やり方】
- ケーブルマシンにワンハンドグリップやVバーなどのアクセサリ―を装着する
- マシンの前にトレーニングベンチを置き、マシンに向き合うように座る
- アクセサリーをパラレルグリップ/ハンマーグリップになるよう握る
- 肩甲骨を寄せる動作を意識してケーブルを「おへそ」のあたりに引き寄せる
- その後、肩甲骨を開いて両腕を伸ばしていく
ハンマーグリップで取り組む具体例③ワンハンドロウイング
ワンハンドロウイングは、背中の広背筋を効果的に鍛えられる代表的なトレーニング種目です。
上で解説した「ベントオーバーロウイング」よりも簡単に取り組めるうえ、腰への負担を軽減させながら取り組める特徴があります。
【やり方】
- トレーニングベンチの横にダンベルを一つ置く
- ベンチの上に左手と左膝を乗せ、右脚は床に伸ばしておく
- 右手をハンマーグリップの角度にしてダンベルを持つ
- ダンベルを持った側の肩甲骨を寄せる意識で引き寄せる
- 広背筋の収縮を感じたら、肩甲骨を開いて腕を伸ばしていく
ワンハンドロウイングについて、より詳細な内容を知りたい方は下の記事もどうぞ↓
筋トレグリップのバリエーション④オルタネイトグリップ
オルタネイトグリップは、片手を「オーバーハンドグリップ」もう片手を「アンダーハンドグリップ」にするやり方です。
この種目はバーべルのみで利用され、中でも「デッドリフト」で利用されます。
特徴はその「グリップ力」の高さ。
高重量のバーベルを利用するデッドリフトでも、このグリップでは重いウェイトを安定して持ち続けられます。
オルタネイトグリップで取り組む具体例①オルタネイトグリップ・デッドリフト
オーバーハンドグリップではバーを握る手首に「回転」が生じてしまい、高重量だと持ち続けることが困難です。
しかし左右の手がそれぞれ逆の握り方「オルタネイト」にすれば回転力を相殺、高いグリップ力を発揮します。
【やり方】
- デッドリフトと同じセットアップを行う
- バーを「オルタネイトグリップ」で持つ
- 片手をオーバーハンドグリップ、反対側をアンダーハンドグリップで持つ
- 初めのうちはオルタネイトグリップに慣れるまで軽い重量で取り組むこと
筋トレグリップのバリエーション⑤リバースグリップ
名前に「リバース(逆)」とあるように、各種筋トレ種目で通常の握り方とは逆向きでの取り組みを指します。
たとえば、ダンベルカールは通常「アンダーハンドグリップ」で取り組みますが「リバースカール」では反対の握り方となるため「順手」で行うのです。
他にも、通常「順手」で取り組まれるチンニングでも「リバースチンニング」の場合はアンダーハンドグリップで取り組みます。
上記のように、特定の握り方を指す意味ではなく「通常の握り方とは逆」の握り方で取り組む種目の総称を「リバースグリップ」と呼びます。
リバースグリップで取り組む具体例①リバースカール
通常「アンダーハンドグリップ(逆手)」で取り組むダンベルカールを、反対の「リバースグリップ(順手)」で取り組む種目です。
特徴は、ハンマーカールよりも「上腕二頭筋」への関与が弱まるため、より強烈に「上腕筋・腕橈骨筋」を鍛えられること。
また、上腕部以外にも「前腕筋群」への関与が大きいため、上腕部と共に前腕部を太くしたい方におすすめな種目です。
【やり方】
- ダンベルを「リバースグリップ(順手)」で持つ
- 肘を体の横あたり固定し、必ず手のひらは下にしたまま(順手)動く
- 順手のまま肘を曲げてダンベルを挙げる
- 上腕筋の収縮を感じたら、順手のままゆっくりおろして腕を伸ばす
リバースグリップで取り組む具体例②リバースグリップ・ベンチプレス
通常オーバーハンドグリップ(順手)で取り組むベンチプレスを「アンダーハンドグリップ(逆手)」で行うバリエーションです。
特徴は、対象筋の中でも特に「大胸筋上部・三角筋前部」への負荷の比重を高めた筋トレが可能になること。
また、リバースグリップで取り組むことで、通常のベンチプレスである肩関節の負担を軽減させられます。
【やり方】
- バーベルを「リバースグリップ(逆手)」で握る
- 手幅は肩幅の1.5倍程度を目安にする
- バーをラックから外し、胸の上に移動し、肘を曲げていく
- バーが胸についたら、肘を伸ばしてバーベルを挙げる
リバースグリップで取り組む具体例③ドリアン・ロウ
伝説的なボディビルダー「ドリアン・イェ―ツ」が好んで取り組んでいたことから名づけられた、バーべル種目です。
リバースグリップ(逆手)でバーを持ち、上半身を45度以上の浅めの前傾角度でロウイング動作を行います。
上半身の前傾が抑制され、腰への負担が軽減できます。
上背部(僧帽筋上部・中部・三角筋後部)に特に効果的ですよ。
【やり方】
- バーベルをリバースグリップ(逆手)で持ち、上半身を45度程度に前傾させる
- 肩甲骨を寄せる動作により、上背部を意識してバーベルを引き寄せていく
- その後、肩甲骨を開き、バーべルをおろすことで上背部をストレッチ(伸展)させる
- 僧帽筋上部・中部・三角筋後部を意識して動く
筋トレグリップのバリエーション⑥スピネイトグリップ
他のグリップのように一定の角度で固定したまま取り組むのではなく、動作の中で「手首を回外」させながら動くグリップです。
ダンベルを利用したアームカール種目のさいに利用されることが多いですね。
このグリップの特徴は、肘を曲げるさいにスピネイト(手首を外側に捻る)に動くことで、上腕二頭筋を「最大収縮」させられること。
収縮をより強烈に引き起こせるため、筋トレ効果を最大化できます。
スピネイトグリップで取り組む具体例①スピネイト・ダンベルカール
スピネイトダンベルカールは、ダンベルを持ち両肘を曲げて挙上するときに「手首を外側に捻りながら」持ち上げて上腕二頭筋を鍛える種目です。
通常のダンベルカールと比較すると、ダンベルを挙げた位置(肘を曲げ切った位置)での上腕二頭筋の収縮がより強烈に引き起こされます。
上腕二頭筋を最大収縮できるため、軽い重量でもしっかりと刺激を加えられますよ。
【やり方】
- 両手にダンベルを持って直立する
- 腕を伸ばしている状態のときは「ハンマーグリップ」にする
- 肘を曲げてダンベルを持ち上げると同時に手首を外側に捻る
- 曲げ切ったところで可能な限り外側に捻りを加え、上腕二頭筋を最大収縮させる
- その後、手首を内側に捻りながらダンベルをおろす
スピネイトグリップで取り組む具体例②ゾットマンカール
ウェイトを持ち上げるときは「逆手」、ウェイトを下げるときは「順手」で行うスピネイトダンベルカールのバリエーションです。
特徴は、逆手でウェイトを持ち上げるときには上腕二頭筋に負荷が集中し、順手でウェイトをおろす動作では上腕筋や腕橈骨筋に負荷が集中すること。
上腕を構成する筋肉全体を総合的に鍛えられるため、高い筋トレ効果に期待できます。
【やり方】
- 片腕ずつダンベルカールを行う
- 「逆手」のままダンベルを持ち上げて肘を曲げる
- 曲げ切ったところで手首を内転させて「順手」にする
- 順手のままゆっくりとダンベルをおろしていく
- 反対側の腕も同様に動く
「親指の位置の違い」によるグリップのバリエーション
では「親指の位置」を変えることで筋トレ効果や取り組みやすさを調整できるグリップについて解説します。
グリップ力・手首の負担軽減・対象筋へ負荷を掛けるといったさまざまな効果に影響しますので、確認しましょう。
- サムアラウンドグリップ
- サムレスグリップ
- フックグリップ
- ピンチグリップ
- ワンハンドグリップ
筋トレグリップのバリエーション①サムアラウンドグリップ
5本の指を使って親指でバ―を覆うように握るグリップです。
サムアラウンドグリップは、ウェイトトレーニングで利用される「親指の位置の違い」によるグリップの中では最も一般的な握り方。
バーを自然に握ったときにこの握り方になるはずです。
筋トレ初心者はもちろん、上級者やベテランまで最もスタンダードなグリップですね。
筋トレグリップのバリエーション②サムレスグリップ
サムレスグリップは、バーベルを握るときに親指を他の4本の指と合わせて握るグリップ。
親指をバーに巻き付けない握り方です。
特徴は「対象筋に効かせやすい」こと。
また、ベンチプレスのときにサムレスグリップにすると、手関節の近くでバーを握れるため「関節への負担」を軽減させられます。
しかし、親指でバーを固定できないため、バーの落下による事故・怪我のリスクが非常に高いのがデメリット。
取り組む際には細心の注意を払う必要があるということを、念頭に置いておきましょう。
筋トレグリップのバリエーション③フックグリップ
フックグリップは、バーベルに親指を巻き付け、その上から残りの「人差し指・中指」で覆うようにして握るグリップ。
親指をバーに引っかけるように持つことで「パワーグリップ」のような効果に期待でき、高重量でも高いグリップ力を発揮します。
ウェイトリフティングやパワーリフティングなど、高重量のバーベルを利用するときに使われることが多いでしょう。
しかし、グリップ力の高さの反面「親指への負担」が非常に大きいため、親指の関節の怪我に繋がるリスクがあります。
筋トレグリップのバリエーション④ピンチグリップ
ピンチグリップは、「つまむ」ようにウェイトを持つグリップのこと。
トレーニング種目のさいに利用するのではなく、あくまで「握力強化」や「つまむ力」を強化するときに利用します。
ウェイトトレーニングで利用するバーベル種目の「パフォーマンス向上」を目的として利用することが多いグリップですね。
筋トレグリップのバリエーション⑤ワンハンドグリップ
ワンハンドグリップは、名前の通り「片手」だけでウェイトを持って取り組むグリップ。
たとえば「ワンハンドダンベルカール・ワンハンドロウイング・ワンハンドダンベルプレス」といった種目があります。
ワンハンドグリップの特徴は「筋肉の左右対称性を高める」効果に期待できること。
体を構成する筋肉のほとんどは、左右の「筋力・大きさ・形」に差があります。
それらの差を是正するためには別々に鍛えられるワンハンドグリップがおすすめ。
また、片側だけにウェイトを持って取り組むワンハンドグリップ系の種目では、アンバランスな重心を安定させるために「体幹力」も鍛えられます。
より特定の部位だけを鍛えていきたい場合や、体幹力・バランス力も同時に鍛えたい場合においておすすめですよ。
ウェイトトレーニングで利用したいトレーニングアイテム3選!
最後にウェイトトレーニングで利用したいアイテムを3つ紹介します。
使ったことがないという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
- トレーニングベルト
- パワーグリップ
- リストラップ
ウェイトトレーニングで利用したいアイテム①トレーニングベルト
ジムでお腹にチャンピオンベルトのような大きなベルトを巻いてトレ―ニングを行っている方を見たことはありませんか?
あれがトレーニングベルトです。
トレーニングベルトとは、腰を保護しながらより高い筋出力を発揮するためのトレーニングギア。
お腹に巻くことで「腹圧」が高まり、腰の怪我から守ってくれる効果を発揮します。
腰を保護するだけでなく筋出力も向上するため、より重い重量を扱えるようにもなるでしょう。
そのため、高重量トレーニングを行いたい方や腰が弱い方、腰に不安を抱える方はトレーニングベルトを有効活用してください。
【関連記事】トレーニングベルトについてさらに詳しくはこちら♪
ウェイトトレーニングで利用したいアイテム②パワーグリップ
パワーグリップは、握力のサポートに効果を発揮してくれるトレーニングギアの一つ。
デッドリフトやベントオーバーロウ、ラットプルダウンといった「プル系種目」「ロウイング系種目」など「引く動作」が必要なトレーニングで効果を発揮します。
パワーグリップを使うことで、少ない握力でも高重量のバーべルを持ち続けられるようになるのです。
パワーグリップはダンベルやケーブルマシンなど、基本的に引く動作を要するトレーニング種目全般に利用できます。
より詳細な内容を知りたい方は、下にある記事も合わせて確認しましょう!
ウェイトトレーニングで利用したいアイテム③リストラップ
リストラップは、手首に巻き付けることで手首の関節を保護してくれるトレーニングギアの一つです。
手首全体を囲うようにラップを巻き付けることで手首の可動域をあえて制限し、手首が過伸展しすぎないように固定できます。
これにより、高重量のウェイトを扱うときに必要以上に手首が反るのを防止、手首のブレを抑制することも可能です。
ウェイトを挙上するための力をダイレクトにウェイトに繋げられるようになり、手首の怪我のリスクを回避できますよ。
まとめ
今回は、筋トレグリップの種類について解説しました。
筋トレで利用するグリップにはさまざまな種類・効果があることを知っていただけたかと思います。
自身の理想的な肉体を実現するために必要なグリップでトレーニングに取り組むことで、効率的に鍛えていきましょう。
“No pain No gain”
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AKI
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