この記事ではなで肩を卒業して大きな肩幅を手に入れるための方法を紹介しています。
上半身のシルエットをカッコよくできるので広背筋や大胸筋、上腕二頭筋を鍛えている人は多いかと思いますがこれらの筋肉に加えて肩の筋肉である「三角筋」もスタイル作りにはとても重要です。
漫画やアニメのマッチョ系キャラクターを見ても大抵肩の筋肉が強調されていますよね。
また肩の筋肉を鍛えるとただ単に肩幅は広くなるだけでなく「なで肩」を矯正できる可能性もあるのです。
この記事ではなで肩を卒業し、広い肩幅を得るための筋トレメニューやコツを紹介していきたいと思います。
肩の筋肉構造は?
肩の筋肉①三角筋
では肩幅を広くするためにまずは肩に関する筋肉について見ていきましょう。
一般的に「肩」と呼ばれ、鍛えると盛り上がってくる部分の筋肉は「三角筋」と呼ばれています。
この三角筋は場所によって3つの部位に分かれ、腕をまっすぐに振り上げる「前部」、横に振り上げる「中部」、後ろに引っ張る「後部」から構成されています。
これらの部位は場所によって役割、機能が違うため肩を全体的にまんべんなく発達させたい場合はそれぞれ違うトレーニングメニューを組む必要がありますね。
肩の筋肉②ローテーターカフ
肩の筋肉と言えばほぼ三角筋のことを指す場合が多いです。
しかし肩に関連する筋肉として「ローテーターカフ」と呼ばれる筋肉も非常に重要ですね。
ローテーターカフとは日本語で「回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)」と言い、単一の筋肉ではなく「小円筋」、「棘上筋(きょくじょうきん)」、「棘下筋(きょっかきん)」、「肩甲下筋(けんこうかきん)」という4つの筋肉から構成されています。
このローテーターカフは実際に盛り上がりが目で確認できる三角筋と違い、体の深部にある「インナーマッスル」の一種となっています。
目には見えませんが、三角筋や上腕の動きを支える土台となるためとても重要な筋肉群だと言えるでしょう。
特に物を投げる動きでは極めて重要な部位になるため野球のピッチャーやテニスの選手達が重点的に鍛えることの多い部位です。
肩の筋肉③僧帽筋上部
僧帽筋は厳密に言えば背中の筋肉に分類されますが、首に近い上部は肩の動きにも関わっているので肩の筋肉の一種としてみなす場合もあります。
実際後述する肩の筋トレメニューにはフォームを調節すれば僧帽筋を鍛えられるメニューもありますね。
肩を鍛えるメリットは?
肩を鍛えるメリット①肩幅が大きくなる
では次に肩を鍛える、肩幅を大きくするメリットを見ていきましょう。
まずは見た目に関して。
単純に肩という部位は薄着や水着になった場合に目につきやすい部位ですし、腕だけ発達して肩が発達していないととてもバランスが悪く見えてしまいますので鍛えておいた方がいいでしょう。
また、肩はしっかり鍛えている人とそうでない人ではかなりサイズに違いが表れる部位でもあります。
比較的トレーニング難易度は高い部位なので肩が大きい人(メロン肩などと表現する)はトレーニングが上手だという証明にもなります。
肩を鍛えるメリット②逆三角形体型になる
また見た目という意味では肩のサイズだけでなく上半身全体のスタイルにも影響を与えます。
特に逆三角形スタイルを作りやすいのはメリットの一つでしょう。
逆三角形スタイルと言えばとてウエストが引き締まったように見えるスタイルなので腰や腹筋を絞るのが近道なのでは?と思われるかもしれませんが、実は逆三角形を作るには広背筋と肩のサイズがとても重要になってきます。
脇の下と肩を大きくすると上半身の上側にボリュームが生まれ、相対的にウエストが引き締まって見えるんですよね。
そのためそこまで肩幅を大きくしたくない人でもスタイルを引き締めたいならある程度肩の筋肉は鍛えておいた方がいいと思います。
広背筋の筋トレは↓の記事をご参考下さい。
肩を鍛えるメリット③なで肩が治るかも
なで肩は肩の外側が水平ラインより下がっている状態のことを指します。
日本人はけっこうなで肩の人が多いと思いますが、肩こりが起こりやすくなったり頭が大きく見えたり、ショルダーバックがずり落ちてきたりとデメリットもいくつかあるので悩んでいる人も少なくありません。
原因は猫背など様々ですが、肩の筋力が弱く、腕の重さを肩で支えられないため肩の重心が腕寄りに下がってしまうことが原因である場合もあります。
この場合は肩の筋肉を鍛えることで改善される可能性がありますね。
ただし先天的に骨格自体がなで肩になっている場合はどうにもならないので注意が必要です。
肩を鍛えるメリット④肩こり予防
三角筋、及び僧帽筋上部の筋肉が硬くなり血行が悪くなると「肩こり」になってしまいます。
筋トレを行うと基本的に該当部位の血行がよくなるので肩こりの予防にはもってこいなのでひどい肩こりに悩まされている人は筋トレで肩や首に刺激を与えてあげるといいでしょう。
肩を鍛えるメリット⑤運動能力・日常生活の質アップ
上記の通り肩の筋肉は腕と肩を動かす動きのほとんどに関わっています。
三角筋の前部はドアを押す動きや物を頭上に押し上げる動き、後部はドアなど引っ張る動きに使われていますし、上記したような野球の投球動作、格闘技ではパンチの威力、相手を引っ張り上げる強度、主に足を使うサッカーでも相手を腕で押さえつける時に三角筋やローテーターカフを使用します。
日常生活においてもアスリート能力という意味でも非常に重要な部位になるので鍛えておくとあらゆる場面で動作を楽にしてくれるでしょう。
肩の筋トレのコツと注意点
肩の筋トレのコツと注意点①肩をすくめない
上記しましたが、肩は筋トレ難易度が比較的高い部位です。
というのも僧帽筋や広背筋、上腕の筋肉が近くにあり、連動して動くこともあるのでフォームをストリクト(正しく厳格に)に行わないと他の部位に刺激が流れてしまい、効率的に鍛えられなくなってしまうのです。
いくつかコツはありますが、肩を鍛える時に最も重要なのは「肩をすくめない」ことでしょう。
肩をすくめて筋トレを行ってしまうと刺激が僧帽筋に逃げやすく、効率的に肩を大きくすることができません。
もちろん僧帽筋を鍛えたいのであれば肩をすくめるやり方もあるのでフォームの使い分けはしっかり意識した方がいいですね。
肩の筋トレのコツと注意点②負荷を抜かないようにする
筋トレ初心者の方の中にはサイドレイズなどを行う際、ダンベルを両足にくっつくほど下ろしている人がいますが、ダンベルを完全に下げ切ると肩から負荷が抜けてしまいます。
肩はあまり重量を扱える部位ではないので、一つ一つのフォームをしっかり厳密に常に負荷を掛け続けるように行うことが重要です。
肩の筋トレのコツと注意点③ねちっこく追い込む
肩の筋肉は日常的にあらゆる動作に使っているためけっこう負荷に強い部位でもあります。ふくらはぎなんかもそうですね。
そのため筋トレの目安と言われている一つの種目10回×3セットでは慣れてくるとあまり効かなくなってくるのです。
なので肩トレは基本的に重量を比較的軽めにし、高回数を何セットも何セットもねちっこく行って追い込んでいくやり方がメインになります。
肩の筋トレのコツと注意点④たまにメニュー順を変える
上記の通り方は比較的負荷に強い部位です。
そのためいつも同じメニュー、重量、回数で行っていると筋肉が刺激に慣れてしまいます。
そういった場合はたまにメニューの順番を入れ替えたり、重量や回数を変えてみたりしましょう。
例えばいつもショルダープレス→サイドレイズという順番で行っているのであればいつもより重い重量でサイドレイズから始めてみるのです。
基本的には上記の通りサイドレイズなどは低負荷で回数多めに行うのですが、1ヵ月に1回くらいこのような工夫をすると筋肉に新鮮な刺激が入るのでおすすめですね。
メニュー時間などは↓の記事もご参考下さい。
https://magazine.steadyjapan.com/kintore-faq/hosomaccho-kintorezikann-innta-baru.html
肩の筋トレのコツと注意点⑤肩は怪我をしやすい!
肩の筋トレを行う際は怪我などに注意しましょう。
野球選手などもしょっちゅう怪我をしていますが、肩はけっこう複雑な構成をしており筋トレなどで怪我をしやすい部位です。治るのに時間が掛かる場合もありますね。
そのため筋トレ前のストレッチは欠かさずに行い、ごく軽い負荷で行うウォームアップセットを作るなどケアを忘れないようにしましょう。
ストレッチのやり方はたくさんありますが、おすすめはフォームローラーを使ったストレッチです。
フォームローラーは筋肉を包んでいる膜「筋膜」をほぐしてくれる効果があり、筋肉に柔軟性を取り戻してくれる「筋膜リリース」が行えます。
筋トレ前や後、寝る前などに筋膜リリースを行っておくといいでしょう。
肩のストレッチやフォームローラーについては↓の記事もご参考下さい。
肩幅を大きくする筋トレメニュー
肩幅を大きくする筋トレメニュー①ダンベルショルダープレス
【ダンベルショルダープレスのやり方】
- 椅子やベンチに座る
- ダンベルを持って両耳の横辺りに構える
- 真上、もしくは若干ハの字になるような軌道でダンベルを押し上げる
- 元に戻す
- 3~5を繰り返す
ショルダープレスは三角筋(特に前部)の他に上腕三頭筋、僧帽筋などにも若干刺激が入る「コンパウンド」種目になるため、比較的扱える重量の低い肩のトレーニングにしては重い重量を扱えるメニューです。
ただしあくまでメインは三角筋になるためダンベルを上げる時に「肩をすくめない」意識、あくまで肩のみを動かしてダンベルを上げるんだという意識を強く持ち、できるだけ僧帽筋の関与は抑えるようにしましょう。
またダンベルを肘が伸び切るまで上げてしまうと三角筋から一旦負荷が抜けてしまうので肘が伸び切らない程度の高さに上げるのもポイントですね。
最初は10回×3セットで限界が来るくらいの重量で始めてみましょう。
ショルダープレスについては↓の記事もご参考下さい。
肩幅を大きくする筋トレメニュー②アーノルドプレス
【アーノルドプレスのやり方】
- 椅子やベンチに座る
- ダンベルを持って両耳の横辺りに構える
- 真上、もしくは若干ハの字になるような軌道でダンベルを押し上げる
- 戻す時に手の甲を捻る
- 3~4を繰り返す
アーノルドプレスも肩のプレス系メニューになります。
かの名優かつ名ボディビルダーだったアーノルド・シュワルツェネッガーが好んで行っていたことからアーノルドプレスと呼ばれています。
ダンベルショルダープレスとの違いはなんといってもダンベルを下ろす時の手首の捻りですね。
手首を捻る動作を加えることでボトムポジションにて三角筋前部がより収縮されるためパンプアップ向きのメニューだと言えるでしょう。
ただしボトムで収縮の負荷が加わる分通常のショルダープレスより重量は扱えません。
まずはショルダープレスで扱っている重量の60%くらいを目安に取り組んでみましょう。
肩幅を大きくする筋トレメニュー③サイドレイズ
【サイドレイズのやり方】
- ダンベルを持って脚を肩幅程度に開く
- 少し体を前傾させる
- 肘を少し曲げる
- 真横もしくは少し前に放り投げるようなイメージで腕を開く
- 元に戻す
- 4~5を繰り返す
サイドレイズは三角筋中部を鍛えられるアイソレート系のメニューです。肩のトレーニングと言えばこれのイメージが強い人もいるのではないでしょうか。
コツは「肩をすくめないこと」、「腕を上げ過ぎない、または下げ過ぎないこと」と「肘を少し曲げること」です。
上記の通りサイドレイズで肩をすくめてしまうと僧帽筋に負荷が逃げますので肩は下げたまま三角筋の動きで腕を開いていきます。
またはダンベルが肩より上に上がったり、または逆に下に下げ過ぎてしまうと三角筋から負荷が抜けますので負荷が継続的にかかるような位置を上下させましょう。
さらに肘を伸ばしたまま行うと肘に負荷がかかり、痛めてしまう可能性もあるので肘はちょっとだけ曲げるのがコツですね。
上記の通りサイドレイズはねちっこく三角筋を追い込むためのメニューですのでショルダープレスなどを行った後15回くらいできる軽い重量で4~5セット行うのがおすすめですね。
ただしこれも上記の通りたまには重い重量でやってみたり、ショルダープレスの前にやってみたりするのもおすすめです。
サイドレイズに関しては↓の記事もご参考下さい。
https://magazine.steadyjapan.com/parts/shoulder/sideraise-sholder.html
肩幅を大きくする筋トレメニュー④フロントレイズ
https://www.youtube.com/watch?v=I4ALiAroAjA
【フロントレイズのやり方】
- ダンベルを持って脚を肩幅程度に開く
- 少し体を前傾させる
- 肘を少し曲げる
- ダンベルを体の前にセット
- 三角筋を収縮させるようにダンベルを上に上げる
- 元に戻す
- 5~6を繰り返す
両腕を前に構えて行うのがフロントレイズになります。
サイドレイズと比べて三角筋前部へ刺激が入りやすいのが特徴的ですね。
コツも基本的にはサイドレイズと一緒です。
肩幅を大きくする筋トレメニュー⑤リアレイズ
【リアレイズのやり方】
- ダンベルを持って肩幅程度に足を広げる
- 上体を床と平行になるくらい倒す
- 少しだけ肘を曲げる
- 羽を広げるように腕を開く
- 元に戻す
- 4~5を繰り返す
前部、中部にたいして鍛えにくい三角筋後部を鍛えられるのがリアレイズです。
コツはサイドレイズ、フロントレイズに共通するポイントの他、「肩甲骨を開いたまま動作を行う」ことが重要です。
肩甲骨を動かしてしまうと広背筋や僧帽筋に刺激が流れがちなのであまり肩甲骨は動かさないという意識を持ちましょう。
なお、ここでは上体を前傾させて行うベントオーバーリアレイズを紹介していますが、ベンチに寝て行う方法や座って行う方法、マシンを使って行う「リアデルト」というやり方もあります。
正直三角筋後部のトレーニングの効き方は個人差も大きいので自分に合ったフォームややり方を見つけることが大切ですね。
肩幅を大きくする筋トレメニュー⑥アップライトロウ
【アップライトロウのやり方】
- バーベル(ダンベル)を順手(手の平が自分側)で持ち、脚は肩幅
- 肘を張りながらダンベルを持ち上げる
- 肩と水平になるくらいまで上がったら元に戻す
- 2~3を繰り返す
アップライトロウ(アップライトローイング)は僧帽筋、三角筋、ローテーターカフなどを鍛えることができるメニューになります。
コツは腕ではなく「肘を上に張り出すことでバーベル(ダンベル)を上げるイメージ」を持つことですね。
バーベルでもダンベルでも行うことができますが、バーベルには重い重量を扱いやすいというメリットが、ダンベルには可動域を広く取りやすいというメリットがあります。
また僧帽筋に刺激を入れたいなら体の近くで、三角筋に刺激を入れたいなら体から離して行うといったように動作を行う位置で刺激が入りやすい部位が変わります。
10回~12回を3セットできるような重量で始めてみましょう。
アップライトロウに関しては↓の記事もご参考下さい。
肩の筋トレにおすすめのグッズ
肩の筋トレにおすすめのグッズ①フォームローラー
比較的怪我をしやすい肩のため、フォームローラーで筋膜リリースを行いましょう。
肩以外にも全身の筋膜に対して使えるので肩こりに悩まされている人や足腰に不安を抱えている人、なんだか最近疲れやすい・・・という人にとてもおすすめです。
肩の筋トレにおすすめのグッズ②リストラップ
リストラップは手首に巻き付けるタイプのトレーニングギアで手首の負担を軽減してくれます。
特にショルダープレスやアーノルドプレスはある程度重量が扱えるようになってくると手首に負担が掛かりやすいので高重量を扱う場合はリストラップがおすすめですね。
リストラップに関しては↓の記事もご参考下さい。
肩の筋トレにおすすめのグッズ③プロテイン
筋肉を肥大させるためにはタンパク質が欠かせません。
筋肉を肥大させるためには1日に体重×1.5倍以上のタンパク質が必要とされていますが、これを食事から全て摂取しようとすると大変なので手軽に飲むことができるプロテインの存在は大きいですね。
プロテインに関しては↓の記事もご参考下さい。
まとめ
ここまで紹介してきたように、肩の筋トレはフォームの注意点や怪我のリスクなど各部位の筋トレの中でも難しさのある部位ですが鍛えることによるメリットはとても大きいです。
見た目という意味でも、身体機能という意味でも重要な部位になるので筋トレを全くやったことがない人も、筋トレはしているけど肩を重要視していなかった人も一度肩のトレーニングの重要性を再確認してみてはいかがでしょうか。
肩の筋トレに関しては↓の記事もご参考下さい。
ilohas834
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