リストラップは、手首に巻き付けるベルトのようなギアの一種です。
手首を補強することで、高重量トレーニングのさいに安定感を増せたり、手首の怪我を防いだり、より重い重量を扱えたりできるようになります。
結果的にトレーニング全体の質を向上でき、より高強度なトレーニングの実現が可能になるのですね。
そのため、筋トレを日常的に行っている方には非常におすすめです。
今回はリストラップに関しての基礎知識・巻き方・おすすめ商品の紹介まで、解説していきます。
この記事の目次
リストラップの基礎知識
リストラップ「wrist wrap」とは、手首に巻き付ける形のサポーターで、トレーニングギアの一種です。
活躍するのは、基本的に「押す」動作が必要なトレーニング種目。
いわゆる「プレス系種目」や「プッシュ系種目」と呼ばれるタイプの筋トレに使用することで、より安全かつ効果的にトレーニングを実践できます。
プレス系種目の代表的なトレーニングと言えば、ベンチプレスです。
ベンチプレスでは、高重量になればなるほどバーべルを支える手首にかかる負担が増し、手首が反りやすくなってしまいます。
この状態を「手首の過伸展」といい、手首を痛める原因になります。
また、手首を安定させるために必要な前腕の力が弱かったり疲労したりしている状態だと、手首がブレて挙上するための力がうまくウェイトに繋がらず、本来持っている筋出力を発揮できません。
リストラップは、手首全体を囲うようにラップを巻き付けることで、手首の可動域をあえて制限。
手首が過伸展しすぎないように固定できます。
これにより、高重量のウェイトを扱うさいでも必要以上に手首が反るのを防止し、手首のブレを抑制できるのですね。
結果的に力をダイレクトにウェイトに繋げられるようになり、手首の怪我リスクを回避できます。
リストラップの種類は基本的に2つ
リストラップのタイプ別にそれぞれの特徴を理解し、自分にあったリストラップを選んでいきましょう。
- 適度な伸縮性があり、柔軟性のある柔らかいタイプ(コットン製)
- 伸縮性があまりなく、柔軟性のあまりない硬いタイプ
まず、柔らかいタイプは、素材自体に伸縮性と柔軟性のあるリストラップです。
手首の可動域をある程度活かせるホールド力なため、プッシュ系種目やウェイトリフティング種目だけでなく、それ以外のトレーニング全般に活用できます。
しかしその反面、手首の可動域を強く固定するほどの硬さがないため、高重量のベンチプレスなどでは手首のホールド力に不足を感じるでしょう。
100kg以上を扱えるのであれば、より硬いタイプのリストラップがおすすめです。
一方、硬いタイプのリストラップは伸縮性がほとんどありません。
素材自体が硬いため、手首に巻きつけた後は手首の角度を変えられないくらい強いホールド力で固定されます。
そのため、動作の中で自然な手首の動作を必要とするトレーニング種目の場合にはおすすめできません。
ただし、動作中に手首の角度をあまり変える必要のないプレス種目(ベンチプレス・ショルダープレスなど)では、より安全よりハイパフォーマンスなトレーニングができるでしょう。
リストラップのデメリットも確認しよう
デメリットについても、ここで確認していきましょう。
リストラップのデメリットは、リストラップに頼りすぎてしまうと手首の屈曲動作や伸展動作に必要な力が弱ること、そして手首の柔軟性が低くなるという点です。
というのも、基本的に通常のウェイトトレーニングでは、その重量をコントロール・制御する必要があります。
リストラップなしでトレーニングをすれば、対象筋以外にも補助筋として必要な「前腕筋」を鍛えられたり、手首の柔軟性を高めたりもできるのですね。
しかし頻繁にリストラップを使用すれば、その副次的な効果が無くなってしまうのです。
結果、高重量を扱うトレーニングを行う度にリストラップに頼らなければいけなくなってしまいます。
もしリストラップを使わずにいつもの高重量に取り組めば、前腕や手首はその重量に慣れていないうえ扱えるだけの筋力がなく、怪我に繋がるでしょう。
そのため、リストラップに頼りすぎることもおすすめできません。
さらにありがちな間違いの一つが、怪我をしたためにかばう目的でリストラップを使用すること。
本来であれば、怪我を完治させてからトレーニングを行うべきでしょう。
リストラップを使用してまで無理なトレーニングを行うのは、最も避けなくてはなりません。
リストラップの適切な巻き方
では、リストラップの適切な巻き方についてです。
リストラップを使用している方で、誤った巻き方で使用している方が実はたくさんいます。
適切な巻き方で使用しないと、本来持つ効果を発揮できないどころか怪我やパフォーマンスの低下に繋がります。
以下は、2010年に世界ベンチプレス82.5kg以下級で1位となった藤田氏によるリストラップの巻き方解説動画です。
【リストラップの巻き方】
- 初めにサムループと呼ばれる輪の部分に親指を通す
- このさい、適度なテンション(引っ張りながら)を掛けながら手首に巻く
- 手首には、基本的にラップが重なるようにしてズレないじょうに注意しながら巻き付ける※サムループに通さずに、手で押さえながら巻くことも可能
- 巻き付ける方向は、基本的に内側
- 手首の位置は関節の中央部分
- 巻き付けた後、手首の伸展・屈曲動作に制限があれば適切な巻き方ができているという判断でOK
リストラップの効果的な使用方法5つのポイント
ここからは、実際に使用するうえでのポイントや注意点について、解説していきます。
リストラップを効果的に使用するためにも、しっかりと確認するようにしましょう。
- 正しい位置で巻き付ける
- 適切なリストラップを使う
- 可動域や柔軟性のカバーのためには使わない
- 正しいフォームの取得は絶対
- ウォームアップでは使用しない
リストラップのポイント①正しい位置で巻き付ける
リストラップの持つホールド力を最大限発揮させるためには、正しい位置で巻き付けなければなりません。
よくありがちな誤ったリストラップの巻き方は、手首の下に巻いてしまうこと。
しかしこれでは肝心な手首を覆うことができないため、リストラップの意味がなく、結果的に怪我をしてしまう恐れがあります。
またもう一つある間違いは、ラップを巻き付けるさいにズレて巻くことです。
ラップが綺麗に重なるようにして巻き付けることで、リストラップが持つホールド力を発揮できます。
しかし、巻き付けるさいに重なるところがズレてしまうと、そのホールド力にムラが出て、効果が半減するのですね。
正しい巻き方について、先ほどの動画解説をしっかりと確認するようにしましょう。
リストラップのポイント②適切なリストラップを使う
リストラップは先ほど解説したように、異なる2種類のタイプが存在します。
- 動作中に手首の角度を変える必要がある種目・手首の柔軟性を要するトレーニング種目
- スナッチ・ハイクリーン・クリーン&ジャークなど
- バーベルカール・ダンベルトライセプスエクステンションなど
- 伸縮性のある柔軟なリストラップがおすすめ
- 動作中に手首の角度を変える必要のない種目
- ベンチプレス・ショルダープレス・ダンベルベンチプレスなど
- 伸縮性のない固めのリストストラップがおすすめ
- ベンチプレス・ショルダープレス・ダンベルベンチプレスなど
筋トレの目的に合ったリストラップを活用してくださいね。
前述したように、伸縮性のある柔らかいタイプのリストラップに関しては、そのほかのトレーニング種目全般に活用できます。
手でウェイトを扱う種目(主にアイソレーション種目)はすべて、少なからず手首の関節や前腕筋が関与します。
柔らかいタイプは適度に手首をサポートしつつある程度の手首固定が可能なため、アイソレーション種目で活用すれば、より安全に筋トレが可能です。
ちなみ余談ですが、パワーリフティングでよく行うベンチプレスのパワーフォームでは、動作中にあえて手首の角度を変えて挙上するテクニックがあります。
このとき使用するリストラップは硬い伸縮性のないタイプですが、この硬さを反発力として活用し、より挙上力を高めるのですね。
リストラップのポイント③可動域や柔軟性をカバーするために使わない
リストラップを使用している方の中にはさまざまな理由で使用している方がいます。
たとえば手首の可動域がきつくなったり痛みを感じたりする場合に、その対処にリストラップを使う方がいるのですね。
これは、根本的な解決法にはなりません。
このような問題をお持ちの方のほとんどは、下半身・上半身の可動性や柔軟性が低いことが影響しています。
可動性をカバーするために他の部位・関節に通常以上の負荷がかかってしまうことが原因の一つなので、リストラップをつけても何もなりません。
もちろん、リストラップの使用で手首への過度な負荷を軽減できるでしょう。
しかし肩関節や肩甲骨の柔軟性の悪さに対する根本的解決ではありませんよね。
根本的解決のためにはストレッチなどにしっかりと取り組むことが大切です。
リストラップを過信しないようにしてください。
リストラップのポイント④正しいフォームの習得は絶対
1番注意しなければいけないポイントは、適切かつ正しいフォームで動作できることが大前提で、補助としてリストラップを使うということです。
誤ったフォームだから軽い重量でも手首が痛くなっているのに、痛いからとリストラップを使用するのはやめましょう。
適切なフォーム・テクニックで動作することを無視していれば、いつまでたっても適切で正しフォームでの取り組みができず、手首や前腕筋の筋力も鍛えられません。
リストラップはあくまで、「補助」するためのトレーニングギア。
大前提には正しいフォームでの取り組みがあります。
リストラップのポイント⑤ウォームアップでは使用しない
リストラップを使用するときは、高重量のウェイトを扱うときのみ。
基本的に、それ以外のトレーニングには使用しないことがおすすめです。※軽い重量のトレーニングでも手首には負荷がかかるため、その負荷が影響する場合は、常に装着してもOK
ウォームアップでは、手首や前腕の可動性と柔軟性を高める必要があります。
そのため、ウォームアップのさいにギアを使用してしまうと、逆効果です。
高重量を扱う場合、柔軟性が高い方がより高い筋出力を発揮できるため、しっかりと手首の柔軟性を保つことが大切。
気を付けましょう。
手首は痛めやすい関節である
手首は人体を構成する関節の中でも、非常にデリケートな関節です。
それは、手首の関節は複数の骨によって複雑な構造で構成されているから。
複雑な構成をしているからこそ、手首は人体の関節の中でもかなり自由に動かすことができるのです。
しかし、自由に動かすことのできる複雑な構造ゆえ、手首の関節は痛めやすいもの。
プレス系種目(ベンチプレス・ダンベルプレス・ショルダープレスなど)を行う場合は手首が反る方向に力が加わりやすく、関節を痛める原因となります。
また、手首の関節の周辺には腱や靭帯が多く存在しています。
腱や靭帯には基本的に伸縮性はないため、筋トレの負荷によってダメージが受けやすくなってしまいます。
もし、手首の痛みが長引いていて痛みが取れない場合は、専門の医者に診ていただいてくださいね。
リストラップとリストストラップ:混合しやすい2つの違いは?
よく、リストラップとリストストラップの違いについて混合してしまう方がいます。
この2つの違いをしっかりと理解して、自分のトレーニングにどんなギアが必要なのか、ここで確認していきましょう。
- リストラップ
- 手首を補強するトレーニングギア。主に「プレス系種目」や「プッシュ系種目」などといった「押す動作」の要するトレーニング種目で手首の過伸展や手首への過剰な負荷から手首を守るために使用する。
- リストストラップ
- 手のひらの握力を補助するトレーニングギア。主に「プル系種目」や「ローイング系種目」と言った「引く動作」のトレーニング種目で手のひらの握力を補助してくれる役割がある。
- 例えば、デッドリフトで100kg以上を扱うさいは、どうしても筋肉の出力が他の筋肉と比べて小さい前腕筋が疲労してしまいう。疲労すると、対象筋となる背中の筋肉を鍛えられなくなってしまうため、リストストラップをでバーベルと手のひらを固定するように巻き付け、握力のサポートを受ける。
2つのギアは名称こそ似ているものの、使用するシーンは全く別物です。
押す動作にはリストラップ、引く動作にはリストストラップということを覚えておきましょう。
リストラップ+グローブが合わさったギアもある
リストラップとグローブのハイブリッドタイプのギアも存在します。
グローブは、ダンベルやバーベルの利用時に手のひらを保護する役割を持つもの。
バーベルやダンベルのグリップ部分は滑り止めのため、鋼鉄製のギザギザとしたものがほとんどであり、手のひらが荒れてしまいやすいです。
また、手のひらが荒れやすいだけでなく、手のひらに「マメ」もできるでしょう。
特に女性の方、手のひらにマメを作らずに手首も守ってほしい、という方に非常におすすめです。
女性で手首が細い方は痛めやすいため、手のひらと手首を同時に保護・補助してくれるトレーニングギアを活用しましょう。
おすすめのリストラップ3選
では、メーカー別におすすめのリストラップについて紹介していきます。
それぞれ異なる特徴を持つため、目的に合ったリストラップを確認していきましょう。
①Schiek(シーク)リストラップ
Schiek(シーク)は名実ともに有名なトレーニングギアのメーカーです。
長さは2タイプ、12インチ(30cm)と24インチ(60cm)があります。
基本的に男性の場合は60cm、そして女性の場合は30cmがおすすめです。
リストラップはラップ自体が長いとそれだけ重ねて巻き付けられるため、手首の補強にもってこいで、より高重量を扱いやすくなります。
”リストラップといえばシーク”なんて言われるくらい信頼度の高い製品ですが、その使い心地は確かに良好です。
適度な柔軟性と伸縮性をもつため、手首への負荷を軽減させながら自然な手首動作ができます。
ボディメイク系のトレーニング種目を行う場合は、圧倒的にシークのリストラップがおすすめです。
しかしながら、BIG3などの多関節種目を行う場合、100kg以上の重量を扱えるようになると、シークのリストラップでは少々頼りなく感じるかもしれません。
そのため、ボディメイク系はシーク、BIG3などの高重量トレではより硬めのリストラップをおすすめします。
②GOLD’S GYM(ゴールドジム)リストラップ
世界一のフィットネスジムで有名なゴールドジムのリストラップ。
信頼できるブランドのリストラップが欲しいのであれば、この製品は非常におすすめです。
使った感覚は分厚いラップですが、シークと同様に適度な柔軟性と伸縮性があるため、ボディメイク系のトレでは効果絶大。
しかしこちらも同様に高重量を扱うトレーニングではやや頼りない印象があるのですね。
つまり、ボディメイクトレを目的として信頼性の高いリストラップをお求めの場合には、おすすめです。
③SBDリストラップ
SBDはIPF(国際パワーリフティング協会)に公認されている信頼性の高いパワーリフティングギアのメーカーです。
「フレキシブル」タイプと「スティッフタイプ」の2つが販売されており、フレキシブルタイプが伸縮性と柔軟性に優れたタイプのリストラップになります。
スティッフタイプのリストラップは非常に硬い素材で作られているのが特徴で、もはや板を手首に巻き付けているんじゃないかと思うくらい硬く丈夫なリストラップです。
スティッフタイプは完全に手首が固定されてしまうため、基本的にはBIG3種目以外での使用は難しいでしょう。
また、ラップが肌に馴染むまではかなり硬いので、手首の皮膚が痛くなるほどです。
リストラップが活躍するトレーニング種目について
ここからは、実際にリストラップを活用するトレーニング種目について、解説していきます。
バーベルベンチプレス
ベンチプレスは、バーベルを胸の上で押し上げて大胸筋(胸)・三角筋前部(肩)・上腕三頭筋(腕)を鍛えられるトレーニング種目。
BIG3と呼ばれる全身運動種目のうちの一つで、上半身の前面全体に非常に効果的です。
多くのトレーニーの間で取り組まれているトレ―ニング種目でもありますよ。
バーべルを胸の上で「押す動作」を行うため、バーべルを保持する手首に負荷が加わりやすいのですね。
そのため、ベンチプレスではリストラップを活用して行うことがおすすめです。
【やり方】
- バーベルに適切な重量のウェイトを装着する
- トレーニングベンチに仰向けになり、肩幅の1.5倍程度の広さで握る
- バーベルを胸の上に移動し、スタートポジションは完成
- バーベルをおろすさいに手首が反りすぎないよう、手首を立てる意識を持つ
- この状態から、胸のみぞおちの上あたりにバーベルをおろしていく
- 胸を大きく張ることを意識し、張ったまま動作することを意識する
- 胸の上にバーベルが触れたら、バーベルを勢いよくスタートポジションの位置まで挙上する
- 上記の動作を繰り返し行う
リストラップを使用することで、手首にかかるバーベルの負担を軽減させることができます。
このベンチプレスについて、より詳細な情報が知りたい方は、下にある記事も合わせて確認しましょう。
ダンベルベンチプレス
ダンベルベンチプレスは、大胸筋の有名なトレーニング種目。
バーべルではなくダンベルを利用することで、バーベルよりも広い可動域を意識したトレーニングが可能になります。
筋トレで大切なことは「対象となる筋肉の最大伸展・最大収縮を行う」ということ。
筋肉にしっかりと負荷をかけながら十分に収縮させることで、効果的な刺激を与えられます。
そのため、バーベルよりも広い可動域を活かすことができるダンベルベンチプレスは、非常に効果的な種目といえるでしょう。
しかし、広い可動域を活かせる反面、ダンベルはそれぞれのウェイトが独立しているため、コントロールが難しいのですね。
バーベルベンチプレスに比べて、扱える重量が低くなってしまうというデメリットもあります。
また、独立している分、手首への負荷も高まるため、リストラップでしっかりと手首を補強することが大切です。
【やり方】
- ダンベルを両手に持った状態で、トレーニングベンチに仰向けになる
- ダンベルを胸の上に挙上して、スタートポジションは完成
- 次に、ダンベルをおろしていくさいに手首が反りすぎないよう、手首を立てる意識を持つ
- この状態から、胸のみぞおちの横あたりにダンベルをおろす
- しっかりと大胸筋のストレッチを感じたら、ダンベルをコントロールしながらスタートポジションの位置まで挙上していく
- 上記の動作を繰り返す
ダンベルはバーベルのように一本の棒ではなく、それぞれのウェイトが独立しています。
結果的により手首に負担がかかりやすいため、リストラップを使用することで、手首にかかるダンベルの負担を軽減させましょう。
ショルダープレス
ショルダープレスは、肩(三角筋)に強烈な負荷を与える肩を鍛えるのに最適なトレーニング種目です。
トレーニングベンチの背もたれ部分を垂直より少し斜めになる角度に設定した状態で座り、頭上高くにダンベルを挙上していきます。
肩(三角筋)以外にも、ダンベルを挙上するさいに起こる肘の伸展動作により、「上腕三頭筋」も同時に鍛えられますよ。
また、ショルダープレスはバーベルやスミスマシンを利用して行こなえるうえ、それぞれ異なる特徴をもつため、トレーニングの目的に合わせてバリエーションの変化が可能です。
ここでは、ダンベルを利用したショルダ―プレスのやり方について解説をします。
ただし、スタートポジションでは肩の上にダンベルを保持する必要があり、高重量のダンベルではそもそもスタートポジションまでダンベルを持ち上げることが難しく苦戦する方も多いため、そのテクニックについても合わせて解説しましょう。
【やり方】
- トレーニングベンチの背もたれを垂直よりも斜めの角度に設定して座る
- ダンベルを両手に持ち、膝の上に立てておく
- この姿勢から、片方ずつ膝を蹴り上げるようにしてダンベルを持ち上げていき、肩の上で保持する
- 高重量のダンベルの場合では腕の力のみで持ち上げることが難しいため、「オン・ザ・ニー」というテクニックを駆使して肩の上まで持ち上げていく
- 腕の力ではなく、脚の力を意識してダンベルを肩の上まで持ち上げる
- 肩の上でダンベルを保持したら、スタートポジションは完成
- この状態から、頭上に向かってダンベルを挙上する
- ダンベルを持つ両手がブレやすいため、しっかりと腹筋に力を入れ、体幹を引き締めておく
- ゆっくりと重力に抵抗するようにダンベルをスタートポジションまでおろす
- 上記の動作を繰り返し行う
サイドレイズ
サイドレイズは、レイズ系とよばれる部類のトレーニング種目です。
肩を鍛える種目として優秀なサイドレイズは、体の真横にダンベルを握った両手を開いていくようにして三角筋側部を鍛えていく、単関節運動種目(アイソレート種目)です。
サイドレイズでは、今まで紹介してきたプレス種目と比べると、軽いダンベルを使用します。
しかし、動作の中でダンベルを握った手の甲が上を向いた状態になるため、手首には自然と負担が加わるのですね。
そのため、サイドレイズでもリストラップを利用して手首を補強することが望ましいでしょう。
【やり方】
- ダンベルを順手で握り、直立した姿勢で体の側面にダンベルを位置させ、腕は地面方向に伸ばしておく
- 肘は気持ち軽く曲げ、肘の角度を固定したまま、体の側面に向かって両手を開いていく
- このさい、ダンベルを持ち上げようと意識するのではなく、肘から上げる意識を持つと三角筋に適切な負荷が加わる
- 肩と同じくらいの高さまでダンベルを持ち上げたら、重力に抵抗するようにしてゆっくりとダンベルを元の位置までおろしていく
- 動作中は常に、肘の角度を変えないよう固定し、肩関節の動作のみで行う
- 上記の動作を繰り返し行う
バーべルスクワット
「キング・オブ・トレーニング」と称されるほど、全筋トレ種目の中でも最も効果的なトレーニングがバーベルスクワットです。
バーベルスクワットは主に下半身全体を鍛える種目。
しかし、バーべルを担ぐときや、姿勢を維持するために必要となる腕・肩・背中・体幹をも同時に鍛えられるため、この1種目で同時に鍛えられる筋肉群が非常に多いのですね。
その効果は計り知れません。
「下半身を鍛えるのに、リストラップが必要なの?」と感じる方もいるかもしれませんが、実はバーベルスクワットでこそリストラップは重要です。
軽い重量のバーベルであればリストラップなしでも問題はないでしょう。
しかし、100kgを超えるあたりからはバーベルを保持する手首にも相当な負荷が加わります。
また、バーベルを置く位置にいくつかのバリエーションがあり、ローバー(肩の下あたりにバーベルを置く)タイプのスクワットの場合、バーベルを担ぐ位置が通常のスクワットに比べてより低い位置になるので、さらに手首に負担がかかりやすいのです。
手首を痛めてしまい、トレーニングに取り組めなくなってしまうトレーニーもいますよ。
慎重さが必要です。
【やり方】
- パワーラック内にあるラックにバーベルを置く
- バーベルに適切な重量のウェイトを装着する
- ラックに置いてあるバーベルにを担ぐ
- 肩の上、僧帽筋のあたりにバーべルを担ぎ、痛くないところを探す
- バーべルを握る位置は、肩幅よりすこし広めに握る
- その状態から膝を伸ばし、ラックアップしてバーベルを完全に体で支える
- ラックアップしたら、ラックが触れない位置に移動する必要があるため、半歩分後ろに移動する
- 移動するときは両脚3歩で移動するようにすると、無駄なエネルギー消費を抑えられる
- 足幅は、肩幅より気持ち広めに立つ
- これでスタートポジションは完成
- この姿勢から、股関節→膝の順番で腰を落としていく
- このとき、極端に膝が前に出ないように注意し、腰を引きながら落とすイメージで行う
- 太ももが床と平行になる位置程度まで腰を落としたら、元の位置まで勢いよく挙上していく
- 動作中はバーベルを持つ体がブレやすくなるため、しっかりと腹筋に力を入れ、体幹を引き締めておく
- 上記の動作を繰り返し行う
スクワットは、筋トレ効果の非常に大きい種目です。
より詳細な情報を知りたい方は、下にある記事も合わせて確認しましょう。
かっこいい体になるためにおすすめなプロテインとサプリメント
本気でいい体を手に入れたい!という方は、プロテインとサプリメントの摂取がおすすめです。
体の栄養を考えたとき、日常の食事が基本で一番大切なものになります。
しかし、なかなか食事だけでは必要な栄養素を確保できないのが現実だと思うので、栄養素を「補う」という意味合いで摂取していきましょう。
おすすめプロテイン:ゴールドスタンダートのホエイプロテイン
おすすめのプロテインは、ゴールドスタンダードのホエイプロテインです。
ホエイとは、プロテインの中で最も知られている商品。
消化が早く素早く体内に吸収されるのが特徴です。
牛乳を濾過して、乳清(ホエイ)のみを粉末にしたものを指し、最近では様々なフレーバーも登場し大変飲みやすくなっていますよ。
他のプロテインと比べても吸収力に優れているために、筋トレした直後に飲むことがおすすめ。
吸収の速さはおそよ2時間と言われています。
おすすめサプリメント:HMB
HMBとは、現在注目されている新しいサプリメントです。
数多くの研究により筋肥大へのサポート力が高いと言われていますよ。
ロイシンから生成される代謝物だけで構成されているのがHMBです。
ロイシンは筋肉合成の活性に期待できるので、筋肥大を目標にしている方にとってはありがたいサプリメントですね。
筋トレ初心者こそ、より実感しやすいでしょう。
HMBの摂取方法ですが、1回当たり1gを1日に最大3g摂取することがおすすめです。
得られるサポートに持続性がないため、1日3回に分けて摂取する必要があります。
HMBで期待できるサポート内容
- 筋肉の成長を促進
- 筋肉分解(カタボリック)の予防
- 回復促進
HMBサプリメントについて詳しく知りたい方は下記記事も合わせて確認しましょう!
おすすめサプリメント:BCAA
おすすめのBCAAサプリメントは、エクステンドから出ている商品です。
BCAAとは、必須アミノ酸の中でも特に重要なアミノ酸が含まれているサプリメント。
筋肉の合成促進へのサポートが期待できますよ。
飲むタイミングは運動前後や運動中がおすすめですが、実感するには飲んでから30程時間が必要です。
筋トレ前に飲む場合はタイミングに気をつけましょう。
他にもある、筋トレの効果を高めてくれるサプリメントについては、下にある記事を合わせて確認していきましょう!
パワーグリップについて
ついでに「パワーグリップ」というトレーニングギアについても解説しましょう。
パワーグリップはリストストラップと同様に「プル系種目」や「ローイング系種目」の握力補助のために使用するアイテムです。
リストストラップとパワーグリップの最大の違いは「セットアップの容易さ」。
リストストラップの場合、バーベルにべロ部分を巻き付けるのにある程度の慣れが必要です。
うまく巻き付けられないと、そのサポートを上手に使えません。
その点、パワーグリップは簡単です。
手首部分から伸びている大きく短いベロをバーベルを挟み手のひらに巻き付けることで、同様のサポートを得られます。
簡単に素早く装着できるのですね。
とは言え、実はパワーグリップは、高重量にはあまり向いていないというデメリットをもっています。
高重量で使い続けるとマジックテープやベロの付け根が消耗していき、手首のマジックテープがちぎれたり、外れたりしてバーベルが落下するケースもあるのです。
しかしリストストラップであれば、マジックテープではなく丈夫な革などの素材を輪に通している構造のギアのため、200kg以上のバーベルでも外れてしまう心配がありません。
超高重量トレーニングの場合は「リストストラップ」、超高重量は扱わず、使いやすくそれなりに握力を補助してほしい場合は「パワーグリップ」と覚えておくといいでしょう。
リストラップと同じくらい大切なギア! 高重量トレでも腰を守るトレーニングベルト
デッドリフトやスクワットなどの筋トレは、正しいフォームでも腰に負担がかかります。
関与する筋肉群が多く、またサイズの大きい筋肉であるため、使用重量が重くなって腰を痛めてしまうリスクも高くなります。
そんなときに必須なのが「トレーニングベルト」です。
トレーニングベルト(パワーベルト)は腰の保護だけでなく、腹圧を高めてくれるサポート力があります。
そのためベルトなしでの使用重量と比べ、より重い重量を扱えるのですね。
すべての筋トレ種目は必ず腰に負荷がかかるので、リストラップと合わせてぜひとも用意していただきたいギアです。
まとめ
今回は筋トレの頼もしい相棒であるリストラップについて、解説をしました。
筋トレを行ううえで、一番避けなくてはいけないことは「怪我」です。
誤ったやり方・フォームでの筋トレを続けてしまうと、対象となる筋肉以外の筋肉も使ってしまいます。
その結果、正しい負荷が対象筋に入らずに、いつまで経っても体に効果が表れない質の低いトレーニングになるのです。
また、それだけではなく、関節・腱・筋肉を傷めてしまう原因にもなるでしょう。
一度怪我をしてしまうと、完治までの間は怪我をした箇所が関与する部位を鍛えられず、体の筋肉量を失ってしまいます。
さらに他の部位の筋トレにも影響を及ぼす可能性もあるため、最低な結果となるのですね。
筋肉を増やすために筋トレを行って、怪我をして筋肉を失うなんて本末転倒!
正しいフォームを覚えることが、理想の肉体への一番の近道です。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない脅威だと理解しておきましょう。
そのためにも、しっかりとリストラップを活用し、安心安全なトレーニングを行ってください。
“No pain No gain”
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AKI
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