筋トレに取り組むさい、筋肉は大きく分けて「上半身・下半身」の2つに区別できます。
上半身は目線と同じくらいの高さに位置するため、人の目に最も触れやすい部位です。
男性であれば特に、かっこいい体を手に入れたいと考えた場合は「上半身の筋肉」を鍛えることが第一優先でしょう。
では、上半身にはどんな筋肉があって、どうやって鍛えるべきかご存じでしょうか?
今回は、上半身の中でも主要な筋肉8選についての名称・特徴・鍛えるべき理由・効果的な種目などについて解説します!
上半身を効果的に鍛えるためにも、まずはそれぞれの部位について確認してみましょう。
この記事の目次
上半身の主要な筋肉①大胸筋
大胸筋と言えば、胸を構成する筋肉の一つです。
上半身の前面に位置する大胸筋は、上半身の印象を左右する最も人の目に触れやすい部位。
ここがしっかり鍛えられていると格好良く見えますよね。
ボディメイク的観点からすると「分厚い胸板・たくましい大胸筋」は、それだけで「自信・信頼性・頼りがい」といった心理的効果にも期待できます。
大胸筋は服を着た上でもはっきりとわかります。
お腹に脂肪が乗っていても、服の上からは発達した大胸筋によって引き締まったように見得るのが特徴です。
大胸筋は大きく3つのパートに分けることができ、上部(インクライン)下部(デクライン)内側(インサイド)外側(アウトサイド)があります。
まさに”男らしさの象徴”と言える大胸筋は、体の前方に向かって腕を押し出したり、前方に向かって力を発揮するさいに作用する筋肉です。
大胸筋を鍛える! おすすめなトレーニング
大胸筋を最も効果的に鍛えるためには「肩関節水平内転」を引き起こすトレーニング種目がおすすめです。
たとえば次の2つがあります。
- バーベルベンチプレス
- ダンベルベンチプレス
コンパウンド種目に分類されるベンチプレスの後には、肩関節水平内転のみで取り組む「アイソレーション種目」で追い込みましょう。
それが最も大胸筋を効果的に鍛える流れです。
大胸筋の水平内転によるアイソレーション種目と言えば次の3つが代表的。
- ダンベルフライ
- バタフライ
- ケーブルフライ
コンパウンド種目である「ベンチプレス系」種目に取り組み、最後にアイソレーション種目である「フライ系」種目に取り組むのが最も効果的なトレーニングです。
上半身の主要な筋肉②三角筋
三角筋は、肩を構成する筋肉です。
上半身の中では「広い肩幅・大きな肩周り」を象徴する部位で、上半身の筋肉の中で高い位置にあります。
三角筋はそれぞれ前部・側部・後部の3つに分類できます。
- 肩の屈曲(腕を前に上げる動作)
- 肩の水平内転(水平に上げた腕を内側に絞る動作)
- 肩の内旋(肩前部にあるインナーマッスル)
特徴は、三角筋の体積は上半身の中でも最大であるため、筋トレによる効果が目に見えやすいこと。
ボディメイク的なメリットが大きい部位ですよ。
- 三角筋の体積は大きい
- 一つの筋肉としては、最も大きいお尻の筋肉「大臀筋」に次いで2番目の大きさを誇る
- 上半身の印象に大きく関与する
- 上半身の中でも最も高い位置にある筋肉で、左右にある三角筋が発達していると迫力のある上半身を強調できる
- 「逆三角形の上半身」「ウェストとの対比でお腹周りが細く見える」といった視覚的な効果がある
- 上腕の関節動作のほぼすべてに関与する
- 押す・引く・捻るといった腕を使った動作のほとんどに関与するため、日常生活やスポーツ競技などでもパフォーマンス向上に期待
三角筋を鍛える! おすすめなトレーニング
三角筋は「前部・側部・後部」と3つに分けられているため、それぞれの関節動作も異なります。
そのため、三角筋全体を鍛えるためには、それぞれの部位に効果的な種目に取り組まなくてはなりません。
三角筋をそれぞれの部位に分けて鍛える場合、下記の種目がおすすめです。
【前部】
- フロントレイズ
- ショルダープレス
【側部】
- ショルダープレス
- サイドレイズ
- アップライトロー
【後部】
- リアレイズ
- フェイスプル
- マシン・リアデルトフライ
上半身の主要な筋肉③上腕三頭筋
上腕三頭筋は上腕部の裏側に位置する筋肉で、上腕を構成する筋肉の「2/3」と大きな体積をもつ筋肉です。
名称の通りに「長頭・外側頭・内側頭」の3つに分類されており、この3つの部位をバランスよく鍛えることが大切。
腕の筋肉と言えば一般的に「力こぶ」とも呼ばれる上腕二頭筋が有名ですが、筋肉の体積が大きいのは上腕三頭筋です。
そのため「太くてたくましい腕・二の腕を引き締めて綺麗な腕」が欲しいといった場合に、上腕三頭筋を鍛えるのが最も効率的なのです。
上腕三頭筋は、肘を伸ばす動作である肘関節伸展のさいに主動筋となって作用します。
上腕三頭筋を鍛える! おすすめなトレーニング
長頭・外側頭・内側頭の3つからなる筋肉である上腕三頭筋を効率的に鍛えるためには、「長頭」と「外側頭・内側頭」の2つに分けて鍛えるのがコツです。
【長頭】
- 上腕を頭上に持ち上げた状態のまま肘関節伸展を行う種目の場合は、長頭に負荷の比重が高まる
- オーバーヘッドトライセプスエクステンションがおすすめ
【外側頭・内側頭】
- 上腕を体の下方向に伸ばした状態のまま肘関節伸展を行う種目の場合は、外側頭・内側頭に負荷に比重が高まる
- ダンベルキックバックとトライセプスプッシュダウンがおすすめ
【上腕三頭筋全体に効果的】
- 上腕が体に対して垂直方向に伸ばした状態のまま肘関節伸展を行う場合は、上腕三頭筋を全体的にバランスよく鍛えられる
- スカルクラッシャーやナローベンチプレスがおすすめ
上半身の主要な筋肉④上腕二頭筋
上腕二頭筋は上腕部の表側に位置する筋肉で、一般的には「力こぶ」と呼ばれる部位です。
上半身の中でも体積が小さいですが、たくましい腕を作る上では鍛える必要があります。
サイズは小さくも「力こぶ」はやはり、たくましく男らしい身体には必要ともいえる要素です。
そのため、ボディメイク観点からしてもとても重要な部位なのですね。
上腕二頭筋は、肘を曲げる動作「肘関節屈曲」のさい、主動筋として作用します。
上腕二頭筋を鍛える! おすすめなトレーニング
前述したように、上腕二頭筋は肘を曲げる「肘関節屈曲」の主動筋として作用します。
そのため、下記のような種目がおすすめです。
- ダンベルカール
- ハンマーカール
- バーベルカール
- ケーブルカール
- 逆手懸垂
上半身の主要な筋肉⑤広背筋
広背筋は、上半身の背面側の脇下に位置する背筋群の一つ。
人体の中でも最大の「面積」を誇る広背筋は、実は体積としては9番目の大きさです。
体積は小さいものの、面積自体は広いことから「逆三角形の背中」に直接関与するため、背面側から見た体の見栄えに大きく左右します。
広背筋は、体の前方から後方に向かって「引き寄せる動作」のさいに、主動筋となって関わります。
懸垂、ロープ・クライミング・綱引きのように、腕を伸ばした状態から身体を引き上げるという動作に必要です。
広背筋を鍛える! おすすめなトレーニング
広背筋が作用する「肩関節伸展・肩関節内転・肩関節水平外転」それぞれの関節動作に主動筋となるため、引き寄せる動きを行います。
それぞれの肩関節動作に沿って、広背筋を鍛えるトレーニング種目は以下がおすすめです。
【肩関節伸展】
- ベントオーバーローイング
- シーテッドローイング
- ※全てナロー
【肩関節内転】
- ラットプルダウン
- チンニング(懸垂)
【肩関節水平外転】
- ベントオーバーローイング
- シーテッドローイング
- ※ワイドグリップ
上半身の主要な筋肉⑥僧帽筋
僧帽筋は、首の付け根から肩の上部まで位置する背筋群に含まれる筋肉の一つ。
上部・中部・下部の3つの部位にそれぞれ分類されます。
背筋の中では広背筋に次いで代表的な部位で、広背筋よりも体積は小さいものの、中央に位置するためボディメイク的にメリットの多い部位です。
僧帽筋は背中の上部全体的に位置するため、背中の厚み・ボリューム・凹凸感といった迫力のある背中を作る上で必須です。
肩甲骨動作の主動筋として関与するため「引く動作」で関わります。
僧帽筋を鍛える! おすすめなトレーニング
僧帽筋を効果的に鍛えたい場合は「僧帽筋上部」と「僧帽筋中部・僧帽筋下部」との2つに分け、それぞれを鍛えていくのが効率的です。
2つに分けるのは、それぞれ異なる動きによって刺激されるからですね。
【僧帽筋上部】
- シュラッグ
【僧帽筋中部・僧帽筋下部】
- ベントオーバーローイング
- ラットプルダウン
- シーテッドローイング
上半身の主要な筋肉⑦腹直筋
腹直筋は、お腹前面に縦に長く位置しています。
いわゆる「腹筋」と呼ばれる部位ですね。
腹直筋は、正しくは上半身と下半身を繋ぐ「体幹」ですが、上半身に近い位置にあるため、上半身の筋肉として解説します。
腹直筋の体積自体は大きくありませんが、割れた腹筋・シックスパックは、ボディメイク的観点から大きなメリットを持つ部位です。
引き締まったかっこいい体を象徴するのに重要な腹直筋は、体幹の安定や身体機能のパフォーマンス向上といった面でも重要な役割を持ちます。
日常生活においても正しい姿勢で歩く動きには必ず関わる部位であるため、鍛えることで得られるメリットは大きいですよ。
腹直筋は、上半身を前方に曲げる「体幹屈曲」のさいに主動筋として作用します。
腹直筋を鍛える! おすすめなトレーニング
「体幹伸展」動作を含むトレーニングに取り組むことで、効果的に腹直筋を鍛えられます。
腹直筋は、スクワットやデッドリフトといった全身性のコンパウンド種目にも姿勢維持の役割として関わるため、同時に鍛えられるのが特徴です。
腹筋を割るためには、腹筋トレーニングに取り組むことで腹筋一つ一つのパックを肥大させることが大切。
さらに、お腹周辺の脂肪を減らして皮膚を薄くする必要があります。
腹直筋を鍛えるには、下記の種目がおすすめです。
- クランチ
- シットアップ
- ケーブルクランチ
上半身の主要な筋肉⑧腹斜筋
腹斜筋は「腹直筋」と共に腹筋を形成している筋肉で、お腹の脇あたりに位置している腹筋の一つ。
さらに外腹斜筋と内腹斜筋の2つに分けられます。
横腹にコルセットのように巻き付き「体幹の安定・排便を助ける働き」といった役割を担っているのが腹斜筋。
「体幹回旋・体幹側屈・体幹屈曲」のさいに主動筋として作用します。
腹斜筋を鍛える! おすすめなトレーニング
腹斜筋は、体幹回旋(上半身を捻る動作)・体幹側屈(上半身を側方に傾ける動作)といったさいに強く作用するため、これらの動作が関与する下記の種目に取り組むことがおすすめです。
- ロシアンツイスト
- トーソーローテーション
- サイドベント
まとめ
今回は、上半身の主要な8つの筋肉部位に分けて、それぞれの概要・効果的な鍛え方について解説しました。
たくましい上半身を効果的に作り上げるためにも、それぞれの部位について理解を深め、適切に鍛えていきましょう!
“No pain No gain”
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