腕に厚みを!上腕三頭筋を効果的に鍛える18の方法について解説していきます!
上腕三頭筋は上腕を構成する筋肉の内の1つです。腕の筋肉の中でもこの上腕三頭筋は、最大の大きさを誇る筋肉で、この上腕三頭筋を鍛えることで腕全体の厚みを出すことができます。
腕の筋肉というと、力こぶである上腕二頭筋のほうが目立ちやすく、腕のトレーニングと言ったらどうしても、上腕二頭筋ばかりを鍛えてしまいがちですが、上腕三頭筋こそ、腕を太くするためには欠かせない筋肉なのです。
腕を構成する筋肉の中で、最大の大きさである上腕三頭筋を鍛えることで、一番効率よく、太く見えやすくなります。
上腕三頭筋を鍛えるトレーニング種目には、バーベルやダンベルなどのトレーニング器具を使用した種目から、チューブ、自重トレなど、様々なやり方の種目が存在します。
今回はそんな上腕三頭筋を鍛えることが出来る、トレーニング種目を14個ご紹介していきます!
この記事の目次
上腕三頭筋についての概要
上腕三頭筋の位置と筋肉の種類
まずは、上腕三頭筋の位置と種類を確認しておきましょう。
上腕三頭筋は、手のひらを上に向けた時に、腕の裏側についている筋肉で、そのサイズは非常に大きく、腕の3分の2は上腕三頭筋によって構成されています。
上腕三頭筋は主に「ヒジを伸ばす」肘関節伸展動作に使われる筋肉で、日常生活においては「物を前に押す」「イスの肘掛けに手を置いてイスから立ち上がる」ような動作時に働きます。
上腕三頭筋のトレーニングで鍛えられる筋肉・効果について
そもそも上腕三頭筋とはどんな筋肉なのか、筋トレメニューをご紹介する前に、上腕三頭筋という筋肉について解説していきます。
上腕三頭筋は、(長頭・内側筋・外側筋)という3つの筋肉から構成される複合筋です。
腕を伸ばした時に、腕の後ろ側に浮き出てくる筋肉が上腕三頭筋ですが、部位を知るためにも実際に見て触って確認することをおすすめします。
長頭の働きと部位に関して
長頭(画像の赤色部分)とは、肩甲骨関節下結節というところに付着している筋肉であり、肘関節の伸展動作だけでなく、肩関節の伸展動作に関わる働きをしています。
少々難しい用語が出ていますが、上腕三頭筋の中でも長頭だけが肩にまで伸びている筋肉で、腕を伸ばした時に内側にある筋肉を指します。上腕を内転方向に動かす際にも使われる筋肉です。
そのため、長頭を鍛える事で筋肥大だけでなく、スポーツ競技全般における能力の向上に役立つと言われています。
効果的に鍛えるコツ
長頭に効かせるためには、極力上腕を体幹に近づけて行う事が大切です。
具体的には、脇を締めて行うと長頭への刺激を実感できます。その際、肘は固定しながら行うのもポイントです。
短頭(内側頭・外側頭)の働きと部位に関して
短頭とは、内側頭(画像の緑色部分)と外側頭(画像の黄色部分)をまとめて表現した言葉であり、肘関節収縮時だけに作用する働きをしています。腕を伸ばした時に外側にある筋肉を指します。上腕を内転方向に動かす際にも使われる筋肉です。
鍛える上でのコツ
短頭に効かせるためには、やや肘を開き気味に行うことで短頭への刺激を実感できます。長頭と同様に、肘は固定しながら行う事がポイントになります。
上腕三頭筋トレーニングのやり方と種類を18個紹介!
上腕三頭筋を鍛える自重筋トレ種目
トレーニング器具や専門の器具を使用しない自重トレーニング種目をご紹介していきます。
ノーマルプッシュアップ
筋トレをしていない方でも一度は行ったことがあると思いますが、筋トレ王道自重トレーニング種目「ノーマルプッシュアップ」
【ノーマルプッシュアップのやり方・フォーム】
- うつ伏せの状態で寝る
- 肩幅やや広めに両手を広げ地面につける
- 体は真っすぐの一直線を意識し、肘を伸ばして体を上げていく
- 一直線の上体をキープしながら、ゆっくりと体を下ろしていく
- 地面につくギリギリのところまでおろしていく
- 上げるときは素早く体を上げる
- 上記の動作を繰り返し行います
効果的な回数の目安は、20回×3セット。「上腕三頭筋」を意識してトレーニングしていきましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に上腕三頭筋を意識する
- 肩甲骨を寄せ、胸を大きく張ったまま
- かかとから頭まで一直線をキープ
- 両手で地面を押すイメージで動作する
ナロープッシュアップ
先ほどご紹介した、ノーマルプッシュアップは、大胸筋をメインターゲット、上腕三頭筋をサブターゲットにした筋トレ種目でした。
それに対し、このナロープッシュアップは、ノーマルプッシュアップよりも手幅を狭くしたプッシュアップで、手幅を狭くすることで、より効果的に上腕三頭筋に効かせることが可能になります。
【ナロープッシュアップのやり方・フォーム】
- うつ伏せの状態で寝る
- 肩幅よりも狭い幅で両手を地面につきます
- 両足は真っ直ぐに伸ばし、つま先を立てる
- 体は真っすぐの一直線を意識し、上腕三頭筋の力で体を上げる
- 一直線の上体をキープしながら、ゆっくりと体を下ろしていく
- 地面につくギリギリのところまでおろしていく
- 上げるときは素早く体を上げる
- 上記の動作を繰り返し行います
効果的な回数の目安は、20回×3セット。「上腕三頭筋」を意識してトレーニングしていきましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に上腕三頭筋を意識する
- 肩甲骨を寄せ、胸を大きく張ったまま
- かかとから頭まで一直線をキープ
リバースプッシュアップ
自重の上腕三頭筋トレーニング種目では、このリバースプッシュアップが非常に効果的です。通常ではフラットベンチを使用してトレーニングをしますが、階段でもできますし、自宅のテーブルや椅子でもできます。
プッシュアップ系種目より、上腕三頭筋に集中したトレーニングが可能になります。
【リバースプッシュアップのやり方・フォーム】
- 仰向けの状態のまま、フラットベンチまたは椅子の上に両手を置く。
- お尻から下は一直線をキープ
- ゆっくりと肘を曲げて体を下げていく
- 限界まで下げ、素早く肘を伸ばし、体を持ち上げる
リバースプッシュアップの目安は、15回×3セット。慣れてきた場合は、セット数を増やしたり、おろす際のスピードをよりゆっくり行ってみてください。
効果的に効かせるコツ
- 肘が90°に曲がるまで腰を落とす
- 息を吸って下ろしていき、吐きながら持ち上げる
- 足をしっかりと伸ばして行う
ヒンズープッシュアップ
ヒンズープッシュアップは、プロレスラーが普段のトレーニングに取り組むことが多いことで有名な、プッシュアップ種目のバリエーションの一つです。上腕三頭筋と大胸筋がメインターゲットで、同時に2つの部位を効率的に鍛えることができる種目です。
プッシュアップ種目の中でも特に、上腕三頭筋と大胸筋に高負荷を与えることができる高強度自重トレーニング種目です。
【ヒンズープッシュアップのやり方・フォーム】
- うつ伏せで肩幅やや広めに手を広げる
- お尻を高く後ろ方向に突き上げて、体は一直線をキープする
- 床ぎりぎりまで上半身を落としてがら前に体を動作する
- そのまま体を後ろに回してスタートポジションに戻します
- 上記の動作を繰り返します
ヒンズープッシュアップの目安は、10回×3セット。やり方・フォーム共に難易度が少々高いため、まずは正しいフォームで動作できるよう心がけてください。
効果的に効かせるコツ
- 出来るだけ大きな動作を意識する
デクラインプッシュアップ
デクラインプッシュアップは、足を高く上げて行うことで、重心が上半身に乗り、大胸筋上部・上腕三頭筋への負荷を高めることで、通常のプッシュアップをより高強度にしたトレーニング種目です。
より三頭筋への負荷を高めたトレーニングをしたい方におすすめな種目です。
【デクラインプッシュアップのやり方・フォーム】
- ベンチ、椅子などの段差に足をかけて、腕立て伏せの形を作る
- 手幅はやや肩幅よりも広めに構える
- ゆっくりと体を下げていく
- 顔が床に着きそうになるまで下げたら、素早く体を持ち上げる
- 上記の動作を繰り返します
デクラインプッシュアップの効果的な回数の目安は、20回×3セット
効果的に効かせるコツ
- 上腕三頭筋を意識して行う
- 慣れてきたら、角度をよりきつくして動作する
インクラインプッシュアップ
インクラインプッシュアップは、デクラインプッシュアップとは反対に、上半身側を高くして動作するプッシュアップ種目のバリエーションの一つです。
体の重心が下半身にずれることで、デクラインプッシュアップよりも軽い強度で上腕三頭筋を鍛えることができるため、筋トレ初心者におすすめなトレーニングです。
また、バランスボールを使うと体幹力を強化しながら上腕三頭筋を鍛えることが出来ます。
【インクラインプッシュアップのやり方・フォーム】
- ベンチや椅子やバランスボールなど高さのある段差を用意する
- 段差に両手を置き、プッシュアップの状態を作る
- ゆっくりと下げていく
- 肘が90度程度になるまで下げたら、素早く体を持ち上げる
- 上記の動作を繰り返します
インクラインプッシュアップは20回×3セットが目安です。正しく適切なフォームを意識しながら動作することを心がけましょう。
効果的に効かせるコツ
- 下げる時は、出来るだけゆっくり動作することを心がける
- 胸がぎりぎりつくくらい深くおろす
- 顔はしっかりと前方に向ける
上腕三頭筋にしっかり負荷を与えるために、角度はあまりつけすぎないようにしてトレーニングしていきましょう。
インクラインが軽く感じてきたら、ノーマルプッシュアップを実践し、その次にデクラインプッシュアップやリバースプッシュアップにシフトチェンジしてみてください。
ダイアモンド・プッシュアップ
手幅を親指と人差し指でダイヤモンド型を作って行う、プッシュアップ種目の中でも最上級の高強度トレーニングです。
上腕三頭筋に特化した効率的な自重トレーニングです。このような手の置き方をすることにより、手首への負担が軽減されるとともに、上腕三頭筋全体を効率的に鍛えることが可能です。
先ほどご紹介した、ナロープッシュアップの上位種目なので、より高負荷なトレーニング種目です。
【ダイアモンド・プッシュアップのやり方・フォーム】
- うつ伏せの状態で寝る
- 親指と人差し指で菱形を作ります
- 両足は真っ直ぐに伸ばし、つま先を立てる
- 体は真っすぐの一直線を意識し、上腕三頭筋の力で体を上げる
- 一直線の上体をキープしながら、ゆっくりと体を下ろしていく
- 地面につくギリギリのところまでおろしていく
- 上げるときは素早く体を上げる
- 上記の動作を繰り返し行います
効果的な回数の目安は、20回×3セット。「上腕三頭筋」を意識してトレーニングしていきましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に上腕三頭筋を意識する
- 肩甲骨を寄せ、胸を大きく張ったまま
- かかとから頭まで一直線をキープ
ディップス
ディップスは、体を完全に腕だけで支えながら動作する、高負荷トレーニング種目です。
大胸筋に集中して鍛える方法と、上腕三頭筋に集中して効かせることが出来る、2種類のトレーニングができる種目で、ボディービルダーやフィジーク選手の方にも人気な種目で、自重だけでは負荷が足りない方は、ウエイトをプラスしてより高強度なトレーニングが可能になります。
中級者~上級者向けのトレーニング種目といえます。
【ディップスのやり方・フォーム】
- 平行棒やディップス専用棒を使用する
- 両手でバーを持ち、体を軽く浮かせる
- 膝を90度くらいに曲げ、少しだけ上体を前傾させます。
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返します
ディップスの目安は、10回×3セット。フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 上半身を軽く前に前傾させる
- 自重でトレーニングするのが難しい方は、専用の補助付きのディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げていく
- 下げすぎてしまうと、三角筋に角なストレッチがかかるため、注意する
ディップスは、自分の体重を完全に浮かせるため、非常に効果的な刺激を上半身の筋肉に与えることが可能です。
上腕三頭筋を鍛えるバーベル・ダンベル系筋トレ種目
トライセプスエクステンション
トライセプスエクステンションは、バーベルやEZバーを使用して行う上腕三頭筋のトレーニング種目になります。
種目名にあるトライセップス(上腕三頭筋)をしっかりエクステンション(伸ばす)する動作のため、その名称がついています。
ウェイトを使用して行う上腕三頭筋のトレーニング種目の中では、代表的な王道トレーニングです。初心者から上級者までウェイトの重さを調節することで、効果的なトレーニングが可能です。
バーベルではなく、ダンベルでも同様にトレーニングすることが可能です。
【トライセプスエクステンションのやり方・フォーム】
- フラットベンチに仰向けになった状態で寝る
- バーベルを握り、顔の前に上げていく
- バーベルの握り方は順手なので、手の甲が顔に向くようにする
- 肘を目線の横辺りで固定し、肘から先だけを動かしていきます
- 肘の位置を変えずに肘を曲げ、バーベルをおろしていきます
- おろしきったところから、同様に肘の位置を変えずに肘を伸ばしてバーベルを上げていきます
- 上記の動作を繰り返します
トライセプスエクステンションの目安は、10回×3セット。
効果的に効かせるコツ
- 上腕三頭筋に負荷が乗っている感覚を意識しながら行う
- 肘の位置は固定した状態を保ちながら動作する
- バーベルの重量は、適切なフォームで動作できる範囲内で設定する
- 手首を返さなように、真っすぐ握る
ナローベンチプレス
ナローベンチプレスは、通常のフラットベンチプレスのように大胸筋を鍛えるベンチプレスとは少し異なります。
通常のベンチプレスのバーベルを握る手幅は、肩幅より1.5倍ほど広い幅で握りますが、ナローベンチプレスでは、肩幅より短い幅で握り、動作します。
肩幅より短い位置でバーベルを握るため、使用重量は落ちますが、手幅が短い分上腕三頭筋への関与が高まるため、より上腕三頭筋に集中したトレーニングを行うことが可能です。
【ナローベンチプレスのやり方・フォーム】
- フラットベントに仰向けに寝ます
- 肩甲骨を軽く寄せ、胸を大きく張ります
- EZバーベルまたはストレートバーを握り、ラックアップします
- 大胸筋と上腕三頭筋の力を使ってバーベルを挙上します
- 肘を伸ばし切る(ロックアウト)するまでしっかり上げていきます
- ゆっくりと力を抑制しながらおろしていきます
- 上記の動作を繰り返します
ナローベンチプレスの目安は、10回×3セット。高重量で効かせるというよりは、低重量でゆっくりと広い可動域をもって効かせるように意識してください。
効果的に効かせるコツ
- 大胸筋と上腕三頭筋に負荷が乗っているか感じながら動作する
- 手幅は短く握るほど上腕三頭筋への関与は高まります
- リストラップを使用して手首を痛めないようにする
- 肩は下制し、肩を上げないよう意識して動作する
ナローベンチプレスは、通常のベンチプレスと比べるとバーベルが不安定になりやすいため、注意が必要です。
しっかりと自分で制御できる範囲内で重量設定するよう心がけてください。
バーベルフレンチプレス
バーベルフレンチプレスは、トライセプスエクステンションのようにベンチに仰向けで寝て動作するのではなく、ベンチに座った状態のまま動作します。
バーベルフレンチプレスの方が身体全体を安定させるために、体幹を意識する必要があるため、同時に体幹力を鍛えることができます。
また、座った状態のまま動作するため、上腕三頭筋がストレッチされた状態でも負荷が抜けづらく、効果的なトレーニングが可能になります。
バーベルではなく、ダンベルでも同様にトレーニングをすることが可能です。
【バーベルフレンチプレスのやり方・フォーム】
- ベンチに座ります
- バーベルを順手で握り、頭の上へ上げていきます
- 肘は目線の横辺りで固定し、伸ばしたままで安定させます
- この状態がスタートポジションです
- 肘の位置を変えずに、肘を曲げてバーベルをおろしていきます
- 上腕三頭筋のストレッチを感じるまでおろしたら、肘の位置を変えずにバーベルを上げていきます
- 肘を伸ばし切る(ロックアウト)するまでしっかり上げていきます
- 上記の動作を繰り返します
バーベルフレンチプレスの目安は、10回×3セット。高重量で効かせるというよりは、低重量でゆっくりと広い可動域をもって効かせるように意識してください。
効果的に効かせるコツ
- 上腕三頭筋に負荷が乗っている感覚を意識しながら行う
- 肘の位置は固定した状態を保ちながら動作する
- バーベルの重量は、適切なフォームで動作できる範囲内で設定する
- 手首を返さなように、真っすぐ握る
バーベルフレンチプレスは、ウェイトを体の背面で扱うため、後ろに倒れやすくなるため、しっかりと脚と体幹で固定して動作するよう心がけてください。
トライセプスキックバック
トライセプスキックバックは、上腕三頭筋を鍛える種目の中でも代表的な種目です。女性から初心者~上級者まで、効果的にトレーニングをすることが可能です。
ダンベルを片方の手で持ち、片膝をベンチの上に乗せ、ダンベルを持っていないほうの手は体を支えるためにベンチの上に置きます。
この状態のまま、肘を上体のと並行の角度に固定したまま、肘から先だけを肘関節伸展動作で上腕三頭筋に負荷を与えます。
【トライセプスキックバックのやり方・フォーム】
- フラットベンチや椅子などを用意する
- 片方の手でダンベルをもつ
- 片方の膝と足とダンベルを握っていない方の手をベンチに置き、安定させる
- ダンベルを握っているの方の肘を上体と同じ位置で固定する
- 肘を伸ばしていき、肩から手先まで一直線にする
- 限界まで伸ばす(ロックアウト)する
- 肘の位置を変えずにゆっくりと元に戻していく
- 上記の動作を繰り返します
トライセプスキックバックの目安は、15回×3セット。反動をつけずに、上腕三頭筋だけの力でダンベルを動かしていきましょう。
効果的に効かせるコツ
- 肩から腕が地面と水平になるまで上げた位置で固定する
- 肘の位置は変えずにダンベルを動かしていく
- 高重量は使用せず、適切なフォームでしっかり効かせることを意識する
- 目線は前を向ける
テイトプレス
テイトプレスは、フラットベンチを使用し、ダンベルプレスのフォームから、肘から先だけを内側に折り曲げて、上腕三頭筋に負荷を加える、上腕三頭筋のトレーニング種目です。
ベンチ台を使用し、肘の固定が容易なことで、非常に安定的に上腕三頭筋を効率よく鍛えることができる、優秀な種目といえます。
フォームがやや難しいため、しっかりと理解し、適切なフォームで動作できるよう心がけましょう。
【テイトプレスのやり方・フォーム】
- 両手にダンベルを持ち、フラットベンチに仰向けで寝る
- ダンベルを水平の向きに握ったまま胸の上に上げていく
- ダンベルが胸に対して垂直になるように、両肘を曲げておろす
- 肘を外に開かず固定したまま、膝を伸ばしダンベルを上げていく
- 上記の動作を繰り返します
テイトプレスの目安は、12回×3セット。適切なフォームで動作ができるまでは、軽めの重量を選びましょう。
効果的に効かせるコツ
- 折り曲げた肘を伸ばす際、肘が外に開きやすいので、動かさないよう意識する
- 勢いよく伸ばすと、ダンベルの重みで肘が外に開いてしまうため、ゆっくりと動作する
ダンベルトライセプスエクステンション
先ほどご紹介した、バーベルトライセプスエクステンションをダンベルで行う、上腕三頭筋トレーニング種目のバリエーションの一つです。
ダンベルを使用することで、左右の上腕三頭筋を、より均等にそれぞれを鍛えていくことができるのが、最大の特徴です。
筋力・サイズに左右差がある方は、ダンベルを使用することをおすすめします。
【ダンベルトライセプスエクステンションのやり方・フォーム】
- フラットベンチに仰向けになった状態で寝る
- ダンベルを両手で握り、顔の前に上げていく
- ダンベルの握り方は順手で、手の平同士が向き合うようにする
- 肘を目線の横辺りで固定し、肘から先だけを動かしていきます
- 肘の位置を変えずに肘を曲げ、ダンベルをおろしていきます
- おろしきったところから、同様に肘の位置を変えずに肘を伸ばしてダンベルを上げていきます
- 上記の動作を繰り返します
ダンベルトライセプスエクステンションの目安は、10回×3セット。
効果的に効かせるコツ
- 上腕三頭筋に負荷が乗っている感覚を意識しながら行う
- 肘の位置は固定した状態を保ちながら動作する
- ダンベルの重量は、適切なフォームで動作できる範囲内で設定する
- 手首を返さなように、真っすぐ握る
ケーブルプレスダウン
ケーブルプレスダウンは、ケーブルマシンを使用して行う、上腕三頭筋を代表する種目のうちの一つです。
筋トレ初心者~上級者まで、効果的に上腕三頭筋を鍛えることができるトレーニング種目です。
ケーブルマシンは、フリーウェイトや軌道が固定されているマシン系種目と異なる、フリーウェイトとマシンをミックスしたようなトレーニングマシンです。
このマシンの特徴は、ケーブルを支えているプーリーの角度や高さを変えることで、重力の関係により負荷が抜けてしまうフリーウェイトのデメリットを解消することができる点にあります。
例えばダンベルカールでは、ダンベルを下までおろしてしまうと重力は、地面がある真下にしかダンベルを引っ張ってくれないので、負荷が抜けてしまいがちです。
それに対してケーブルマシンが背後にある状態で、低い位置にプーリーを設定し、ケーブルバイセップスカールをやるとき、ケーブルのウェイトは斜め後ろマイナスの方向に引っ張ってくれるため、下まで肘を伸ばし切っても負荷が抜けない効果的なやり方が可能になります。
ケーブルプレスダウンは肘を曲げてストレッチをかける際でも負荷が抜けにくく、またケーブルはマシンのように軌道が100%固定されているわけではないため、フリーウェイトとマシンのいい面だけを抜き取ったような効果的なトレーニングが可能になります。
【ケーブルプレスダウンのやり方・フォーム】
- ケーブルマシンの前に立つ
- バーを握り、軽く前傾姿勢になる
- 体の横に肘を固定し、肘から先だけを動かしていく
- 肘の位置を動かさないように肘を伸ばしていく
- 限界まで下げたら、肘の位置を変えずにゆっくりと元に戻す
- 上記の動作を繰り返します
プレスダウンの目安は、15回×3セット。肘が前後に動きやすく、肘が動いてしまうと、効果が半減してしまうため、必ず肘の角度は固定したまま動作するよう心がけてください。
効果的に効かせるコツ
- 上腕三頭筋を収縮とストレッチを感じながら動作する
- 体の反動は使わないように、上腕三頭筋の力のみで動作する
- 肘をしっかり伸ばし切る(ロックアウト)
- 背中は丸めないよう姿勢はまっすぐ
オーバーヘッド・ケーブルエクステンション
- ケーブルマシンの下の滑車に、ロープ状のアタッチメントをつける
- ケーブルマシンを背中にしてアタッチメントを両手で握る
- 肘を立てて耳の横あたりに肘を固定する(スタートポジション)
- 肘から先だけを伸ばすようにしてロープを引っ張る
- ゆっくりと元に戻す
- 上記の動作を繰り返します
プレスダウンの目安は、15回×3セット。肘が前後に動きやすく、肘が動いてしまうと、効果が半減してしまうため、必ず肘の角度は固定したまま動作するよう心がけてください。
効果的に効かせるコツ
- 上腕三頭筋を収縮とストレッチを感じながら動作する
- 体の反動は使わないように、上腕三頭筋の力のみで動作する
- 肘をしっかり伸ばし切る(ロックアウト)
- 背中は丸めないよう姿勢はまっすぐ
チューブを使用した上腕三頭筋のトレーニング種目
チューブ・トライセプスエクステンション
ジムにしかないような専門的なマシン・ウェイトがなくても、チューブさえあれば上腕三頭筋を気軽に効果的に鍛えることが可能です。
また、バーベルやダンベルのように重く硬いウェイトは怪我の原因になることがありますが、チューブの場合は怪我のリスクが低く、安全なトレーニングが可能になります。
特に女性におすすめな上腕三頭筋のトレーニング種目です。
【チューブ・トライセプスエクステンションのやり方・フォーム】
- チューブの片方を片手で持ち、反対のチューブを足で地面との間で踏み固定します。
- 立った状態のまま、肘を目線の横に固定し、肘を動かさないようにして肘から先だけを伸ばしていきます。
- しっかりと肘を伸ばし切る(ロックアウト)することが大切です。
- 伸ばし切ったら、ゆっくりと肘の位置を変えずに戻していきます。
- 上記の動作を繰り返します
15回×3セット。肘が前後に動きやすく、肘が動いてしまうと、効果が半減してしまうため、必ず肘の角度は固定したまま動作するよう心がけてください。
効果的に効かせるコツ
- 上腕三頭筋を収縮とストレッチを感じながら動作する
- 体の反動は使わないように、上腕三頭筋の力のみで動作する
- 肘をしっかり伸ばし切る(ロックアウト)
- 背中は丸めないよう姿勢はまっすぐ
チューブ・キックバック
チューブ・キックバックは、ダンベルキックバックと同じ動作を、チューブを使用して上腕三頭筋を鍛えるトレーニング種目です。
【チューブ・キックバックのやり方・フォーム】
- 立った状態で、片方の手でチューブをもつ
- チューブの反対側を足で踏み、固定します
- チューブを持っている側の肘を、目線の横で固定し、肘から先だけを動かします。
- 肘を伸ばしていき、限界まで伸ばす(ロックアウト)する
- 肘の位置を変えずにゆっくりと元に戻していく
- 上記の動作を繰り返します
チューブ・キックバックの目安は、15回×3セット。反動をつけずに、上腕三頭筋だけの力でダンベルを動かしていきましょう。
効果的に効かせるコツ
- 肩から腕が地面と水平になるまで上げた位置で固定する
- 肘の位置は変えずにチューブを動かしていく
- 高重量は使用せず、適切なフォームでしっかり効かせることを意識する
- 目線は前を向ける
上腕三頭筋のトレーニングをより効果的に効かせるポイントについて
上腕三頭筋のトレーニングは、非常に奥が深く、ただ単純にバーベルを上げ下げすればいいわけではありません。
質の高い負荷を大胸筋に与えることが重要で、そのためにはいくつかのコツがあるのでしっかりと習得しましょう。
ゆっくりと動作する
マッスルコントロールとは、筋肉の出力によりウェイトを扱い制御するという意味です。すべての種目に共通することですが、ウェイトの数字通りの負荷を筋肉に与えなければ、そのウェイトを扱っている意味がなくなってしまいます。
例えば、ベンチプレスでバーベルを下す際に力を抜いて勢いよくおろしてしまうと、100kgのバーベルでもおろす瞬間には実際に筋肉に負荷として乗っているウェイトの重量は50kgだったり、ゼロになっている可能性があります。
つまり負荷が入っている瞬間と入っていない瞬間があり、負荷が入っている瞬間でもその負荷はウェイトの数字より軽い場合があるということになります。これは非常に効率の悪い、質の低い効果的ではないベンチプレスということになります。
おろす際も力を抜かず、筋肉にウェイトの数字通りの負荷を乗せたままおろす意識を持つ必要があります。これがマッスルコントロールです。
対象筋を意識して動作する
対象筋を意識すること、「マッスルマインドコネクション」とは、「筋肉と脳神経のつながり」です。
なかやまきんに君の筋肉ルーレットのように、大胸筋をピクッピクッと動かすのを想像するとわかりやすいかと思います。
彼は筋肉を自由自在に操ることが出来るからこそ、あの芸ができるのです。
筋肉を自在に操ることが出来るということは、筋トレでメインターゲットを効率的に効かせることが出来るということです。
“負荷を感じる”というのもこのマッスルマインドコネクションでは重要です。
トレーニング中にメインターゲットの部位に対し、負荷を感じながら動作させることで、効かせるべき部位だけに効かせることができます。
肘を伸ばし切る(ロックアウトする)
上腕三頭筋のトレーニングでは、上腕三頭筋の収縮・伸展動作が非常に重要です。
しっかりと肘を伸ばし切り、上腕三頭筋を最大収縮させることで、効果的な刺激を与えることが可能です。
上腕三頭筋のトレーニング種目すべてに共通するポイントなので、しっかりと覚えておきましょう。
上腕三頭筋のトレーニングで間違いやすいフォームと対策について
ここではありがちな上腕三頭筋のトレーニングの間違ったフォームについて解説していきます。
ありがちな間違ったフォームを理解することで、より正しいフォームを意識して安全に効果的なトレーニングをしていきましょう。
体の反動を使って動作をしてしまっている
座った状態でやるよりも、立った状態のほうがより高重量を扱えると思ったことはありませんか?
これは非常にありがちな間違ったやり方で、上腕三頭筋の肘関節伸展動作に加えて体を前傾させてから後方に伸びるようにして行う体幹伸展動作が上腕三頭筋の動作を補助してしまっているかもしれません。
確かにこの動作をすると挙がりそうにない状態でも案外簡単に挙げることができてしまいます。主に背中の筋肉である脊柱起立筋の出力によって本来メインターゲットである「長頭・内側頭・外側頭」への負荷が逃げてしまい、あまり効果のないトレーニングになってしまいます。
この間違ったフォームの対策法
ほとんどの原因はオーバーウェイト(自分に見合っていない重量)を扱っていることがほとんどです。体幹伸展動作をしなくても肘関節伸展動作で挙げることができる重量を選択することが大切です。
これが先ほどご紹介した、“マッスルコントロール”といいます。
オーバーウェイトによりウェイトに筋肉が扱われてしまうと効果は期待できません。ウェイトは、筋肉がコントロールして扱うことで意味のある価値ある負荷を与えることができます。
全ての筋トレはこのマッスルコントロールから始まります。
“チーティング”と“ストリクト”の概念を理解し、より効果の高い筋トレへ
筋トレには「チーティングフォーム」と「ストリクトフォーム」という概念が存在します。
ストリクトフォームとは“正しい”“正確な”“厳格な”という意味があり、つまり反動を使わず丁寧で正しいフォームという意味になります。
反対にチーティングフォームとは“反則”という意味があり、体の反動を使ってメインターゲット以外の筋肉を使用して行う自分で自分を補助することができるフォームという意味になります。
この2つの概念がトレーニングでは非常に効果的な役割を果たしてくれます。
ここで先ほどの“体の体幹伸展動作は間違ったフォームだ”と解説しましたが、これはこのチーティングじゃないのか?とお気づきになった方もいらっしゃるかと思います。
しかしこのチーティングというのはあくまで、“ストリクトフォームで挙がらなくなってから最後に追い込むために対象筋以外の筋肉を少しだけ使い、ぎりぎり対象筋の力のみで挙げられる程度の力で補助をするフォーム”なので、ただ闇雲に体の反動を使って動作するのとではまったたく意味が異なるわけですね。
この概念を踏まえた上で、しっかりと質の高い筋トレを行っていきましょう。
腕の可動域が狭い・短い
上腕三頭筋のトレーニングで、肘を伸ばし切っていないと上腕三頭筋が十分に収縮されなくなり、十分な負荷が加わらなくなってしまいます。
全ての筋トレに共通ですが、筋トレというのはすべて、収縮(コントラクト)中間(ミッドレンジ)伸展(ストレッチ)の3つの異なる可動域で筋肉を伸び縮みさせることで負荷が入ります。これを「POF法」といいます。
この間違ったフォームの対策法
こちらも(オーバーウェイト)使用重量が重すぎることが原因であることがほとんどです。肘を伸ばし切り、ロックアウトできる重量でトレーニングをすることが大切です。
大きな可動域で動作できる重量選びを心がけてください。
肘が動いてしまっている
ウェイトを高く挙げることを意識するとどうしても肘が前に出てしまいがちです。
しかしここで肘が前後に動いてしまうと、メインターゲットである「長頭・内側頭・外側頭」への負荷が薄くなってしまいます。
この間違ったフォームの対策法
鏡を見ながらを肘を固定する意識をもつことが大切です。肘を固定したまま動かさない状態で挙げられる高さまで挙上する意識をもってトレーニングしましょう。
無理やり高くウェイトを挙げる必要はありません。あくまで肘の位置が変わらない動作の中で限界まで挙げればOKです。
この感覚が身につくと、鏡で自分の肘の位置を確認しなくても美しいフォームで動作することが可能になります。
ウェイトをおろす時に力を抜いてしまっている
ウェイトをおろすときに力を抜いて一気に落としてしまうと、筋肉の緊張時間が短くなりせっかくのトレーニングの効果が半減してしまいます。
マッスルコントロールを意識して、常に筋肉でウェイトを扱う意識をもってトレーニングをしましょう。
ウェイトの重さには意味があります。一気に力をに抜いてストンッと落としてしまうと実際に筋肉に負荷として乗っている重量は0kgということになります。
「ある人は100kgを10kgのように扱う、ある人は10kgを100kgのように扱う」という言葉がありますが、例えば100kgを扱うのであれば、100kgという数字通りの負荷を筋肉に与えられなければ100kgを扱う意味がないということなんです。
ウェイトの負荷を感じながらトレーニングすることが大切です。
上腕三頭筋のトレーニングで手首が痛い時の対処法
上腕三頭筋のトレーニングは、手首にウェイトがかかるため、痛めやすいです。また手首の関節は体の数ある関節の中でも特に痛めやすい部位なので、痛めないよう意識して筋トレをしていく必要があります。
リストラップで手首を補強する
リストラップとは手首を補強してくれるサポーター・ギアです。
数千円程度で手に入るお手頃なギアなのでぜひ揃えていただきたいギアになります。
↓リストラップについてさらに詳しい記事はこちら♪
「腕を太くしたい方」は上腕二頭筋も鍛えよう!
腕を太くしたい方は上腕二頭筋を鍛えることを忘れてはいけません。
上腕二頭筋は上腕三頭筋の裏側に位置する拮抗筋である筋肉部位です。
上腕二頭筋は力こぶを表現するために重要な筋肉です。
腕を太く見せるためには表(二頭筋)と裏(三頭筋)をどちらも鍛えて筋肥大させることで効率的でたくましいかっこいい腕を手に入れることができるので、欠かせない部位です。
上腕二頭筋を効果的に鍛えることが出来るメニューの解説記事もあるので、こちらも合わせて読んでみましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
太く逞しい男らしい腕にするために、上腕二頭筋にばかりフォーカスしてしまいがちですが、上腕三頭筋の方が、筋肉のサイズは大きいため、むしろ上腕三頭筋こそ集中的に鍛えていくことで、効果的・効率的に理想的な腕を作り上げることが可能です。
もちろん、上腕二頭筋を鍛えることも大切なので、上腕二頭筋・上腕三頭筋どちらもしっかりと鍛えこむことが大切です!
今回の記事を読んでいただき、しっかりと結果につながるための正しいトレーニングをしていただければと思います。
筋トレとは、すべて体の中で起こる化学反応です。メカニズムを理解していないで行っている筋トレは、ただ動かしているだけです。
目標とする肉体を実現するためには、どんな行動をしなければいけないのか、どんな筋トレの種目をやらなければいけないのか、どんな食事を摂る必要があるのか、しっかりと論理的に考えて実践することが、一番効率的で効果的なボディメイクライフを実現することが可能です。
“No pain No gain”
他にもある!腕の筋トレについての記事はこちら
AKI
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