家トレの器具の代名詞である「懸垂マシン(チンニングスタンド)」は、1台あるだけで全身を満遍なく鍛えることができる、家トレ最大の効果を持つトレーニング器具です。
懸垂マシンを購入するメリットは、なんといっても取り組むことができるトレーニング種目の多さ!
全身を鍛えるのに効果的な種目の多くが、このマシン1台で鍛えることができます。
今回はそんな懸垂マシンの選ぶポイント・おすすめランキング・使い方・筋トレ種目の紹介・やり方・筋トレ効果など、懸垂マシンについて徹底解説します!
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この記事の目次
懸垂マシン(チンニングスタンド)の概要
懸垂マシン(チンニングスタンド)は、別名「ぶらさがり健康器」とも呼ばれており、上半身全体を鍛えることができるトレーニング器具です。
最近の懸垂マシン(チンニングスタンド)は懸垂だけではなく豊富なトレーニングができるように、各種オプションや様々な機能がついているものがあります。
しかし、種類が多すぎるとどれを選べばいいのか分かりにくいですよね。
見た目がほとんど変わらないため、その点でも選ぶときに迷うでしょう。
懸垂マシンは、自宅で使えるトレーニング器具の中でもサイズが大きく、価格も他の器具と比べると少々高額。
簡単に買い替えることが難しい器具のため、最初に購入するときにしっかり考える必要があります。
【参考記事】懸垂の本格的な鍛え方に関してはコチラご参考ください
懸垂マシン(チンニングスタンド)で鍛えられる部位
懸垂マシン(チンニングスタンド)を活用して鍛えられる部位を確認しましょう。
- 広背筋
- 僧帽筋
- 大円筋
- 三角筋後部
- 菱形筋
- 大胸筋
- 上腕三頭筋
- 三角筋前部
- 上腕二頭筋
- 腹直筋
- 腹斜筋
以上の順で説明します。
広背筋(羽と呼ばれる筋肉)
広背筋は逆三角形の背中を作る上で一番重要な部位です。
本来、広背筋は体幹の中の一つの筋肉。
しかし大円筋と共に肩関節のさまざまな動作(内転、内旋、伸展)に関与し、重要な役割を果たしています。
懸垂・ロープ・クライミング・綱引きのように、腕を伸ばした状態から身体を引き上げるという動作では、広背筋が大きく影響していますよ。
【参考記事】背中に効くトレーニング
僧帽筋(首から肩にかけての筋肉)
僧帽筋は首から肩にかけての筋肉で、前や後ろから見たときに背中の大きさを表現できる部位です。
肩こりが起こるのはこの僧帽筋。
この僧帽筋を鍛えれば、なで肩解消やいかり肩解消が期待できます。
Tシャツを着こなす上でも欠かすことのできない筋肉ですね。
【参考記事】僧帽筋に効くトレーニング
大円筋
大円筋は、脇の下の背面部に位置する筋肉です。
働きは、肩関節の内転、内旋、伸展動作に関与しています。
この筋肉は広背筋と共同で作用することが多い筋肉。
そのため大円筋は、”広背筋のヘルパー”とも呼ばれることがあります。
三角筋後部とは
三角筋後部とは、三角筋の中でも後方部分を占めている筋肉。
下記3つが三角筋後部の主な働きです。
- 肩の伸展(腕を後ろに引く動作)
- 肩の水平外転(水平に上げた腕を外側に絞る動作)
- 肩の外旋(肩後部にあるインナーマッスル)
菱形筋
菱形筋は小さい筋肉で、背中にある広背筋や僧帽筋などの深層に位置するインナーマッスル。
上部にある小菱形筋と下部にある大菱形筋の二つで構成され、僧帽筋に被さるように覆う菱形の筋です。
大きさなどに違いはありますが、形状も働きもほぼ同じで、主に肩甲骨の内転(引き寄せる働き)に作用します。
小菱形筋や大菱形筋の筋力が弱くなってくると、肩甲骨が外転するので結果的に肩関節が内旋し、猫背のように背中が丸くなってしまいます。
大胸筋(胸の筋肉)
ディップスのメインターゲットである「大胸筋」
大胸筋は上部(インクライン)下部(デクライン)内側(インサイド)外側(アウトサイド)の4つに区別されます。
厚い大胸筋は男らしさを表現することができる花形的存在の筋肉です。
Tシャツをかっこよく着こなすためには、大胸筋の発達は必要不可欠!
また、他の筋肉と違って鍛えれば鍛えるほど目立ちやすい筋肉でもあります。
女性も大胸筋を鍛えることのメリットは大きいでしょう。
バストラインが崩れるのを防ぎ、さらにバストラインを上げる効果が期待できます。
いつまでも若々しいバストラインをキープできますよ。
【参考記事】大胸筋に効くトレーニング
上腕三頭筋(二の腕の裏)
上腕三頭筋は、(長頭・内側筋・外側筋)という3つの筋肉から構成される複合筋です。
腕を伸ばしたときに、腕の後ろ側に浮き出てくる筋肉が上腕三頭筋。
部位を知るためにも実際に見て触り、自分で確認しましょう。
【参考記事】上腕三頭筋に効くトレーニング
三角筋前部(肩の前)
三角筋は肩の筋肉で、前部(フロント)・側部(サイド)・後部(リア)の3つからなる複合筋。
男らしく広い肩幅を表現できる筋肉で、それぞれの部位に効果的なエクササイズが多く存在します。
それぞれの部位は名前からも想像できるかもしれませんが、具体的にどこの場所かを画像から確認し、どんな働きをしているのかを見ていきましょう。
さらになで肩の解消や肩こりの解消にもつながるため、健康的な意味でも三角筋を鍛えるメリットはたくさんありますよ。
三角筋前部とは、上記画像の黄色部分。
肩の筋肉の中でも前方部分を占めている筋肉で、下記の3つが三角筋前部の主な働きです。
- 肩の屈曲(腕を前に上げる動作)
- 肩の水平内転(水平に上げた腕を内側に絞る動作)
- 肩の内旋(肩前部にあるインナーマッスル)
【参考記事】三角筋に効くトレーニング
上腕二頭筋(二の腕の表側)
上腕二頭筋は手のひらを上に向けたときに二の腕の表側にある筋肉で、肘を曲げる動作「肘関節屈曲」のときに使用される筋肉部位です。
肘を曲げたときに盛り上がる“力こぶ”がまさに上腕二頭筋。
この筋肉は肩から肘までをつないでいる筋肉で、腕の太さを表現する上で一番大切な部位ですね。
肘を曲げる動作のときに使用されます。
女性の場合は二の腕の表側のたるみを解消できるため、しっかりトレーニングしていきましょう。
【参考記事】上腕二頭筋に効くトレーニング
腹直筋(腹筋)
腹直筋は、一般的に「腹筋」と呼ばれる部分で、お腹のど真ん中に縦に付いている筋肉。
シックスパックと呼ばれる6つのブロックだけでなく、ヘソの下から股下までの長い三角形の部分も腹直筋です。
腹直筋の働きは体幹の屈曲。
たとえば寝ている状態から起き上がるときなどに使われます。
腹斜筋(腹筋側面)
腹斜筋とは、「腹直筋」「腹横筋」と共に腹筋を形成している筋肉で、お腹の横にあたる筋肉のこと。
腹斜筋はさらに「外腹斜筋」・「内腹斜筋」の2つの筋肉にわけられます。
横腹にコルセットのように巻き付き、体幹を安定させたり、排便を助ける働きを担っているのが内外腹斜筋です。
また腹斜筋を鍛えることでくびれができ、メリハリのある身体に仕上げてくれます。
懸垂マシン(チンニングスタンド) 4つの筋トレ効果
懸垂マシンによる筋トレ効果、次の4つを紹介します。
- 一度に多くの筋肉を刺激できる
- 背中のトレーニング種目が大きく増える
- 身体能力が向上する
- 姿勢維持や血行改善
懸垂マシンの筋トレ効果①一度に多くの筋肉を刺激できる
チンニングをすれば、一度に多くの筋肉を刺激できます。
主力筋となる広背筋はもちろん、背中の筋肉である僧帽筋や大円筋、腕の力こぶの筋肉である上腕二頭筋、体を持ち上げるときの姿勢維持に必要な腹直筋などを同時に刺激します。
自宅でトレーニングを行う場合、負荷が高く背中のエクササイズとしてメイン種目になるチンニングを行うには、懸垂器具が必要です。
また、懸垂器具についているディップスやプッシュアップも取り入れることで、上半身全体を鍛えられることも懸垂器具の大きなメリットです。
懸垂マシンの筋トレ効果②背中のトレーニング種目が大きく増える
自宅でトレーニングをするさい、取り組める種目数が限られてしまうのが背中です。
ダンベルなどで行うことはできますが、動作の種類がどうしても下から重りを引き上げるものばかりになってしまいがち。
上から引くことで得られる、逆三角形の背中の広さを出すのが難しくなります。
懸垂器具があれば上から引く動作を行うことができ、上半身のさまざまな部位に刺激を与えることが可能です。
また、体重が負荷になるため大きな負荷を背中にかけられるというのも、トレーニング効果を高めるポイントですね。
懸垂マシンの筋トレ効果③身体能力が向上する
体のさまざまな動作には背中の筋肉が大きく関与しています。
背中を鍛えることで日常生活のみならず、各種スポーツ競技のパフォーマンス向上にも効果的。
また、背中周りの筋肉を日常的に鍛えれば怪我の防止にもなりますね。
腰を守るのはもちろん、懸垂では僧帽筋も鍛えられるため、首の怪我も防止できます。
懸垂マシンの筋トレ効果④姿勢維持や血行改善
背中の筋肉を鍛えれば、正しい姿勢を維持しやすくなります。
脊柱起立筋は真っ直ぐな背筋を維持する筋肉であり、広背筋も背中を全体的に後ろへ引っ張るように作用する筋肉です。
姿勢が良くなれば血行も良くなり、肩こりや腰痛の改善につながります。
大きな筋肉を鍛えると人間の基礎代謝は上がり、痩せやすい体質へと変化。
さらに、全身の筋肉への伝達神経を活性化させるため、筋肉がつきやすい体にもなっていきます。
結果的に、他の筋力トレーニングの効果も引き上げられるのですね。
懸垂マシン(チンニングスタンド)を活用した効果的な筋トレ8選
懸垂マシン(チンニングスタンド)で取り組むことのできる筋トレ種目は多数あります。
それぞれの種目で鍛えることのできる筋肉部位と特徴を理解し、効果的で効率的なトレーニングにしていきましょう。
背中に効く種目
懸垂マシンで背中に効果的な筋トレ①ワイドグリップ・チンニング
ワイドグリップチンニングは、自分の体重を利用して行う、背中全体に効果的な自重筋トレ種目です。
逆三角形の背中を作りたい方、背筋を鍛えて引っ張る力を強くしたい方におすすめ。
背中の一番大きな筋肉である広背筋を中心に、大円筋・僧帽筋・菱形筋・三角筋後部を同時に鍛えられます。
懸垂(チンニング)はバーを握るグリップの手幅を変えることにより、より集中して鍛えたい筋肉の部位を変更可能です。
【ワイドグリップ・チンニングのやり方・フォーム】
まずはスタートポジションを作ります。
- チンニングバーを肩幅より1.5程度広く順手で握り、ぶら下がる
- 足を後ろで組み姿勢を安定させる
- 胸を大きく突き出すように張る
- 背中を反るように意識する
トレーニングを開始しましょう。
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力で体を上げていく
- できるだけ顎や胸の上部につくまで体を引き上げる
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げていき、スタートポジションに戻る
- 広背筋がしっかりとストレッチ(進展)するのを感じるまで腕を伸ばす
- 上記の動作を繰り返す
ワイドグリップ・チンニングの目安は8~15回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 常に胸は大きく張ったまま動作するようにする
- 肩は下げて動作する
- 大きな可動域で動作すれば、対象筋に効果的な負荷を与えられる
- 背中を反る意識で動作する
懸垂マシンで背中に効果的な筋トレ②ナローグリップ・チンニング
ナローグリップ・チンニングは懸垂バーを肩幅よりも短い位置(ナローグリップ)で握って行う懸垂。
通常のグリップやワイドグリップのチンニングと比べ、背中の筋肉(広背筋・大円筋・脊柱起立筋など)がよりストレッチ(伸展)され、広い可動域を活かした効果的なトレーニングが可能です。
ポイントは肘を伸ばしきること。
体をおろしていく段階でしっかりと肘を伸ばし切り、背中の筋肉がストレッチ(進展)する感覚をつかみましょう。
また、このとき対象筋の負荷が抜けないよう、伸ばし切りながらも力を抜かないことも大切です。
【ナローグリップ・チンニングのやり方・フォーム】
まずはスタートポジションを作ります。
- チンニングバーを肩幅より短い位置で順手で握り、ぶら下がる
- 足を後ろで組んで姿勢を安定させる
- 胸を大きく突き出すように胸を張る
- 背中を反るように意識するこれでスタートポジションは完成
トレーニングを開始します。
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力で体を上げていく
- できるだけ顎や胸の上部につくまで体を引き上げる
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げていき、スタートポジションに戻る
- 背中全体がしっかりとストレッチ(進展)するのを感じるまで腕を伸ばす
- 上記の動作を繰り返します
ナローグリップ・チンニングの目安は8~15回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 背中全体をしっかりとストレッチ(進展)することが大切ですが、負荷が抜けないよう注意する
- 常に胸を大きく張ったまま動作するようにしましょう。
- 肩は下げて動作することを心がけましょう
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えられる
- 背中を反る意識で動作する
懸垂マシンで背中に効果的な筋トレ③L字・チンニング
L字・チンニングは、背筋、腹筋、上腕二頭筋など、上半身全体を効果的に鍛えられるトレーニング種目です。
しかしその分、通常のチンニングよりも難易度が高いので、トレーニングに慣れてきたときに挑戦するようにしましょう。
初めのうちは慣れないのでなかなか回数をこなせないと思いますが、動作に慣れればスムーズにできるようになりますよ。
【L字・チンニングのやり方・フォーム】
まずはスタートポジションを作ります。
- チンニングバーを肩幅より1.5程度広く順手もしくは坂手で握り、ぶら下がる
- 膝を伸ばし、お尻からつま先までを地面と平行になるまで脚を上げ
- このL字のままキープ
- 胸を大きく突き出すように張る
- 背中を反るように意識する
- これでスタートポジションは完成です
トレーニングを開始しましょう。
- 肩甲骨を寄せるようにして背中の力で体を上げていく
- できるだけ顎や胸の上部につくまで体を引き上げる
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げていき、スタートポジションに戻る
- 広背筋がしっかりとストレッチ(進展)するのを感じるまで腕を伸ばす
- 上記の動作を繰り返す
L字・チンニングの目安は8~15回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 足の先の位置が下に下がりやすいので、常に位置をキープするよう心がける
- 常に胸は大きく張ったまま動作する
- 肩は下げて動作することを心がける
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えられる
- 背中を反る意識で動作する
腹筋に効く種目
懸垂マシンで腹筋に効果的な筋トレ①レッグレイズ
レッグレイズは、腹直筋や腹斜筋を鍛えることができるトレーニング種目。
ディップスバーを握り膝を伸ばした状態で、体全体を浮かせたまま脚を上下に動かします。
レッグレイズ用のクッションがついているタイプであればより簡単に取り組めますが、もし無くてもチンニングバーにぶら下がった状態で可能です。
【レッグレイズのやり方・フォーム】
- ディップスバーを両手で握り、肘を伸ばして体全体を浮かせる
- 膝を伸ばしたまま、お尻からつま先までが地面と平行になる位置まで脚を上げていく
- 2のとき、息を全て吐ききるよう意識する
- 腹筋の収縮を感じたら、息を吸いながら元の位置まで戻す
- 上記の動作を繰り返し行う
レッグレイズの目安は8~15回×3セット。
もし、膝を伸ばしまま動作することが難しい場合は、膝を90度程度曲げ、その角度をキープしたまま動きましょう。
より強度を軽くした効果的なトレーニングが可能です。
- 脚を上げるときは、必ず息を吐き切ることを意識する
腹筋は腕や脚の筋肉とは異なり、内部に肺があります。
肺に空気が入っている膨らんだ状態だと、腹直筋や腹斜筋を収縮しきることができなくなるのです。
息を吐き切って脚を上げることで、最大収縮が可能になります。
懸垂マシンで腹筋に効果的な筋トレ②ハンギング・レッグレイズ
ハンギング・レッグレイズは、先ほど紹介したレッグレイズとほぼ同じ動作。
しかしチンニングバーしかついていない懸垂マシンで行える、レッグレイズのバリエーションの一つです。
【ハンギング・レッグレイズのやり方・フォーム】
- チンニングバーを握り、肘を伸ばした状態で体全体を浮かせる
- 膝を伸ばしたまま、お尻からつま先までが地面と平行になる位置まで脚を上げていく
- 2のとき、息を全て吐ききるよう意識する
- 腹筋の収縮を感じたら、息を吸いながら元の位置まで戻す
- 上記の動作を繰り返し行う
ハンギング・レッグレイズの目安は8~15回×3セット。
もし、膝を伸ばしまま動作することが難しい場合は、膝を90度程度曲げて行いましょう。
その角度をキープしたまま動作することで、より強度を軽くしたうえ効果的なトレーニングが可能です。
- 脚を上げるときは、必ず息を吐き切ることを意識する
懸垂マシンで腹筋に効果的な筋トレ③ハンギング・ワイパー
ハンギング・ワイパーは、腹直筋・腹斜筋を強烈な負荷で最も効果的に鍛えることが出来る、高強度な自重トレーニング種目です。
懸垂マシンを使用して腹筋周辺を鍛える種目の中では、最大の効果が期待できますが、難易度も最大。
怪我には注意しましょう。
【ハンギング・ワイパーのやり方・フォーム】
- チンニングバーを順手もしくは逆手で握り、ぶら下がる
- 左右の足を揃え、肘を伸ばし、つま先を真上に向けるように体を曲げる
- そのままの状態で、車のワイパーのように、右(左)に90度を目安に曲げる
- 横に倒した下半身を起こしていき、ねじれをなくし体を真っ直ぐにする
- 反対にも同様に90度を目安に曲げる
- 上記の動作を繰り返し行う
ハンギング・ワイパーの目安は8~15回×3セット。
もし、膝を伸ばしまま動作することが難しい場合は、膝を90度程度曲げで行いましょう。
より強度を軽くし、効果的なトレーニングが可能です。
- 上半身は固定したまま、脚だけをワイパーのように動かすことを意識する
上半身が大きくブレてしまうと下半身を十分にひねることができず、腹斜筋が効果的に使われません。
「全く動かさない」となるとかなり難しいですが、なるべく動かさないという意識は忘れずに持っておきましょう。
大胸筋に効く種目
懸垂マシンで大胸筋に効果的な筋トレ①ディップス
ディップスはメインターゲットが大胸筋、サブターゲットが上腕三頭筋・三角筋前部のトレーニング種目。
体を完全に腕だけで支えながら動作する、高負荷のトレーニング種目です。
自重だけでは負荷が足りない方は、ウエイトをプラスしてより高強度にしましょう。
【ディップスのやり方・フォーム】
- ディップスバーを使用する
- 両手でバーを握り、体を軽く浮かせる
- 膝を90度くらいに曲げ、少しだけ上体を前傾させる
- 手首から肘までの角度は地面に対して垂直にする
- 前腕と肘を固定したままでゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返す
ディップスの目安は、10回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 上半身を軽く前に前傾させる
- 上腕と地面が平行になるまで下げていく
- 下げすぎてしまうと、三角筋に過度なストレッチがかかるため、注意する
ディップスにはさまざまなバリエーションが存在します。
いろいろとトライしてみてくださいね。
懸垂マシンで大胸筋に効果的な筋トレ②リバースハンド・ナロー・チンニング
リバースハンド・ナロー・チンニングは、大胸筋と上腕二頭筋を鍛えられるトレーニング種目です。
背中を鍛えるチンニングと同じように見えますが、リバースハンド(逆手)で行うことで大胸筋をターゲットにできます。
男性は大胸筋が分厚い逞しい体に、女性は美しいバスト形成に効果が期待できる優れたトレーニング種目です。
拳一個分程度か拳同士が触れるくらいの手幅で、グリップはリバースハンド(逆手)で握りましょう。
こちらのトレーニング種目は、今まで紹介してきたチンニングの中でも比較的難易度が高め。
しっかりとフォームを確認し、効果的なトレーニングを実践していきましょう。
【リバースハンド・ナロー・チンニングのやり方・フォーム】
まずはスタートポジションを作ります。
- 懸垂バーをリバースハンド(逆手)で握る
- 握り幅は拳一個分程度か拳同士が触れるくらいの手幅ぶら下がります
- 足を後ろで組むと姿勢が安定しやすくなります
- 胸を大きく突き出すように胸を張りましょう
- 背中を反るように意識します
これでスタートポジションは完成。
トレーニングを開始しましょう。
- 肩甲骨を寄せるようにして大胸筋・上腕二頭筋の力で体を上げていく
- できるだけ顎や胸の上部につくまで体を引き上げる
- ゆっくりと肘を伸ばして体を下げていき、スタートポジションに戻る
- 大胸筋がしっかりとストレッチ(進展)するのを感じるまで腕を伸ばしていく
- 上記の動作を繰り返す
リバースハンド・ナロー・チンニングの目安は8~15回×3セット。
フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 大胸筋をしっかりとストレッチ(進展)することが大切ですが、負荷が
- 抜けないように注意する
- 常に胸を大きく張ったまま動作する
- 肩は下げて動作する
- 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えられる
- 大胸筋と上腕三頭筋の負荷を感じながら動作する
懸垂マシン(チンニングスタンド)の筋トレ効果を高めるテクニック
懸垂マシン(チンニングスタンド)を活用したトレーニングの効果を、より高めるテクニックについて解説していきます。
質の高い負荷を大胸筋に与えることが重要で、そのためにはいくつかのコツがあります。
ゆっくりと動作する(マッスルコントロール)
マッスルコントロールとは、筋肉の出力によりウェイトを扱い制御するという意味です。
すべての種目に共通することですが、ウェイトの数字通りの負荷を筋肉に与えなければ、そのウェイトを扱っている意味がなくなってしまいます。
たとえば、ベンチプレスでバーベルを行うケース。
バーベルを下すときに力を抜いて勢いよくおろしてしまうと、重力に従っているだけで筋肉への負荷がかかっていません。
100kgのバーベルでも、おろす瞬間には実際に負荷として乗っているウェイトの重量は50kgだったり、ゼロになったりしている可能性があります。
つまり負荷が入っている瞬間と入っていない瞬間があり、負荷が入っている瞬間でもその負荷はウェイトの数字より軽くなってしまうのですね。
それでは効率も質も低い、効果的ではないベンチプレスということになります。
おろすさいも力を抜かず、筋肉にウェイトの数字通りの負荷を乗せたままおろす意識を持つこと。
これがマッスルコントロールです。
対象筋を意識して動作する(マッスルマインドコネクション)
マッスルマインドコネクションとは、「筋肉と脳神経のつながり」です。
ボディビルダーなどが胸の筋肉を自由に弾ませることがありますが、あれがマッスルマインドコネクション。
筋肉を自在に操れるということは、筋トレでメインターゲットを効率的に効かせることが出来るわけです。
トレーニング中に、メインターゲットの部位に対し負荷を感じながら動作させることで、効かせるべき部位だけに効かせることができます。
トレーニングマシンのように同じ動作を意識する
マシン種目と同じように、自重トレーニングでも毎回の動作を同じくきれいかつ適切なフォームを維持しながら動作することが大切。
これを、ストリクトフォームと言います。
ストリクトフォームとは“正しい””正確な”“厳格な”という意味があり、反動を使わない丁寧で正しいフォームという意味です。
体の反動を使って動作をしないようにする
すべての筋トレ種目に共通して言えることですが、体の反動を使うことでより高重量を扱えます。
しかしこれは、非常にありがちな間違ったやり方。
なぜなら対象筋以外の筋肉も使われてしまい、対象筋を補助してしまうからです。
反動を使ってしまうと対象筋の負荷が逃げてしまうため、効果のないトレーニングになります。
間違ったフォームの対策法
ほとんどの原因はオーバーウェイト(自分に見合っていない重量)を扱っていること。
体幹伸展動作をしなくても、肘関節屈曲動作で挙げることができる重量を選びましょう。
“チーティング”と“ストリクト”の概念を理解し、より効果の高い筋トレへ
筋トレには「チーティングフォーム」と「ストリクトフォーム」という概念が存在します。
ストリクトフォームとは前述した通り、“正しい”“正確な”“厳格な”という意味があるフォーム。
つまり反動を使わない丁寧で正しいフォームです。
反対にチーティングフォームとは“反則”という意味で、体の反動を使ったもの。
この2つの概念がトレーニングでは非常に効果的な役割を果たしてくれます。
このチーティングというのはあくまで、“ストリクトフォームで挙がらなくなってから最後に追い込むために対象筋以外の筋肉を少しだけ使い、ぎりぎり対象筋の力のみで挙げられる程度の力で補助をするフォーム”のこと。
つまり、ただ闇雲に体の反動を使って動作するのとではまったく意味が異なるわけですね。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入りません。
理想の肉体になるまでに不要な時間をかけることになるため、注意しましょう。
ネガティブ動作はゆっくりと行う
筋肉への負荷が入る瞬間というのは「ポジティブ動作、力を入れてウェイトを挙げていくコンセントリック動作時」と、「ネガティブ動作、力を抑えてウェイトをおろしていくエキセントリック動作」の2つに分けられます。
エキセントリック動作はコンセントリック動作に比べると“1.7倍の高重量”を扱うことができるため、強い刺激を筋肉に与えられるのですね。
エキセントリック動作で負荷をしっかり入れるためには、3秒~5秒程度の長い緊張時間で刺激するのが理想です。
筋肉は筋繊維に傷がついたのち、修復段階で筋肉がより増強されます。
つまりエキセントリック動作をゆっくり行えば、より筋肥大に適した負荷を与えられるのです。
懸垂マシン(チンニングスタンド)の選ぶポイント
ここから懸垂マシンの選ぶポイントについて解説していきます。
安全で効果的に鍛えることのできる懸垂マシンを選び、理想の肉体を作っていきましょう。
懸垂マシンを選ぶポイント①フレームが太い安定性のあるものを選ぶ
懸垂マシンで一番大事なのが安定性の高さです。
懸垂マシンは安定性が低いものであれば、懸垂やディップスなどをするとグラつきます。
不安定な状態でのトレーニングはケガに繋がり危険です。
そのため土台がしっかりしてフレームが太いものを選ぶことが大切。
安いだけの懸垂マシンを買ってケガしないようにしましょう。
懸垂マシンを選ぶポイント②耐荷重量は体の反動や加重も考えて選ぶ
懸垂マシン(チンニングスタンド)には、すべての器具で耐荷重量が設定されています。
耐荷重量とは、その懸垂マシンがどれくらいの重さまで耐えられるかという目安。
それを超える高重量でトレーニングをすると、破損・怪我などに繋がる可能性があります。
懸垂マシンの耐荷重量は80~120kgが一般的ですが、気を付けなければならないことは、自分の体重だけで重量設定を考えないということです。
なぜなら、筋トレ初心者の方や懸垂の適切なやり方ができない方は、反動を使ってトレーニングすることが多いから。
反動をつけると、その分の重さが懸垂マシンにかかります。
さらに、懸垂やディップスなどのトレーニングを続けていくと、筋肉と筋力が発達してきます。
そのため今までのトレーニングの強度に体が慣れてしまい、ダンベルやプレートなどを付けて加重させることで、より強度を増やしてトレーニングをする方もいらっしゃいます。
よって、体重+加重・反動を考えると、耐荷重量は自分の体重に20kg加えて選ぶと安全でしょう。
懸垂マシンを選ぶポイント③懸垂マシンは割と大きい! 設置スペースを要確認
せっかく懸垂マシンを購入しても、想像以上に大きくて部屋のスペースを占有してしまう、なんてケースは少なくありません。
事前に設置スペースを確認しましょう。
トレーニングをするときには、自分の頭の位置が2m以上の高さになることもあります。
そのため照明器具などに接触しないかどうかも確認してください。
きっちりと収まるスペースを用意するのではなく、前後左右20-30cmはスペースの確保が大切。
特にベンチ台などが付属された懸垂マシンはその分サイズが大きくなるため、注意が必要です。
筋トレ初心者であれば、オプションは最低限でも十分。
まずはシンプルな懸垂マシンを検討してみてくださいね。
懸垂マシンを選ぶポイント④組み立てのしやすさ
懸垂マシン(チンニングスタンド)の種類によっては、単独や女性だけでは重くて組み立てができないものもあります。
あまり慣れていない方だと時間も力も使ううえに適切に設置できず、そのトレーニング器具が持っている本来の安定性や頑丈さを引き出せなくなってしまう可能性もあるでしょう。
そのため、組み立てやすさは最も気を付けなければいけないポイントの一つです。
女性一人でも簡単に組み立てができる懸垂マシンも多いので、レビューなども見ながら選ぶといいですね。
懸垂マシンを選ぶポイント⑤機能の多さ
懸垂マシンの多くは、チンニングバーだけでなくディップスバー、プッシュアップバーなどがついています。
しかし器具の種類によっては、その仕様にかなりの差があります。
たとえばディップスバーの場合、ただ握るフレームがあるだけのものから、肘を固定するパッドがついておりハンギングレッグレイズができるものまでさまざまです。
チンニング(懸垂)だけしたいのであれば、他の機能は気にせず安いものを選ぶといいでしょう。
多機能が備わっている方がいいという人は、チンニングバー以外の部分にも注目して選んでください。
懸垂マシン(チンニングスタンド)のおすすめ商品
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・サイズ:幅約1,060mm×奥行約950mm×高さ約1,860~2,070mm
・重量:24kg
・耐荷重:150kg
はしご型ハンドル(意匠権申請中)で懸垂バリエーション豊富な本格懸垂マシン
こちらも「STEADY(ステディ)」の 懸垂マシンです。
弊社オリジナルのはしご型ハンドル(意匠権申請中)を採用し、懸垂のバリエーションを豊富にしました。
ノーマルチンニングでは広背筋や大円筋をメインに刺激を与えられますが、連結棒を使ったパラレル(ナロー)チンニングは僧帽筋をメインに鍛えられます。
またレッグレイズやディップスもやりやすく設計しているため、これ一台でより豊富な全身トレーニングが可能です。
懸垂マシン(チンニングスタンド)の他に用意すると効果的なもの
チンニングスタンドだけを購入してトレーニングに取り組むことももちろん可能ですが、より効率よくトレーニングするための道具が他に販売されています。
そちらも少し紹介しましょう。
床を守る保護マットも購入しよう
懸垂マシン(チンニングスタンド)を購入する際、一緒に購入したいのが保護マットです。
チンニングスタンド自体20~30kg程度の重さがあり、さらに懸垂マシン+自体重がぶら下がることになるため、男性の場合自分の体重とチンニングスタンドと合わせて100kg近い重量が床にかかります。
これにより、床が傷ついたりへこんでしまうことも珍しくありません。
特に賃貸物件などにお住まいの方であれば、床に傷を付けてしまうと修繕費として余計な費用が掛かかるでしょう。
それを防ぐためにも、床を守る保護マットは必須です。
保護マットは床を守るだけでなく滑り止めにもなるので、チンニングスタンドの安定性が向上。
3000円程度と手ごろな価格で販売されていますので、チンニングスタンドと合わせて購入するようにしましょう。
▼STEADYのジョイントマットについてはこちら
握力を持続させるためのトレーニンググローブ
筋トレ初心者が陥りがちなのが、チンニング中に握力が無くなってしまい、トレーニングが続行できなくなってしまうという現象です。
一般の人は棒にぶら下がるという習慣がありません。
そのため、トレーニングし始めの方は腕や背筋よりも握力が先に失われてしまい、思うようにトレーニング出来ないのですね。
それを防ぐのがトレーニンググローブです。
これを使えばある程度握力を補助してくれるので、素手の時よりも長くぶら下がることができます。
また、素手での懸垂では手のひらにマメができることも。
しかしトレーニンググローブは手の保護にもなりますので、仕事柄手をきれいに保ちたいという方にも良いでしょう。
安価なものでは1000円程度で購入できるので、そこまで費用がかからず購入できますよ。
ディップスで手首が痛くなってしまう方におすすめ「リストラップ」
手首は関節の中でも特に痛めやすく、ウェイトの負荷が最もかかりやすい関節。
手首を保護してくれるリストラップは、ディップス・ベンチプレス・ダンベルプレス・ショルダープレスなどのプレス系種目におすすめなギアです。
加重して負荷を高める「ウェイトベスト」
自重のチンニング・ディップスでは軽過ぎる、負荷が足りないと考える方にとって、加重はシンプルでありながら大きな効果があるもの。
10kgの加重ベストを着るだけで大きく負荷が上がります。
懸垂やディップスが自重で連続10回以上できるようになったら、加重トレーニングがおすすめです。
ウェイトベストでなくても、リュックサックに重りになるものを詰め(ダンベル・本・ペットボトルなど)背負うことで加重することも可能ですよ。
まとめ
自宅で取り組めるトレーニング器具の中でも、最大の種目数と効果を誇る懸垂マシンは非常におすすめです。
- ジムに行く時間がない人
- ジムが家の近くにない人
- 家でトレーニングしたい人
- ジムには行きたくないけど、効果的なトレーニングを家でしたい人
ぜひ懸垂マシンを購入し、効果的で効率的なトレーニングを実現してください。
この機会にぜひ、懸垂マシンで理想的な肉体を作り上げましょう!
”No pain No gain”
AKI
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