細マッチョやゴリマッチョなど、人それぞれ理想とする肉体は異なりますよね。
しかし、筋トレに取り組む方の中には「デカい力こぶ」を手に入れるために、腕トレに日々取り組んでいる方も多いでしょう。
「力こぶ」を作るために鍛える必要のある部位と言えば、腕の表側に位置する「上腕二頭筋」です。
上腕二頭筋の鍛え方で有名なメニューは「ダンベルカール」や「バーベルカール」といったアームカールだと思います。
今回解説する「スパイダーカール」は、上腕二頭筋のピーク(力こぶ)作りに最適な種目です。
ここではスパイダーカールの基本的なやり方・効果・バリエーション・コツなどについて解説します!
この記事の目次
スパイダーカールの基礎知識
スパイダーカールは、肘を曲げる動き(肘関節屈曲動作)で上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋などをメインに鍛えるアームカール種目。
特徴は、上腕部の筋肉を鍛える専用のトレーニング器具「プリーチャーベンチ」または「アジャスタブルベンチ(トレーニングベンチ)」を利用することです。
スパイダーカールでは「ダンベル」「EZバー」「バーベル」などのフリーウェイト器具とベンチと組み合わせます。
単一の関節・筋肉のみ関与する「アイソレーション種目(単関節運動種目)」に分類されますよ。
プリーチャーカールとスパイダーカールの効果の違いとは?
一見すると「プリーチャーカール」と間違えてしまいそうですが、スパイダーカールは全く異なる種目です。
スパイダーカールの場合は、プリーチャーベンチを通常の向きとは逆に使うことが特徴。
アジャスタブルベンチを利用して取り組む場合は、インクラインの角度(30~45度程度)に角度を調整したベンチに「うつ伏せ」の状態で動きます。
このように取り組むことで、通常のプリーチャーカールのようにパッドに肘を固定する必要がなくなり、より広い可動域を活かせるのですね。
また、上腕部が床に対して垂直になる角度でアームカールを行うため筋肉の緊張が途切れることがなく、動作中負荷が抜けづらいという特徴があります。
質の高い刺激を上腕部に加えられますよ。
さらに上半身が前傾した姿勢のままアームカールを行うため、上腕部の筋肉をより強烈に収縮できるのも特徴です。
結果的に、スパイダーカールが上腕部のピーク(力こぶ)を作るのに非常に効果的な種目であると言えます。
スパイダーカールは筋トレ初心者におすすめ!
スパイダーカールはベンチを利用してアームカールを行うため、一見すると筋トレ上級者向けの筋トレと感じてしまうかもしれません。
しかし、実は筋トレ初心者におすすめな種目です。
最も一般的なアームカール種目「ダンベルカール」では、適切な負荷を対象筋に与えづらいというデメリットが存在します。
直立した姿勢で動作を行うため、上半身が前後に動いてしまうことによる「反動」や肘が前後に動いてしまうことで肩関節が関与しやすい点などがあるのですね。
その点、スパイダーカールの場合は上半身をベンチに固定できるため、上半身の反動による負荷の分散を抑制できます。
また、上腕部が床に対して垂直になるため、肘が前後に動いてしまうことによる肩関節の関与も抑制可能です。
スパイダーカールの基本的なやり方
スパイダーカールには、いくつかのバリエーションが存在しますが、ここでは最も一般的なやり方を紹介しますね。
「プリーチャーベンチ」「EZバー」を利用して行うスパイダーカールです。
【やり方】
- 肘パッド側に、胸の下部あたりから上半身を固定する
- 両足は、ベンチの高さに合わせて曲げるか伸ばしたまま床につける
- EZバーの「逆ハの字」の部分を逆手で握る
- 肘パッドとは反対側に両肘を伸ばす
- 肩→肘→手首が、床に対して垂直になる角度に位置を調整する
- これでセットアップが完了
- 肘を曲げてウェイトを挙上する
- 肘を前後に動かないように、肘関節の動作のみで行う
- その後ゆっくりと肘を伸ばし、ウェイトをおろしていく
- 上記の動作を繰り返し行う
スパイダーカールのバリエーション種目4選!
では、スパイダーカールのバリエーション種目について解説します。
それぞれの種目の効果の違いについて理解を深めることで、より効率的なトレーニングに取り組んでいきましょう。
スパイダーカールのバリエーション①ダンベル・スパイダーカール
冒頭でも解説をしましたが、スパイダーカールで利用できるトレーニング器具の幅には柔軟性があります。
この種目は、EZバーではなくダンベルを利用するスパイダーカールです。
両手それぞれに独立したダンベルを利用するため、左右の筋力差や、それぞれの上腕部の形・大きさの均等性を直すのにも効果的。
また、ダンベルを挙上するとき、手首を「外旋」させることでEZバーやバーベルより強烈に収縮させられるのも特徴です。
【注意点】
- ダンベルを握る左右の手幅は、肩幅程度で調整する
- 手幅を変えずに、同様の手幅のまま挙上動作を行う
- ダンベルを挙上するさいは手首を「外旋」させ収縮させる
- ダンベルを持つ手の「小指」を高く上げるイメージで動く
スパイダーカールのバリエーション②ケーブル・スパイダーカール
この種目は、ケーブルマシンを利用して行うスパイダーカールのバリエーションです。
フリーウェイト器具は「重力方向にしか負荷が掛からない」デメリットがあるのに対し、ケーブルマシンは「重力方向に依存せず、全方向に対し負荷が掛かり続ける」という特徴があります。
そのため、動作中常に負荷が抜けづらいのが大きなメリット。
効率的に上腕部の筋肉に刺激を与えられます。
【やり方】
- ケーブルマシンのプーリーを、一番低い位置に調整する
- ケーブルマシンにストレートバーもしくはEZバーを取り付ける
- ケーブルマシンの前に、インクライン(30~45度程度)に調整したアジャスタブルベンチを置く
- ケーブルを両手に持ち、スパイダーカール動作を行う
スパイダーカールのバリエーション③ケトルベル・スパイダーカール
この種目は、ケトルベルを利用して行うスパイダーカールのバリエーション。
ダンベルは握る位置に重心がありますが、ケトルベルは持ち手(ハンドル)から重心が離れた位置にあるため、ダンベルに比べより強い刺激が対象筋に加わるという特徴があります。
動画では2つのケトルベルを両手にそれぞれ持って動いていますが、1つのケトルベルをニュートラルグリップ(手のひら同士が向き合う角度)で持って動くことで「スパイダー・ハンマーカール」と同様になります。
【注意点】
- ケトルベルを両手にそれぞれ持ち、スパイダカールを行う
- ケトルベルを持つ手首を「丸め込む」イメージで動くのがコツ
- 早く動くと重心のある球体部分がブレるため、ゆっくりと行う
スパイダーカールのバリエーション④スパイダー・ハンマーカール
この種目は「ダンベル・スパイダーカール」をハンマーグリップ(ニュートラルグリップ)で行うバリエーション。
ハンマーグリップ(手のひらが向き合う角度)で行うことで上腕筋・腕橈骨筋への関与・刺激が強くなるため、上腕二頭筋はサブになります。
上腕二頭筋の深部である上腕筋を鍛えることで土台から力こぶを大きくできるため、ピーク作りに最適です。
また、腕橈骨筋にも強い刺激が加わるため、上腕部から前腕部にかけての太さを作るのにも適しています。
【注意点】
- ハンマーグリップ(手のひらが向き合う角度)でダンベルを持って動く
- 上腕筋・腕橈骨筋への負荷を感じながら動く
- 手首は前腕骨に対してまっすぐになる角度のままで動く
スパイダーカールとその他のアームカール種目との違いについて
では、他のアームカール種目とスパイダーカールの違いについて紹介します。
- 可動域の広さ
- チーティングを抑制できる
- 強烈な収縮感
スパイダーカールとその他アームカール種目との違い①可動域の広さ
前述した通り、スパイダーカールの特徴の1つに「可動域の広さ」があります。
筋トレは「ウェイトによる負荷を掛けながら、筋肉を伸展・収縮」させることで、効果的な刺激を加えられます。
つまり、可動域が広ければ広いほど、筋肉の最大伸展・最大収縮を引き起こすことができるということ。
そのため、可動域が広ければより高い筋トレ効果に期待できます。
例として、直立した姿勢で行うダンベルカールをみてみましょう。
ダンベルカールでは、ウェイトをおろして肘を伸ば切る手前とウェイトを上げて肘を曲げ切るタイミングにおいて負荷が抜けやすいため、筋肉に負荷が掛かる可動域に制限が生じるデメリットがあります。
この点スパイダーカールでは、上半身の前傾姿勢のままアームカール動作を行うために全可動域で負荷が抜けるタイミングがありません。
筋肉に負荷が掛かる可動域に制限がないため、非常に効率的に刺激を与えられます。
スパイダーカールとその他アームカール種目との違い②チーティング(反動)を抑制できる
効果的に対象筋を鍛えていくためには、適切で丁寧な動作「ストリクト」に取り組むことが重要です。
しかし、たとえば直立した姿勢で行うダンベルカールやバーベルカールでは、上半身を後方に勢いよく振るように動作をする「体幹伸展動作」によるチーティング動作(反動)が関与しやすく、負荷が背筋に分散してしまいがち。
また、肘を前後に動かすことによる「肩関節動作」が関与しやすいため、負荷が背筋だけでなく肩の筋肉「三角筋」にも分散します。
結果的に、チーティング動作が関与しやすいというデメリットがあるのですね。
この点、スパイダーカールではベンチに体幹・上半身を固定して動くことが可能。
そのため、体幹伸展によるチーティング動作の関与を抑制できるという特徴があります。
さらに、肘関節の前後動作が、ダンベルカールと比べても関与しにくくなるため、純粋に肘を曲げる動きに集中できます。
その結果、効率良く上腕部の筋肉を鍛えられるわけです。
スパイダーカールとその他アームカール種目との違い③強烈な収縮感
スパイダーカールは、「コントラクト種目」に分類される種目です。
コントラクト種目は「対象筋が収縮する際に、最も強烈な負荷(最大負荷)が加わる種目」という意味。
スパイダーカールは肘を曲げてウェイトを持ち上げ、上腕部の筋肉が収縮したしたさいに最も強烈な負荷が加わります。
ダンベルカールの場合は「ミッドレンジ種目」で「筋肉がストレッチ(伸展)とコントラクト(収縮)の中間で最大負荷が掛かる」ため、スパイダーカールの方がより「強烈な収縮感」を得られます。
スパイダーカールによる強い収縮感は、上腕二頭筋の「力こぶ」を大きくするのに最も効果的。
力こぶを大きくしたいのであれば、スパイダーカールがおすすめですよ。
まとめ
今回は、上腕部のピーク作りに最適なスパイダーカールについて解説しました。
上腕部を太くするためには上腕二頭筋を鍛えることはもちろん、上腕筋や腕橈骨筋といった部位も含めて総合的に鍛えることが大切。
全体的に太くてたくましい腕を手に入れられます。
スパイダーカールに取り組み、理想的な腕を手に入れましょう。
“No pain No gain”
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