大胸筋のトレーニング種目の中でも王道中の王道!
それがベンチプレスです。
ベンチプレスは、大胸筋を発達させるのに最適なトレーニング種目。
ジムでは初心者の方から上級者の方まで、多くの方がベンチプレスで大胸筋を鍛えています。
しかし中には、ベンチプレスでトレーニングをしていると肩が痛くなったという方もいるでしょう。
もしくは「ベンチプレスをやるときだけ肩が痛む」なんて方もいらっしゃるかもしれませんね。
ベンチプレスは、正しく適切なフォームでトレーニングをしないと、肩関節を痛めてしまいやすい種目です。
肩関節を痛めると、上半身のトレーニング全般に影響ます。
そのため、肩を痛めないような安全なトレーニングを実践することがとても大切です。
そこで今回は、ベンチプレスの痛めやすい部位の解説と、その原因・改善方法について解説します。
この記事の目次
ベンチプレスが怪我しやすい理由は多関節運動種目だから
ベンチプレスとは、バーベルとトレーニングベンチの二つの器具を使用して行う大胸筋トレーニング。
肩関節・肘関節の2つの関節を含む、多関節運動種目(コンパウンド種目)に分類されます。
コンパウンド種目であるため、多くの筋肉(上腕三頭筋・三角筋前部・背中・脚)が関与するのですね。
そのため、その他のトレーニング種目と比べると必然的に使用重量が重くなります。
高重量を扱うことで関節への負荷も高まり、肩関節を痛めてしまうのです。
ベンチプレスで鍛えられる部位
ベンチプレスで鍛えられる部位をしっかりと理解することで、効果的なトレーニングを実践していきましょう。
大胸筋(胸の筋肉)
ベンチプレスのメインターゲットは「大胸筋」です。
大胸筋は上部(インクライン)下部(デクライン)内側(インサイド)外側(アウトサイド)と区別されています。
そのため、大胸筋と一言で言っても4つの部位それぞれに効果的なエクササイズがあることを覚えておきましょう。
厚い大胸筋は男らしさを表現できる花形的存在の筋肉。
またTシャツをかっこよく着こなすためには、大胸筋の発達は必要不可欠と言えるでしょう。
また、他の筋肉と違って鍛えれば鍛えるほど目立ちやすい筋肉です。
多少お腹にお肉が乗っていたとしても、大胸筋の方が膨らんでいれば問題なし。
見た目には、大胸筋が発達した引き締まった体に見せられます。
女性にも大胸筋を鍛えるメリットがありますよ。
大胸筋を鍛えることでバストラインの崩れを防止し、ラインアップさせる効果が期待できます。
上腕三頭筋(二の腕の裏)
上腕三頭筋は、(長頭・内側筋・外側筋)という3つの筋肉から構成される複合筋です。
腕を伸ばした時に、腕の後ろ側に浮き出てくる筋肉が上腕三頭筋。
部位を知るためにも実際に見て触り、確認することをおすすめします。
長頭の働きと部位に関して
長頭(画像の赤色部分)とは、肩甲骨関節下結節というところに付着している筋肉のこと。
肘関節の伸展動作だけでなく、肩関節の伸展動作に関わる働きをしています。
上腕三頭筋の中でも長頭だけが肩にまで伸びている筋肉で、腕を伸ばしたときに内側にきます。
上腕を内転方向に動かすさいにも使われる筋肉です。
そのため、長頭を鍛える事で筋肥大だけでなく、スポーツ競技全般における能力の向上に役立つと言われています。
効果的に鍛えるコツ
長頭に効かせるためには、極力上腕を体幹に近づけて行う事が大切。
具体的には、脇を締めて行うと長頭への刺激を実感できます。
そのさい、肘は固定しながら行うようにしましょう。
短頭(内側頭・外側頭)の働きと部位に関して
短頭とは、内側頭(画像の緑色部分)と外側頭(画像の黄色部分)をまとめて表現した言葉です。
肘関節収縮時だけに作用する働きをしています。
腕を伸ばした時に外側にある筋肉で、上腕を内転方向に動かすさいにも使われる筋肉です。
鍛える上でのコツ
短頭に効かせるためには、やや肘を開き気味に行うこと。
長頭と同様に、肘は固定しながら行う事がポイントです。
三角筋前部(肩の前)
ベンチプレスで大胸筋の次に効果的に鍛えられるのが三角筋です。
三角筋は前部(フロント)・側部(サイド)・後部(リア)の3つからなる複合筋。
この筋肉も大胸筋と同様に、それぞれに効果的なエクササイズが多く存在します。
それぞれの部位は名前からも想像できるかもしれませんね。
しかし念のため、具体的にどこの場所かを画像から確認し、どんな働きをしているのかを見ていきましょう。
三角筋は大胸筋と同様に男らしく広い肩幅を表現できる部位です。
それだけではなく、なで肩の解消や肩こりの解消にもつながるため健康的な意味でも三角筋を鍛えることで得られるメリットは多いです。
三角筋前部とは、上記画像の黄色部分。
前方部分を占めている筋肉です。
下記3つが三角筋前部の主な働きになります。
- 肩の屈曲(腕を前に上げる動作)
- 肩の水平内転(水平に上げた腕を内側に絞る動作)
- 肩の内旋(肩前部にあるインナーマッスル)
ベンチプレスで肩を痛める6つの原因
ベンチプレスで肩を痛める原因について、ここで理解を深めましょう。
より安全で効果的なトレーニングを実践して肩の怪我を防いでくださいね。
原因①大胸筋をかばい肩への負荷が大きくなる
肩を痛める一番多い原因が、大胸筋をかばうことで肩への負荷が大きくなることです。
大胸筋に筋肉痛があったり無理な負荷でベンチプレスしたりすると、脇が開いたフォームで無理に押し戻そうとします。
脇が開くとその負荷は肩へ。
肩は小さな筋肉なので軽い重量しか扱えず、ペンチプレスの重い負荷では怪我をしてしまいます。
ベンチプレスは、無理のない重量を扱うことと、正しいフォームがとても重要なのですね。
原因②大胸筋の肉離れ、過度な炎症に要注意
ベンチプレスでの注意は、重量の負荷が強すぎることで大胸筋の肉離れ・過度な炎症を起こすことです。
大胸筋の肉離れは意外に思われますが、原因の一つ。
上級者のトレーニーで、超高重量を扱ったトレーニングを行うときに起こることがあります。
一般的な肉離れというのは筋のが乖離。
それに対し、ベンチプレスなどのウエイトトレーニングは自分で負荷・強度を調整できるため、肉離れが起こる状況は少ないはずです。
しかし前述した通り、高強度トレーニングでは過度な負荷が加わるため、対象筋が損傷することがるのですね。
強度設定には細心の注意が必要です。
肩周りの腱損傷は特に注意が必要
大胸筋の痛みの多くは、単純に筋肉痛だと自覚することが多いでしょう。
しかし肩に近い部分の痛みに関しては、大胸筋の筋痛ではない可能性があります。
特に大胸筋の外側、肩の近くにはいくつかの腱が存在します。
この部位での損傷は腱損傷(けんそんしょう)と言い、場合によっては手術で縫わないといけないこともあるので、要注意です。
この損傷があるかどうかは、大胸筋の触診とMRIなどの精密検査で分かります。
痛みが続く場合は医療機関を受診するようにしてくださいね。
原因③ 肩鎖関節の炎症・変化
ベンチプレスのトレーニングで起こる痛みの原因に多いのは、肩鎖関節の炎症です。
肩鎖関節は肩甲骨と鎖骨の間にある関節。
この肩鎖関節に負荷がかかりやすい肩の動きは、肩の水平内転動作です。
ベンチプレスでバーベルを上げる動作ですね。
ナローベンチプレスのように手幅が短いベンチプレスを行うと、この水平内転がより強く作用します。
そのため、肩鎖関節への負荷が高まって痛めやすくなるのです。
肩の痛みが気になるのであれば、ワイドグリップベンチプレスがおすすめです。
しかし、広げすぎるとまた過度な負荷が入りやすくなるため、慎重に行いましょう。
また、ベンチプレスで鍛えられる大胸筋・三角筋は鎖骨や肩甲骨に接合されているため、筋肉の収縮も関節に負荷となります。
結果的に、オーバーユースによる肩鎖関節の炎症が起こるのです。
また、高負荷のベンチプレストレーニングを長期間続けていくと、軟骨が削れてしまったり、骨が溶けてしまったり(融解症)、反対に骨が増殖(変形性関節症)してしまう可能性があります。
気を付けねばなりません。
原因④ インピンジメント症候群
ベンチプレスのトレーニングで痛みが出る原因の一つにインピンジメント症候群があります。
肩峰下インピンジメントは、肩甲骨の屋根にあたる肩峰(けんぽう)という部分や、その部分に付着する烏口肩峰靱帯(うこうけんぽじんたい)と下にある腱板がこすれるような状態です。
その間のスペースに炎症が起こり、時には腱板断裂を起こすこともあります。
このインピンジメント症候群の治療法は、注射をして炎症を抑えることで治療可能です。
炎症を抑える鎮痛剤の薬や湿布などを使うのも有効ですよ。
原因⑤インナーマッスル・肩甲下筋の炎症
インナーマッスル、肩甲下筋(けんこうかきん)が炎症を起こす症状です。
肩甲下筋(けんこうかきん)は肩甲骨の裏に付着する筋肉で、肩関節を安定させ、腕を内側にひねる働きがあります。
この症状になっている多くの方は、ベンチプレスでバーベルを動かすとき、肘を肩よりに、横に開いたままトレーニングをしています。
肘を横に開きすぎた状態でベンチプレスを行うと、過度に腕を内側にひねる力が強くなるのですね。
原因⑥ 胸郭出口症候群(きょうかくでくちしょうこうぐん)
肩の痛みになる症状の一つに「胸郭出口症候群」があります。
「胸郭出口」とは、第一肋骨と鎖骨との間のことで、上腕の神経の束が通っている部分です。
その付近にある首の筋肉(前斜角筋・中斜角筋)や小胸筋(大胸筋の深部にある筋肉。肩甲骨と肋骨を結ぶ。大胸筋と同じ作用)が、筋疲労やストレスによって固くなり、腕の神経を圧迫することで起こるのが「胸郭出口症候群(きょうかくでくちしょうこうぐん)」です。
血行が悪くなることで首の痛みが出るほか、腕や肩の前側や指がしびれたりします。
トレーニングが高強度すぎるか、リカバリー・ケアが十分でないことが原因でしょう。
ベンチプレスで肩を痛めやすい間違ったフォームについて
ありがちな間違ったフォームについて、ここで確認しましょう。
より適切で正しいやり方を実践し、安全で効果的なトレーニングを目指してくださいね。
肩を痛めやすいフォーム①肩に力が入り肘が開いている
ベンチプレスのトレーニングで動作中に力みすぎると、肘が開きやすくなります。
肘が肩寄りに開いてしまうと、バーベルの位置が顔方面に上がってきますよね。
結果的にバーベルのウェイトが肩関節に乗ってしまい、肩関節を痛める原因になるのです。
肘は開かないように意識をして動作しましょう。
また、肘が開くことでバーベルを挙上する力が逃げてしまい、使用重量が落ちてしまいます。
ベンチプレスの正しいフォームは、肘が肩の胸郭(胸の骨格)側に寄っている位置です。
体に対して45度程度開いている状態が、ベンチプレスを行う理想的な肘の角度になります。
肩を痛めやすいフォーム②バーをおろす位置が高すぎる
ベンチプレスのトレーニングで、バーベルをおろす位置が、大胸筋よりも鎖骨寄りの高い位置におろしてしまうケースです。
こうすると肩関節にバーベルのウェイトが乗ってしまうため、痛みの原因になります。
バーベルのウェイトは常に、肩甲骨に乗っている状態のまま動作するのが適切なやり方です。
肘が適切な角度で開いている場合、バーベルをおろした位置は胸の少し下のあたり、みぞおちのあたりです。
反対にバーベルを上げるさいは肩の上にバーベルが来るため、ボトムとトップの位置は斜め方向に変わります。
間違ったベンチプレスのやり方を改善するため、下記のポイントを踏まえて取り組んでみましょう。
- バーベルにウェイトをつけず、正しいフォームを意識して動作する
バーベルを下げるさいに、バーベルを制御しやすい軌道を探すことが重要です。
また、胸のおろす位置も、自分が一番力を発揮しやすい位置があるはず。
バーベルをおろす位置も意識してみましょう。
肩を痛めやすいフォーム③肩が前に出てしまっている
バーベルを持ち上げたポジション(トップ)で肩甲骨が開いて肩が前に出てしまうと、胸郭の外側の筋肉に効いてしまいます。
その結果、三角筋前部の関与が高まることで肩に過度な負荷が入り、痛みの原因になるのです。
また、三角筋前部の関与が高まることで、大胸筋への負荷が軽減されてしまいます。
動作をおこなうさいには肩甲骨を軽く寄せ、肩が前にでないように意識して動作することを心がけてください。
肩を痛めやすいフォーム④肩が上に上がってしまっている
オーバーウェイトを扱うことで負荷が高すぎる場合に多いのが、肩関節が上がってしまう状態。
肩関節が上がってしまうと、筋肉ではなく肩の靭帯や関節へ過度な負荷がかかってしまいます。
肩を痛めやすいフォーム⑤肩甲骨を寄せれていない
ベンチレスを行うときに肩甲骨を寄せれていない状態だと、肩の力でバーベルを動かすことになるため肩関節を痛めす。
肩甲骨を寄せられていないと、胸を大きく張ったまま動作することができません。
そのため、肩(三角筋前部)の関与が高まれば、適切な負荷が大胸筋に入らなくなってしまいます。
間違ったベンチプレスのやり方を改善するためには、下記のポイントを踏まえて取り組んでみましょう。
・肩甲骨はバーベルを下すさいも上げるさいも軽く寄せておく
肩甲骨を完全にロックしてしまう必要はありませんが、軽く寄せておくことが適切です。
正しいフォームが何よりも大切
ベンチプレスだけでなく、すべてのエクササイズ・種目では基本的な動作フォームがなによりも大切です。
まずは正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えること。
それが最も効率的に対象筋への負荷を与えられます。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると、そのつもりがなくとも対象筋以外の筋肉も使うことになるでしょう。
すると適切な負荷が入らず、いつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになります。
それだけではなく、怪我をする恐れが強くなるでしょう。
1度怪我をすると、完治するまでその部位を鍛えられなくなるためその期間に筋肉を失ってしまいます。
さらに他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果となるはずです。
まず覚えていただきたいのは、正しいフォームを覚えることが理想の肉体への一番の近道であるということ。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない脅威です。
ベンチプレスで肩関節を痛めないための5つの予防策
ベンチプレスは、前述した通り肩関節への負荷が加わりやすく、関与しやすい種目です。
そこで、ここでは肩を痛めないための5つの方法を紹介します。
- 入念なストレッチ・セルフケア
- クールダウンで筋肉を癒す
- メインセット前に軽い重量で数回行う
- 適切なフォームでできる回数から始める
- 適切なフォームを意識する
- 違和感があればすぐに中止する
- トレーニング後は2日~3日間安静にする
- フォームが安定しなければマシンを利用する
予防策① 入念なストレッチ・セルフケア
ベンチプレスでは特に、三角筋・肩関節への負荷が加わりやすいため、必ず入念なストレッチをしましょう。
ストレッチをすることで柔軟性が向上し、出力向上や可動域も広がるため全体的なパフォーマンス向上につながります。
また、体が温まることで血流がよくなり、怪我のリスクも軽減させられます。
トレーニング後も同様にしっかりとストレッチしてくださいね。
トレーニング後は筋肉疲労や疲労物質が身体に蓄積し、筋肉が緊張することで張りも出てきます。
入念なストレッチで筋肉の緊張をほぐし、筋肉をOFFの状態に戻すことが大切です。
後々の筋肉痛軽減や怪我の予防やパフォーマンス低下も防げますよ。
予防策② クールダウンで筋肉を癒す
怪我のリスクを避けるためには、クールダウンも忘れないようにしましょう。
クールダウンには筋肉の緊張を緩和したり、疲労物質の排出を促したりする効果があります。
静止した状態で行う「スタティックストレッチ」を行い、トレーニングで使った筋肉をゆっくりと伸ばしましょう。
予防策③ メインセット前に軽い重量で数回行う
メインセット(本格的なトレーニングセット)の前に、最低でも1~2セットを行いましょう。
このとき軽い重量ですれば、筋肉・関節などを慣れさせてからトレーニングできます。
トレーニングを始める前の筋肉や関節は温まっておらず、パフォーマンスや柔軟性も低い状態です。
筋肉や関節を痛めてしまわないように、温め慣らしてからメインセットに取り組んでください。
予防策④ 適切なフォームでできる回数から始める
ベンチプレスの動作は比較的簡単ですが、大胸筋や上腕の筋力がなければ回数を重ねるのは難しい種目です。
回数を重ねようとして無理やり体を上へ上げようとすると、誤ったフォームになります。
すると対象筋に適切な負荷が入らなくなるだけではなく、肩関節や腕を痛めてしまいます。
そのため、まずは無理をせず、適切なフォームで出来る回数から始めるようにしましょう。
フォームを体で覚えて、適切な動作ができるようになってから重量や回数を増やしてください。
予防策⑤ 適切なフォームを意識する
ベンチプレスで肩関節や腕を痛めないためには、適切なフォームを意識することが大切です。
動作に入る前に、しっかりと適切なフォームのポイントを確認しましょう。
さらに頭の中でイメージしてから実際の動作に入るようにしてください。
また、できれば鏡を使ったりスマホで撮影して、自分の動作フォームを見ながらトレーニングをすることがおすすめです。
間違ったフォームで動作していないか、セルフチェックすることができますよ。
ジムでのトレーニングでは常に、鏡でフォームをチェックする癖をつけましょう。
鏡で自分の体を確認できない場合は、携帯の動画などでベンチプレスをしている姿を撮ることもおすすめです。
予防策⑥ 違和感があればすぐに中止する
肩関節や筋肉に痛みや違和感がある場合は、トレーニングを中止しましょう。
後々痛みが増してくる場合もありますので、一度様子を見てください。
1度怪我をしてしまうと、完治するまでその部位を鍛えることができません。
早めの対処が自分の筋肉を救いますよ。
予防策⑦ トレーニング後は2日~3日間安静にする
トレーニング後は、48時間~72時間程度休ませることが大切です。
休ませることで、筋肉や関節のオーバーユースによる怪我や痛みを防ぐのですね。
また、十分な休息は筋肉の発達には欠かせない要素でもあります。
筋トレにより傷ついた筋繊維を修復するさい、筋肉が以前の状態よりも太く強く再生されることで筋肉は発達します。
この修復を効果的に行うことがポイントですが、修復が行われるのは休息しているタイミングです。
予防策⑧ フォームが安定しなければスミスマシンを利用する
フリーウェイトであるベンチプレスのフォームを習得するためには、スミスマシンは不向きであると解説しました。
しかし、それでも適切なフォームの習得が難しい場合、そのまま続けると怪我や非効率なトレーニングに繋がります。
そのため、スミスマシンを使用したベンチプレスを行うのも、一つの手です。
フォームが崩れやすい方は、スミスマシンを使用することをおすすめします。
スミスマシンはバーベルの軌道が固定されているため、前後左右にフォームのブレがない安定したトレーニングが可能です。
またセーフティバーがついているので万が一潰れてしまっても大丈夫。
セーフティバーより下には落ちないので、安全性の高いトレーニングができますよ。
そもそもなぜ関節痛・腱障害は起きるのか?
そもそもベンチプレスも含め、すべてのウェイトトレーニング全体に共通することですが、怪我をすることは珍しくありません。
トレーニングによって、関節・筋肉・腱などの軟部組織に何度も繰り返される動作による負担はあります。
トレーニングの過度な負荷により関節や腱の損傷、小さな筋断裂の原因となり得る腱障害がその典型な例でしょう。
ウェイトトレーニングだけではなく、あらゆるスポーツ競技でも腱障害は多くみられます。
スポーツを続けるなかで、腱障害はいわば宿命です。
腱の損傷は骨や筋肉と比べ、再生や治癒能力が非常に悪いため、時間もかかります。
ベンチプレスで肩を痛めた時の対処方法
ベンチプレスで肩を痛めてしまった場合の応急処置は、「安静にすること」と患部の「アイシング」です。
患部を15~20分程度冷やすことを、1日3~5回ほど時間を分けて行ってください。
筋肉の部分断裂や完全断裂がなければ、通常2週間~4週間ほどで腱が回復してきます。
肩関節に痛みが出てしまった場合、正しく適切なフォームの改善と、トレーニングの強度・オーバーユースを見直すことです。
体の疲労・筋疲労が蓄積しているときは、あまり過度な重量トレーニングはしなようにしてください。
また、しっかりと休養した方が早く復帰出来ます。
肩を含むトレーニング種目を一切行わなかった方は、おおよそ3ヶ月程度で復帰可能です。
もし3ヶ月間ベンチプレストレーニングを行えなくても、焦ることはありません。
完全に疲労が抜けることによって、復帰後は必ず記録が伸びるようになりますよ。
肩の痛みに関係しない脚の種目のトレーニング等や、怪我をした箇所に関与しないトレーニングに取り組みましょう。
なぜなら身体の血行を促進することで、怪我がより早く治るためです。
記録が落ちた場合にもマッスルメモリーがあるので、必ず元の記録より回復した後は伸びます。
大切なことは、焦らないことです。
怪我で筋トレができなくても心配無用! マッスルメモリーとは
筋力トレーニングを3年間ほど続けて筋力が上がったとしても、数ヶ月~1年ほど運動をしなければ、筋力と筋量は低下します。
しかし、筋肉を全盛期の状態に戻すのに、再び3年間の筋力トレーニングが必要なわけではありません。
一度筋肉を鍛えて強化した経験のある方の場合、再開してから数ヶ月程度で筋肉の量や力を戻せるはず。
これを、マッスルメモリーと呼びます。
そのため、怪我をしたさいは過度に心配して焦らないことです。
まずは怪我を治癒することを最優先に考えてください。
痛みを改善するために大切なこと
肩を痛めた後の対応も考えておかなければいけません。
というのも、筋肉・関節が炎症して損傷をしている場合、組織を修復させる必要があるからです。
このタイミングで栄養をしっかり摂取しなければ、修復が遅れてしまいます。
筋肉はタンパク質から構成されているので、タンパク質を積極的に摂取しましょう。
痛めた後のタイミングでも栄養補給のためにプロテインを摂ることで、患部の修復を早めることにつながります。
もちろん、タンパク質だけではなくビタミン類などさなざなな栄養をバランスよく摂ることが大切ですよ。
ベンチプレスで推奨するサポートギア類について
ベンチプレスをするうえで、より安全にトレーニングを行うためにおすすめなギア2つをここでご紹介します!
- リストラップ
- パワーベルト
リストラップ
手首を保護してくれるリストラップは、ベンチプレスなどのプレス系種目におすすめなギアです。
リストラップは巻き方がとても重要!
そのため、動画でシェアしますね。
手首は関節の中でも特に痛めやすく、ウェイトの負荷が最もかかりやすい部位です。
そのため、リストラップはまず最初に用意したいギアになります。
↓リストラップについてさらに詳しくはこちら
パワーベルト
腰を保護してくれるパワーベルトは、BIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)をする上で欠かせないギアです。
腰を痛めるのを防いでくれるほか、腹圧をサポートしてくれるので体幹の安定や出力向上の効果が期待できます。
こちらもリストラップに並んで用意したいギアですね。
全ての筋トレ種目は必ず腰に負荷がかかるので、特に腰に不安がある方にはおすすめです。
↓パワーベルトについてさらに詳しくはこちら
まとめ
ベンチプレスだけに限った話ではないですが、筋トレとはウェイトを用いて筋肉に対し負荷をかけることが重要です。
しかしそれは、同時に関節や腱にも負荷が加わるということでもあります。
そのため、正しく適切なフォームで筋トレを実践することが非常に大切。
怪我のリスクが低い、効果的で効率的なトレーニングをしていきましょう。
そしてもう1つの大切なことは、あなたがどんな肉体になりたいのか目的意識を明確化することです。
自分が目指す肉体を実現するためにはどこの筋肉をどのように鍛え、どんな食事を摂る必要があるのか、それを初めに考えましょう。
ただ闇雲に重い重量を扱っていても、怪我のリスクの高い非効率なトレーニングになってしまいます。
「成果を生み出すための正しい思考を持ち、それが正しい行動を導き、結果につながる」わけです。
筋トレしながらも常に論理的に思考し、考えながらトレーニングをしなければ理想の肉体の実現は夢となってしまいます。
ボディメイクとは人体のメカニズム、科学的反応を用いて作り上げるものです。
ただウェイトを持って上げ下げすれば美しい肉体になるわけではありません。
トレーニングノウハウはもちろん大切ですが、それより大切な根本的な部分を忘れないようにしてトレーニングをしていただきたいと思います。
そうすればきっとあなたの思い描く肉体を手に入れ、あなたの思い描く素敵な人生を歩むことができるようになります。
“No pain No gain”
他にもある、ベンチプレス のトレーニングに関する記事♪
↓ベンチプレスについてさらに詳しく解説しております。ご参考ください(^^)
AKI
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