この記事では筋肉痛になった時の筋トレとの向き合い方、筋肉痛は筋肉肥大のサインとなり得るか?を紹介しています。
程度の差こそあれ筋トレを行うのであれば避けて通れないのが「筋肉痛」ですよね。
単純に痛みが嫌な人もいれば、昨日一昨日の筋トレでしっかり追い込めた証拠なので好む人もいるこの筋肉痛ですが、早く筋トレの効果を得たい人にとって「筋肉痛の時でも筋トレはするべきなのか?」は永遠の悩みだと思います。
そこでこの記事では筋肉痛とはそもそも何か?筋肉痛になった時に筋トレはしていいのか?などなど筋肉痛になった時の筋トレとの向き合い方を今一度考えてみようと思います。
この記事の目次
筋肉痛には種類がある!
筋肉痛の種類①即発性筋肉痛
ではまずはそもそも筋肉痛とは何か?を掘り下げていきましょう。
筋肉痛にはそもそも2種類あります。
筋トレ中や激しい運動中、筋肉にだるさや痛みを感じたらそれは「即発性筋肉痛」と呼ばれる筋肉痛であり、運動によって発生した乳酸などの疲労物質が原因で筋肉が酸性になり、結果生じる痛みになっています。
回数、セット数を増やしてパンプアップを狙っている時や十分にウォーミングアップをせずにいきなり負荷の強い運動をした時に起こりやすいですね。
この即発性筋肉痛は名前の通り運動をやめればすぐに痛みは治まります。
筋肉痛の種類②遅発性筋肉痛
遅発性筋肉痛はこれも名前の通りトレーニングの1日、2日後に「遅れて」発生する筋肉痛です。
つまり一般的に「筋肉痛」と呼ばれている痛みはこちらの遅発性筋肉痛ということになりますね。
トレーニーであればほとんどの方が経験されていると思いますが、多くの場合トレーニングの1日~2日後から徐々にトレーニングした部位に痛みを感じるようになり、3日~5日掛けて徐々に回復していきます。
原因は乳酸などの疲労物質が筋肉に溜まるからだとされていましたが・・・
筋肉痛になる原因は?
まだ完全に解明されていない筋肉痛
実はこの遅発性筋肉痛、医学が進歩した現代でも原因がまだはっきりと解明されていないのです。
いくつかの説が有力とされていますが、断定できるだけの材料がまだないという状況なんですよね。
以前は上記のように乳酸が筋肉に溜まることが原因とされていました。しかし近年の研究で乳酸は運動後すぐに分解されてしまうことが分かっていますので遅発性筋肉痛にはどうも関係ないのではないか、と言われています。
いくつか説はあるのですが、現在最も有力とされているのが「激しい運動によって筋繊維が傷ついて炎症が起こり、その回復過程で痛みの原因となるブラジキニンやプロスタグランジンといった物質が分泌されるため」という説になります。
この回復過程には多少時間が掛かるので筋トレ直後ではなく数日遅れで痛みが来るとされているのです。
年を取ったら筋肉痛が遅れてくるのは本当?
ちなみに筋肉痛については「年を取ったら筋肉痛が遅れて来る」という定番の文句がありますよね。
しかし実はこれは正しくなく、年齢と筋肉痛が来るタイミングは無関係であることが分かっています。
筋肉痛が来るタイミングは「負荷のレベル」と「普段運動をしているかどうか」によります。
負荷が高い運動だと比較的早めに痛みが来て、負荷の弱いトレーニングだと遅れて痛みが来る傾向が強いとされていますね。
また長期間運動をしていない場合、以前はまったく筋肉痛を感じることがなかったレベルの動きでも、久々に行うと上記の「負荷が弱いトレーニング」並の負荷が掛かることになり、遅めの筋肉痛がやってきます。
年齢を重ねてデスクワークが多くなった方が子供の運動会後などに遅めの筋肉痛を感じるのはこういった理屈になっており、年齢自体は直接関係ありません。若い人でも上記の条件が揃えば遅れて筋肉痛がやって来ます。
運動を習慣にしたい方は↓の記事もご参考下さい。
筋肉痛にならなければ筋トレ効果はないのか?
さて、ある程度トレーニング経験を重ねてくると今度は筋肉痛がないと逆に不安になってしまう、という方も少なくないでしょう。
筋肉痛がないと「昨日のトレーニングしっかり追い込めてなかったのかな・・・」と思ってしまうことってけっこうありますよね。
しかしその心配は不要でしょう。
実は筋肉痛の有無と筋肉の肥大に直接の関係はありません。
筋肉痛は「久々に強度の高いトレーニングをした時」や「いつもと違ったメニューで違う刺激が入った時」に感じやすいですが、これらの負荷もトレーニングを続ける内に筋肉が刺激に慣れてしまい、徐々に筋肉痛を感じなくなってきます。
だからといってトレーニング効果がないということではなく、刺激はしっかり筋肉に入っているのです。
筋肉痛があると前日、前々日のトレーニングでしっかり追い込めたサインであることは間違いなく、そこはポジティブに捉えてもいいのですが、必ずしも筋肉痛が起こるわけではなく筋肉痛がなくても筋肥大自体は可能です。
ただし数週間、数ヵ月などあまりにも長期間筋肉痛を感じない場合、それは単に負荷が低すぎる可能性があるのでメニューを変えたり、重量や回数を見直してみたりする必要はあると思います。
筋肥大のためのメニューの組み方は↓の記事もご参考下さい。
筋肉痛がある状態で筋トレはNG?
筋肉痛がある時に筋トレは基本NG
早く筋トレの効果を感じたい人の中には気持ちが焦って筋トレのメニューをタイトに組む人も多いでしょう。
筋肉痛があってもトレーニングしたいという人もいるかと思います。
しかし、筋肉痛がある時に筋トレを行うのは基本的によくありません。
筋肉痛がある時に筋トレを行ってはいけない理由①超回復を阻害
筋肉痛がある時に筋トレを行ってはいけない理由として「超回復」を阻害してしまうという理由が挙げられます。
超回復とは筋トレで傷ついた筋肉組織を修復している期間(筋肉痛の期間と少し重なりますね)のことで、部位にもよりますが回復が完了するまで24時間~72時間の時間を必要とします。
この超回復期間を経ることで、筋肉は以前より強く大きいものになっていくわけですが、超回復期間中にさらに筋肉に刺激を与えてしまうと筋肉が回復できず、逆に筋力が低下する可能性まで出てくるのです。
そうなってはトレーニングの意味が全く無くなってしまいますよね。
なので筋トレの効果を高めるのであれば休息期間が重要だと言われるのです。
超回復については↓の記事もご参考下さい。
筋肉痛がある時に筋トレを行ってはいけない理由②トレーニング効率の悪さ
また筋肉痛があると満足なトレーニングができない可能性も高いです。
痛みがあるため通常時に比べて関節の可動域も狭くなってしまいますし、重量も低いものしか扱えなくなってしまいます。
そのような中途半端なトレーニングをするくらいならしっかり休んで筋肉を回復させてからトレーニングを行った方が結果的に効率のいいトレーニングができることになるのです。
筋肉痛がある時に筋トレを行ってはいけない理由③何より危険
単純にトレーニング効率だけの話ではなく、危険性が生じる場合もあるでしょう。
当然ながらバーベルなどは100キロをゆうに超える重量があるので、筋肉痛で万全のパフォーマンスが発揮できない状況でトレーニングを行うと単純に危ないです。
また一人でトレーニングを行う場合、ウエイトを上げきれなくて床に落とすような形になってしまうとバーベルやマシンの寿命も短くなってしまいますのでそういう意味でも重い筋肉痛時にトレーニングを行うのは控えた方がいいと思います。
ジムのマナーについては↓の記事もご参考下さい。
筋肉痛を早めに治す方法
筋肉痛を早めに治す方法①タンパク質・アミノ酸の補給
筋肉痛の程度は様々ありますが、初めて筋トレを行う人だったり久々に行う人は最初のトレーニング後、日常生活に支障が出るほどの強烈な筋肉痛になってしまう可能性があります。
そんな筋肉痛を早く治すためにはまず「食事」、「栄養補給」が非常に重要です。
特に
- 筋トレ後の筋グリコーゲンの回復を促す「糖質」
- 筋合成を促進する「タンパク質」
- 筋肉疲労回復を早めるビタミン(特にビタミンB群)
- アミノ酸
これらの栄養素はトレーニング中、もしくはトレーニング直後に摂取したいですね。
EAAやBCAAなどのアミノ酸サプリを水に溶かしてワークアウトドリンクを作り、筋トレ中に飲むのもおすすめです。
食事や栄養素については↓の記事もご参考下さい。
筋肉痛を早めに治す方法②睡眠をしっかり取る
睡眠中は筋トレ及びダイエットに有効なホルモン類が分泌されるため、筋肉痛を早く治したいのであれば睡眠を十分に取る必要があります。
特にタンパク質の合成を促進したり、分解を抑制したりする「アナボリックホルモン」の一種である「成長ホルモン」は睡眠中に多く分泌されるため、筋肉痛から早く回復したいのであれば8時間以上の睡眠時間を取りたいですね。
筋肉痛を早めに治す方法③血行を改善する
激しい運動で傷ついた筋肉は普段と比べて固くなり、血行が悪くなっています。
この血行不良も激しい筋肉痛の一因となっているため、筋肉痛を早めに治したい場合血行を改善してあげるのも非常に有効です。
筋トレの後に軽い運動を行ってクールダウンしたり、マッサージを受けるのもいいでしょう。ぬるめのお風呂に浸かるのも現実的な手段ですね。
筋肉痛がある時の運動方法
筋肉痛がある時の運動方法①軽い有酸素運動
上で筋肉痛がある時はトレーニングを控えた方がいいと書きましたが、そうは言っても多少体を動かしていないと不安になってしまう方はいらっしゃるでしょう。
そんな時は軽いランニングやウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。
軽い有酸素運動であれば筋肉に大きな負担は掛かりませんし、筋トレなどの無酸素運動に比べ脂肪燃焼効率が高いのでダイエット目的でトレーニングをしている人には特におすすめですね。
また軽い有酸素運動には全身の血行を良くする効果もあります。
上記のように筋肉痛を改善するためには血行の良し悪しが非常に重要なのでそういう意味でも有酸素運動に取り組んでみるのもいいでしょう。
有酸素運動については↓の記事もご参考下さい。
筋肉痛がある時の運動方法②フォームローラー
マッサージが筋肉痛を治すのに有効であることは上記で紹介した通りです。
しかしマッサージは一人では限定された部位しかできませんし、店に通うとなると費用がかさんでしまいますよね。
そこで「フォームローラー」という器具をおすすめしたいと思います。
フォームローラーとは近年注目を集めている器具で、表面が凸凹になっているストレッチポールのような器具ですが、固くなっている筋膜を解放する「筋膜リリース」を行うことができます。
筋膜とは筋肉と皮膚の間にある組織で激しい運動、または運動不足の状態だと組織が固くなり、痛みやこりの原因にもなるのです。
そこでこのフォームローラーを使ってストレッチをすることで筋膜が解放され、筋肉がバランスを取り戻します。
もちろん血行の改善も見込めるため、マッサージ代わりには丁度いいですね。
フォームローラーについては↓の記事が詳しいです。
筋肉痛がある時の運動方法③メニューを分割する
上記のように筋肉を発達させるためには24~72時間ほど超回復期間を取らなければなりません。
そうなると数日おきにしかトレーニングができないことになるので、早く筋トレの効果を実感したい人にとっては不満でしょう。
しかし例えばボディビルダーの方達は毎日のように筋トレを行っています。
どういうことかというと月曜日は胸、火曜日は肩、水曜日は脚・・・といったように1週間の中で部位ごとに筋トレのメニューを分割して行っているのです。
このやり方であれば部位ごとに回復期間もしっかり取れますし、何より1日にいろんな部位のメニューを行うより集中して一つの部位を鍛え上げることができるので本格的に体を鍛えたい人にはとてもおすすめです。
筋肉痛対策おすすめグッズ
筋肉痛対策おすすめグッズ①フォームローラー
筋トレをしている方であれば一度は耳にしたことがあると思われる「筋膜リリース」
筋膜リリースは、体のパフォーマンスを向上させ、各種スポーツ競技や、ウェイトトレーニングの場面で最大の効果を発揮します。
怪我の防止や筋肉痛の改善、関節・筋肉の柔軟性を向上させてくれる、広範囲に効果があるとされています。
筋肉痛対策おすすめグッズ②ホエイプロテイン
筋肉の維持、肥大にはタンパク質が欠かせません。
成人で筋肉を肥大させたい場合、1日で体重×1.5倍以上のタンパク質摂取が望ましいです。
しかし高タンパク低カロリー食材の代表格である鶏胸肉には100gで20~25gくらいのタンパク質が含まれていますが、体重×1.5gの量を摂取しようとすると毎日毎日けっこうな量を食べなければならず、経済的にも簡単ではありません。
そこでプロテインならかなり低いカロリーで手軽にタンパク質を摂取できるのでおすすめですね。もちろん脂質や糖質も低いので(あえて炭水化物を足しているものもあるが)余計な栄養素を摂取することもありません。
プロテインにも様々な種類がありますが吸収が速く、比較的飲みやすい味であるホエイプロテインをおすすめします。
プロテインについては↓の記事もご参考下さい。
筋肉痛対策おすすめグッズ③BCAA
タンパク質に続き、アミノ酸も筋肉痛の改善に影響しています。
アミノ酸サプリも様々な種類がありますが、バリン・ロイシン・イソロイシンの3つから構成される「BCAA(Branched Chain Amino Acid(分岐酸アミノ酸))」がおすすめですね。
特にロイシンは筋肉の合成にとても重要なアミノ酸です。
水に溶かしてトレーニング中やトレーニング前後に飲むといいでしょう。
サプリメントについては↓の記事もご参考下さい。
まとめ
筋肉痛は確かに痛いですが、しっかりトレーニングで追い込めた証拠でもあるのでトレーニーにとっては重要な存在ですよね。
筋肉痛の時にどうやってトレーニングするか、どうやって筋肉痛と向き合うかを考える機会が今までなかった人もこの記事を参考にし、今一度筋肉痛との付き合い方を考えてみてはいかがでしょうか。
ilohas834
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