自重トレーニングの中では、腕立て伏せやスクワットと並んで有名であろう懸垂。
おそらく子供の頃体育の授業などでやったことがある人も、少なくないのではないでしょうか。
しかしこの懸垂というトレーニングメニューは、自重トレーニングの中では比較的難易度が高いメニュー。
そのため、まったくできないという人も多いかと思います。
そこで今回は、懸垂が苦手、もしくはできないという人のために懸垂のやり方やコツを紹介していきたいと思います。
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この記事の目次
懸垂は自重トレーニングの中ではかなりハード
具体的な懸垂のやり方を紹介する前に、まずは「懸垂は自重トレーニングの中ではかなりハード」であると理解しておきましょう。
懸垂はバーや鉄棒にぶら下がって体を引き上げる種目であるため、自身の体重がそのまま負荷となります。
人間の体重は軽い女性でも40kg程度です。
男性なら軽くても50kgくらいはありますよね。
この数字はダンベルなどの重さに匹敵する重量です。
そんな重量を扱うわけですから、それまでトレーニングをほとんど行ったことがない人が懸垂をできないのはある意味当然ですよね。
なので、筋トレ初心者の方が懸垂をできなくてもそんなに気にする必要はありません。
しかし懸垂は非常に優秀なトレーニング。
さまざまなメリットがあるので、ぜひコツを掴んでできるようになってくださいね。
懸垂で鍛えられる部位4つ
筋トレは基本的に苦しいものです。
しかし継続なくして理想の体形はできませんので、継続できるようにモチベーションを保つことが大切。
メリットを理解しておけば、モチベーション維持に役立ちますよ。
では、懸垂をすると鍛えられる部位、以下4つを確認しておきましょう。
- 広背筋
- 僧帽筋
- 三角筋後部
- 上腕二頭筋
懸垂で鍛えられる部位①広背筋
まず最もオーソドックスな懸垂でメインターゲットとなるのが、背中の筋肉である広背筋です。
広背筋は背中の下側についている筋肉。
関わるのは何かを引く動作です。
ここを鍛えることで、パワーアップやアスリート能力の向上が見込めます。
さらに、広背筋は運動能力だけでなく見た目にも関わってきます。
広背筋は鍛えると背中が広くなり、「逆三角形」のスタイルが作りやすくなるのです。
そのためかっこいい体を作りたい男性のみならず、美しく引き締まった体を作りたい女性も鍛えておいて損はない部位となります。
懸垂で鍛えられる部位②僧帽筋
首のすぐ下から広背筋の上あたりまでついている僧帽筋も、懸垂で鍛えられます。
こちらも運動機能の向上だけでなく背中を広く見せる筋肉です。
そのため、迫力ある体を作りたいなら重要ですね。
懸垂で鍛えられる部位③三角筋後部
そして肩の筋肉である三角筋、特に後部により刺激が入ります。
三角筋の後部を鍛える種目があまりないため、サブターゲットとはいえ三角筋後部を鍛えられる懸垂は貴重です。
なお懸垂で三角筋後部に刺激を入れるには、通常の手幅より狭い感覚でバーを握る「ナローグリップ」で行います。
懸垂で鍛えられる部位④上腕二頭筋
背中や肩だけでなく腕も鍛えられます。
すでに紹介したように、オーソドックスな懸垂では体を引き上げるのに広背筋を使用。
ただしそれは「順手」で行うときのことです。
懸垂を手の平を自分側に向ける「逆手」で行うと、上腕二頭筋を鍛えられます。
上腕二頭筋はいわゆる「力こぶ」の部分。
重いものを持ち上げるさいに使ううえ、鍛えれば腕が太くなってTシャツなどをよりかっこよく着こなせるようになります。
男性ならば鍛えておきたい部位でしょう。
基本的な懸垂(チンニング)のやり方
【懸垂(順手)の基本的なやり方】
- 懸垂バーから少し後ろの位置に立つ
- 手の甲を自分側に向け(順手)、肩幅より広い位置でバーを握る
- 胸をバーに近づけていく
- バーへギリギリまで胸が近づいたら、体を下ろしていく
- 3~4を繰り返す
このやり方は肩幅より広く手幅を取り、手の甲を自分側に向けることで広背筋に刺激を与えながら体を上に引き上げるやり方ですね。
もし上腕二頭筋に効かせるなら順手ではなく逆手に、三角筋後部や僧帽筋に効かせたいのであれば手幅を肩幅より狭くして行いましょう。
懸垂を背中に効かせるコツ
では懸垂をして背中をしっかり鍛えるため、背中に効かせるコツを3つを説明します。
- 握り方
- 肩甲骨を下制させて胸を張る
- 無理にアゴをバーの上へ出さない
懸垂を背中に効かせるコツ①握り方
懸垂では刺激を与えたい部位ごとに、順手・逆手・手幅を広くして狭くしてと変化させます。
そのうえで、さらもう一つ「グリップ」も非常に重要です。
グリップというのは握り方のこと。
ダンベルやバーベル、バーの握り方には2つあります。
しっかり親指をバーに巻き付けて握る「サムアラウンドグリップ」と、親指をバーから外して握る「サムレスグリップ」です。
懸垂を広背筋に効かせるためには、上腕二頭筋に余計な負荷をかけない「サムレスグリップ」がおすすめ。
小指と薬指を意識して握るのが効果的です。
広背筋のみに刺激を与えたい場合は、サムレスグリップで握るといいでしょう。
ただしサムレスグリップは中級者以上でないと扱うのが難しいため、懸垂を初めてやるような人にはおすすめしません。
グリップについては↓の記事もご参考下さい。
懸垂を背中に効かせるコツ②肩甲骨を下制させて胸を張る
これは広背筋のトレーニングのほとんどに共通するコツです。
広背筋のトレーニングをする場合は、重要なのは肩甲骨を少し中央に寄せ、それからストンと下に落とす(下制)こと。
こうすることで自然と胸が張るような形になり、上腕の筋肉や三角筋の関与を抑えて広背筋を効果的に動かせます。
最初のうちはなかなかイメージがつかめないかもしれません。
そのため、懸垂をやる前にエアーで肩甲骨の動かし方を練習しておくといいでしょう。
懸垂を背中に効かせるコツ③無理にアゴをバーの上に出さない
懸垂ではよく「アゴをバーの上に持ってくるように」と言われます。
しかし広背筋をターゲットとして懸垂を行う場合、必ずしもアゴがバーの上に来るまで体を上げる必要はありません。
懸垂で重要なのは上記のやり方で胸を張り、胸をバーに近づけるイメージで行うこと。
基本的に張った胸がバーに近づけばそれだけで広背筋は十分収縮しています。
むしろアゴをバーの上に持ってこようと無理をすると、上腕二頭筋を無駄に使ううえ、背中のフォームが崩れてしまうでしょう。
結果的に中途半端なトレーニングになってしまいます。
アゴをバーの上に出す必要はないので、胸を意識して動作を行いましょう。
懸垂ができない原因は?
そうはいっても、中々懸垂ができない。
そんな方のために、懸垂ができない一般的に考えられる原因3つを解説します。
- 筋力不足
- 体重が重い
- フォームが間違っている
懸垂ができない原因①筋力不足
懸垂は自重トレーニングの中ではかなり負荷の強いトレーニング。
そのため、筋トレ初心者の方だと一回もできないということも少なくありません。
まず当然なのですが、懸垂ができない場合、そもそも基礎的な筋力が足りてない場合があります。
背中や腕、肩の力もある程度必要ですし、バーにぶら下がる状態では最低限度の握力も必要です。
これらの筋力が足りていないと、バーにぶら下がることすら困難でしょう。
詳しくは後述しますが、その場合はまず他のトレーニングを行うことが大切。
基礎的な筋力を高めておく必要があります。
懸垂ができない原因②体重が重い
また上記の通り、懸垂は自分の体重がもろに負荷となります。
つまり体重が重ければ重い分負荷も強くなるということですね。
例えば100kgの体重がある人でしたら、ダンベルや軽めのバーベルも真っ青な負荷がかかることになります。
これから体を引き締めたい、ダイエットをしたいという人の中には体重が重い方もいらっしゃるでしょう。
しかしあまりにも体重が重い場合、いきなり懸垂は難しいはず。
先に他のトレーニングで基礎筋力を上げるか、体を絞ることを優先した方がいいでしょう。
体重を落とす方法については↓の記事もご参考下さい。
懸垂ができない原因③フォームが間違っている
またフォームが間違っている場合も、懸垂が困難になる場合があります。
スタートポジションやバーを握る位置、広背筋の動かし方などが適当だと、ターゲットに効きません。
そればかりでなく、無駄な負荷がかかり怪我をしてしまう可能性もゼあります。
懸垂は単純な運動に見えてフォームがけっこう難しいメニュー。
行うときは、動画などで逐一フォームをチェックした方がいいでしょう。
ただしジムで動画を見るなら、懸垂マシンから一度離れて行ってくださいね。
マシンの近くでスマホを操作するのはマナー違反になります。
懸垂ができないときの練習方法
では、懸垂がまだできない! という方にすすめたい、練習方法を8つ紹介します。
- ベンチを使う
- ネガティブ動作のみ行う
- チューブを使う
- 斜め懸垂をする
- ジャンプ懸垂をする
- 逆手懸垂をする
- 反動を使ってみる
- 他の方法を試す
懸垂ができないときの練習方法①ベンチを使う
最初は1回もできなくても、練習すれば徐々にできるようになってきます。
その場合補助道具を駆使することが重要ですね。
まず紹介するのはベンチや椅子を使った懸垂です。
初心者にとって完全にぶら下がる懸垂は難易度が高いもの。
そのためトレーニングベンチや椅子に両膝を立て、そこを補助にして懸垂の動作を行うのです。
脚がついているので負荷が少ないうえ、基本的な動作を覚えられます。
通常の懸垂が全くできない人は、こういった補助を活用して練習しましょう。
ただし膝と脚はあくまで補助。
膝の曲げ伸ばしで体を上げてしまうと上半身のフォームを覚えられないので、膝の収縮で動作を行わないようにするのが注意点です。
ベンチについては↓の記事もご参考下さい。
懸垂ができないときの練習方法②ネガティブ動作のみ行う
筋トレでは筋肉が伸びるネガティブ収縮、筋肉が縮むポジティブ収縮という2つの収縮を繰り返して筋肉を鍛えていきます。
懸垂では体を引き上げる動作がポジティブ収縮、体を下げていく動作がネガティブ収縮に当たりますね。
この2つの収縮方法のうち、ネガティブ動作だけを行っていきましょう。
つまりやり方としては、まずベンチや椅子などを使って懸垂動作のトップ部分まで体を引き上げます。
その後椅子から足を外し、ゆっくり負荷を抜かないように体を下げていく動作のみを行い、これを繰り返していくのです。
ネガティブ動作はポジティブ動作に比べ、パワー出力が3割ほど高いと言われています。
つまり筋力が足りなかったとしても、ネガティブ動作だけならこなせる可能性があるのです。
これを繰り返していくうちに基礎的な筋力がついてきますよ。
懸垂ができないときの練習方法③チューブを使う
トレーニングチューブやエクササイズバンドも、懸垂の補助道具になります。
チューブに持ち手をつけ、それをバーに通して片足をゴムの部分に乗せて懸垂を行うと、通常の懸垂より負荷が弱まるのです。
体を持ち上げる際に筋肉の動きに加えてゴムが縮む力が加わるためですね。
さらにトレーニングチューブは、一式持っておくと上腕二頭筋も三角筋も広背筋も鍛えられて大変便利。
通常の懸垂ができるようになるためのトレーニングもできます。
持っておいて損はない道具だと言えるでしょう。
懸垂ができないときの練習方法④斜め懸垂をする
斜め懸垂、別名インバーテッドロウという種目は、通常の懸垂に比べて比較的難易度が低めです。
【斜め懸垂のやり方】
- スミスマシンのバーを低めに設定する(鉄棒でもOK)
- 肩幅より少し広めでバーを握る
- 脚を前に放り出し体勢をつくる
- 懸垂と同じく広背筋を意識してバーに胸を近づける
- 負荷を抜かないように体を下ろす
- 4~5を繰り返す
姿勢が違うだけで、基本的なやり方は懸垂のやり方を踏襲しています。
ノーマル懸垂と同じく、腕はあくまで体を支えているだけで胸をバーに近づけていくイメージで行いましょう。
広背筋を効率よく鍛えられますよ。
斜め懸垂は比較的取り組みやすいメニューなので、初心者の方にもおすすめです。
懸垂ができないときの練習方法⑤ジャンプ懸垂をする
補助を使うという意味では、ジャンプ懸垂もおすすめです。
ジャンプ懸垂とはその名の通り体を引き上げるさい、地面からジャンプするように勢いをつける方法です。
一気にトップポジションまで体を持っていくのですね。
このやり方だとポジティブ動作では負荷があまりかかりませんが、ネガティブ動作をゆっくり行えば効果が得られます。
体力に余裕があればこちらにチャレンジしてみるのもいいでしょう。
懸垂ができないときの練習方法⑥逆手懸垂をする
通常の順手懸垂が全くできない場合、敢えて逆手懸垂から始めてみるのも手です。
そうすれば上腕二頭筋も使うので広背筋の補助になり、比較的体が上がりやすいのですね。
広背筋に効果的に効かせるためには順手で行った方がいいのですが、筋力が足りていない場合は逆手懸垂も試してみてください。
懸垂ができないときの練習方法⑦反動を使ってみる
本来、筋トレで反動を使う(ターゲット部位以外も動員する)チーティングと呼ばれるやり方は、あまり推奨されません。
反動を使うと負荷が分散し、効果的にターゲットに刺激が行かなくなるためです。
そのためやるとしても、筋肉の動かし方を完璧に把握している上級者以外は使わないほうがいいでしょう。
しかし懸垂が1回もできない、かつもう少し頑張ればできるというレベルの場合は別です。
反動を使って最後まで体を上げきり、感覚を覚えるのは有効かもしれません。
もちろん反動を使うのは最初だけで、筋力がついてきたらフォームは正確なフォーム(ストリクト)に戻して行ってくださいね。
懸垂ができないときの練習方法⑧他の方法で鍛えてみる
すでに紹介しましたが、基礎的な筋力が足りていない場合懸垂を行うのは難しいはずです。
今まで紹介したような方法で懸垂の練習をするのもいいですが、同時に並行して上半身全体のトレーニングを行うといいでしょう。
- 広背筋ならベントオーバーローイングやワンハンドローイング
- 上腕二頭筋ならアームカール
- 三角筋ならサイドレイズ
- 前腕ならハンマーカールやリストカール
などがおすすめです。
ダンベルやチューブなどを使えば自宅でもできるので、地道に筋力をアップさせてみましょう。
他の部位のトレーニングは↓の記事もご参考下さい。
おすすめグッズ
では最後に、おすすめの懸垂グッズを紹介しますね。
- 懸垂スタンド
- トレーニングチューブ・エクササイズバンド
- プロテイン
おすすめグッズ①懸垂スタンド
懸垂スタンドはほとんどのトレーニングジムに置いてあるので、ジムでトレーニングをしている人は問題ないでしょう。
しかしこの懸垂スタンドは個人でも購入でき、各社から販売されています。
特におすすめなのが懸垂バー以外にもさまざまな筋トレができる部位がついている懸垂スタンド!
設置スペースの問題はもちろんありますが、1台あると様々なトレーニングができますよ。
おすすめグッズ②トレーニングチューブ・エクササイズバンド
複数のトレーニングができるという意味では、トレーニングチューブやエクササイズバンドもおすすめです。
1セットあれば全身の筋肉が鍛えられますし、上記のように懸垂時の負荷を軽減することもできます。
ダンベルなどに比べて価格も安価なのでこちらもおすすめの器具です。
おすすめグッズ③プロテイン
筋肉の成長、筋力のアップにはタンパク質が欠かせません。
一般的に筋肉を発達させたいなら、1日に体重×1.2~1.5g程度のタンパク質の摂取が必要です。
すべて食事から摂取できる人であれば問題ですが、小食の人にとっては簡単ではありませんよね。
そこでプロテインがあれば比較的容易にタンパク質を摂取することができるのであると非常に便利です。
最近のプロテインは味も美味しいのでおすすめです。
プロテインに関しては↓の記事もご参考下さい。
まとめ
懸垂は、筋トレ初心者の人にとって非常に難しいメニューなのは確かです。
しかし広背筋は上半身のシルエットにとって非常に重要な部位ですし鍛えるメリットは多数あります。
そのため、懸垂が苦手な人はこの記事を参考にして練習してみて下さいね。
懸垂や懸垂スタンドに関しては↓の記事もご参考下さい。
ilohas834
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