「コンパウンド種目」といえば、一般的に全身の筋肉を鍛えるトレーニング種目ですよね。
一方で、腕(上腕二頭筋・上腕三頭筋)を鍛える種目といえば「アイソレーション種目」が一般的。
しかし、よりたくましく強い上腕二頭筋・上腕三頭筋を手に入れたい場合は、それぞれコンパウンド種目に取り組むのがおすすめです。
そこで今回は、上腕二頭筋・上腕三頭筋にターゲットを絞ったコンパウンド種目について、解説します!
この記事の目次
コンパウンド種目とアイソレーション種目の概要
コンパウンド種目とは「2つ以上の関節動作が関与する種目」トレーニングのことで、別名「多関節種目」とも呼ばれます。
関与する関節と筋肉の数が増えるため、一つの種目で多くの筋肉を同時に鍛えられるのが特徴です。
例としては「ベンチプレス・スクワット・デッドリフト」といったもの。
一方でアイソレーション種目とは、動作の中で「一つの関節動作のみ関与する種目」で、関与する筋肉が限定的なのが特徴です。
そのため、一つの種目で鍛えられる筋肉の数に制限があり、使用重量も軽くなります。
上腕二頭筋・上腕三頭筋を鍛える種目のほとんどはアイソレーション種目
上腕二頭筋・上腕三頭筋を鍛えることを目的とする場合、それぞれに分類できる種目は以下の通りです。
【肘関節屈曲のみ関与する上腕二頭筋】
- ダンベルカール
- バーベルカール
- ケーブルカールなど
【肘関節伸展のみ関与する上腕三頭筋】
- トライセプスエクステンション
- トライセプスキックバック
- トライセプスプレスダウンなど
上記にあるように、上腕二頭筋・上腕三頭筋が主動筋として作用する関節動作は単一です。
そのため、アイソレーション種目が一般的とされています。
上腕二頭筋・上腕三頭筋をコンパウンド種目で鍛えることのメリット
一般的にはアイソレーション種目で鍛える上腕二頭筋・上腕三頭筋を、敢えて「コンパウンド種目」で鍛えることも効果的です。
その理由としては、コンパウンド種目のもつトレーニングの特徴に理由があります。
- アイソレーション種目よりも高重量による負荷を利用できる
- 複数の筋肉を同時に鍛えられる
上記2点について、詳細に解説しましょう。
アイソレーション種目よりも「高重量による負荷」を利用できる
コンパウンド種目で腕の筋肉へ負荷を掛けられる種目に取り組む場合、アイソレーション種目よりも格段に重い重量が扱えます。
普段のアイソレーション種目による刺激に慣れた対象筋に対し、異なる刺激を与え、筋トレ効果をより高めていきましょう。
複数の筋肉を同時に鍛えられる
複数の筋肉を同時に鍛えれば、筋肉の合成に必要不可欠な「成長ホルモン・テストステロン」の分泌が促進されます。
それにより、物理的な負荷による刺激以外にも「化学的な要因」が発生、さらなる成長を促進する効果にも期待可能です。
上腕二頭筋を鍛えるコンパウンド種目3選
では、上腕二頭筋を鍛えるコンパウンド種目を3つ紹介しましょう。
- リバースグリップチンニング(逆手懸垂)
- リバースグリップベントオーバーローイング
- ドラッグカール
リバースグリップチンニング(逆手懸垂)
この種目は、リバースグリップ(逆手)で取り組み、肘関節動作をより強く関与させる種目です。
通常背筋を中心に鍛える懸垂も、逆手で取り組むことで「肘関節屈曲」への関与度を高められます。
結果的に主動筋となる上腕二頭筋に刺激が行くのですね。
肩関節・肩甲骨動作も同時に関与させながら、上腕二頭筋の作用する肘関節屈曲への「負荷の比重を高めた」コンパウンド種目です。
【やり方】
- バーを肩幅程度または肩幅よりも狭く、逆手で握る
- 両足を床から浮かせ、体後方で脚を組む
- 上腕二頭筋を意識して、体を持ち上げる
- このとき、肩関節・肩甲骨も関与させて行う
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リバースグリップ・ベントオーバーローイング
「肩・肘・肩甲骨」の関節動作を関与させ、背筋群を中心に鍛える種目として代表的なコンパウンド種目です。
「リバースグリップ(逆手)」で取り組むことで上腕二頭筋への負荷の比重を高め、強烈な負荷を加えられるのが特徴。
基本的な動作では、肩関節・肩甲骨動作をメインに行いますが「肘関節動作」への意識を強く持って取り組むと効果的です。
【やり方】
- バーベルを肩幅程度の手幅で「逆手」で握る
- 膝を軽く曲げ、腰を後方へ引き、上半身を45度程度前傾させる
- 背筋を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せるイメージでおへそにバーを引き寄せる
- バーを引き寄せたら、上腕二頭筋に力を入れて収縮させる
ドラッグカール
これは肘を体幹後方に引きながら肘関節を屈曲させて動く、ダンベルカールのバリエーション種目。
見た目はアイソレーション種目のダンベルカールに似ていますが、肘を曲げる際に「肩関節伸展・肩甲骨内転」が関与するのが特徴。
独特な軌道により、上腕二頭筋への負荷が抜けにくいという特徴もあるため、効果的に「上腕二頭筋」を鍛えることができます。
【ドラッグカールのやり方】
- 両手にそれぞれ適切な重量のダンベルを持ち、直立する
- 肩を落とし、肩甲骨は少し寄せておく
- ダンベルの軌道が、床に対して「垂直」に動くように動く
- 肘を後方に引きながら肘を曲げ、上腕二頭筋をしっかりと収縮させる
- 最後に、肘を戻すようにして腕を伸ばしていく
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上腕三頭筋を鍛えるコンパウンド種目3選
続いて上腕三頭筋を鍛えるコンパウンド種目3つです。
- ディップス
- ナローベンチプレス
- スミスマシンショルダープレス
ディップス
この種目は「上半身のスクワット」とも呼ばれています。
上半身の主要な筋肉「上腕三頭筋・大胸筋・三角筋前部」を鍛えられる種目ですね。
肘関節・肩関節が関与し、「上半身の前傾角度」によって大胸筋または上腕三頭筋への負荷の比重を調整できるのが特徴。
上腕三頭筋へ負荷を集中させるためには「上半身を前傾させず」に取り組むことが大切。
そうすれば、大胸筋の関与を抑制できます。
【やり方】
- 両手でバーを持ち、膝を90度くらいに曲げる
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直にする
- 前腕と肘を固定したまま、肘を曲げてゆっくりと体を下す
- その後、肘を伸ばして体を持ち上げる
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ナローベンチプレス(クローズグリップベンチプレス)
手幅をナロー(狭く)で握り、プレス動作を行うことで大胸筋よりも「上腕三頭筋」をメインに鍛える種目です。
特徴は、その他の上腕三頭筋種目よりも高重量による強烈な負荷で鍛えられること。
上腕三頭筋を鍛えるコンパウンド種目の中では、最も重い重量を扱えるため、上腕三頭筋の肥大に効果的です。
【やり方】
- バーを握る手幅を「肩幅よりも短く」する
- ラックからバーを外し、胸の上に移動する
- 脇を閉じたまま、肘を曲げてバーをおろす
- その後、肘を伸ばしていくさいも脇を閉じておく
- 肘をしっかりと伸ばし、上腕三頭筋を最大収縮させる
スミスマシン・ショルダープレス
本来は、肩の筋肉である三角筋前部・中部をメインに鍛える種目ですが、サブとして「上腕三頭筋」も鍛えられます。
取り組むさいには「肘関節伸展」を意識し、上腕三頭筋の力でバーを上げる意識で取り組みましょう。
【やり方】
- トレーニングベンチを垂直の手前程度の高い角度で調整する
- ベンチに座り、バーをおろす位置がアゴから3cm程度になる位置で調整する
- 肩幅程度の手幅でバーを握り、手首を返してラックからバーを外す
- アゴのあたりにバーをおろし、頭上高くバーを挙上する
まとめ
今回は、コンパウンド種目で「上腕二頭筋・上腕三頭筋」を鍛えるトレーニング種目・効果・特徴について解説しました。
コンパウンド種目ならではの高重量による強烈な負荷と、成長ホルモンの分泌を促進させながら、効果的に鍛えていきましょう!
“No pain No gain”
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AKI
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