ベンチプレスの罠!あなたも陥りやすい16個の間違ったフォームと改善法、肩を痛めないための5つの注意点ついて解説していきます!
ベンチプレスの正しいフォームを知っていると、上半身の筋肉を効率よく、効果的に鍛えることができます。
それだけではなく、綺麗なフォームでトレーニングができると、怪我のリスクを回避した安全で効果的な質の良いトレーニングをすることが可能になります。
一度怪我をしてしまうと、治るまでの期間、痛めてしまった部位を鍛えることが出来なくなってしまう上、例えば大胸筋であれば、他のトレーニング種目をする際に関与することが多いことがあります。
そうなると、他の部位のトレーニングにまで影響が出てしまう可能性があり、怪我は最も避けなければいけないことなのです。
そのため、怪我をしないためにも、ベンチプレスの間違ったフォームをここで確認し、対策法とコツを学んでいきましょう。
今回はそんなベンチプレスのありがちな16個の間違ったフォームと、肩を痛めないための5つの注意点、効果的な重量設定と回数、セット数についても解説していきます!
この記事の目次
- ベンチプレスの16個のありがちな間違ったフォーム
- フォームの間違い①バーベルを胸でバウンドさせている
- フォームの間違い②バーベルの可動域が狭い
- フォームの間違い③脇が開いている
- フォームの間違い④バーベルを上げ下げする軌道が正しくない
- フォームの間違い⑤肩甲骨を引き寄せていない
- フォームの間違い⑥バーベルを適切な位置でグリップしていない
- フォームの間違い⑦ベンチプレスの動作中に足が動いている
- フォームの間違い⑧体幹に力が入っていない
- フォームの間違い⑨バーベルを下ろす時に力が抜けている
- フォームの間違い⑩バーベルを上げる際に大胸筋の動員を意識できていない
- フォームの間違い⑪ベンチプレスの動作中に頭が浮いている
- フォームの間違い⑫腰が反り上がり浮かせてしまっている
- フォームの間違い⑬バーベルを持つ位置が狭い
- フォームの間違い⑭肩が前に出てしまっている
- フォームの間違い⑮肩をすくめてしまっている
- フォームの間違い⑯肘をロックアウトさせてしまっている
- ベンチプレスで肩関節を痛めないための7つのポイント
- 正しいフォームが何よりも大切
- ベンチプレスの効果的な重量設定・回数・セット数について
- ベンチプレスをより効果的に効かせるポイントについて
- ベンチプレスで推奨するサポートギア類について
- まとめ
- 他にもある、ベンチプレス のトレーニングと怪我防止に関する記事♪
ベンチプレスの16個のありがちな間違ったフォーム
フォームの間違い①バーベルを胸でバウンドさせている

よくある間違ったベンチプレスのやり方で、バーベルをボトムまでおろす際、バーベルを胸でバウンドさせ、その反発を使って挙上してしまっていることがあります。
このバウンド行為は基本的には正しくありません。
というのも、胸でバウンドさせることでその反発を利用した分、重い重量を挙上することができますが、勢いに任せてバーベルを挙上しているので、対象筋への負荷は小さくなってしまいます。
ベンチプレスではメインターゲットに大胸筋、サブターゲットに上腕三頭筋・三角筋前部を同時に鍛えることができますが、バウンド行為をしてしまうことで、それぞれの筋肉の緊張時間が短くなる上、対象筋の収縮が十分に行えなくなってしまうため、効果的な負荷を加えることができず、効果の低い時間の無駄になってしまうトレーニングになってしまいます。
また、勢いよくバウンドさせようとすると、肩関節・肘関節・手首などの関節と大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部などの筋肉に過度な負荷が加わるため、関節や筋肉を傷めてしまう原因にもなってしまうため、非常に危険です。
この間違ったベンチプレスのやり方を改善するためには、下記のポイントを踏まえて取り組んでみましょう。
- バーベルの上下動作をゆっくりと行う
- 使用重量を軽くする
- 胸に触れるくらい感覚でおろす
バーベルをバウンドさせて勢いをつけて挙上するということは、動作スピードが速すぎるということです。
そのため、ゆっくりとバーベルを動作させることで、その勢いと反発を殺し、適切な負荷を対象筋に与えることが可能になります。
もし、それではバーベルを挙上できなかったり、コントロールするのが難しい場合は、バーベルの重量を軽くしましょう。
しっかりと、適切なフォーム・適切な動作スピードで動作することができる重量に調整することが大切です。
最後に、ベンチプレスで効果を最大化させるためには、広い可動域をもって動作することが重要です。
そのため、胸に触れるくらい胸ギリギリまでバーベルをおろすようにしましょう。そうすることで、勢いと反発が生まれるのを防ぎ、非常に効果的なベンチプレスでのトレーニングが可能になります。
フォームの間違い②バーベルの可動域が狭い

ベンチプレスのやり方でよくある間違いが、可動域の狭さです。
重量を上げることに意識がいき過ぎてしまうと、バーベルを十分におろさず、挙上してしまうことがあります。
確かに高重量を挙げている気分にはなりますが、それは効果的・効率的なトレーニングとは言えません。
ベンチプレスでは、しっかりと大胸筋の筋繊維が伸ばされ、十分なストレッチ(伸展)の感覚があるまで落とす意識が大切です。
しっかりおろすことで大胸筋が大きくストレッチ(伸展)され、より多くの大胸筋筋繊維に負荷を与えることができます。可動域を短くするとそれだけ負荷も小さくなります。
可動域を短くするとより高重量を扱うことができますが、筋肥大のメカニズムで考えると、効率的なやり方とは言えません。また高重量を扱う際は、正しいフォームでないと関節・腱・筋肉を怪我することにもつながるので注意が必要です。
バーベルを十分におろすことができない重量はオーバーウェイトになってしまうため、しっかりとおろすことが出来る重量設定を心がけてください。
可動域は大きく、バーベルをしっかりと胸に触れるくらいまでおろして動作することが大切です。
フォームの間違い③脇が開いている

脇が開きすぎているのもよくあるベンチプレスの間違いの一つ。
ベンチプレスの正しいフォームでは、肘を肩の位置の真横近くに開くのではなく、胸郭(胸の骨格)側に寄っている位置が適切になります。
このフォームが、一番力を発揮しやすく、また体の自然な動作が可能になる形でもあるため、怪我の心配が少ない正しいフォームと言えます。
脇が開く(肘が肩寄りに開いた状態)と、バーベルの位置も顔方面に上がってきてしまうため、バーベルのウェイトが肩関節に乗ってしまい、肩関節を痛めてしまう原因にもなってしまうため、脇は開かないように意識をして動作しましょう。
例えば、壁に両手をついた状態で、壁を押してみてください。このとき肘の角度は肩寄りに真横に開いて動作していないと思います。
体に対して45度程度開いている状態が、ベンチプレスを行う理想的な肘の角度になります。
フォームの間違い④バーベルを上げ下げする軌道が正しくない

ベンチプレスの話でよく話題に上がる、バーベルの正しい軌道についてですが、バーベルを「まっすぐ」あげるのではなく、バーベルは「少し斜め上」に挙上するのが適切なフォームです。
先ほど前述したように、肘が適切な角度で開いている場合、バーベルをおろした位置は、胸の少し下のあたり、みぞおちのあたりにバーベルがあるのが適切です。
反対に、バーベルを上げる際は、肩の上にバーベルが来るため、ボトムとトップの位置は斜め方向に変わっているわけです。
この間違ったベンチプレスのやり方を改善するためには、下記のポイントを踏まえて取り組んでみましょう。
- バーベルにウェイトをつけず、正しいフォームを意識して動作する
バーベルを下げる際に、バーベルを制御しやすい軌道を探すことが重要です。
また、胸のおろす位置も、自分が一番力を発揮しやすい位置があるため、バーベルをおろす位置も意識してみましょう。
スミスマシンでの練習は避けよう!

スミスマシンでは上下の軌道が固定されているため、怪我防止や大胸筋だけに効かせるには良いですが、ベンチプレスの「フォームのトレーニング」という意味では不向きです。
バーベルの軌道をコントロールする補助的な力が必要なくても、バーベルを挙上できてしまうためです。
ベンチプレスの適切なフォームを習得した場合は必ず、フリーウェイトであるバーベルを使用して、トレーニングをするようにしましょう。
フォームの間違い⑤肩甲骨を引き寄せていない

肩甲骨を寄せていないと、胸を大きく張ったまま動作することができないため、適切な負荷が大胸筋に入らなくなってしまいます。
適切なフォームでは、肩甲骨を寄せて胸を大きく張ったまま動作することで、大胸筋の関与が高まり、効果が高くなります。
反対に肩甲骨が寄っていないと、胸を大きく張ることができず、胸が内側に入ってしまい、三角筋前部の関与が高まることで、本来大胸筋に集中するはずの負荷が分散してしまい、非効率なベンチプレスとなってしまいます。
この間違ったベンチプレスのやり方を改善するためには、下記のポイントを踏まえて取り組んでみましょう。
・肩甲骨はバーベルをおろす際も上げる際も軽く寄せておく
肩甲骨を完全にロックしてしまう必要はありませんが、軽く寄せておくことが適切です。
バーベルを挙上した際も、肩甲骨が開かないよう意識して動作をしてみてください。
フォームの間違い⑥バーベルを適切な位置でグリップしていない

バーベルの握り方にも重要なポイントが存在します。
バーベルを握る位置は親指の付け根のあたり、手のひらの下の方でバーベルを握ることで、バーベルのウェイトは手首ではなく前腕骨にウェイトがのるため、安全なベンチプレスが可能になります。
手首は寝かせるよりは、気持ち立たせた状態のまま動作することを心がけましょう。
バーベルの握り方を間違ったまま動作をすると、最悪の場合手首を怪我してしまう可能性があります。
よくあるベンチプレスの間違っている点の一つが、バーベルと握り方の重要な関係についてです。
バーベルを握る際に、4本指寄りにバーベルを握ってしまうと、手首がそり過ぎてしまい、過度な負荷が加わってしまうことで、手首を痛めてしまう原因になってしまいます。
使用重量が重くなるにつれ、手首への負荷も高まるため、注意が必要です。
この間違ったベンチプレスのやり方を改善するためには、上記のポイントを踏まえて取り組んでみてください(^^)
フォームの間違い⑦ベンチプレスの動作中に足が動いている

これもよくあるベンチプレスの間違いで、動作中に足を浮かせてしまったり、ばたばた動かしてしまうことです。
ベンチプレスは上半身を鍛えるトレーニングではありますが、実は下半身も大きく関与しています。
ベンチプレスなのに下半身?と感じるかもしれませんが、両脚は土台の役割があります。
しっかり地面を踏み込むようにして両脚で土台をしっかりと築くことが大切です。両脚でしっかりと土台を作れると、体全体の安定感が増し、バーベルを動作する際もブレることなく、挙上する力が逃げずに効果的なベンチプレスが可能になります。
お尻と大腿四頭筋に力を入れることで、土台を固めることができます。足裏全体が地面を捉えるようにして地面を踏み込んでください。
フォームの間違い⑧体幹に力が入っていない

こちらも、先ほどの足の土台と同じことが言えますが、お腹にしっかりと力を入れたまま動作ができていないと、上半身と下半身のブレが大きくなり、バーベルが不安定になることで出力低下にもつながってしまいます。
そのため、お腹・腹筋に引き締めるように力を入れたまま動作するよう心がけてください。
より高度なテクニックになると、「腹圧」の力を使うことで、より高重量を扱うことができるようになります。
これは、ベンチプレッサーや、パワーリフター、ウェイトリフターが当たり前のように使うテクニックで、大きく息を吸い込み、その空気を入れたまま腹筋に力を入れ、腹腔内の圧力を高めることで、安定性・出力ともに更に上の次元にもっていくことができます。
フォームの間違い⑨バーベルを下ろす時に力が抜けている

バーベルをおろす際に、力を抜いていませんか?
バーベルを下ろす際も力を抜かず、筋肉にウェイトの数字通りの負荷を乗せたままおろす意識を持つ必要があります。これがマッスルコントロールです。
ベンチプレスだけではなく、すべてのトレーニングでは、「マッスルコントロール」が重要になります。
マッスルコントロールとは、筋肉の出力によりウェイトを扱い制御するという意味です。すべての種目に共通することですが、ウェイトの数字通りの負荷を筋肉に与えなければ、そのウェイトを扱っている意味がなくなってしまいます。
例えば、ベンチプレスでバーベルを下す際に力を抜いて勢いよくおろしてしまうと、100kgのバーベルでもおろす瞬間には実際に筋肉に負荷として乗っているウェイトの重量は50kgだったり、ゼロになっている可能性があります。
つまり負荷が入っている瞬間と入っていない瞬間があり、負荷が入っている瞬間でもその負荷はウェイトの数字より軽い場合があるということになります。これは非常に効率の悪い、質の低い効果的ではないベンチプレスということになります。
フォームの間違い⑩バーベルを上げる際に大胸筋の動員を意識できていない

ベンチプレスでは、対象筋である大胸筋に対し、負荷を感じながら動作することが大切です。
トレーニング中にメインターゲットの部位に対し、負荷を感じながら動作させることで、効かせるべき部位だけに効かせることができます。
これを「マッスルマインドコネクション」と言います。
マッスルマインドコネクションとは、「筋肉と脳神経のつながり」です。
なかやまきんに君の筋肉ルーレットのように、大胸筋をピクッピクッと動かすのを想像するとわかりやすいかと思います。
彼は筋肉を自由自在に操ることが出来るからこそ、あの芸ができるのです。
筋肉を自在に操ることが出来るということは、筋トレでメインターゲットを効率的に効かせることが出来るということです。
“負荷を感じる”というのもこのマッスルマインドコネクションでは重要です。
フォームの間違い⑪ベンチプレスの動作中に頭が浮いている

バーベルをボトムまでおろす際、つい頭を上げておろす位置を確認してしまいやすいです。
しかし、頭を上げてしまうと、首を痛める可能性があるため、しっかりとベンチに頭をつけたまま動作するよう心がけましょう。
また、頭を上げるにもエネルギーを消費してしまうため、二つの意味で頭をベンチにつけて動作しましょう。
フォームの間違い⑫腰が反り上がり浮かせてしまっている

バーベルをボトムまでおろして挙上する際、腰を反り上げて挙上してしまう癖もよくあります。
しかし腰を反り上げてしまうと、前述したバウンドと同じように、可動域が短くなり、また大胸筋のほかにも大きく脚の力が関与してしまうため、本来大胸筋へ入るはずの効果的な負荷が逃げてしまいます。
そのため、しっかりとお尻もベンチにつけたまま動作するようにしましょう。
フォームの間違い⑬バーベルを持つ位置が狭い

バーを握る両手の位置が狭いと、上腕三頭筋への関与が高まることで、大胸筋よりは上腕三頭筋のトレーニングになってしまいます。
上腕三頭筋を対象筋として鍛えたい場合はそれで問題ありませんが、大胸筋を対象筋として鍛える場合は、肩幅の1.5倍ほど広い位置でバーベルを握るようにしましょう。
そうすることで、上腕三頭筋の関与を少なくし、大胸筋への関与を高めることができます。
フォームの間違い⑭肩が前に出てしまっている

バーベルを持ち上げたポジション(トップ)で肩甲骨が開いて肩が前に出てしまうと、胸郭の外側の筋肉に効いてしまい、三角筋前部の関与が高まってしまい、大胸筋への負荷が軽減されてしまいます。
動作をおこなう際は肩甲骨を軽く寄せ、肩が前にでないように気を付けて動作するようにしましょう。
フォームの間違い⑮肩をすくめてしまっている
オーバーウェイトを扱い負荷が高すぎる場合に多いのが、肩をすくめて肩関節が上がってしまう状態。
肩関節が上がってしまうと筋肉ではなく肩の靭帯や関節へ過度な負荷がかかってしまいます。
肩の筋肉は小さな筋肉なので、軽い重量しか扱えません。ベンチプレスの負荷が肩にかかると、すぐに怪我してしまいます。
その状態でベンチプレスを続けてしまうと、肩関節を痛めてしまう可能性があるため、肩関節が上がらないように注意しましょう。
フォームの間違い⑯肘をロックアウトさせてしまっている

ベンチプレスを挙げて、肘を伸ばしきった状態を「ロックアウト」と言います。肘を伸ばし切ると、バーベルのウェイトは肩関節・肩甲骨に完全に乗ってしまうため、大胸筋の緊張が途切れてしまいます。
肘を伸ばすのは「8割程度」まででトップポジションは設定し、ロックアウトしないことで上腕三頭筋の動員も軽減することできるので、大胸筋に対し質の高い負荷を与えることが可能になります。
ベンチプレスで肩関節を痛めないための7つのポイント
ベンチプレスでトレーニングをしていると、肩の痛みが出てしまうなんてことありませんか?
ベンチプレスは、上体が前傾させたまま動作するため、肩関節への負荷がどうしてもかかりやすいのです。
そこで、ここでは肩を痛めないための5つの方法を紹介します
ポイント①入念なストレッチ・セルフケア

ベンチプレスでは特に、三角筋・肩関節への負荷が加わりやすいため、必ず入念なストレッチをしてからトレーニングすることを心がけて下さい。
肩関節のストレッチをすることで柔軟性が向上し、出力向上や可動域も広がるため全体的なパフォーマンス向上につながり、体が温まることで血流がよくなり、怪我のリスクも軽減させることができます。
トレーニング後も同様にしっかりとストレッチすることが重要です。トレーニング後は筋肉疲労や疲労物質が身体に蓄積し筋肉が緊張することで張りも出てきます。このため入念なストレッチで筋肉の緊張をほぐし、筋肉をOFFの状態に戻すことで後々の筋肉痛軽減や怪我の予防やパフォーマンス低下を防ぐことができます。
ポイント②フォームローラーでセルフマッサージをしてさらなるパフォーマンス向上へ
フォームローラーを使用することで、簡単にセルフマッサージ(筋膜リリース)ができます。
筋膜リリースは、通常のストレッチだけではほぐせない体のコリや張りをより効果的に解消することができます。背中や腰に使用すれば柔軟性もより向上するため、著者AKIもBIG3トレーニング前と後には必ずフォームローラーを使用しています。
ポイント③クールダウンで筋肉を癒す

ベンチプレスやその他トレーニングで、怪我のリスクを避けるためには、クールダウンも忘れないようにしましょう。
クールダウンは、筋肉の緊張を緩和したり、疲労物質の排出を促す効果があります。
クールダウンの時は、静止した状態で行う「スタティックストレッチ」を行い、トレーニングで使った筋肉をOFFにしてゆっくりと伸ばすことが大切です。
ポイント④適切なフォームでできる回数から始める

ベンチプレスの動作比較的簡単ですが、大胸筋や上腕の筋力がなければ、回数を重ねるのが難しい種目です。
回数を重ねようとして無理やり体を上へ上げようとすると、誤ったフォームになることで、対象筋に適切な負荷が入らなくなるだけではなく、肩関節や腕を痛めてしまいます。
そのため、まずは無理をせず、適切なフォームで出来る回数から始めるようにしましょう。
フォームを体で覚えて、適切な動作ができるようになってから回数を増やしていくようにしてください。
ポイント⑤適切なフォームを意識する

ベンチプレスで肩関節や腕を痛めないためには、適切なフォームを意識することが大切です、
動作に入る前に、しっかりと適切なフォームのポイントを確認し、頭の中でイメージしてから実際の動作に入るようにしてください。
また、可能であれば鏡で自分の動作フォームを見ながらトレーニングをすることで、間違ったフォームで動作していないか、セルフチェックすることができるので、ジムでのトレーニングでは常に、鏡でフォームをチェックする癖をつけましょう。
ポイント⑥違和感を感じたらすぐに中止する

肩関節や筋肉に痛みや違和感がある場合はトレーニングは中止しましょう。
後々痛みが増してくる場合もありますので、一度様子を見ましょう。
1度怪我をしてしまうと、完治するまでその部位を鍛えることができなくなるので、その期間に筋肉を失ってしまう上、他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果となってしまいます。
ポイント⑦フォームが安定しない場合はスミスマシンを使用する

フリーウェイトのベンチプレスのフォームを習得するためには、スミスマシンは不向きであると解説しましたが、それでも適切なフォームの習得が難しい場合、そのまま続けてしまうと怪我をしてしまったり、非効率なトレーニングになってしまうため、スミスマシンを使用したベンチプレスを行うのも、一つの手です。
フリーウェイトのバーベルでベンチプレスを行う際、バーベルの軌道がブレてしまっていたり、フォームが崩れやすい方は、スミスマシンを使用することをおすすめします。
スミスマシンはバーベルやダンベルといったフリーウェイトとは異なり、バーベルの軌道が固定されているため、前後左右にフォームのブレなく安定したトレーニングが可能になります。
またセーフティバーがついているので万が一潰れてしまってもセーフティバーより下には落ちないので安全性の高いトレーニングができます。
そのため、フォームがまだ安定していない初心者の方にもおすすめな、ベンチプレスのバリエーションになります。
正しいフォームが何よりも大切
ベンチプレスだけでなく、すべてのエクササイズ・種目では基本的な動作フォームがなによりも大切です。
まずは正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることで最も効率的に対象筋への負荷を与えることができるので理想の肉体を作り上げることが可能になります。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入らずいつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
それだけではなく関節・筋肉・腱を痛めてしまい怪我につながってしまいます。1度怪我をすると、完治するまでその部位を鍛えることができなくなるのでその期間に筋肉を失ってしまう上、他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果となってしまいます。

ここでまず覚えていただきたいのは、正しいフォームを覚えることが理想の肉体への一番の近道であるということ。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない脅威だということです。
ベンチプレスの効果的な重量設定・回数・セット数について
ベンチプレスで効果的にトレーニングするためには適切な重量設定・回数・セット数が非常に重要です。
このうちどれか一つでも間違ったやり方だと効果が半減してしまい、結果が期待できなくなってしまいます。
ここで確認して、最大限の効果を得られるベンチプレスを行っていきましょう。
回数の違いによる効果について
- 筋出力向上 1~5回
MAX重量を伸ばしたい場合は、筋出力が向上するメニュー組みがオススメです。1-5回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。
- 筋量向上 6~10回
筋肉を大きくしたい(筋肥大)を目的とする場合は、筋肉量が向上するメニューを。6-10回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。
- 筋持久力向上 12~15回
筋持久力アップを目的とする場合は、12-15回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。
大胸筋の筋肥大に効果的なセット数について
一般的には最低でも“3セット”と聞いたことがあるかもしれませんが、これでは少ないです。
3セットのみでは筋肥大に十分な負荷を与えられずに効果が表れにくいです。
最低でも5セット以上10セット以下
最低でも5セット以上はトレーニングすることをおすすめします。
筋肥大に効果的な負荷を与えるには筋肉の緊張時間を長くし、かつしっかり重量をかけてオールアウト(追い込み切る)することが重要になります。
また、筋出力向上の観点からしても5セット以上でないとすべての筋繊維が使用されずに使用重量もあまり発揮されません。つまり3セットではウォーミングアップレベルでしかないということになります。
パワーリフティングのトレーニングでも基本的に8セット・10セットというのはごく普通のトレーニング強度です。それくらいのセット数で追い込まなければ目に見える効果はなかなか表れてくれません。
しっかりとオールアウトさせることを意識してください。
ベンチプレスをより効果的に効かせるポイントについて
バーベルをおろすときはゆっくりとおろす(ネガティブ動作)
筋肉への負荷が入る瞬間というのは「ポジティブ動作、力を入れてウェイトを挙げていくコンセントリック動作時」と、「ネガティブ動作、力を抑えてウェイトをおろしていくエキセントリック動作」の2つに分けることができます。
このエキセントリック動作はコンセントリック動作に比べるとより“1.7倍の高重量”を扱うことができるのでより強い刺激を筋肉に与えることが可能になります。
エキセントリック動作で負荷をしっかり入れるためには3秒~5秒程度長い緊張時間で刺激するのが理想です。
筋肉は筋繊維に傷がつくことで、修復段階で筋肉がより増強されるので、エキセントリック動作をゆっくり行うことでより筋肥大に適した負荷を与えられるということです。
トレーニングマシンのように同じ動作を意識する
トレーニングマシン種目のように、毎回の動作を同じようにきれい適切なフォームを維持しながら動作することが大切です。
これを、ストリクトフォームと言います。
ストリクトフォームとは“正しい””正確な”“厳格な”という意味があり、つまり反動を使わず丁寧で正しいフォームという意味になります。
正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることで最も効率的に対象筋への負荷を与えることができるので、理想の肉体を作り上げることが可能になります。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると、対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入らずいつまでたっても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
肩を落とす(下制)

ベンチプレスでありがちな間違った動作の一つに、肩が上がってきてしまうということがあります。
疲労によりバーベルを挙上しづらくなると、フォームが崩れて肩が上がってしまい、肩の力を使って動作してしまいがちです。
肩の力を使ってしまうと、本来メインターゲットである大胸筋に入るはずの負荷が分散してしまい、トレーニングの効果が半減してしまいます。
回数を重ねて疲労が蓄積しても、フォームを崩さず大胸筋に負荷を入れることを最優先することが大切です。
ベンチプレスで推奨するサポートギア類について
ベンチプレスをする上でより安全にトレーニングを行うためにおすすめなギアをここでご紹介します!
リストラップ

手首を保護してくれるリストラップはベンチプレス・ダンベルプレス・ショルダープレスなどのプレス系種目におすすめなギアです。
リストラップは巻き方がとても重要!動画でシェアしますね。
手首は関節の中でも特に痛めやすく、ウェイトの負荷が最もかかりやすい関節なのでまず最初に用意したいですね。
↓リストラップについてさらに詳しくはこちら
パワーベルト

腰を保護してくれるパワーベルトはBIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)のトレーニングをする上で欠かせないギアです。
腰を痛めるのを防いでくれるほか、腹圧をサポートしてくれるので体幹の安定や出力向上の効果もあり、リストラップに並んで用意したいギアになります。
全ての筋トレ種目は必ず腰に負荷がかかるので、ぜひとも用意していただきたいギアです。
↓パワーベルトについてさらに詳しくはこちら
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ベンチプレスは一見、ベンチに寝てバーベルを上げ下げしているだけの単純な動作に見えますが、実は非常に奥の深い大胸筋トレーニング種目であることが、わかっていただけたかと思います。
正しく適切なフォームで筋トレを実践することで、怪我のリスクが低い、効果的で効率的なトレーニングが可能になります。
それに加えて、もう一つ大切なことがあります。
それは、あなたがどんな肉体になりたいのか今一度目的意識を明確化することです。自分が目指す肉体を実現するためにはどこの筋肉をどのように鍛え、どんな食事を摂る必要があるのか、それをまず初めに考えることがなによりも大切なことです。
「成果を生み出すための正しい思考を持ち、それが正しい行動を導き、結果につながる」わけです。
筋トレしながらも常に論理的に思考し、考えながらトレーニングをしなければ理想の肉体の実現は夢となってしまいます。
ボディメイクとは人体のメカニズム、科学的反応を用いて作り上げるものです。ただウェイトを持って上げ下げすれば美しい肉体になるわけではありません。
トレーニングノウハウはもちろん大切ですが、それより大切な根本的な部分を忘れないようにしてトレーニングをしていただきたいと思います。
そうすればきっとあなたの思い描く肉体を手に入れ、あなたの思い描く素敵な人生を歩むことができるようになります。
“No pain No gain”
他にもある、ベンチプレス のトレーニングと怪我防止に関する記事♪
↓ベンチプレスについてさらに詳しく解説しております。ご参考ください(^^)

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