ベンチプレスの正しいフォームを知っていると、上半身の筋肉を効率よく、効果的に鍛えられます。
それだけではなく、綺麗なフォームでトレーニングできると、怪我のリスクを回避した安全で質の良いトレーニングが可能です。
一度怪我をすると痛めた部位を鍛えられなくなってしまううえ、他の部位のトレーニングにまで影響が出てしまうことも。
そのため怪我をしないために、ベンチプレスの間違ったフォームをここで確認し、対策法とコツを学んでいきましょう。
今回はベンチプレスのありがちな16個の間違ったフォームと、肩を痛めないための7つの注意点、効果的な重量設定と回数、セット数についても解説します!
この記事の目次
- ベンチプレスの16個のありがちな間違ったフォーム
- フォームの間違い①バーベルを胸でバウンドさせている
- フォームの間違い②バーベルの可動域が狭い
- フォームの間違い③脇が開いている
- フォームの間違い④バーベルを上げ下げする軌道が正しくない
- フォームの間違い⑤肩甲骨を引き寄せていない
- フォームの間違い⑥バーベルを適切な位置でグリップしていない
- フォームの間違い⑦ベンチプレスの動作中に足が動いている
- フォームの間違い⑧体幹に力が入っていない
- フォームの間違い⑨バーベルを下ろすときに力が抜けている
- フォームの間違い⑩バーベルを上げるときに大胸筋への刺激を意識できていない
- フォームの間違い⑪ベンチプレスの動作中に頭が浮いている
- フォームの間違い⑫腰が反り上がって浮かせてしまう
- フォームの間違い⑬バーベルを持つ位置が狭い
- フォームの間違い⑭肩が前に出てしまっている
- フォームの間違い⑮肩をすくめてしまっている
- フォームの間違い⑯肘をロックアウトさせてしまっている
- ベンチプレスで肩関節を痛めないための7つのポイント
- 正しいフォームが何よりも大切
- ベンチプレスの効果的な重量設定・回数・セット数について
- ベンチプレスをより効果的に効かせるポイントについて
- ベンチプレスで推奨するサポートギア類について
- まとめ
- 他にもある、ベンチプレス のトレーニングと怪我防止に関する記事♪
ベンチプレスの16個のありがちな間違ったフォーム
まずはありがちな間違いから紹介しましょう。
間違いかどうかに気付くため、ジムではできるだけ鏡を見ながらトレーニングするようにしてくださいね。
フォームの間違い①バーベルを胸でバウンドさせている
バーベルをボトムまでおろすときに胸でバウンドさせ、その反発を使って挙上していることがよくあります。
このバウンド行為は、基本的に正しくありません。
なぜなら、勢いに任せてバーベルを挙上すると、対象筋への負荷は小さくなってしまうからです。
ベンチプレスではメインターゲットに大胸筋、サブターゲットに上腕三頭筋・三角筋前部を同時に鍛えられますが、バウンド行為をすることでそれぞれの筋肉の緊張時間が短縮。
対象筋の収縮が十分に行えなくなってしまうため、効果的な負荷を加えられません。
つまり、バウンドによって重量を重くできたとしても、結果としては効果が低く時間の無駄になってしまうのです。
また勢いよくバウンドさせようとすると、肩関節・肘関節・手首などの関節と大胸筋・上腕三頭筋・三角筋前部などの筋肉に過度な負荷が加わります。
そのため、関節や筋肉を傷める原因にもなってしまい、非常に危険です。
間違ったやり方を改善するため、下記のポイントを踏まえて取り組んでみましょう。
- バーベルの上下動作をゆっくりと行う
- 使用重量を軽くする
- 胸に触れるくらい感覚でおろす
バーベルをバウンドさせて勢いをつけて挙上するということは、動作スピードが速すぎるということ。
そのため、ゆっくりとバーベルを動作させることが大切です。
勢いと反発を殺せば、適切な負荷を対象筋に与えられます。
もし、それではバーベルを挙上できなかったり、コントロールするのが難しい場合は、バーベルの重量を軽くしましょう。
適切なフォーム・適切な動作スピードで動ける重量に調整することが重要です。
また、ベンチプレスで効果を最大化させるためには、広い可動域で動く必要があります。
胸に触れるくらい胸ギリギリまでバーベルをおろすようにしましょう。
そうすることで、勢いと反発が生まれるのを防ぎ、非常に効果的なトレーニングが可能になります。
フォームの間違い②バーベルの可動域が狭い
2つめのよくある間違いが、可動域の狭さです。
重量を上げることに意識がいき過ぎてしまうと、バーベルを十分におろさないままで挙上することがあります。
確かに高重量を挙げている気分にはなりますが、それは効果的・効率的なトレーニングとは言えません。
ベンチプレスでは、しっかりと大胸筋の筋繊維が伸ばされ、十分なストレッチ(伸展)の感覚があるまで落とす意識が大切です。
深くおろすことで大胸筋が大きくストレッチ(伸展)され、より多くの大胸筋筋繊維に負荷が乗ります。
可動域を短くするとより高重量を扱えますが、筋肥大のメカニズムで考えると効率的なやり方とは言えません。
バーベルを十分におろせない重量はオーバーウェイトになってしまうため、重量設定を見直しましょう。
可動域は大きく、バーベルが胸に触れるくらいまでおろして動くことが大切です。
フォームの間違い③脇が開いている
脇が開きすぎているのもよくあるベンチプレスの間違いの一つ。
ベンチプレスの正しいフォームでは肘を肩の位置の真横近くに開くのではなく、胸郭(胸の骨格)側に寄っている位置が適切です。
このフォームが一番力を発揮しやすく、また体の自然な動作が可能になる形でもあります。
つまり、怪我の心配が少ない正しいフォームなのですね。
脇が開く(肘が肩寄りに開いた状態)とバーベルの位置も顔方面に上がってきてしまいます。
そうするとバーベルのウェイトが肩関節に乗って肩関節を痛める原因になるため、脇は開かないように意識をして動作しましょう。
体に対して45度程度開いている状態が、ベンチプレスを行う理想的な肘の角度です。
フォームの間違い④バーベルを上げ下げする軌道が正しくない
バーベルは「まっすぐ」上げるのではなく「少し斜め上」に挙上するのが適切なフォームです。
前述したように肘が適切な角度で開いている場合、バーベルをおろした位置は、胸の少し下のあたりであるのが適切。
反対に、バーベルを上げるときは肩の上にバーベルが来るため、ボトムとトップの位置は斜め方向に変わっているのです。
このやり方を改善するためには、下記のポイントを踏まえて取り組んでみましょう。
- バーベルにウェイトをつけず、正しいフォームを意識して動作する
バーベルを下げるときに制御しやすい軌道を探すことが重要です。
また、胸のおろす位置も自分が一番力を発揮しやすい位置があるため、バーベルをおろす位置も意識してみましょう。
スミスマシンでの練習は避けよう!
スミスマシンでは上下の軌道が固定されているため、怪我防止や大胸筋だけに効かせるには良いアイテム。
しかし、ベンチプレスの「フォームトレーニング」という意味では不向きです。
それは、バーベルの軌道をコントロールする補助的な力が必要なくても、バーベルを挙上できてしまうためですね。
ベンチプレスの適切なフォームを習得した場合は必ず、バーベルを使用してトレーニングするようにしましょう。
フォームの間違い⑤肩甲骨を引き寄せていない
肩甲骨を寄せていないと胸を大きく張ったまま動けず、適切な負荷が大胸筋に入りません。
正しいフォームでは、肩甲骨を寄せて胸を大きく張ったまま動きます。
そうすることで大胸筋の関与が高まり、効果が高くなるのですね。
肩甲骨が寄っていないと胸が内側に入ってしまい、三角筋前部の関与が高まります。
すると本来大胸筋に集中するはずの負荷が分散してしまい、非効率なベンチプレスとなるのです。
このやり方を改善するためには、下記のポイントを踏まえて取り組んでみましょう。
・バーベルをおろすさいも上げるさいも肩甲骨は軽く寄せておく
肩甲骨を完全にロックしてしまう必要はありませんが、軽く寄せておくことが適切です。
バーベルを挙上したときにも、肩甲骨が開かないよう意識して動いてください。
フォームの間違い⑥バーベルを適切な位置でグリップしていない
バーベルの握り方にも重要なポイントが存在します。
バーを握る位置は親指の付け根のあたり、手のひらの下の方です。
位置が正しければバーベルのウェイトは手首ではなく前腕骨にのるため、安全なベンチプレスが可能になります。
手首は寝かせるより、気持ち立たせた状態のまま動くことを心がけましょう。
握り方を間違ったまま動作をすると、最悪の場合手首を怪我する可能性があります。
4本指寄りにバーベルを握ると手首がそり過ぎてしまい、過度な負荷が加わることが、手首を痛める原因に。
使用重量が重くなるにつれ手首への負荷も高まるため、注意が必要です。
フォームの間違い⑦ベンチプレスの動作中に足が動いている
これもよくあることですが、動作中に足を浮かせてしまったりばたばた動かしてしまったりしている方がいます。
ベンチプレスは上半身を鍛えるトレーニングではありますが、実は下半身も大きく関与しています。
両脚は土台の役割があるのですね。
そのため、しっかり地面を踏み込むようにして両脚で土台をしっかりと築くことが大切。
両脚でしっかりと踏み込むと全体の安定感が増し、バーベルを動作するときにもブレずに挙上する力が逃げず、効果的なトレーニングができます。
コツはお尻と大腿四頭筋に力を入れること。
足裏全体が地面を捉えるようにして地面を踏み込んでくださいね。
フォームの間違い⑧体幹に力が入っていない
こちらも、⑦で述べた足の土台と同じことです。
お腹にしっかりと力を入れたまま動作ができていないと、上半身と下半身のブレが大きくなります。
その結果、バーベルが不安定になることで出力低下にもつながるのですね。
お腹・腹筋に引き締めるように力を入れたままで動くよう心がけてください。
より高度なテクニックになると、「腹圧」を使うことでさらに高重量を扱えるようになります。
これは、ベンチプレッサーや、パワーリフター、ウェイトリフターが当たり前のように使うテクニック。
大きく息を吸い込み、その空気を入れたまま腹筋に力を入れ、腹腔内の圧力を高めます。
そうすることで、安定性や出力を更に上の次元にもっていくことができるのです。
フォームの間違い⑨バーベルを下ろすときに力が抜けている
バーベルをおろすさい、力を抜いていませんか?
筋トレはどんなときでも力を抜かないことが重要です。
そうしなければ、筋肉にウェイトの数字通りの負荷を乗せたままにできません。
これをマッスルコントロールと呼びます。
マッスルコントロールは、筋肉の出力によりウェイトを扱い制御するという意味。
ウェイトの数字通りの負荷を筋肉に与えなければ、そのウェイトを扱っている意味がなくなってしまいます。
効率が良く、質の高い効果的なトレーニングをしたければ、ウェイトをおろすさいにも力を入れたままで行いましょう。
フォームの間違い⑩バーベルを上げるときに大胸筋への刺激を意識できていない
ベンチプレスでは、対象筋である大胸筋に対し、負荷を感じながら動くことが大切です。
トレーニング中にメインターゲットの部位に対し負荷を感じながら動くことで、効かせるべき部位だけに効かせられます。
これがマッスルマインドコネクションです。
マッスルマインドコネクションは、「筋肉と脳神経のつながり」のこと。
なかやまきんに君の筋肉ルーレットのように、大胸筋をピクッピクッと動かすのを想像するとわかりやすいかもしれませんね。
彼は筋肉を自由自在に操られるからこそ、あの芸ができるのです。
筋肉を自在に操られるということはつまり、筋トレでメインターゲットを効率的に刺激できるということですね。
“負荷を感じる”というのもマッスルマインドコネクションでは重要です。
フォームの間違い⑪ベンチプレスの動作中に頭が浮いている
バーベルをボトムまでおろすさい、つい頭を上げておろす位置を確認してしまう方もいるでしょう。
しかし、頭を上げてしまうと首を痛める可能性があります。
頭はしっかりとベンチにつけたままで動くように心がけましょう。
また、頭を上げるにもエネルギーを消費してしまうため、この点においてももったいないですね。
フォームの間違い⑫腰が反り上がって浮かせてしまう
バーベルをボトムまでおろして挙上するとき、腰を反り上げて挙上してしまう癖もよく見ます。
これは前述した「胸でバウンドする」と同じですね。
腰を反り上げると可動域が短くなるうえ、大胸筋のほかにも大きく脚の力が関わります。
その結果、本来大胸筋へ入るはずの効果的な負荷が逃げてしまうのです。
しっかりとお尻もベンチにつけたまま、動くようにしましょう。
フォームの間違い⑬バーベルを持つ位置が狭い
バーを握る両手の位置が狭いと、上腕三頭筋への関与が高まります。
すると大胸筋よりは上腕三頭筋のトレーニングになるのですね。
上腕三頭筋を鍛えたい場合はそれで問題ありませんが、大胸筋を鍛える場合は肩幅の1.5倍ほど広い位置でバーベルを握るようにしましょう。
上腕三頭筋の関与を少なくし、大胸筋への関与を高められます。
フォームの間違い⑭肩が前に出てしまっている
バーベルを持ち上げたポジション(トップ)で肩甲骨が開いて肩が前に出てしまうと、胸郭の外側の筋肉に効いてしまいます。
すると、三角筋前部の関与が高まり大胸筋への負荷が軽減。
動作をおこなう際は肩甲骨を軽く寄せ、肩が前にでないように気を付けて動くようにしましょう。
フォームの間違い⑮肩をすくめてしまっている
負荷が高すぎる場合に多いのが、肩をすくめて肩関節が上がる状態です。
肩関節が上がると、筋肉ではなく肩の靭帯や関節へ過度な負荷がかかってしまいます。
肩の筋肉は小さな筋肉なので、軽い重量しか扱えません。
ベンチプレスの負荷が肩にかかると、すぐに怪我をしてしまいますよ。
肩関節を痛めるリスクがあるため、肩関節が上がらないように注意しましょう。
フォームの間違い⑯肘をロックアウトさせてしまっている
ベンチプレスを挙げて、肘を伸ばしきった状態を「ロックアウト」と言います。
肘を伸ばし切るとバーベルのウェイトは肩関節・肩甲骨に完全に乗ります。
すると大胸筋の緊張が途切れるのですね。
肘を伸ばすのは「8割程度」。
ロックアウトしないことで上腕三頭筋の負担も軽減できるので、大胸筋に対し質の高い負荷を与えられます。
ベンチプレスで肩関節を痛めないための7つのポイント
ベンチプレスでトレーニングをしていると、肩の痛みが出たなんてことありませんか?
痛みの理由は、上体を前傾させたまま動くためにどうしても肩関節へ負荷がかかりやすいからです。
そこで、ここでは肩を痛めないための7つの方法を紹介します
- 入念なストレッチ・セルフケア
- フォームローラーでセルフマッサージ
- クールダウン
- 適切なフォームでできる回数から始める
- 適切なフォームを意識する
- 違和感があればすぐに中止する
- スミスマシンの利用も検討する
ポイント①入念なストレッチ・セルフケア
ベンチプレスは、特に三角筋・肩関節への負荷が加わりやすい種目。
そのため、必ず入念なストレッチをしてからトレーニングしましょう。
肩関節のストレッチをすることで柔軟性・出力の向上が期待できるうえ、可動域の広がりも得られます。
全体的なパフォーマンス向上だけでなく、体が温まることで血流がよくなり怪我のリスクも軽減させられますよ。
トレーニング後も同様にしっかりとストレッチしてください。
筋肉疲労や疲労物質が身体に蓄積し、筋肉が緊張することで張りも出てきます。
入念なストレッチで筋肉の緊張をほぐして筋肉をOFFの状態に戻すことで、後々の筋肉痛軽減や怪我予防、パフォーマンス低下を防げます。
ポイント②フォームローラーでセルフマッサージ
フォームローラーを使用すれば、簡単にセルフマッサージ(筋膜リリース)ができます。
筋膜リリースは、通常のストレッチだけではほぐせない体のコリや張りをより効果的に解消する方法です。
背中や腰に使用すれば柔軟性もより向上するため、私もBIG3トレーニング前と後には必ずフォームローラーを使用しています。
ポイント③クールダウン
トレーニングでの怪我のリスクを避けるため、クールダウンも忘れないようにしましょう。
クールダウンには筋肉の緊張を緩和したり、疲労物質の排出を促す効果があります。
静止した状態で行う「スタティックストレッチ」がおすすめ。
トレーニングで使った筋肉をOFFにしてゆっくりと伸ばすことが大切です。
ポイント④適切なフォームでできる回数から始める
ベンチプレスの動きは比較的簡単ですが、大胸筋や上腕の筋力がなければ回数を重ねられません。
回数を重ねようとして無理やり体を上げようとすると、誤ったフォームになりがちです。
すると対象筋に適切な負荷が入らないだけではなく、肩関節や腕を痛めてしまいます。
そのためまずは無理をせず、適切なフォームで出来る回数から始めるようにしましょう。
フォームを体で覚えて適切な動作ができるようになってから、回数を増やしていくようにしてください。
ポイント⑤適切なフォームを意識する
ベンチプレスで肩関節や腕を痛めないためには、適切なフォームを意識することが大切。
動作に入る前にしっかりと適切なフォームのポイントを確認し、頭の中でイメージしてから実際の動作に入るようにしてください。
また、可能であれば鏡で自分の動作フォームを見ながらトレーニングしましょう。
鏡を使えば間違ったフォームで動作していないかセルフチェックができるので、鏡があるジムでは常にフォームをチェックする癖をつけてくださいね。
ポイント⑥違和感があればすぐに中止する
肩関節や筋肉に痛みや違和感がある場合は、トレーニングを中止しましょう。
後々痛みが増してくる場合もあるため一度様子を見てください。
1度怪我をしてしまうと、完治するまでその部位を鍛えられません。
すると休養期間に筋肉を失ってしまううえ、他の部位のトレーニングに影響が出る可能性まであり、最悪な結果になるケースもあります。
ポイント⑦スミスマシンの利用も検討する
前述したように、フリーウェイトのベンチプレスのフォームを習得するためには、スミスマシンは不向きです。
それでも適切なフォームの習得が難しい場合には、スミスマシンを使用したベンチプレスを行うのも、一つの手。
なぜならそのまま続けてしまうと怪我をしたり、非効率なトレーニングになったりしてしまうからですね。
フリーウェイトのバーベルではバーベルの軌道がブレたりフォームが崩れやすかったりする方は、スミスマシンの使用がおすすめです。
スミスマシンはバーベルの軌道が固定されているため、前後左右にフォームのブレなく安定したトレーニングが可能になります。
また、セーフティバーがついているので万が一潰れてしまっても安全。
安全性を重視したい初心者にもスミスマシンはおすすめですよ。
正しいフォームが何よりも大切
すべてのエクササイズ・種目では、基本的な動作フォームをなによりも大切にしなければなりません。
まずは正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えること。
そうすれば効率的に対象筋へ負荷を与えられ、理想の肉体を作り上げられます。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると、対象筋以外の筋肉も使うために適切な負荷が入らず、いつまでたっても肉体に変化がありません。
それだけではなく関節・筋肉・腱を痛めて怪我につながります。
「怪我」は筋トレの中で一番気を付けなければいけない脅威です。
ベンチプレスの効果的な重量設定・回数・セット数について
ベンチプレスで効果的にトレーニングするためには、適切な重量設定・回数・セット数が非常に重要です。
このうちどれか一つでも間違ったやり方だと効果が半減、結果が期待できなくなってしまいます。
ここで確認し、最大限の効果を得られるベンチプレスを行っていきましょう。
回数の違いによる効果について
- 筋出力向上 1~5回
MAX重量を伸ばしたい場合は、筋出力が向上するメニュー組みがおすすめです。1-5回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。
- 筋量向上 6~10回
筋肉を大きくしたい(筋肥大)を目的とする場合は、筋肉量が向上するメニューを。6-10回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。
- 筋持久力向上 12~15回
筋持久力アップを目的とする場合は、12-15回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。
大胸筋の筋肥大に効果的なセット数について
一般的には最低でも“3セット”と聞いたことがあるかもしれませんが、これでは筋肥大には足りません。
3セットのみでは効果が表れにくいのですね。
最低でも5セット以上10セット以下
最低でも5セット以上はトレーニングすることがおすすめです。
筋肥大には筋肉の緊張時間を長くし、かつしっかり重量をかけてオールアウト(追い込み切る)することが重要になります。
また、筋出力向上の観点からしても5セット以上でないとすべての筋繊維が使用されず、使用重量もあまり発揮されません。
つまり、3セットではウォーミングアップレベルだということですね。
ちなみにパワーリフティングのトレーニングは基本的に8セット・10セットです。
それくらいのセット数で追い込まなければ目に見える効果はなかなか表れてくれません。
しっかりとオールアウトさせることを意識してください。
ベンチプレスをより効果的に効かせるポイントについて
ではベンチプレスをより効果的にするポイント2つを紹介します。
- バーベルはゆっくりとおろす
- マシンのように同じ動きを意識する
バーベルをおろすときはゆっくりとおろす(ネガティブ動作)
筋肉へ負荷が入る瞬間は2つあります。
- ポジティブ動作:力を入れてウェイトを挙げていくコンセントリック動作時
- ネガティブ動作:力を抑えてウェイトをおろしていくエキセントリック動作
エキセントリック動作はコンセントリック動作に比べ“1.7倍の高重量”を扱えるため、より強い刺激を筋肉に与えられます。
エキセントリック動作で負荷をしっかり入れるためには、3秒~5秒程度長い緊張時間で刺激するのが理想です。
筋肉は筋繊維に傷がつくことで修復段階で筋肉がより増強されます。
つまり、エキセントリック動作をゆっくり行うことでより筋肥大に適した負荷を与えられるのですね。
マシンのように同じ動作を意識する
トレーニングマシン種目のように、毎回の動作を同じようにきれいで適切なフォームを維持しながら動くことが大切です。
これを、ストリクトフォームと言います。
ストリクトフォームは“正しい””正確な”“厳格な”という意味がある言葉。
つまり、反動を使わない丁寧で正しいフォームという意味になります。
正しいフォームをしっかりと身につけ体で覚えることが、最も効率的に対象筋への負荷を与える近道です。
ベンチプレスで推奨するサポートギア類について
では最後に、ベンチプレスをするうえでより安全にトレーニングを行うため、利用をおすすめしたいギアを紹介します!
- リストラップ
- パワーベルト
リストラップ
手首を保護してくれるリストラップは、ベンチプレス・ダンベルプレス・ショルダープレスなどのプレス系種目におすすめなギア。
リストラップは巻き方がとても重要です!
以下、動画でシェアしますね。
手首は関節の中でも特に痛めやすく、ウェイトの負荷が最もかかりやすい関節。
そのため、最初に用意してもらいたいギアですよ。
↓リストラップについてさらに詳しくはこちら
パワーベルト
腰を保護してくれるパワーベルトは、BIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)のトレーニングをする上で欠かせないギアです。
腰を痛めるのを防ぐほか、腹圧をサポートするので体幹の安定や出力向上の効果もあります。
リストラップに並んで用意したいギアですよ。
全ての筋トレ種目は必ず腰に負荷がかかるので、ぜひ用意しましょう。
↓パワーベルトについてさらに詳しくはこちら
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ベンチプレスは一見、ベンチに寝てバーベルを上げ下げしているだけの単純な動作に見えますよね。
しかし、実は非常に奥の深い大胸筋トレーニング種目であることが、わかっていただけたかと思います。
正しく適切なフォームで筋トレを実践することで、怪我のリスクが低い、効果的で効率的なトレーニングが可能です。
そして、もう一つ大切なこと。
それは、あなたがどんな肉体になりたいのか今一度目的意識を明確化することです。
自分が目指す肉体を実現するためにはどこの筋肉をどのように鍛え、どんな食事を摂る必要があるのか、それを初めに考える必要があります。
「成果を生み出すための正しい思考を持ち、それが正しい行動を導き、結果につながる」わけです。
常に論理的に思考し、考えながらトレーニングしましょう。
でなければ、理想の肉体の実現は夢となってしまいます。
ボディメイクとは人体のメカニズム、科学的反応を用いて作り上げるものです。
ただウェイトを持って上げ下げすれば美しい肉体になるわけではありません。
トレーニングノウハウはもちろん大切ですが、それより大切な根本的な部分を忘れないようにしていただきたいと思います。
そうすればきっとあなたの思い描く肉体を手に入れ、あなたの思い描く素敵な人生を歩むことができるようになりますよ。
“No pain No gain”
他にもある、ベンチプレス のトレーニングと怪我防止に関する記事♪
↓ベンチプレスについてさらに詳しく解説しております。ご参考ください(^^)
AKI
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