ディップスは上半身の最強筋トレ。
下半身の王道トレーニング種目といえばスクワット、対して「上半身のスクワット」と呼ばれているのがディップスです。
ディップスでは、大胸筋下部に集中したトレーニングができます。
三角筋前部の関与を軽減したトレーニングができるため、より大胸筋全体の関与が高いトレーニングが可能です。
つまり、大胸筋全体を筋肥大させたい方に非常におすすめな種目。
今回はディップスの基本的なやり方・フォーム・バリエーションの紹介から、より効果的に筋肥大させるためのコツまで、さまざまな観点から解説します。
ディップスをするために当サイトがおすすめするのは、STEADYのディップススタンドと懸垂マシンです。
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この記事の目次
ディップスの概要
筋トレ初心者から上級者まで採用されている、大胸筋に効果抜群のトレーニング種目が「ディップス」。
BIG3(ベンチプレス・デッドリフト・スクワット)に次いで有名な王道の種目ですね。
ディップスにはいくつかのバリエーションが存在します。
大胸筋や上腕三頭筋に特化したトレーニング方法があって、目的に合わせて鍛えられるのが特徴です。
ディップスのメインターゲットは大胸筋。
サブターゲットは上腕三頭筋・三角筋前部です。
肩関節・肘関節を含むため、多関節運動種目(コンパウンド種目)に区別されます。
専用のディップススタンドがあればベストですが、イスを使えば自宅で取り組むことも可能ですよ。
やり方は簡単なので、筋トレ初心者の方にも是非取り組んでいただきたいです。
効果的な負荷を対象筋に与えるためのポイント・コツをおさえましょう。
ディップスが一石三鳥と言われる効果とは
では、ディップスをすることで期待できる効果、以下8つを紹介します。
- 男性は分厚くかっこいい男らしい胸板と腕がつくれる
- 女性は美しいバストラインと引き締め・二の腕引き締めができる
- 筋トレ初心者でも簡単に効果的なトレーニングができる
- トレーニング初心者でも安全に鍛えることができる
- カロリー消費効果・ダイエット効果に期待ができる
- 体幹・腹筋全体も鍛えられる
- 他トレーニングのパフォーマンス向上
- 日常生活の質が向上する
男性は分厚くかっこいい男らしい胸板と腕がつくれる
ディップスのメインターゲット「大胸筋」は、胸の筋肉の中で一番大きい筋肉。
ベンチプレスやダンベルプレスなどでも大胸筋を鍛えられますが、ディップスは特に大胸筋下部・全体を集中して鍛えることができます。
効率よく大胸筋を鍛えたい方におすすめです。
また、上腕三頭筋も同時に鍛えられます。
上腕三頭筋は二の腕の筋肉で、上腕の筋肉の3分の2を占める部位です。
サイズの大きい上腕三頭筋を鍛えることで腕全体の厚みを出せます。
腕を太くするためには上腕三頭筋のトレーニングが欠かせません。
上腕三頭筋を鍛えれば、一番効率よく腕が太く見えやすくなりますよ。
女性は美しいバストラインと引き締め・二の腕引き締めができる
もちろん、女性の大胸筋トレーニングにもおすすめな種目です。
ディップスのメインターゲット「大胸筋」を鍛えれば、女性は美しいバストラインを作ることができます。
大胸筋はバスト(乳房)を引っ張り、引き締めてくれるため、上向きのバストを作れるのですね。
また、大胸筋は鎖骨付近から伸びている筋肉ですから、美しく健康的なデコルテも作れますよ。
そして男性と同じく、腕の引き締めにも効果的。
ディップスによって鍛えられる上腕三頭筋は、二の腕にある「ふりそで」の部分にあたります。
この部位を鍛えれば、女性は二の腕のふりそでが解消可能。
引き締まった美しい二の腕を手に入れるためにはディップスですね!
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筋トレ初心者でも簡単に効果的なトレーニングができる
ディップスは大胸筋トレーニングの中でも安全性が高く、簡単な動作で行える種目です。
たとえば大胸筋を鍛える種目「ベンチプレス」は、ダンベルやバーベルが落下してしまう危険性があります。
場合によっては肩関節を痛めてしまったり、失敗すると最悪の場合、大胸筋断裂、上腕二頭筋断裂などの重傷に至るケースも。
ダンベルでは、腕がねじれるようにダンベルが落ちた結果の脱臼や骨折、疲労でダンベルを顔や胸に落とすなどもあります。
それに比べ、ディップスは自分の体を重りとして使用するため、怪我のリスクが少なく安全です。
トレーニング初心者でも安全に鍛えることができる
トレーニング初心者にとって、フォーム・動作の難しい種目はやり方を覚えるだけでも大変です。
ジムでマシンを使う場合も、マシンの使い方を覚えるのが難しいという声も多いですね。
その反面、ディップスは動きが簡単で覚えやすい種目。
初心者でも効果的に大胸筋・上腕三頭筋を鍛えることができます。
カロリー消費効果・ダイエット効果に期待ができる
ディップスは、ダイエット効果の高い種目です。
メインターゲットである大胸筋は、上半身・体全体の中でも非常に大きな筋肉。
ここを鍛えることで膨大なカロリー消費が期待できます。
また、大胸筋が発達すれば体全体の代謝もアップするため、痩せやすい体質への変化も期待できるでしょう。
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筋トレは難しい人でも、レモン水であれば取り組みやすいのではないでしょうか?
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体幹・腹筋全体も鍛えられる
ディップス動作中は常に両腕だけで体を安定させなければならないため、腹筋を中心とした体幹も同時に鍛えられます。
体幹を鍛えられればトレーニング全体のレベルも上がり、より効果的で安全なトレーニングが可能です。
また、お腹周りのシェイプアップにも効果が期待できますよ。
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他トレーニングのパフォーマンス向上
大胸筋は、ベンチプレスやダンベルプレスなど、筋トレの基本種目でも使われる筋肉です。
上腕二頭筋・上腕三頭筋・三角筋の筋肉と連動するため、他のトレーニング種目においても、非常に重要な筋肉ですね。
ディップスで大胸筋を鍛えれば、他のトレーニング種目のレベルアップにもつながります。
日常生活の質が向上する
大胸筋は胸の前で物を持ったり、抱えたり、両腕でものを掴むときなどの動作で使われます。
そのため、ディップスで大胸筋を鍛えておくと、日常生活の質が向上します。
また重い荷物を運ぶ仕事をしている人は、大胸筋の持久力・出力を高めることで長時間作業でも疲れにくい体になるでしょう。
大胸筋の筋力がつけば、より重いものを持てるようになったり、今よりも少ない労力で作業ができるようになりますよ。
ディップスで鍛えられる筋肉・効果について
大胸筋(胸)
ベンチプレスで一番鍛えられる部位である「大胸筋」
厚い大胸筋は男らしさを表現する、花形的存在の筋肉です。
大胸筋が発達していれば、Tシャツをカッコよく着こなせるでしょう。
また、大胸筋は他の筋肉よりも鍛えれば目立ちやすい筋肉です。
たとえば、腹筋は服を脱がないと分かりませんが、胸の筋肉は服を着た上でもはっきりとわかりますよね。
多少お腹にお肉が乗っていたとしても、大胸筋の方が膨らんでいれば引き締まった体に見えます。
女性も大胸筋を鍛えれば、バストライン崩れを防いで上げ、綺麗にキープする効果が得られますよ。
三角筋前部(肩の前)
ディップスで大胸筋の次に効果的に鍛えられる三角筋。
三角筋は前部(フロント)・側部(サイド)・後部(リア)の3つからなる複合筋です。
それぞれの部位に効果的なエクササイズが存在します。
三角筋を鍛えると、男らしく広い肩幅を表現可能です。
肩幅の広い男性は、女性から頼りがいのある印象を与えることができます。
それだけではなく、なで肩の解消や肩こりの解消にも効果的。
三角筋を鍛えて得られるメリットは、健康面においても多いですね。
三角筋前部とは、前方部分を占めている筋肉になります。(上記画像の黄色部分)
前部の主な働きは次の3点。
- 肩の屈曲(腕を前に上げる動作)
- 肩の水平内転(水平に上げた腕を内側に絞る動作)
- 肩の内旋(肩前部にあるインナーマッスル)
広背筋(羽と呼ばれる筋肉)
前傾姿勢をキープさせて行うディップスは、広背筋も大きく関与します。
腰の上あたりから肩の下あたりまである広背筋は、逆三角形のシルエットを作る上で重要な部位。
広背筋の横への広がり大きいほど、ウェストとの対比で逆三角形のシルエットができます。
背中の筋肉の王道部位ですね。
広背筋は肩関節の複数の動作(内転、内旋、伸展)に関与し、重要な役割を果たしています。
懸垂、ロープ・クライミング・綱引きのように、腕を伸ばした状態から身体を引き上げる動作は広背筋の関与が高まります。
上腕三頭筋(二の腕の裏)
そして上腕三頭筋です。
上腕三頭筋は、(長頭・内側筋・外側筋)という3つの筋肉から構成される複合筋。
腕を伸ばした時に、腕の後ろ側に浮き出てくる筋肉が上腕三頭筋です。
実際に見て触って確認しましょう。
長頭の働きと部位に関して
長頭を鍛えれば、スポーツ競技全般における能力の向上に役立つと言われています。
肩甲骨関節下結節というところに付着している筋肉が、長頭(画像の赤色部分)。
肘関節の伸展動作だけでなく、肩関節の伸展動作に関わる働きをしています。
上腕三頭筋の中でも長頭だけが肩にまで伸びている筋肉。
腕を伸ばした時に内側にある筋肉を指します。
上腕を内転方向に動かす際にも使われる筋肉ですよ。
効果的に鍛えるコツ
長頭に効かせるためには、できるだけ上腕を体幹に近づけることが大切です。
具体的には、脇を締めて行うこと。
そのさい、肘は固定しながら行うのもポイントです。
短頭(内側頭・外側頭)の働きと部位に関して
短頭とは、内側頭(画像の緑色部分)と外側頭(画像の黄色部分)です。
肘関節収縮時だけに作用します。
腕を伸ばした時の外側にある筋肉ですね。
上腕を内転方向に動かす際にも使われます。
鍛える上でのコツ
短頭に効かせるためには、肘をやや開き気味にすること。
長頭と同様に、肘は固定しながら行いましょう。
ディップスのやり方とフォーム、コツ
ここからは、基本的なディップスのやり方・フォームについて解説していきます。
基本的なフォームを覚えることで、怪我のリスクを軽減した安全で効果的なトレーニングが可能です。
ディップスは、体を腕だけで支える高負荷トレーニング種目。
「大胸筋」をターゲットにした方法と、「上腕三頭筋」をターゲットにした方法で、2種類のトレーニングができます。
ボディービルダーやフィジーク選手にも人気の種目です。
自重だけでは負荷が足りない方は、ウエイトをプラスしましょう。
【ディップスのやり方・フォーム】
- 平行棒やディップス専用棒を使用する
- 両手でバーを持ち、体を軽く浮かせる
- 膝を90度くらいに曲げ、少しだけ上体を前傾させる
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返す
10回×3セットです。
フォームと姿勢の維持が少々難しいので、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。
効果的に効かせるコツ
- 上半身を軽く前に前傾させる
- 自重トレーニングが難しい方は、専用の補助付きディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げていく
- 下げ過ぎると、三角筋に過度なストレッチがかかるため注意する
正しいフォームが何よりも大切
すべてのエクササイズ・種目では基本的な動作フォームがなによりも大切です。
まずは正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えましょう。
そうすることで効率的に対象筋への負荷を与えられます。
間違ったフォームでトレーニングを続けると、対象筋に適切な負荷が入りません。
いつまで経っても肉体に変化のない質の低いトレーニングになってしまいます。
また、関節・筋肉・腱を痛めるリスクも。
ケガをすると、治るまでその部位を鍛えられません。
療養の期間に筋肉を失ってしまう上に、他の部位のトレーニングに影響が出る可能性もあります。
そのため、「正しいフォームを身につけることが一番の近道」であることは覚えておいて下さい。
「ケガ」はトレーニーが特に気を付けなければいけない脅威です。
ディップス4種のバリエーション
ディップスにはいくつかのバリエーションが存在します。
それぞれの特徴を理解し、効果的なトレーニングにしましょう。
チェアー・ディップス
椅子を使ったチェアー・ディップスでは、主に大胸筋と上腕三頭筋を鍛えられます。
ただしチェアー・ディップスは安定性に欠けるため、動作には細心の注意をしながら取り組んでください。
安定性の高いイスを二脚用意しましょう。
ディップスは体を深く下ろす動作で効果が高まるため、高さのあるイスがおすすめです。
【チェアー・ディップスのやり方・フォーム】
- 両側の椅子の背もたれの頂点部分を両手で掴む
- 体を軽く浮かせる
- 膝を90度くらいに曲げ、少しだけ上体を前傾させます。
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返す
目安は10回×3セットです。
効果的に効かせるコツ
- 上半身を軽く前傾させる
- 自重トレーニングが難しい方は、専用の補助付きディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げる
- 下げ過ぎると三角筋に過度なストレッチがかかるため注意する
ワン・チェアー・ディップス
椅子を1つだけ使って行うワン・チェアー・ディップスでは、主に大胸筋と上腕三頭筋を鍛えられます。
チェアー・ディップスは安定性に欠けるため、動作には細心の注意をしながら取り組んでください。
安定性の高いイスを一脚用意しましょう。
ディップスは体を深く下ろす動作で効果が高まるため、高さのあるイスがおすすめです。
【ワン・チェアー・ディップスのやり方・フォーム】
- 椅子の座面に両手を置く
- 脚は伸ばし切る※脚を伸ばし切ったまま動作が難しい場合は、膝を90程度に曲げて足裏を地面につけたまま動く
- お尻を浮かせていく
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返す
目安は10回×3セットです。
効果的に効かせるコツ
- 脚を伸ばし切ることで、脚に負荷が逃げるのを防ぐ
- 自重トレーニングが難しい方は、専用の補助付きディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げる
- 下げ過ぎると三角筋に過度なストレッチがかかるため注意する
ウエイテッド・ディップス(加重ディップス)
ウエイテッド・ディップス(加重ディップス)では主に、大胸筋と上腕三頭筋を鍛えられます。
より負荷を高めているため、さらに大きな刺激を大胸筋に与え、高強度に鍛えられるのですね。
【ウエイテッド・ディップスのやり方・フォーム】
- 平行棒やディップス専用棒を使用する
- ディッピングベルトを腰に装着し、プレート・ダンベルをつける
- 両手でバーを持ち、体を軽く浮かせる
- 膝を90度くらいに曲げ、少しだけ上体を前傾させる
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返す
目安は10回×3セットです。
効果的に効かせるコツ
- 上半身を軽く前傾させる
- 自重トレーニングが難しい方は、専用の補助付きディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げる
- 下げ過ぎると三角筋に過度なストレッチがかかるため注意する
リバース・ディップス
リバース・ディップスは、主に上腕三頭筋を鍛えられます。
自分の体重を完全に浮かせるため、非常に効果的な刺激を上半身の筋肉に与えられますよ。
【リバース・ディップスのやり方・フォーム】
- ベンチ台の上に両手を乗せ、足を前方に伸ばして揃える
- 手幅を自分の肩幅より少し広めにし、体を軽く浮かせる
- 膝を90度くらいに曲げ、少しだけ上体を前傾させる
- 手首から肘までの角度を地面に対して垂直を保つ
- 前腕と肘を固定したまま、ゆっくりと体を下げていく
- 限界まで下げたら、上腕三頭筋の出力を意識して素早く体を上げていく
- 上記の動作を繰り返す
目安は10回×3セットです。
効果的に効かせるコツ
- 脚を伸ばし、腰からかかとまでを一直線にする
- 自重トレーニングが難しい方は、専用の補助付きディップスマシンで行う
- 上腕と地面が平行になるまで下げる
- 下げ過ぎると三角筋に過度なストレッチがかかるため注意する
- 脚を伸ばしたままの動作が困難な場合は、脚を90度に曲げ、足裏を地面につけたまま行う
ディップスの効果的な回数・セット数について
大胸筋の筋肥大に効果的なセット数について
一般的には最低でも“3セット”と聞いたことがあるかもしれませんが、「筋肥大」が目的なら十分ではありません。
3セットでは筋肥大に十分な負荷を与えられずに効果が表れにくいのです。
最低でも5セット以上10セット以下
最低でも5セット以上のトレーニングをおすすめします。
筋肥大に効果的な負荷を与えるには筋肉の緊張時間を長くし、しっかり重量をかけてオールアウトする(追い込み切る)ことが重要です。
また、筋出力向上の観点からしても5セット以上でないとすべての筋繊維が使用されず、使用重量もあまり発揮されません。
つまり3セットではウォーミングアップレベルでしかないということになります。
しっかりとオールアウトさせることを意識してください。
ディップスをより効果的にトレーニングするテクニック
次はディップスのトレーニング効果をより高めるコツ・テクニックを紹介します。
質の良いトレーニングができるように確認していきましょう!
ストップ・ディップス
ストップ・ディップスは、中~上級トレーニー向け。
高負荷を与えられるテクニックです。
ボトムポジションまで体をおろしたさい、力を入れたまま2~3秒止めてから体を持ち上げます。
ウェイトを大胸筋で受け止め、勢いや反動を殺すことでウェイトの数字通りの負荷を与えるのです。
また筋肉の緊張時間も長いため、より筋肥大につながる刺激を大胸筋へ与えられます。
しかし、ストップテクニックはフォーム維持が高難度。
そのため、各種目での正しいフォームができる方にのみおすすめします。
MI40法・ディップス
アメリカのIFBBプロボディビルダーである「Ben Pakulski」が提唱した上級者向けトレーニング法です。
- ポジティブ(力を入れて持ち上げる)動作を1秒
- ネガティブ(力を抑制してバーベルをおろす)動作を4秒
1レップに計5秒かけて、しっかりと負荷をたたき込みます。
これを最低でも8レップ行いましょう。
8レップで「限界」の重量設定が重要になりますので、軽くし過ぎないよう注意してください。
【MI40法ディップスのやり方】
- ボトム(肘曲げて体を深くおろした)時に、トップポジション(体を上へ押し上げて肘を伸ばす動作)まで1秒で上げる
- ボトムポジションまで体をおろす際は、4秒かけながら下ろす
- 体幹や肘がブレやすくなるので、しっかり腹筋に力を入れて安定した動作を心がける
ディップスの効果を高めるポイント
ディップスは単純な動作に見えますが非常に奥が深く、ただ体を上げ下げすればいいわけではありません。
質の高い負荷を与えるいくつかのコツがあるので、しっかりと習得しましょう。
マッスルコントロールを意識
マッスルコントロールとは、筋肉の出力によりウェイトを扱い制御するという意味です。
トレーニング中にはウェイトを下ろすさいも力を抜かないようにしましょう。
これがマッスルコントロールです。
マッスルマインドコネクション
マッスルマインドコネクションとは、「筋肉と脳神経のつながり」です。
筋肉を自在に操ることが出来れば、筋トレでメインターゲットを効率的に効かせられます。
“負荷を感じる”ということが大切。
トレーニング中にメインターゲットの部位に対し、負荷を感じながら動けば、効かせるべき部位だけに効かせられます。
肘を伸ばし切らない(ロックアウトしない)
肘を伸ばし切ると、体重の負荷は肩関節・肩甲骨に完全に乗ってしまうため、大胸筋の緊張が途切れてしまいます。
トップポジションの肘の角度は「8割程度」に設定しましょう。
伸ばし切らないことで上腕三頭筋の関与も軽減できるので、大胸筋に対し質の高い負荷を与えられます。
トレーニングマシンのように同じ動作を意識する
トレーニングマシン種目のように、毎回キレイで適切なフォームを維持しながら動作することが大切です。
これを、ストリクトフォームと言います。
ストリクトフォームとは“正しい・正確な・厳格な”という意味があります。
つまり「反動を使わない丁寧で正しいフォーム」ということですね。
正しいフォームをしっかりと身につけることで効率的に対象筋への負荷を与えることができます。
間違ったフォームでトレーニングを続けると、対象筋以外の筋肉も使ってしまうので適切な負荷が入りません。
正しいフォームが理想の肉体を作る近道だと覚えておきましょう。
ディップスで肩関節を痛めないための5つの注意点
ディップスでトレーニングをしていると、肩の痛みが出てしまうことがありませんか?
上体が前傾させたまま動作するため、肩関節への負荷がどうしてもかかりやすいのです。
次に、肩を痛めないための5つの方法を紹介します。
入念なストレッチ・セルフケア
ディップスは特に、三角筋・肩関節への負荷が加わりやすいため、必ず入念なストレッチをしましょう。
肩関節のストレッチで柔軟性が向上し、出力向上や可動域も広がるため全体的なパフォーマンス向上につながります。
また、体が温まることで血流がよくなり、怪我のリスクも軽減します。
トレーニング後のストレッチも大切です。
トレーニング後は筋肉疲労、疲労物質の蓄積、筋肉の緊張によって張りも出てきます。
入念なストレッチで筋肉の緊張をほぐし、筋肉をOFFの状態に戻すことが重要。
それにより、筋肉痛の軽減や怪我の予防、パフォーマンス低下を防げます。
クールダウンで筋肉を癒す
怪我のリスクを避けるためには、クールダウンも忘れないようにしましょう。
クールダウンは、筋肉の緊張を緩和したり、疲労物質の排出を促す効果があります。
クールダウンのときは、静止した状態で行う「スタティックストレッチ」がおすすめ。
トレーニングで使った筋肉をOFFにしてゆっくりと伸ばしましょう。
適切なフォームでできる回数から始める
ディップスの動作比較的簡単ですが、大胸筋や上腕の筋力がなければ、回数を重ねるのが難しい種目です。
回数を重ねようと無理に体を上げると、対象筋に適切な負荷が入らなくなるだけではなく、肩関節や腕を痛めてしまいます。
まずは無理せず、適切なフォームで出来る回数から取り組みましょう。
フォームを体で覚えて、適切な動作ができるようになってから回数を増やしてください。
適切なフォームを意識する
肩関節や腕を痛めないためには、適切なフォームが大切です。
事前に適切なフォームのポイントを確認し、頭の中でイメージしてから動作に入ってください。
また、鏡で自分の動作フォームを見ながらトレーニングをすることがおすすめ。
間違ったフォームで動作していないかセルフチェックすることができます。
鏡のある環境でしたら、フォームをチェックする癖をつけましょう。
違和感を感じたらすぐに中止する
肩関節や筋肉に痛みや違和感がある場合は、すぐにトレーニングを中止しましょう。
後々痛みが増してくる場合もありますので、一度様子を見たほうがいいです。
一度怪我をしてしまうと、完治するまでその部位を鍛えられなくなります。
すると、その期間に筋肉を失ってしまう上に、他のトレーニングにも影響が出てしまいます。
ディップスで推奨するギア類
ディップスをする上で、より安全にトレーニングを行うためにおすすめなギアをここでご紹介します。
怪我をしないよう、細心の注意を払ってくださいね。
ディップススタンド
ディップスをするため、専用の器具です。
STEADYのディップススタンドは、1組あればストレッチから本格筋トレまでをカバー!
ディップス以外のメニューにも使えるので使用頻度が高くなり、部屋の隅に放置されることもありません。
安定性も抜群ですよ。
以下、STEADYのディップススタンドの詳細記事です。
リストラップ
手首を保護してくれるリストラップは、プレス系種目におすすめなギアです。
手首は関節の中でも特に痛めやすく、ウェイトの負荷が最もかかりやすい関節。
そのため、リストラップはまず最初に用意したいギアです。
【関連記事】リストラップについてはこちらで詳しく紹介しています。
懸垂マシン(ぶら下がり健康器)
懸垂マシンは宅トレ最強器具です。
マシンが自宅にあると、種類によってはディップスのトレーニングもできます。
コストパフォーマンスがとても良いので、家でもトレーニングしたい場合は、まず懸垂マシンの購入をオススメします。
まとめ
ディップスは初心者にもおすすめしたい簡単・安全・効果的なトレーニング種目。
上半身の中でも非常に大きな筋肉「大胸筋」がメインターゲットです。
男性は分厚い胸板づくり、女性はバストラインの引き締めとバストアップ効果が期待できます。
理想の肉体を手に入れるために一番大切なことは「継続力」。
どんなに効果の高い種目があっても、継続しなければ理想の肉体を手に入れることはできません。
ぜひディップスを継続してみてください。
きっと、理想の大胸筋を手に入れられるはずです!
“No pain No gain”
ディップスに関する他の記事はこちら
他にもある!大胸筋と上腕三頭筋の筋肥大に関する記事はこちら♪
AKI
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