キレキレの上腕二頭筋を!アームカール14種類のやり方と効果的な重さ・回数について解説します。
夏は薄着になり、男女ともに肌の露出が増える季節になりますね!男であれば誰しもTシャツ一枚をかっこよく着こなして颯爽と歩きたいものです。
でも自分の腕に自信がない。。。夏なのに恥ずかしくてTシャツの上にシャツを着てしまう。。。という方も多いのではないかと思います。今年こそはたくましい分厚い腕にして自信をつけましょう。
アームカールと言えば「上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)」などの腕を太くするために重要な部位である筋肉に効果的な種目の総称であり、「肘関節屈曲」と「肘関節伸展」の動作をして行う筋トレです。
アームカールと一言で表しても、どんな種目がどれだけの数あるかご存知でしょうか?それぞれの効果はご存知でしょうか?
アームカールをやっても腕が太くならない?そう、アームカール種目は一見単純な動作に見えますが、そこには間違いやすいフォームの落とし穴が数多く存在します。。。また間違ったフォームのままトレーニングをしても効果は表れません。
今回はそんな分厚い腕にするための「アームカール種目のやり方と種類の効果14個の紹介」から、アームカールの概要と解説、より効果的に効かせるためのコツ、間違ったフォームの解説まで、あなたの腕を太くするために最適な内容で完全解説します!
この記事の目次
アームカールについての概要
アームカールとは「肘関節屈曲」と「肘関節伸展」の動作に関与する「上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)」を鍛えるトレーニング種目の総称です。
つまり、アームカールとは読んで字のごとく“腕を曲げる” 動作を指すため、上腕二頭筋を鍛える腕の様々な種目を包括的に含んでいるわけです。
アームカールには様々な種類の種目が存在すると言いましたが、手首の角度によって種目が区別されています。
例えば上腕二頭筋の王道トレーニングである「ダンベルカール」は、ダンベルを握る“手のひらが上”を向いていて“手の甲は下”を向いたまま動作します。
“手のひらが体側”を向いて“小指が下”にくるようにダンベルを握って動作する種目が「ハンマーカール」です。
そしてダンベルカールとは反対に“手の甲が上”を向き、“手のひらが下”向きで動作するのは「リバースカール」です。
上記にあるように一言で「アームカール」と言っても、様々な種類の種目・やり方・それに伴って異なる効果があるわけです。
アームカールで鍛えられる筋肉・効果について
アームカールで鍛えられるのは上腕二頭筋だよね…?そう、確かに上腕二頭筋であることに間違いはありませんがそれだけではありません。
しっかりとアームカールで鍛えることによって鍛えられる部位を理解して効果的なトレーニングをしましょう。
上腕二頭筋(二の腕の表側)
上腕二頭筋は手のひらを上に向けたときに二の腕の表側に位置する筋肉で、肘を曲げる動作「肘関節屈曲」時に使用される筋肉部位です。
肘を曲げたときに盛り上がる“力こぶ”がまさにこの上腕二頭筋になります。
この筋肉は肩から肘までをつないでいる筋肉で、腕の太さを表現する上で一番大切な部位と言えます。女性の場合は二の腕の表側のたるみを解消するために鍛える必要がある部位とも言えます。
肘を曲げる動作のときに使用される筋肉です。
上腕筋(上腕二頭筋の深部に位置する筋肉)
上腕筋は上腕二頭筋の奥、深部に位置する筋肉で上腕骨の真ん中あたりから肘関節を覆うようについています。
こちらも上腕二頭筋と同じような作用をもつ、肘を曲げる動作「肘関節屈曲」時に使用される筋肉部位です。
主に上腕二頭筋と協調して動作する働きがあり、上腕二頭筋と比べると表から確認することはできませんが、上腕二頭筋の土台に位置するため、この筋肉も鍛えることで力こぶをより大きくすることが可能になります。
腕橈骨筋(わんとうこつきん)
腕橈骨筋は肘関節の上から前腕骨(肘から手首にかけての骨)の真ん中あたりまで伸びている筋肉部位です。
この腕橈骨筋も上腕二頭筋や上腕筋と同じく肘を曲げる動作「肘関節屈曲」時に使用されますが、特に前述した「ハンマーカール」のような“手のひらが体側”を向いて“小指が下”にくるようにダンベルを握ったまま動作する動きのほうが強く働きます。
この筋肉を鍛えることで前腕を太くすることができるので、ワイシャツやTシャツから出た前腕部が男らしくたくましい前腕部に表現することができるため、是非とも鍛えていただきたい部位です。
ちなみ私はもともと二頭筋はそこまで細くはなかったものの、服を着ても見える前腕部が細かったため、よく「ガリガリだねー!」と言われていました。。。
服から見える部位を鍛えることでよりかっこいい体を表現することができます。
アームカール種目のやり方と種類の効果14個紹介!
ダンベル系種目
ダンベルカール
ダンベルカールはアームカール系種目の中でも王道とされている種目の一つです。
ダンベルを握る“手のひらが上”を向いていて“手の甲は下”を向いたまま「肘関節屈曲」動作を行います。
この動作によりダンベルの負荷が肘関節屈曲に関与するメインターゲットとなる上腕二頭筋やサブターゲットである上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)を鍛えることができます。
ダンベルはバーべルやEZバーとは異なりそれぞれのウェイトが独立している分可動域を広く動作することが出来る上、独立しているので左右の肘関節屈曲をより意識したトレーニングが可能になります。
【やり方】
- ダンベルを逆手で持ち、肘を体の横あたり固定します。(※完全に固定しなくてもOK)
- 肘を体の横で固定する意識をもったまま、肘を曲げてダンベルを挙上していきます。
- おろすときも肘を後ろに動かさないようにしてダンベルをおろします。
- ダンベルをおろす際に力を抜いて一気に落とさないようにします。
- 一気におとしてしまうと負荷が抜けてしまい、効果が半減してしまいます。
ダンベルハンマーカール
“手のひらが体側”を向いて“小指が下”にくるようにダンベルを握って動作するこの種目が「ハンマーカール」です。
ハンマーカールのメインターゲットは上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)でサブターゲットが上腕二頭筋となるので、ダンベルカールと比較すると効きやすい部位が逆になるのが最大の特徴です。
上腕二頭筋の力こぶのピーク作りと前腕部の太さを表現したい方はぜひともとりいれたい種目になります。
【やり方】
- ダンベルをハンマーグリップで持ち、肘を体の横あたり固定します。(※完全に固定しなくてもOK)
- 肘を体の横で固定する意識をもったまま、肘を曲げてダンベルを挙上していきます。
- ハンマーグリップ(“手のひらが体側”を向いて“小指が下”)を維持したまま動作します。
- おろすときも肘を後ろに動かさないようにしてダンベルをおろします。
- ダンベルをおろす際に力を抜いて一気に落とさないようにします。
- 一気におとしてしまうと負荷が抜けてしまい、効果が半減してしまいます。
ダンベルリバースカール
ダンベルカールとは反対に“手の甲が上”を向き、“手のひらが下”向きで動作するのは「リバースカール」です。
リバースカールはハンマーカールよりも上腕二頭筋へ関与が減るため、ハンマーカールと比べてもより上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)に特化したトレーニング種目になります。
リバースカールは前腕部への関与が大きく前腕部を太くするには最適な種目なので腕全体を大きくしたい方は外せない種目と言えます。
【やり方】
- ダンベルを順手で持ち、肘を体の横あたり固定します。(※完全に固定しなくてもOK)
- 必ず手のひらは下にしたまま(順手)動作します。
- 順手のまま肘を曲げてダンベルを挙上していきます。
- 挙がりきったら順手のまま肘の位置を動かさず力を抜かずにゆっくりおろしていきます。
- ダンベルをおろす際に力を抜いて一気に落とさないようにします。
- 一気におとしてしまうと負荷が抜けてしまい、効果が半減してしまいます。
インクラインダンベルカール
ベンチ台を斜めの角度(インクライン)45度くらいに設定して動作するアームカール種目です。
斜め(インクライン)のまま動作することでダンベルをおろした際に肘関節が後方へ動く「肘関節伸展」状態になるため上腕二頭筋がしっかりとストレッチ(伸展)されることで上腕二頭筋に適切で効果的な負荷が加わります。
そのためこのインクラインダンベルカールは肘を伸ばした時(ストレッチ)時に最も効果的な最大負荷が入る種目になります。
【やり方】
- ベンチ台を斜め(インクライン)45度くらいに設定して座ります。
- このインクラインの角度によって三角筋に負荷が逃げてしまうことがあるため、確認しましょう。
- 肘を下に伸ばした状態で肘を曲げてダンベルを挙上していきます。
- この時猫背になって胸が内側に入り込まないようしっかり胸を張ることを意識して動作しましょう。
- ダンベルを挙げ切ったら力を入れたままゆっくりおろして肘を伸ばし切ります(※この時も力は抜かずに)
- 一気におとしてしまうと負荷が抜けてしまい、効果が半減してしまいます。
コンセントレーションカール
コンセントレーションカールはベンチや椅子などに座った状態で内側の膝に肘を当てて上腕を固定し、「肘関節屈曲」動作を行うアームカール種目です。
肘を膝の内側で固定することで他の部位に負荷が逃げることなくコンセントレート(集中)して適切な負荷を与えることが可能になります。
上半身が前傾した体勢のまま肘を下方向へ伸ばしていくため、上腕二頭筋は緩んだ状態になり、メインターゲットは上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)でサブターゲットが上腕二頭筋ということになります。
【やり方】
- ベンチや椅子に座り、ダンベルを片手で持った状態である程度広めに膝を開きます。
- ダンベルを持っている側の肘を膝の内側に当てて上腕を固定します。
- この時、上半身が前傾していることを確認してください。(※極端に前傾を意識する必要はありません)
- 動作中肘や肩を動かさないよう意識してください。
- 肘を曲げてダンベルを抱きこむように挙上していきます。
- ダンベルを挙げ切ったら力を入れたままゆっくりおろして肘を伸ばし切ります(※この時も力は抜かずに)
- 一気におとしてしまうと負荷が抜けてしまい、効果が半減してしまいます。
ゾットマンカール(The Zottman Curl)
ゾットマンカールはダンベルカールとリバースカールを組み合わせて交互に動作して行うアームカール種目です。
挙上するとき(ポジティブ動作)では逆手でダンベルを持ち、おろすとき(ネガティブ動作)では手首を内側に内転させて順手の状態のままおろしていく動作になります。
ダンベルカール動作時のメインターゲットは「上腕二頭筋」リバースカール動作時のメインターゲットは上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)となるため、この1種目で上腕全体を鍛えることができる非常に効率的で広範囲に効果のある種目です。
【やり方】
- ダンベルを両手で持ち、肘を体の横あたり固定します。(※完全に固定しなくてもOK)
- 肘を曲げて挙上していきます。このとき手のひらは上を向いた状態のまま挙げていきます。
- 挙げ切ったところで手首を内転させ手のひらが下を向いた状態にします。
- 手のひらが下を向いた状態のまま下にゆっくりおろし、おろしたところで手首を外転させます。
- この動作を繰り返します。
バーベル系種目
バーベルカール
バーベルカールはダンベルカールと並ぶアームカール種目の中でも王道トレーニングとされている種目です。
バーベルカールはダンベルと比べて左右でウェイトが独立していない分制御しやすく、比較的簡単なフォームで動作できるためより高重量を扱えるという特徴があります。
筋出力を高めたい方におすすめで効果的な種目です。
【やり方】
- 逆手でバーベルを持ちます。手幅は肩幅と同じか少し広いくらいが通常の位置になります。
- 肘を体の横あたり固定します。(※完全に固定しなくてもOK)
- しっかりと胸を張って両肘を曲げて挙上していきます。
- 肩の位置くらいまでしっかり収縮を感じるところまで挙げ切ります。
- 力を入れたままゆっくりおろして肘を伸ばし切ります(※この時も力は抜かずに)
- 一気におとしてしまうと負荷が抜けてしまい、効果が半減してしまいます。
EZバー系種目
EZバーカール
EZバーは通常のストレートタイプのバーベルではなく“W”の形になっているバーベルです。このEZバーを利用して行う種目をアームカール種目と呼びます。
このWのグリップに合わせて握ることで手首の自然な関節の角度を保ったまま手首に無理なく動作することが最大の特徴です。
その反面手首が少々内側に巻きつくような握り方になるため、上腕二頭筋への負荷が抜けやすく、上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)に負荷が入りやすくなるといった特徴もあるため、それぞれの違いを理解した上で理想のトレーニングをしていきましょう。
【やり方】
- 逆手でEZバーを持ちます。手幅は肩幅と同じか少し広いくらいが通常の位置になります。
- 肘を体の横あたり固定します。(※完全に固定しなくてもOK)
- しっかりと胸を張って両肘を曲げて挙上していきます。
- 肩の位置くらいまでしっかり収縮を感じるところまで挙げ切ります。
- 力を入れたままゆっくりおろして肘を伸ばし切ります(※この時も力は抜かずに)
- 一気におとしてしまうと負荷が抜けてしまい、効果が半減してしまいます。
EZバースパイダーカール
スパイダーカールはインクラインベンチ(仰向け)またはプリーチャーベンチの垂直になっている側の肘置き部分を使用し、肩から肘までの角度が地面に対し直角になる角度で固定したまま動作するアームカール種目です。
そのため上半身が前傾した体勢のまま両肘を下方向へ伸ばしていくため、上腕二頭筋は緩んだ状態になり、メインターゲットは上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)でサブターゲットが上腕二頭筋ということになります。
上腕二頭筋のピーク作り(力こぶの高さ)を作るのに最適な効果がある種目です。
【やり方】
- EZバーを両手で持ち、インクラインベンチ(仰向け)またはプリーチャーベンチの垂直になっている側の肘置き部分に肘を固定します。
- この時、肩から肘にかけてが地面に対し垂直になっていることを確認してください。
- 動作中肘や肩を動かさないよう意識してください。
- 肘を曲げてダンベルを抱きこむように挙上していきます。
- EZバーを挙げ切ったら力を入れたままゆっくりおろして肘を伸ばし切ります(※この時も力は抜かずに)
- 一気におとしてしまうと負荷が抜けてしまい、効果が半減してしまいます。
ケーブル系種目
ケーブルカール
ケーブルマシンの最大の特徴は「どの動作でも負荷が抜けにくい」という点です。
ケーブルカールはこのケーブルマシンを使用して行うアームカール種目です。
ケーブルカールは肘関節屈曲に関与する筋肉群(上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋)を持続的に長い時間緊張させることで筋肥大に適した効果的な負荷を与えることができ、ケーブルマシンの器具・アクセサリーを変えることで様々な負荷を与えることができます。
【やり方】
- ケーブルを可変できるプーリーを足元と同じくらい低い位置で調整する。
- 肩幅と同じくらいの手幅でバーを握り、しっかり胸を張る。
- 肘を閉じて肘が前後に動かないように固定したままバーを挙上します。
- バーを肩のあたりまで挙げ、最大収縮を得てからスタートポジションへおろしていきます。
- おろす際は力を抜かずにゆっくり動作してください。
オーバーヘッドケーブルカール
通常のタイプのケーブルマシンではなく、ダブルケーブルマシンを使用して行うのがオーバヘッドケーブルカールというアームカール種目です。
左右の手でそれぞれのケーブルを握り、両腕を伸ばして広げた状態を作り、肘関節屈曲で動作することで他のアームカール種目では必ず関与してしまう三角筋前部への関与を軽減し、上腕二頭筋に集中したトレーニングが可能になります。
※通常のケーブルマシンしかない場合はワンハンドづつでオーバーヘッドケーブルカールをすることが可能です。
【やり方】
- 左右それぞれのプーリーを目線と同じく、もしくはそれより高い位置に設定します。
- ケーブルマシンの中央に立ち、左右それぞれのケーブルを握ります。
- 肩から肘の角度が床と並行の角度であることを確認する。(※肘の高さが肩より上にいかないように注意)
- 両肘関節を曲げて頭の側頭部に向かってケーブルを引きます。
- 最大収縮を得たら、ゆっくりとケーブルをスタートポジションへ戻していきます。
- 戻す際は力を抜かずにゆっくり動作してください。
プリーチャーベンチ系種目
プリーチャーカール
プリーチャーカールは専用のプリーチャーベンチを使用して行うアームカール種目です。
プリーチャーカールはコンセントレーションカールと同様に、肘の位置を固定して動作するため上腕二頭筋を緩めて肘を曲げることでメインターゲットが上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)でサブターゲットが上腕二頭筋となります。
肘が前後に動くことがないため、フォームが崩れにくく、適切な負荷が入りやすい種目になります。
【やり方】
- プリーチャーベンチに座り、肘置きクッションの上に肘を置きます。
- 逆手でバーを握り、上腕を固定したまま肘を曲げて挙上していきます。
- バーを挙げ切り最大収縮を得てからゆっくりと肘を伸ばすようにしておろしていきます。
- 戻す際は力を抜かずにゆっくり動作してください。
プレートを使用する種目
プレートカール
この種目はアームカール種目全体で使用する筋肉群(上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋)に加えて握力の一つである「ピンチ力」つまむ力も同時に鍛えることができる変わり種のアームカール種目です。
ウェイトプレートを上でつかむとリバースと同じ効果(メイン:上腕筋・腕橈骨筋 サブ:上腕二頭筋)があり、真ん中のあたりをつかむとハンマーと同じ効果(メイン:上腕筋・腕橈骨筋 サブ:上腕二頭筋)があり、下のあたりをつかむと通常の(メイン:上腕二頭筋 サブ:上腕筋・腕橈骨筋)が得られるため、自分の好みに応じて調整できるというメリットがあります。
この種目はウェイトプレートをつまむように持つため、上腕部のみならず、前腕部へ高負荷を与えることができる種目でもあります。
【やり方】
- プレートをつかんで胸を張って直立します。
- 肘は体に近い部分で固定しましょう。
- 上腕を固定して前腕部を動かすようにして肘を曲げてウェイトプレートを挙上していきます。
- その後肘を伸ばしながらおろしていきます。
- 戻す際は力を抜かずにゆっくり動作してください。
マシン系種目
マシンカール
マシン系種目の最大の特徴といえば、「軌道が固定」されているということです。軌道が固定されているので、初心者の方でも正しいフォームで適切な負荷を与えることが可能になります。また軌道が固定されているということは誤ったフォームによる怪我の心配が少ないという利点もあります。
他にもピンポイントにターゲットの筋肉に負荷を与えることができるというメリットもあり、フリーウェイトとはまた違った効果が期待できます。
やり方はプリーチャーカールと似ています。
マシンカールは一見すると一つのやり方しかできないように思えますが、実はさまざまな“効かせ方”が存在します。
プリーチャーカールだとワンハンドでより片方の腕にしっかりと負荷を与えるトレーニング法もおすすめです。というのも、マシン系種目の場合両手どちらかの力が弱くても強い方の腕の力だけでも動作できてしまいます。
そのため、左右差がなくならないどころか、逆に左右差が大きくなってしまい、筋肉のシンメトリー(均等さ)が失われてしまったり、フリーウェイトトレーニングで左右差が影響してしまい思うようにトレーニングができなかったり、使用重量が上がらなくなってしまう可能性もあります。
そのため、マシン系種目を左右それぞれ分けて鍛えてあげることもポイントの一つと言えます。
アームカール系種目をより効果的に効かせる方法について
MI40法
アメリカのIFBBプロボディビルダーである「Ben Pakulski」が提唱した上級者向けトレーニング法です。
ポジティブ(力を入れて挙上する) 動作を1秒
ネガティブ(力を抑制してウェイトをおろす)動作を4秒
1レップに計5秒かけて筋肉の緊張時間を長くすることで効果的な負荷を与えるやり方です。これを最低でも8レップ行います。8レップで「限界」の重量設定が重要になりますので、軽くしすぎないよう注意してください。
ネガティブ動作重視のアームカールと言えるでしょう。
21rep法
伝説のボディビルダーである「Ronnie Coleman」が好んで上腕二頭筋トレーニングにとりいれていたこのトレーニング法。
ボトムからハーフレンジまでの下半分の可動域で7rep➡ハーフレンジからトップまでの上半分の可動域で7rep➡最後にフルレンジで前可動域を7repの計21回を連続で行います。
異なる3つの可動域を追い込むことで様々な角度から効果的な負荷を与えることができる高強度なトレーニング法です。
しかしこのトレーニング法は動作の中で3回もフォームを変えることになるため、非常にフォームが崩れやすいので注意が必要です。
中級者~上級者向けのトレーニング法と言えます。
ジャイアントセット
ジャイアントセットとは、「一つの筋肉部位」に対し、最低4つの異なる種目を休憩・インターバルなしで連続で行う超高強度トレーニング法です。
例えば、
- バーベルカール 10回 1セット
- ダンベルカール 10回 1セット
- インクラインダンベルカール 10回 1セット
- ケーブルカール 10回 1セット
計40回
上記のように「上腕二頭筋」一つの部位に対し、それぞれ異なる種目を休憩なしで連続で行うことで、より大きな刺激を筋肉に与えることが可能です。
一見同じような種目内容に見えますが、微妙に違う動作によって微妙に異なる筋繊維からの出力・動員が得られるので筋繊維へ「物理的刺激」を与えることができます。
また休憩なしで筋肉を緊張させ続けることによって「化学的刺激」により代謝物や成長ホルモンの分泌量向上にも効果があるといわれています。
つまり筋肥大に最適なメカニズム備えた究極のトレーニング法ということになります。
5段階ドロップセット法
ドロップセットとは高負荷のトレーニングでこれ以上挙上できない限界まで筋肉を追い込んだ後、インターバルをとらず、即座に少しだけ負荷を下げて再び限界まで筋肉を追い込むトレーニング法です。
例えばEZバーカールだと下記のようになります。
- 50kg 10回
- 40kg 10回
- 30kg 10回
- 20kg 10回
- 10kg 10回
計50回休憩なしでそれぞれの重量で限界まで追い込みます。
ジャイアントセットも同様ですが、とにかく“筋肉に休憩する瞬間を与えない”ことがより効果を高めるポイントになります。
「筋肉が限界に達する強度のトレーニングを長い時間続けることによって強い負荷を筋肉に与え、筋肉を大きく増強させる」という上級者向けのトレーニング法になります。
超高重量ネガティブカール
筋肉への負荷が入る瞬間というのは「ポジティブ動作、力を入れてウェイトを挙げていくコンセントリック動作時」と、「ネガティブ動作、力を抑えてウェイトをおろしていくエキセントリック動作」の2つに分けることができます。
このエキセントリック動作はコンセントリック動作に比べるとより“1.7倍の高重量”を扱うことができるのでより強い刺激を筋肉に与えることが可能になります。
エキセントリック動作で負荷をしっかり入れるためには3秒~5秒程度長い緊張時間で刺激するのが理想です。
筋肉は筋繊維に傷がつくことで、修復段階で筋肉がより増強されるので、高重量のエキセントリック動作をゆっくり行うことでより筋肥大に適した負荷を与えられるということです。
ポジティブ動作は自力では上がらない重量なため、スポッター(補助者)に補助してもらうか、チーティング(自分の体の反動を使って補助する)方法で挙上し、そこからゆっくりおろして行う上級者向けのトレーニング法になります。
アームカールの間違いやすいフォームと対策について
ここではありがちなアームカール種目の間違ったフォームについて解説していきます。
ありがちな間違ったフォームを理解することで、より正しいフォームを意識して安全に効果的なトレーニングをしていきましょう。
体の反動を使って動作をしてしまっている
座った状態でやるよりも、立った状態のほうがより高重量を扱えると思ったことはありませんか?
これは非常にありがちな間違ったやり方で、アームカールの肘関節屈曲動作に加えて体を前傾させてから後方に伸びるようにして行う体幹伸展動作がアームカールの動作を補助してしまっているかもしれません。
確かにこの動作をすると挙がりそうにない状態でも案外簡単に挙げることができてしまいます。主に背中の筋肉である脊柱起立筋の出力によって本来メインターゲットである「上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋」への負荷が逃げてしまい、あまり効果のないトレーニングになってしまいます。
この間違ったフォームの対策法
ほとんどの原因はオーバーウェイト(自分に見合っていない重量)を扱っていることがほとんどです。体幹伸展動作をしなくても肘関節屈曲動作で挙げることができる重量を選択することが大切です。
これを“マッスルコントロール”といいます。
マッスルコントロールとは“筋肉の力でウェイトを扱う”という意味です。オーバーウェイトによりウェイトに筋肉が扱われてしまうと効果は期待できません。ウェイトは、筋肉がコントロールして扱うことで意味のある価値ある負荷を与えることができます。
全ての筋トレはこのマッスルコントロールから始まります。
“チーティング”と“ストリクト”の概念を理解し、より効果の高い筋トレへ
筋トレには「チーティングフォーム」と「ストリクトフォーム」という概念が存在します。
ストリクトフォームとは“正しい”“正確な”“厳格な”という意味があり、つまり反動を使わず丁寧で正しいフォームという意味になります。
反対にチーティングフォームとは“反則”という意味があり、体の反動を使ってメインターゲット以外の筋肉を使用して行う自分で自分を補助することができるフォームという意味になります。
この2つの概念がトレーニングでは非常に効果的な役割を果たしてくれます。
ここで先ほどの“体の体幹伸展動作は間違ったフォームだ”と解説しましたが、これはこのチーティングじゃないのか?とお気づきになった方もいらっしゃるかと思います。
しかしこのチーティングというのはあくまで、“ストリクトフォームで挙がらなくなってから最後に追い込むために対象筋以外の筋肉を少しだけ使い、ぎりぎり対象筋の力のみで挙げられる程度の力で補助をするフォーム”なので、ただ闇雲に体の反動を使って動作するのとではまったたく意味が異なるわけですね。
この概念を踏まえた上で、しっかりと質の高い筋トレを行っていきましょう。
腕の可動域が狭い・短い
アームカールの動作で肘を伸ばし切っていないと上腕二頭筋が十分にストレッチ(伸展)されなくなり、十分な負荷が加わらなくなってしまいます。
全ての筋トレに共通ですが、筋トレというのはすべて、収縮(コントラクト)中間(ミッドレンジ)伸展(ストレッチ)の3つの異なる可動域で筋肉を伸び縮みさせることで負荷が入ります。これを「POF法」といいます。
この間違ったフォームの対策法
こちらも(オーバーウェイト)使用重量が重すぎることが原因であることがほとんどです。上腕二頭筋を伸ばし切っても挙上できる重量でトレーニングをすることが大切です。
大きな可動域で動作できる重量選びを心がけてください。
肘が動いてしまっている
ウェイトを高く挙げることを意識するとどうしても肘が前に出てしまいがちです。
しかしここで肘が前に動いてしまうと肩関節屈曲動作により三角筋前部の出力が大きく関与するため、メインターゲットである「上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋」への負荷が薄くなってしまいます。
この間違ったフォームの対策法
鏡を見ながらを肘を固定する意識をもつことが大切です。肘を固定したまま動かさない状態で挙げられる高さまで挙上する意識をもってトレーニングしましょう。
無理やり高くウェイトを挙げる必要はありません。あくまで肘の位置が変わらない動作の中で限界まで挙げればOKです。
この感覚が身につくと、鏡で自分の肘の位置を確認しなくても美しいフォームで動作することが可能になります。
ウェイトをおろす時に力を抜いてしまっている
ウェイトをおろすときに力を抜いて一気に落としてしまうと、筋肉の緊張時間が短くなりせっかくのトレーニングの効果が半減してしまいます。
マッスルコントロールを意識して、常に筋肉でウェイトを扱う意識をもってトレーニングをしましょう。
ウェイトの重さには意味があります。一気に力をに抜いてストンッと落としてしまうと実際に筋肉に負荷として乗っている重量は0kgということになります。
「ある人は100kgを10kgのように扱う、ある人は10kgを100kgのように扱う」という言葉がありますが、例えば100kgを扱うのであれば、100kgという数字通りの負荷を筋肉に与えられなければ100kgを扱う意味がないということなんです。
ウェイトの負荷を感じながらトレーニングすることが大切です。
アームカールで手首が痛い時の対処法
アームカール種目は手首にウェイトがかかるため、痛めやすいです。また手首の関節は体の数ある関節の中でも特に痛めやすい部位なので、痛めないよう意識して筋トレをしていく必要があります。
リストラップで手首を補強する
リストラップとは手首を補強してくれるサポーター・ギアです。
数千円程度で手に入るお手頃なギアなのでぜひ揃えていただきたいギアになります。
↓リストラップについてさらに詳しくはこちら
「腕を太くしたい方」は上腕三頭筋を鍛えよう!
腕を太くしたい方は上腕三頭筋を鍛えることを忘れてはいけません。
上腕三頭筋は上腕二頭筋の裏側に位置する拮抗筋である筋肉部位です。
上腕二頭筋は力こぶを表現するのに対し、上腕三頭筋は厚みを表現することが可能です。
腕を太く見せるためには表(二頭筋)と裏(三頭筋)をどちらも鍛えて筋肥大させることで効率的でたくましいかっこいい腕を手に入れることができるので、欠かせない部位です。
上腕三頭筋を効果的に鍛えることが出来るメニューの解説記事もあるので、こちらも合わせて読んでみましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
上腕二頭筋のトレーニングは一見すると単純に上下に動かしているだけのように見えますが、実に奥の深いトレーニングであることが分かっていただけたかと思います。
腕のトレーニングだけではなく、すべての筋トレは体の中で起こる化学反応を利用して体の形を変えています。そのため、しっかりとそのメカニズムを理解して、トレーニングをすることが一番結果につながりやすい“最短ルート”となります。
理想の肉体を手に入れて、理想の人生も手にいれましょう!!
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