高校時代にパニック障害を患うも、恩師の助言でプレーヤーから指導者への道を選んだ武内教宜さん。パーソナルトレーナーとして独立開業したものの、コロナ禍でストレスが重なりスタジオを閉鎖することに。現在は本の執筆やセミナーの登壇、YouTubeなど多方面で活躍する武内さんに、心身の健康の大切さやストレスとの付き合い方、そして今後目指す未来について語ってもらった。
武内教宜(たけうちよしのり) / ジムインストラクター・加圧スペシャルインストラクター・NESTAメンタルフィットネストレーナー・睡眠栄養アドバイザー
1985年生まれ、埼玉県出身のジムインストラクター。指導実績15,000件、著書8冊出版など輝かしい活動の背景に、自身がメンタルや体調を崩したつらい経験をもつ。現在は自身の経験を活かした指導法で、YouTubeやセミナーなど各方面に活動の幅を広げている。
この記事の目次
37歳にして指導者キャリア20年!?
山田 武内さんがパーソナルトレーナーになられたきっかけを教えてください。
武内 高校生までいわゆる強豪校でサッカーをしていましたが、周囲の選手とのレベル差を感じ挫折してしまいました。同じ頃にパニック障害を患い、サッカーを続けることができず、退学まで考えました。
山田 パニック障害は、私も患った経験があります。そこからどのように指導者になられたのでしょうか。
武内 そのとき小学生のときのサッカーのコーチが「辞めるのはもったいない。教える側に回っては?」とアドバイスしてくれ、少年サッカーのコーチを始めたことが、指導者としてキャリアのスタートになりました。
山田 すごくお若いときにキャリアをスタートされたのですね。
武内 高校卒業後に専門学校でトレーナーの勉強をして、スポーツクラブでアルバイトを始め、インストラクターとしてのキャリアをスタートさせました。少年サッカーのコーチとして17歳で指導者デビューと考えると、キャリアは20年くらいになります。
パニック障害の経験を活かした武内流コミュニケーション術
山田 パニック障害を患った経験が、武内さんの指導法や考え方に影響した部分はありますか。
武内 お客さんのヒアリングやカウンセリングに多くの時間を割いています。「ここまでやるトレーナーはいない」というくらい徹底的にコミュニケーションをとります。
山田 すごいですね。
武内 指導者として経験を積むと、知識や技術が身につく分頑固になりがちですが、まずはお客さんの意見を尊重するのが自分のスタイルです。
山田 具体的にどのような施策をされていますか。
武内 たとえばヨガやエアロビなどのスタジオレッスンでも、60分間密室から出られないのはつらいと感じる人もいます。うちではレッスン中に外の空気を吸う人もいれば、一服する人もいます。それぞれが自分のペースでリラックスできる環境づくりを大切にしています。
山田 ご自身の経験があってこそ生まれた発想ですね。
忙しいビジネスパーソンが心身の健康を維持する秘訣
山田 武内さんは働く人向けにYouTubeを配信されていますが、武内さん自身も働きながら心身の健康を維持するために心がけていることはありますか?
武内 僕が心がけていることは「成功確率を上げることは難しいけど失敗確率を下げることはできる」という考え方です。ダイエットであれば「こうすれば痩せる」、筋トレだったら「こうすれば筋肉がつく」という成功パターンは人によって異なるので、再現性をもたせることは難しいです。でも失敗するパターンは大体決まっています。
山田 具体的にどのようなことをすればよいのでしょうか。
武内 たとえば、「ダイエット中に毎日ラーメンを食べたら太る」、「準備運動なしで筋トレをしたら怪我をする」、「寝ないで働いたらパフォーマンスが下がる」といった失敗パターンは共通していることが多いので、それらをやらないということが成功への近道になります。
山田 武内さんが大事にされている食事や腸内環境、睡眠といった分野ですね。これから気をつけたい人が注意すべきことはなんですか?
武内 腸内環境については、僕は過敏性腸症候群でお腹が弱いタイプですが、ストレスが原因であることも多いので乳製品や酵素を摂るという方法よりも、まずストレスケアを心がけています。また睡眠も、しっかりと眠るためにストレスの原因になる人付き合いを減らすことで整えます。薬は一時的な対処法で根本的な解決にはならないので、根っこの部分にあるストレスを取り除くことで解決したいと思っています。
山田 なるほど。
武内 ストレスの種類については諸説ありますが、僕は6種あると考えています。 僕は特に人間関係に対して強いストレスを感じるタイプなので、腸に負担がかかったり、睡眠に悪影響が出たりする人間関係や生活を見直すことを心がけています。
山田 武内さんはかつて人間関係でのストレスにより、6年半続けたジムを閉店されていますよね。回復にいたるまで、どんなことを心がけてましたか?
武内 自律神経系の整体や心療内科にも通院しましたが、一番効果があったと感じたのは、日光浴と運動でした。健康だったときはただ好きで運動をしていましたが、メンタルが病んだときにした運動は、それとはまったく違うものでした。
山田 運動したあとは、すごく頭が軽くなりますよね。
武内 運動をしたあとに自分の中で良い変化を感じられるので、弱っているときこそ体を動かすことが大切だと改めて感じ、運動は治療の一つになると実感しました。
武内さんやアスリートが愛用する製品はこれ!
山田 STEADYの製品の中で、特に気に入っている推し製品はありますか?
武内 ヒップバンドが一番のお気に入りで、お客さんにも一番使ってもらっています。あの値段でこのクオリティはすごい!STEADYのヒップバンドは生地がしっかり厚く頑丈に作られていて、アスリートさんたちも気に入って使ってくれています。
山田 ヒップバンドの製品開発にご協力いただいたYouTuberのKeikoさんはヒップのトレーニングに対するこだわりが強く、ゴムの強度を上げて作った製品なので、評価していただけて嬉しいです。
武内さんが目指すもの
山田 武内さんが、今後目指していることはありますか?
武内 「なりたい理想の姿を実現させる」という自分のコンセプトを、自分に対してもお客さんに対しても大切にしていきたいです。
山田 興味深いですね。
武内 僕はお客さんにいつも目標と目的をはっきり分けてお伝えしています。目標をもってジムに来られる人は多くいますが、たとえば「3ヶ月で5kg痩せたいです」というお客さんには「なぜ5kgなんですか」「なぜ3ヶ月なんですか」と深掘りして話を聞きます。
山田 お客さんからはどのようなお話が出てくるのでしょうか。
武内 「実は3ヶ月後にこういう服を着る予定があって」とか、「婚活で彼氏を見つけたくて」とか、「ボディコンテストに出て、パパかっこいいって言われたい」とか、それぞれの背景のストーリーが見えてきます。
山田 具体的な目的があると効果も違いそうですね。
武内 人それぞれ体を鍛える目的があるので、それを実現させるお手伝いをしながら自分もなりたい理想の姿を実現したいと思っています。
山田 これまでの中で、後悔していることや心残りになっていることはありますか。
武内 ひとつ僕の中で一回失敗して心残りになっていることがあります。実はそれが体調を崩す原因にもつながるのですが、以前メンタルにお悩みの人への健康サポートを行っていたとき、僕とメンタル疾患のお客さんが衝突してしまったんです。 今はもう行っていませんが、今でも心の病気を抱える人に健康になってほしいという想いは変わらずに持っています。僕を頼ってくれた人たちを助けてあげられなかったという悔いが残っているので、そのような人たちを応援したいという思いがあります。
山田 すばらしいご活動ですね。武内さんはご自身の将来をどのように描かれていらっしゃいますか。
武内 まだ具体的ではありませんが、自分にしかできないことを成し遂げたいです。 僕はいろいろな面でマイノリティに含まれる人間だと思っていますが、少数派である自分だからこそできることはあると思います。多様性が尊重される時代になりつつあると感じているので、メンタルに問題を抱えた経験のある自分だからこそできることをやりたいです。
山田 今は元気でも、不安を抱えている人は世の中にたくさんいると思うので、武内さんのようにご自身が苦しんでこられた経験を力にしてご活躍される姿は励みになります。STEADY Magazineが、武内さんのご活動を広げるひとつのきっかけになれたら嬉しいです。
最初の一歩が踏み出せないあなたへ
山田 最後に、体づくりをしたくても最初の一歩が踏み出せない、特に年齢を重ねてフットワークが重くなってしまい一歩踏み出すことが難しいという人に向けてメッセージを頂けますか。
武内 僕はいつも「一歩踏み出すのが難しかったら、半歩だけ進んでみてください」とお伝えしています。僕のもとに相談に来てくれた人には「ネットでパーソナルジムを調べた時点で、もう半歩進んでるじゃないですか」というお話をするんです。
山田 たしかにそうですね。
武内 たとえばダイエットだったら、お茶碗のごはんをしゃもじ半分だけ減らしてみるでもいいし、運動だったら家の周りを10分だけ歩いてみるでもいいし、本当に「ちょっと」でもいいからやってみると、段々スイッチが入ってきて「もうちょっと」やるようになるとお伝えしています。半歩はどんなに小さくてもいいんです。
山田 すごく勇気が湧いてきますね。
武内 たとえばサッカーのワールドカップが盛り上がると、にわかファンの人たちが現れますよね。僕は「キャプテン翼」を見てサッカーを始めましたが、「スラムダンク」を読んでバスケを始めた人もいるように、みんな最初はにわかファンだと思うんです。
山田 すごくよくわかります。
武内 最初から始める動機を語れる人なんてそう多くありません。僕ら指導者側が、にわかファンを排除してしまったら、それ以上広がらないのです。 そんな姿勢では業界は変わらないというプロの方の意見もありますが、僕はこの「にわか感」が大事だと思っています。「ちょっと興味本位で、モテたくて家で腹筋やってる」でいいじゃん、という考え方です。あまり難しく考えず、興味を持ったらちょっとでもやってみることが大切だと思います。
山田 皆さんに一言ということでしたが、私が一番励まされてしまいました…!
武内 運動するのは大事と誰もが分かっていますが、その運動ができないという人が多くいます。早起きも食事制限も同じように「わかっているけれどできない」。そしてできないことで生じるストレスをコントロールできず、ますます「できない」サイクルに陥ってしまいます。僕はまず「運動したい」という気持ちにもっていくことを意識しています。
山田 「半歩」でも「にわか」でもいい!励まされます。
武内 行動変容には、無関心・関心・準備・行動・維持という5つのステージがあると言われていますが、無関心から関心をもってもらうところまでが一番難しいと感じます。 今このSTEADY Magazineを読んでくださっている皆さんは、もう無関心のステージをクリアして、関心を持っている人たちです。関心さえ持てれば、あとは半歩前に出るだけなので、関心のステージにいるということはすごく大きいことだと思います。
山田 本日は貴重なお話をありがとうございました。これからも武内さんのYouTubeやライブ配信を楽しみにしています!そして著書も愛読させていただきます。
対談の感想
武内教宜さんが愛用中の製品はこちら!
トレーニングチューブ ST104
負荷が一目でわかる色別5本セット、家族全員で便利に使えるトレーニングチューブです。チューブだけでも全身の本格的なトレーニングができるうえ、付属のドアアンカーとアンクルストラップを使えばトレーニングの幅がさらに拡大。収納袋付きで付属パーツもまとめて簡単に持ち運べます。
エクササイズバンド 強度別3本セット ST105
3段階の負荷でしっかりと効かせることができるトレーニングバンド3本セット。家族全員で体力や運動の目的に応じて負荷を設定できます。すべり止めのゴムが付いているのでズレにくく、快適にトレーニングが行えます。収納袋付きで持ち運びにも最適です。
スピンバイク ST128
独自開発した「非接触式airホイール」により、図書館よりも静かな30dB台の稼働音を実現。最大100分の連続使用が可能なフィットネスバイクです。クッション性が高いサドルと直感操作できるモニターで快適に楽しくトレーニングを行うことができます。
トレーニングマット ST137
独自の高密度Core Protect?を採用することで防音・衝撃吸収、防傷・床保護を叶え、集中してトレーニングが行えます。さらに、引裂き・引っ張り強度にも優れているので、ヨガ、ピラティスといった静かな動作はもちろん、HIITのような激しいトレーニングにも対応する高い耐久性を実現しました。
スピンバイク Proモデル ST142
スピンバイクのブレーキパッドに独自の非接触式(磁気式)のairホイールを採用し、稼働時の摩擦を排除。図書館レベルの静かな稼働音で最大120分の連続ライディングが可能です。また摩擦熱による部品の劣化が起こりにくいため、特別なメンテナンス不要で長期間お使いいただけます。さらに13kgホイールを採用しているため最大負荷に設定することで実走に近いトレーニングが可能です。
バンド付フィットネスバイク ST143
フィットネスバイクとエクササイズバンドを一台に凝縮した多機能モデル。全身の有酸素運動と筋力トレーニングが同時に行えるため、短時間で高いトレーニング効果が期待できます。ペダリング角度3段階、サドル角度3段階、サドル高さ7段階の計63通りの調整ができるため体形や目的に合わせて最適なライディングができます。
\5月4日まで/ 15%OFFクーポンGet
武内教宜さんオススメの製品を15%OFFでご購入になれます。
■購入方法(2ステップでOK)
1.STEADY公式サイトSTEADY Magazine 特設ページにアクセスする
2.支払い画面でクーポンコード【take】を入力する
■クーポン対象製品
- トレーニングチューブ:お好みの強度で全身”ながら”トレーニング
- ヒップバンド:太ももやお尻を中心としたトレーニングにぴったり
- フィットネスバイク:静音で場所や時間を気にせずトレーニング
- トレーニングマット:独自の高密度Core Protect™が防音防振を実現
宮本香奈
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