【自分を責めるのではなく褒める!】無理せず自然体で心身を鍛える令和の女子アスリートの思考法

インタビュー企画

幼少期にやっていた器械体操の経験と、身体を「どう使うか」という持ち前のセンスから、懸垂は「やってみたらできた」というAsuka.さん。芸能活動にも挑戦し、精神的に追い込まれた時期もあったのだそう。うつ病を克服し、自然体な笑顔を見せてくれるAsuka.さんに懸垂の魅力や鍛えることで得られた学びについて語ってもらった。

プロフィール
Asuka.(あすか) / 懸垂女子・フィットネスモデル
1997年生まれ、SNSやYouTubeに私服姿で懸垂する様子をアップするフィットネスモデル。勉学や芸能活動、仕事など、人生のバランスや重圧に悩まされていた時期を懸垂と共に乗り越え、現在は大会へのエントリーなど意欲的な生活を送る。

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懸垂を始めたきっかけ

山田 まずは、Asuka.さんが懸垂を始めようと思ったきっかけについて教えてください。

Asuka. これを言うと敵を作ってしまいそうであまり言っていなかったのですが、懸垂をやってみたらできちゃって。「頑張って始めようと思った」というより、「たまたまできたので投稿することにした」という感じなんです。

山田 すごいですね。懸垂は「一回でも難しい!」という人がたくさんいますよね。

Asuka. 懸垂をするためには、広背筋を鍛えるだけというか、センスの部分が大きいと思います。私も始めたばかりの頃の映像では、腕を使って上げてしまっていて正しいフォームではありませんでした。そこから広背筋を鍛え、YouTubeやジムでいろいろな人のフォームを見て研究をして習得しました。

山田 正しいフォームだと効かせたいところに効かせることができますよね。Asuka.さんが理想とするのはどんな体型でしょう?

Asuka. やっぱり、筋肉がついている人は自分を律していると感じます。精神面でも尊敬できるし、カッコいいと思いますね。

山田 筋肉のついた鍛えられた体の人は、自分とも人生ともきちんと向き合えている感じがしますね。

STEADYの懸垂マシンのここがスキ

山田 Asuka.さんは基本的にはジムで筋トレされていることが多いのですか?

Asuka. ジムにも行きますが家で鍛えることもあります。特に今は減量中でヘロヘロなので、家でSTEADYの懸垂マシンを使って鍛えてます。昨日はウェイトトレーニングとデットリフトと、あとラットプルダウンという3種目やりました。

山田 STEADYの懸垂マシンで家トレすることで時間的にも節約ができたりするのでしょうか?

Asuka. はい、本当にありがたいです。朝起きて腹筋ちょっとやって行こうかなとか。すきま時間にディップスとかもできちゃうので、マルチに使わせていただいてます。

山田 ありがとうございます。使い勝手はいかがでしょうか?

Asuka. 懸垂は骨盤の入れ方や肘の入れ方で背中の鍛え方に変化をつけられるのですが、STEDYの懸垂マシンで苦手な部分のトレーニングの回数を増やせるのが嬉しいです。

ストレスからの逃げ方がわかってきた

山田 Asuka.さんはご自身のことをすごくオープンに語られることも魅力のひとつだと思っています。

Asuka. ありがとうございます。

山田 筋トレや懸垂を始めてから、内面で変わった部分はあるのでしょうか。

Asuka. 私は20歳の時にうつ病を発症したのですが、うつだったときに「自分は変わらなきゃ」と思っていました。そのときたまたまうつ病を治す方法を検索して出てきたのが筋トレでした。当時は目指す目標も見失っていたので、筋トレのために始めたパーソナルトレーニングを通して、挑戦すべきものが見えてきたという感覚はあります。懸垂を始めてからはメディアにも取り上げていただいて、日本だけでなく海外からも真似して懸垂してくれる方がいたりして、ハッピーな気持ちや前向きな気持ちをもつことができました。

山田 筋トレを始めてから、うつ病にも改善が見られたのでしょうか。

Asuka. ストレスからの逃げ方がわかったというか、壁にぶつかったときに考える余裕ができるようになりました。 自分を保つために無理はしないで、自分以外のところでコントロールすることが徐々にできるようになりました。

山田 自分が生きやすいような視点をもてるのは素晴らしいですね。初めて出会った頃から、Asuka.さんには「高みを目指す」印象があります。それがご自身の負担になってしまっていた部分があったのでしょうか。

Asuka. そうですね。それもあったと思います。

山田 それが今は少しずつ変わってきている印象ですか。

Asuka. 変われていると思いますし、これがストレスだなと思うことは逃げられるようになったというか。責める自分がいなくなった気がします。仮面をかぶっている自分ではなくて、一人でいるときのような素の自分を愛してあげられるようになったという気がしています。

自分を責めるのではなく褒める!

山田 トレーニングとお仕事、そして大会出場を目指されるなか、心身を整えるために意識されていることはありますか。特に不調を感じている人たちに何かアドバイスをいただけたら。

Asuka. 不調なときは無理してトレーニングをする必要もありませんが、たとえば1回ジムに行けたことや、前回より1rep多く重量を上げられたことなど、自分を褒めて自信をつけていくことだと思います。無理して体づくりをするのではなく、自信がつく感覚を楽しんでやってほしいです。私も、大会に出るという選択をこの先も続けていくのかはまだわかりませんが、楽しければ続けていくという考え方でやっています。ジムに行きたくない日は行かなくてよいと思うし、自分が楽しく変われたらラッキーくらいのゆるい気持ちで良いと思います。

山田 自分のちょっとした変化を楽しむということですね。

Asuka. ジムに行き始めただけでも、家で筋トレができるようになっただけでも、自分を褒めてあげてほしいです。うつのときでも人は頑張ろうとして、できなかった自分を責めてしまいます。でも、責めるのではなく褒めるということが大切です。

Asuka.流!継続の秘訣とは

山田 Asuka.さんはこれからどのように歳を重ねていきたいですか。

Asuka. 大きな夢があるかと聞かれると正直今はないのですが、自分がずっとやってきていることを誇りに思えるようにはなりたいです。大会には出ていますが、「絶対にプロになりたい!」という夢があるわけではないんです。でも、今まで懸垂を続けてきたことで大会に出るという選択肢が生まれてきたわけなので、自分がやってきたことには誇りを持ちたい。ストイックに思われてしまうかもしれませんが、恥のない生活を継続したいと思っています。

山田 筋トレも懸垂も、SNS投稿も継続することは簡単なことではありません。継続するために意識していることがあれば教えてください。

Asuka. できなかったときの自分を責めたりしないこと。私は、2マス進んでも1マス戻るようなタイプです。頑張って前に2マス進んでも、1マスはすぐに戻ってしまう。でも前には進めているから良いんですよね。

山田 継続したいけれど、心が折れるときもありますよね。

Asuka. 好きなことなら、だめでもまた頑張ろうと思える。でももう無理と思ったものはきっぱりやめるかもしれないです。

山田 懸垂は好きだから続けられているということですよね。

Asuka. 正直、懸垂がずっと好きだったというわけではなくて、特に懸垂フィーバーのときとかは「また懸垂しなくちゃいけないのか」と思う時期もありました。今懸垂女子は3年目なんですが、そういうときにファンの方々が反応してくださって、結局懸垂が好きなんだなと思えます。

五月病は天気のせいにしておけばいい

山田 今世間は五月病と呼ばれる時期ではあるのですが、心身の不調に不安がある人たちにAsuka.さんだからこそできるアドバイスをいただけたら。


Asuka. なんでもいいと言われたら、「本当に休んでいいんだよ」という言葉をかけたいです。自分もそうですが、社会人経験が浅かったり、学校でも新学期があったりとか、絶対頑張っちゃう人が多いですよね。頑張ることを美徳とするのが日本のあり方だから。でも道を外れても休む勇気をもったり、例えば低気圧のせいにしちゃって無理して布団から出なかったりとかはしても良いと思います。予防線を張るのも大事なことだから。私は、「頭痛ーる(ずつーる)」という低気圧が来るのがわかるアプリを使って、不調なときに低気圧が来ると「あー、やっぱりね」と思っています。


山田 「天候の影響なんだ」とわかるだけでも楽になるかもしれませんね。


Asuka. そうなんですよ。天気のせいということにして、「だからだ!」「ですよねー!」みたいな、そういうテンションです。


山田 素晴らしい乗り越え方ですね。 たくさんご自身と向き合ってきたAsuka.さんだから、心はどんどん成熟していきますね。今後もSTEADYは大会も含めご活躍を全力で応援しています。なにかご協力できることがあればいつでもご連絡ください。

Asuka. こちらこそ末永くよろしくお願いします。

対談の感想

うつ病を乗り越え、現在も様々な挑戦を続けている懸垂女子Asuka.さん。ストレスへの向き合い方や「自分を責めるのではなくて褒める」という姿勢はとても参考になりました。今後の益々のご活躍をSTEADY一同楽しみにしております。

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宮本香奈

ロサンゼルス在住。ライティング歴15年以上。体育会系一家に生まれ育ち、スポーツは観るのもするのも大好き。フルマラソン完走9回。現在はウェルネス系ビジネスのマーケティングを担当している。著書に『妄想する力』(日経BP)がある。