たばこを日常的に吸いながら、筋トレに取り組んでいる方は意外と多いようです。
完全に禁煙できず、ついつい吸ってしまうという悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、残念ながらたばこによる喫煙は、筋トレ効果を弱めてしまう要因の一つです。
そこで今回は、たばこが筋トレや健康に与える影響と、禁煙するためのアドバイスについて解説します!
この記事の目次
たばことは?
初めに、たばこに関する内容について解説します。
たばこの渡来期には諸説ありますが、室町末期から日本に伝わり、その後徐々に普及していきました。
たばこは依存性が高く、有害な化学物質である「ニコチン」を多く含みます。
その依存性の高さは麻薬の一種である「ヘロイン」と同程度という研究結果があるほどです。
また、たばこの葉には「発がん性物質」が多く含まれており、いくつかの種類のがんや疾患のとの関係について指摘されています。
アイコスとたばこの違いとは?
近年急速な普及を見せているのが「アイコス」です。
アイコスはフィリップモリス社が販売している「加熱式たばこ」のこと。
従来の巻紙たばこのように火を使わず、たばこの葉を熱して蒸気を発生させます。
火を使わないため、煙や嫌な臭いが少ないのが最大の特徴です。
フィリップモリス社によると「巻紙たばこと比較すると有害物質が大幅に軽減されている」とのこと。
しかしやはり体への害がすべてなくなるというわけではありません。
アイコス・グロー・プルームのそれぞれの違いってなに?
最近ではコンビニなどでも容易に購入できるようになった「アイコス・グロー・プルーム」。
名前は異なりますが、どれも「加熱式たばこ」に分類されます。
それぞれの違いは「加熱温度が異なる」という点ですね。
【高温加熱式】
- アイコス(約300~350度)
- グロー(約240度)
- プルーム・エス(約200度)
【低温加熱式】
- プルームテック(約30度)
- プルームテックプラス(約40度)
高温加熱式のほうがたばこ感が強くなり、臭いも強くなります。
低温加熱式はたばこ感が弱くなる反面、臭いも少なくなるというのが特徴とのこと。
加熱式タバコもニコチンを含むタバコであることは変わらないので、もちろん無害ではありません。
VAPE(ベイプ)とは?
VAPE(ベイプ)は、「電子タバコ」に分類されるもの。
加熱式たばこと電子タバコの違いは「ニコチンを含んでいるかどうか」という点です。
日本国内ではニコチンを含まないものを電子たばこ予備、区別しています。
そのため「加熱式たばこはニコチンを含んでいる」のに対し「電子たばこはノンニコチン」という分類になります。
VAPE(ベイプ)の健康面への影響は?
「VAPE(ベイプ)」で使用する「リキッド」に含まれる成分は「食品添加物や薬品のベースに使われるもの。
プロピレングリコール(PG)と植物性グリセリン(VG)を混合したもの」が多くなっています。
加熱すると白い蒸気が発生しますが、これは主にライブイベントなどで焚かれるスモークと同様。
その蒸気に香料が添加され、電子タバコ用リキッドとして販売されているのですね。
含まれている成分量は食品レベルらしく、大量に摂取しなければ人体に悪影響を及ぼすものではないとされています。
しかしながら電子タバコはまだまだ歴史が浅く、日々新しい機器が開発されており、確かな研究結果が出ていないのが現状です。
たばこによる筋トレへの影響について
では、喫煙がもたらす筋トレへの影響について紹介しましょう。
以下の6点が気にすべきところです。
- 持久力と運動能力の低下
- 血液中の酸素量に影響
- 調回復への影響
- 血圧・心拍数の向上
- モチベーションの低下
- 集中力の低下
たばこによる筋トレへの影響①持久力と運動能力の低下
喫煙をすると、肺の機能が低下します。
その結果、酸素を取り込む力が弱まるため「持久力の低下」を引き起こします。
また、日常的な喫煙により「ニコチン依存」の状態である場合には、喫煙をしていないと神経が興奮しなくなります。
結果的に瞬発力低下と筋力低下を招きます。
さらに、喫煙による酸素不足は体のエネルギー供給に悪影響を及ぼします。
食物から体を動かすエネルギーを取り出すときに「分解」が発生しますが、その分解のさいには多くの酸素が必要だからですね。
これは、無酸素運動である筋トレはもちろんのこと、ランニングのような有酸素運動ではあればその影響は顕著に感じるはずです。
たばこによる筋トレへの影響②血液中の酸素量に影響
低~中負荷の比較的回数の多いトレーニングを行うとしましょう。
その場合、一定時間筋肉を動かし続けるためには継続的に筋肉に酸素を供給することが大切です。
しかし、たばこによる喫煙は「血液中の一酸化炭素量を増やす」だけでなく、肺が取り込む酸素量を低下させるため、結果的に血液中の酸素を減少させてしまいます。
この状態になると、筋肉に十分な酸素が供給されなくなります。
そのため、息が上がりやすくなるだけでなく本来のパフォーマンスを発揮できないといった影響を及ぼすのです。
喫煙は、筋トレ効果を低下させてしまいます。
たばこによる筋トレへの影響③超回復への影響
超回復は、筋トレにより鍛えた後、1~2日間休息をとる間に傷がついた筋繊維が修復し、以前よりも筋肉量が増加する現象のこと。
喫煙は「基礎代謝を低下させる」働きがあるため、筋トレ後の「超回復の効率を低下させてしまう」という悪影響を及ぼします。
これは、基礎代謝低下による「自然治癒力の低下」によって引き起こされるもの。
超回復の効率が低下すると、「筋肉の合成スピードの低下」や「脂肪燃焼のスピードの低下」へと繋がります。
ある研究論文によると、喫煙をすると筋トレ効果が半減するとまで言われているのですね。
喫煙はさまざまな悪影響を及ぼすことがわかります。
たばこによる筋トレへの影響④血圧・心拍数の向上
たばこに含まれている依存性物質であるニコチンは「血圧・心拍数の上げてしまう」という影響があります。
血圧が上昇すると体に行き渡る血流が悪くなり、呼吸が苦しく感じたり、疲労感を感じたりといった症状が現れます。
そのため、普段は当たり前にこなせる強度の筋トレでも、より過酷なものと感じてしまうのですね。
これは、モチベーションの低下につながりかねません。
また、引き起こされる疲労感により「集中力低下」を引き起こします。
つまり、ジムでのトレーニング中に「怪我をするリスク」も高まるのです。
筋トレ直後や、筋トレ直前の喫煙は避ける方が賢明でしょう。
たばこによる筋トレへの影響⑤モチベーションの低下
喫煙によって筋トレ中の呼吸が苦しくなったり、普段よりも過酷に感じたりすると「ストレス」になります。
たばこによって普段よりも大きく身体的・心理的負担を感じると、筋トレを継続するモチベ―ション低下を引き起こします。
結果的に、思うような筋トレの成果を得られなくなってしまうことも考えられますよね。
ある研究で喫煙者と非喫煙者のトレーニング強度について実験をしたところ、喫煙者の方がトレーニングの途中で早期離脱する傾向が高いという結果も出ています。
たばこによる筋トレへの影響⑥集中力の低下
上でも軽く触れましたが、喫煙は「集中力の低下」を引き起こします。
筋トレに取り組むうえで、集中力の維持は非常に重要な要素の一つ。
特に高重量のウェイトを利用する筋トレでは、一瞬の集中の乱れが大惨事を引き起こしかねません。
高負荷トレーニングでは集中力の低下により反応速度も鈍くなるため、「関節・筋肉を痛めてしまう」リスクも考えられます。
怪我のリスクだけでなく、集中力が低いため本来鍛えたい部位への意識が弱まり適切な負荷を掛けられなくなるかもしれません。
これは「筋トレ効果が弱まる」ことにも繋がります。
たばこを辞めるためのコツ
禁煙を成功させるためには、長い時間をかけて吸わない生活に慣れていくことが大切だといわれています。
喫煙をやめれば、筋トレ効果を高めることだけでなく「健康的な生活への一歩」と繋がることでしょう。
ここでは、たばこをなかなかやめることができない方向けに、禁煙のたまのコツについて解説します。
たばこを辞めるコツ①禁煙開始日を設定し、宣言する
最初にやるべきコツの一つは、禁煙開始日を設定するというもの。
カレンダーに〇を付けたりして、毎日の禁煙状況を見て分かるように記録しましょう。
そして次にやることは「禁煙を開始したことを職場や家族の前で宣言をする」ことです。
他の人にあらかじめ伝えておくことで「禁煙せざるを得ない状況」を作りだしましょう。
誰も禁煙に気づいていなければ、簡単に禁煙生活を辞められますからね。
他の人にもしっかりと自分の禁煙を伝え、他の人からも常に見られている状況を作り出しましょう。
たばこを辞めるコツ②なぜ禁煙したいのか理由を明確化して書き出す
「自分はなぜ禁煙したいのか、理由を明確化して書き出す」ということも大切です。
禁煙開始後に辛くなってどうしても吸いたくなったときに「初心に戻って禁煙について考え直す」ことで、気持ちを抑えられる効果があります。
健康診断に行くこともおすすめです。
血液検査を受けたり肺や喉の状態を検査してもらったりすることで、喫煙によってどれだけ自分にダメージがあったかを確認するのですね。
禁煙をする理由があやふやだと、三日坊主になりがち。
しかし、しっかりと禁煙すべき理由を明確化することで、禁煙への意思も高められます。
たばこを辞めるコツ③たばこの代わりを探す
禁煙開始後の2~3日から一週間をピークに禁断症状(離脱症状)が現れ、症状は緩やかに落ち着いていきます。
離脱症状は、たばこの欲求・眠気・頭痛・だるさなど。
特に開始直後に現れる強烈な「たばこを吸いたい欲」の対処法として、たばこの代わりを探しておくことが大切です。
たばこを吸いたくなる瞬間は長くはなく、一般的には「3~5分程度」と言われています。
そのため、たばこを吸うこと以外の方法で過ごせる「代わりの3~5分の行動」を考えておくといいでしょう。
たばこを吸いたくなる瞬間と、それの代わりになる対処法について書き出しておくとわかりやすいと思います。
書き出し方の例
たばこを吸いたくなる場面 | 代わりとなる行動 |
朝起きた瞬間 | すぐに顔を洗う |
食後 | 歯を磨く |
コーヒーを飲んでいるとき | コーヒーではなく紅茶を飲む |
筋トレ後 | プロテインを飲む |
仕事の休憩中 | 職場の人に宣言する |
お酒を飲んでいるとき | 冷水を置いておき、吸いたくなったら飲む |
仕事が終わった瞬間 | ガムを噛む |
たばこを辞めるコツ④禁煙補助薬を使用する
これはコツというよりも一般的な禁煙のための方法ですが、禁煙補助薬を使用するのも方法の一つ。
辛い禁煙も禁煙補助薬を使用することで症状が緩和され、禁煙後の離脱症状も楽になります。
日本では禁煙治療に健康保険が適用可能。
貼り薬であるニコチンパッドや飲み薬のバレニクリンといった薬も保険を使って購入できるようです。
また、薬局でも簡単に「ニコチンガム・ニコチンパッド」を購入できますよ。
全国的な規模での治療成績の報告によると、12週間の禁煙治療を5回すべて受けた人では、約8割が治療終了時点で少なくとも4週間以上の禁煙に成功し、約5割が治療終了後9ヵ月間の継続禁煙に成功しています。
たばこを辞めるコツ⑤たばこ・ライター・灰皿を捨てる
物理的にたばこを吸えないようにするため「たばこ・ライター・灰皿」などは捨ててしまいましょう。
禁煙するつもりならもったいないという気持ちは捨ててください。
でなければ、いつまでたっても禁煙は成功しません。
また、可能であれば居酒屋やバーといったたばこの煙がある場所には行かないように控えることも大切です。
禁煙すると変化する生活
続いては、禁煙を成功した後の生活への変化内容について、体験者の声をベースに紹介していきます。
実際に禁煙を成功させた人がその後の生活にどんな変化があったのか、その内容について理解しておきましょう。
禁煙してよかったこと①お金が浮く
まず、禁煙を成功させた方のほとんどが口にするのが、禁煙をしたことによって「お金が浮く」ことです。
近年では、たばこを購入時に掛かるたばこ税が高く、現在では1箱500円以上となっています。
1日1箱を吸うと仮定すると、たばこ代だけで月々「15000円程度」の出費。
年間では「18万円程度」ものお金がたばこ代となります。
たばこ本体代に加え、ライター代・ジッポのオイル代・灰皿代など、吸うために必要なものを合わせるとより出費はかさみます。
禁煙によってこれらの出費がなくなるのですね。
禁煙してよかったこと②有意義な休日を送れるようになった
浮いたお金で週末に新たな趣味を見つけ、趣味のために使うことで有意義な休日を送れるようになったという方もいます。
なんだか素敵な話ですよね。
禁煙してよかったこと③健康的になったと感じる
愛煙家だった方々で「禁煙してよかった」と感じる方は実に82%にものぼるというデータが、あるインタビュー結果に出ています。
また、どのような点でよかったと感じるのかをインタビューしたところ「健康的になった気がする」と回答した方が「34.9%」と最も多かったそうです。
【健康面で禁煙後に感じた体の変化】
- 健康診断の結果が良くなった(50歳以上男性/その他」
- 走ったときに違いが実感できた(50歳以上男性/その他)
- 体がだるくない(29歳女性/電機/事務系専門職)
- 喘息持ちでひどくなったから禁煙したら発作があまり出なくなった(32歳女性/食品・飲料/販売職・サービス系)
※出典:マイナビニュース「成功者に聞く!禁煙して良かったことは?「体がだるくない」「貯金が増えた」
禁煙してよかったこと④洋服や髪の毛につくタバコの臭いを気にしなくなった
特に女性に多い回答の一つが「洋服や髪の毛につくタバコの臭いを気にしなくなった」というもの。
実際に自分が禁煙をした後、喫煙者と一緒に食事をするさいに相手の洋服や髪の毛からタバコの臭いがするのを嫌だと感じるケースが多いようです。
喫煙をしていた頃は自分のたばこ臭さにを気にすることはなかったけれど、禁煙後はたばこの臭いや煙そのものを嫌いになったという方もいますよね。
また、「喫煙していた頃は他人の副流煙は気にならなかったが、禁煙してからはちょっと吸い込んだだけでも気分が悪くなるようになり、家族がタバコを嫌がる気持ちがわかった」という方もいます。
禁煙することは自分だけでなく「自分の周りにいる家族・職場・友人関係」にもいい影響があるようです。
禁煙してよかったこと⑤有意義に使える時間が増えた
そして最後に、禁煙してよかったこととして印象に残っていることが「有意義に使える時間が増えた」というもの。
これはどういうことかと言うと、たとえばたばこを吸える場所が減ったことなどでしょう。
近年は都内の条例で「路上喫煙が禁止」となり、外で吸うことができなくなりました。
これに合わせて近隣のレストランや飲食店がランチタイムを禁煙にする店が増加。
つまり喫煙者は、たばこを吸うために場所を探したり考えたりしなければいけない時間が生じていたのですね。
たばこを吸うための「労力」と「時間」から解放され、時間を有意義に使えるようになったと感じる方が多いようです。
禁煙をすると食事が美味しく感じるのはなぜ?
禁煙を成功させた方の多くが、たばこを吸っていたころに比べて食事が美味しく感じると答えています。
ではなぜ、たばこを止めると食事が美味しく感じられるのでしょうか。
たばこによる食事への影響①消化管の働きが低下し、胃の不快感を感じやすくする
たばこを日常的に吸う方の多くは「胸やけ」を感じるといわれています。
これは、たばこに含まれる「ニコチン」のせい。
ニコチンには血管を収縮させる働きがあるため、たばこを吸うと「胃・十二指腸」をはじめとする消化管の血管が縮まり、血流悪化や消化器官の働きを低下させることに繋がります。
このことが原因となり、胃の不快感が常にある状態が続きます。
それが、日常的に摂る食事が美味しく感じられなくなる原因の一つだと言われているのです。
たばこを止めることで、消化管や胃の不快感がなくなります。
その結果、より食事の味を楽しむことができるようになるというわけです。
たばこによる食事への影響②括約筋が緩むことで吐き気や胃もたれが生じやすくなる
また、たばこを吸うことで「食道・胃・十二指腸」をそれぞれ繋いでいる括約筋が緩みます。
人は食べ物を摂取するとそれぞれの括約筋の働きによって食べ物が食道→胃→十二指腸へと送られ、その後締まります。
それは「胃液・十二指腸液の逆流を防ぐ」ため。
たばこはこの括約筋に影響を及ぼし「消化液の逆流を生じやすくさせる」ことで、胃もたれや吐き気などを引き起こします。
つまり、喫煙している限りは胃もたれや吐き気が生じやすい体なのですね。
そのため、せっかく美味しい食事を摂ったとしても、美味しく感じにくくなってしまっているわけです。
たばこを止めると徐々に胃もたれや吐き気が生じにくくなります。
その結果、普段のお食事の本来の味を楽しむことができるようになるのですね。
たばこによる食事への影響③味覚・嗅覚を鈍くする
たばこに含まれている「タール」は、独特な匂いを持っており、いわゆる”たばこ臭”を発します。
喫煙で臭いの原因物質であるタールが鼻の粘膜に付着。
食事の本来の風味を感じにくくしてしまいます。
また、舌には味を感じるための「味蕾(みらい)」と呼ばれる感覚器官がありますが、タールが味蕾に付着するとその機能が低下。
結果的に、味覚・嗅覚などの感覚を鈍くさせるという影響を及ぼします。
たばこによる食事への影響④空腹感を感じにくくなる
お腹が減った、お腹が一杯になったという感覚を人が受け取るとき、血糖値の変動が大きく影響します。
食べ物を摂取すると、血糖値が上昇することで「満腹感」を感じます。
そして摂取した食べ物が消化・吸収されることで血糖値が下がり「お腹が減った」と感じるのです。
たばこに含まれるニコチンは、血糖値を上昇させる働きがあるもの。
そのため、たばこを吸うことで「空腹感を感じにくくしてしまう」わけです。
食事をしてないのに、喫煙で血糖値が上昇して空腹感がなくなるなんて、それだけで不健康ですよね。
禁煙すると食事が美味しく感じる
たばこによる消化機能・胃の不快感・空腹感・味覚や嗅覚への影響は、禁煙で早い人なら2~3日で回復します。
禁煙すると、下記のような変化を感じるようになるでしょう。
- 消化機能が改善し、常に感じていた胃もたれ・胸やけといった不快感がなくなる
- 食事を摂ること以外での血糖値上昇がなくなり、本来の空腹感を感じられるようになる
- 味覚・嗅覚が改善され、食事の本来の風味や味を楽しめるようになる
やはり、禁煙で普段のお食事を美味しく感じられるようになることは確かなようです。
【番外編】お酒(アルコール)が筋トレに与える影響とは?
たばこと同じく筋トレとの相性について議論されることの多いお酒(アルコール)についても、少し触れておきます。
アルコールは筋肉の合成を減少させる!?
筋肉を増やすことについては、アルコールがマイナスの影響を与えることが近年の研究から示されています。
人間の身体に存在するのは「筋肉の合成作用」と「筋肉の分解作用」です。
これが「合成作用 > 分解作用」となることで筋肉が増加します。
そしてこの合成・分解作用の調整に関して主要な役割を担っているとされるのが「mTOR」と呼ばれる酵素です。
筋肉を付けるために必要なことは次の3つ。
- 筋トレで筋線維を傷つける
- 筋トレでテストステロンなどのホルモンを分泌させる
- タンパク質や炭水化物を摂取する
実はこれらは全て「mTORを活性化させる」という最終目標につながっています。
そしてこのmTORが、筋トレ後のアルコール摂取によって減少することが確認されています。
お酒好きな人にとっては大変残念な事実ですが、アルコールは筋トレの筋肥大効果を減少させてしまうのです。
やっぱりお酒は太りやすい
では、体作りにおけるもう一つの重要な要素である「脂肪」について見てみましょう。
よくある勘違いは「お酒にはカロリーがあるからそれで太る」というもの。
お酒に含まれるカロリーは他の食べ物とは異なり、代謝されやすい性質を持っています。
そのため、お酒に含まれるカロリーが体に蓄積されて脂肪となることはほとんどありません。
ではお酒を飲むと太ってしまうのはなぜでしょうか?
それは、
- お酒を飲むと揚げ物など高カロリーなものを食べたくなる
- 体がアルコールの分解を優先するため、脂肪の分解が後回しになる
の2つの理由によるものです。
つまり、お酒に含まれるカロリーが原因ではなくお酒と一緒に食べる食事が原因だということです。
従ってお酒を飲む時は食事をしない(食べても野菜などの低カロリーのもののみにする)ならば、飲酒による脂肪増加を防げます。
ただしそれが難しいのですよね。
酔ってしまえば、やはり理性が抑えられます。
つまり実生活と合わせて考えると、やはり総合的に「お酒を飲むと太りやすい」のは間違いありません。
おわりに
今回は、たばこが筋トレに与える影響と、たばこを辞めるためのアドバイスについて解説しました。
たばこを辞めれば本来の筋トレ効果を最大限得られるだけでなく、健康的な毎日を送れるようになります。
前述しましたが、禁煙を始めた最初の一週間が最も離脱症状が出やすいピーク期間です。
今回解説したアドバイスを活用して、辛いピーク期間を必ず乗り越えて、この機会に禁煙を成功させましょう。
“No pain No gain”
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AKI
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