中臀筋は、お尻の側面上部に位置するお尻の筋肉。
お尻の筋肉で最大の体積をもつ大臀筋に、その一部が覆われています。
ボディメイク的観点では、中臀筋は「お尻の上部」から曲線を強調できる部位です。
しかし、中臀筋は意識して鍛えないとなかなか発達しづらい部位でもあります。
今回は、そんな中臀筋を効果的に鍛えるためのトレーニング種目、中臀筋の概要・鍛えることによる効果・特徴について、解説します!
この記事の目次
「中臀筋/中殿筋」という筋肉について
中臀筋/中殿筋とは、お尻を構成する筋肉である「臀筋群」に含まれる筋肉の一つ。
中臀筋は「股関節外転・内旋・外旋・屈曲・伸展」といった、股関節動作に関与する筋肉です。
「中臀筋/中殿筋」を鍛える効果・特徴について
中臀筋/中殿筋を鍛えることによる効果には、大きく分けると「ボディメイク的観点」と「身体動作の安定」の2つです。
【ボディメイク的観点】中臀筋/中殿筋の特徴
ボディメイク的観点において、中臀筋/中殿筋は「ヒップアップ」を目的とする場合に非常に重要な役割をもちます。
ヒップアップにおいて、多くの場合はお尻の筋肉を構成する最大の「大臀筋」ばかり鍛えてしまいがち。
しかし中臀筋は「お尻の側面・上部」の丸み・形の形成に関与する部位です。
そのため、三次元的な丸みのあるお尻を手に入れるためには積極的に鍛えていきたいところ。
美しいお尻を手に入れるには「大臀筋・中臀筋」をそれぞれバランスよく鍛えていくことが重要です。
【身体動作の安定】重要な中臀筋/中殿筋
中臀筋は直立した姿勢のとき、小殿筋と協働して「骨盤」を安定的に支える重要な部位です。
歩行時に踏み出した片脚と反対側に骨盤が傾かないように保持する筋肉で、骨盤を正しい位置に維持します。
この中臀筋が、筋力不足・損傷・機能不全などが起こると「トレンデンブルグ」現象が発症してしまいます。
「トレンデンブルグ」現象とは?
片脚立ちの姿勢になった際、軸足とは反対側の脚に骨盤が傾いてしまい、骨盤の「横揺れ」を引き起こす現象です。
この状態になると身体動作が不安定となり、歩行時に転倒するリスクが増えてしまいます。
中臀筋を鍛えることは、健康的な日常生活を送る上で欠かすことができません。
「中臀筋/中殿筋」を効果的に鍛えるトレーニング11選!
では、中臀筋を効果的に鍛えられるトレーニング法について、解説していきます。
それぞれの種目の特徴・効果について理解を深め、効率的に中臀筋を鍛えていきましょう。
- ライイングヒップアダクション
- クラムシェル
- マシンアブダクション
- ケーブルヒップアダクション
- サイドプランク
- ベントニーウォールプレス
- ラテラルバンドウォーク
- ヒップヒッチ
- ブルガリアンスクワット
- ダンベルブルガリアンスクワット
- バーベルフロントランジ
中臀筋を効果的に鍛える種目①ライイング・ヒップアブダクション
ライイングヒップアダクションは、中臀筋を鍛える最も代表的な自重種目です。
用意するトレーニング器具などを必要としないため、取り組みやすくなっています。
床に横向きで寝た状態で上側の脚を上げて「股関節外転」を引き起こし、主動筋となる中臀筋を中心に鍛えていきます。
中臀筋を鍛える種目としては簡単で取り組みやすいため、筋力に不安がある方やリハビリでも取り組まれる種目です。
【やり方】
- トレーニングマットなどを敷いた床に横向きで寝る
- 下側の脚は膝を曲げて体を安定させ、上側の脚は伸ばす
- 骨盤を縦に立てた位置で固定したまま、上側の脚を上げていく
- 中臀筋の収縮を感じたら、ゆっくりと元の位置に戻す
中臀筋を効果的に鍛える種目②クラムシェル
クラムシェルは、ライイング・ヒップアブダクションと並んで中臀筋を鍛える代表的な種目の一つ。
ヒップアブダクションでは「股関節外転」を利用しますが、この種目では「股関節外旋」によって中臀筋を鍛えます。
負荷が足りない場合は「トレーニングチューブ」を両膝に巻いて取り組むのがおすすめです。
【やり方】
- トレーニングマットなどを敷いた床に横向きで寝る
- 両膝を軽く曲げ、両足のつま先は揃えておく
- 骨盤を縦に立てた位置で固定する
- つま先をつけたまま、上側の膝を外側に開く
- 中臀筋の収縮を感じたら、ゆっくりと元の位置に戻す
中臀筋を効果的に鍛える種目③マシン・アブダクション
マシンアブダクションは、ライイングヒップアブダクションと同様の動作に、自由に負荷を追加できるトレーニングです。
ヒップアブダクション専用のマシンを利用し「股関節外転」を行うことで、ウェイトによる強烈な負荷が中臀筋にいきます。
一般的なスポーツジムではほぼ設置されているため、ジムに通っている方は積極的に利用したいトレーニングですよ。
【やり方】
- 専用のアブダクションマシンに座り、膝パッドを外側に当てる
- 両脚が閉じている位置に調整する
- その状態で、両脚を外側に開いていく
- 開いたら、ゆっくりと負荷を中臀筋で感じながら元の位置に戻す
中臀筋を効果的に鍛える種目④ケーブル・ヒップアブダクション
この種目では、ヒップアブダクション(股関節外転)を「ケーブルマシン」による負荷を利用して取り組みます。
ケーブルマシンを利用することで「大きな可動域」を活かし、中臀筋の収縮・伸展をより強く引き起こせるのが特徴です。
またケーブルマシンによって、動作中常に負荷を掛け続けた効率的なトレーニングが可能ですよ。
【やり方】
- ケーブルマシンのプーリーを一番低い位置に設定する
- プーリーにアンクルストラップを付け、左足首に装着する
- マシンに対して左足が遠くなる向きで横向きになる
- 上半身の角度を変えずに、左脚を外側に開いていく
- 広い可動域でダイナミックな動作を意識する
中臀筋を効果的に鍛える種目⑤サイドプランク
体幹トレーニングとして代表的なサイドプランクも、中臀筋を強化する種目として積極的に取り組みたいメニューです。
サイドプランクの姿勢を維持するためには「股関節外転」によって腰を浮かせた姿勢を作らなくてはなりません。
その結果、中臀筋を効果的に鍛えれるのですね。
また、サイドプランクは筋力に不安がある方でも取り組みやすいのが特徴です。
【やり方】
- トレーニングマットなどを敷いた床に横向きで寝る
- 下側のお尻側面に力を入れ、腰を床から浮かせていく
- 全体が一直線になる姿勢のまま維持する
- 30秒~1分を目安に3セット取り組む
中臀筋を効果的に鍛える種目⑥ベントニーウォールプレス
この種目は、中臀筋を鍛える種目としてはおそらく最も簡単で取り組みやすいものです。
壁さえあれば取り組めるので、覚えておいて損はありませんよ。
壁の側面に片足立ちになり、浮かせた片脚を壁に押し付けるように力を発揮し続けることで、中臀筋を効果的に鍛えていきます。
この種目は、中臀筋が伸び縮みせず、力を入れ続けることで中臀筋を鍛えられるのが特徴です。
【ベやり方】
- 壁の側面に横向きで片足立ちになる
- 壁に力側の片膝を90度程度に曲げる
- 軸足と浮かせた片脚を壁に押し付けていく
- 5秒~10秒程度力を出し続け、3セットを目安に行う
中臀筋を効果的に鍛える種目⑦ラテラルバンドウォーク
両足首や両膝に「トレーニングチューブ」や「トレーニングバンド」を巻き付けた状態で、横向きに歩くトレーニングです。
バンドのもつ張力による負荷に抵抗しながら、進行方向側の片脚が「股関節外転」を引き起こすことで、中臀筋を鍛えます。
チューブは引っ張れば引っ張るほど負荷が増すため、大きな可動域で一歩一歩踏み出す意識で取り組みましょう。
【やり方】
- 両膝または両足首に「トレーニングチューブ・バンド」などを巻く
- 肩幅程度の足幅で直立する
- 膝を軽く曲げた状態のまま、横向きに向かって歩いていく
- 反対側にも同様に歩いていく
中臀筋を効果的に鍛える種目⑧ヒップヒッチ
高さのある台を利用して台の上に片足立ちになり、もう片側の脚を伸ばしたままで浮かせた脚を上下に動かす種目です。
動作を見ると、中臀筋に関係ないように見えますよね。
しかしこの種目では「股関節外転」と同様の動作となるため、中臀筋を鍛えられます。
高さのあるちょっとした段差さえあれば簡単に取り組めるため、外出しているタイミングでちょこっと鍛えるには最適の種目です。
【やり方】
- 高さのある台を利用して台の上に片脚立ちになる
- 片側の脚は伸ばしたまま台の外側に浮かせる
- 浮いている側の片脚が台より低くなるように骨盤を傾ける
- その後、浮いている片脚を台より高く上げるように骨盤を逆に傾ける
中臀筋を効果的に鍛える種目⑨ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットは、片脚を後方の高さのある台の上に乗せてスクワット動作を行い、中臀筋を鍛える種目です。
両脚を開いた状態で膝を曲げ、伸ばすことで「股関節伸展」を引き起こし、中臀筋を鍛えられます。
【やり方】
- 体の背面側に台を置き、片脚を後方に伸ばして台に乗せる
- 足の甲を台の上に乗せ、1.5歩分広めに両脚を前後に開く
- 背筋を伸ばした状態で上半身を起こしたまま、膝を曲げていく
- 前側の太ももが床と平行になるまでおろしたら、前側の中臀筋を使って立ち上がる
中臀筋を効果的に鍛える種目⑩ダンベル・ブルガリアンスクワット
この種目は、ブルガリアンスクワットに「ダンベル」を付加して取り組む高強度バージョン。
自重で行うブルガリアンスクワットに負荷が足りないと感じてきたら、両手にダンベルを保持して行いましょう。
ダンベルの負荷により、より高い筋トレ効果に期待できます。
ダンベルは、中臀筋トレーニングの中でも外部負荷として利用しやすいアイテムのため、おすすめです。
【やり方】
- 両手にダンベルを保持した状態でブルガリアンスクワットに取り組む
- ダンベル一つだけの場合は、胸の前で両手でダンベルを抱え持ってもOK
- ダンベルを利用すると、上半身の前傾が生じやすいので、背筋を意識する
中臀筋を効果的に鍛える種目⑪バーベル・フロントランジ
この種目は、下半身の中でも特に「臀筋群」に効果的な「ランジ」に、バーベルによる負荷を追加して取り組む高強度バージョン。
通常のランジとは違ってバーベルを利用することで、より高強度に鍛えられます。
また、ダンベルを利用するよりも重心が高い位置にあるため、「体幹力・バランス力」向上にも期待できるのが特徴です。
【やり方】
- バーベルを肩幅程度の手幅で握り、肩の上部に担ぐ
- 直立した姿勢から、片脚を1.5歩分前に踏み出す
- 踏み出すと同時に膝を曲げ、太ももが床と平行になるまでおろす
- その後、前側の脚の中臀筋を意識して立ち上がり、反対側も繰り返して行う
中臀筋トレーニングで利用したい「トレーニングチューブ」のおすすめ5選!
家トレ・宅トレでも使いやすいため大人気のアイテムが、トレーニングチューブやトレーニングバンドです。
ここで当STEADY Magazineおすすめのチューブやバンドを紹介しますね。
輪状ゴムチューブ(小)
手軽さダントツナンバーワン!ゴムチューブトレーニングをするなら、まずは輪状ゴムチューブ(小)がおすすめ。
強さ5段階のゴムバンドが一般的です。
輪状ゴムチューブ(大)
これがあるとより本格的なゴムバンドトレーニングが可能です。
チェストプレスやデッドリフト、スクワットなどBIG3の筋トレにも強い負荷をかけることができますよ。
ヒップバンド(下半身トレーニング専用)
ヒップバンドは、脚にはめて下半身を鍛えるのに一番おすすめ!
お尻トレーニングに圧倒的負荷をかけることが可能です。
最近では、アスリートの体幹強化トレーニングやストレッチ目的で活用されています。
持ち手付きトレーニングチューブ5本セット
持ち手が付いているため、筋トレ初心者から使いやすい便利なトレーニングチューブです。
レベル別に5本セットのため、本格的な筋トレも勿論OK!
さまざまなトレーニングに活用できますよ。
まとめ
今回は、お尻側面上部に位置する「中臀筋」の概要・トレーニング種目などについて、解説しました。
「美尻」を作るうえでは必須ともいえる中臀筋をしっかりと鍛えることで、丸みのある美しいお尻を手に入れましょう。
“No pain No gain”
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AKI
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