分厚くはっきりとした大胸筋を形作るためには、ケーブルクロスオーバーがとても効果的です。
大胸筋の王道トレーニングと言えばベンチプレスですね。
しかし、「分厚くはっきりとした大胸筋」を作るためには、ベンチプレスだけでは足りません。
と言うのも、ベンチプレスにも弱点があり、それは「肩甲骨の可動域が狭い」ということ。
ベンチ台を使用するベンチプレストレーニングは肩甲骨の可動域が狭いため、刺激が限られてしまうのです。
筋肉の発達には大きな可動域で最大収縮・最大伸展させることが非常に重要。
そこで、ケーブルクロスオーバーがあります。
ベンチプレスでは足りない刺激は、ケーブルクロスオーバーで補いましょう!
この記事の目次
ケーブルクロスオーバーの概要
ケーブルクロスオーバーは、専用のケーブルマシンを利用して行うトレーニング。
両手で持ったケーブルを閉じるように肩関節を内転動作させることで、大胸筋へ負荷を与えます。
ケーブルには“負荷が抜けにくい”という特徴があるため、効果的に大胸筋に刺激を加えられる種目です。
また冒頭で説明した通り、ベンチプレスと比べて肩甲骨の動きに制限がありません。
つまり、大胸筋の最大収縮・最大伸展を意識した広い可動域でのトレーニングが可能であるということも大きな特徴です。
ケーブルクロスオーバーは基本的に、メインターゲットが大胸筋、サブターゲットが上腕三頭筋や肩の三角筋前部。
またバリエーションによって大胸筋上部や、大胸筋下部に集中したトレーニングも可能です。
この種目は必ずケーブルマシンが必要になりますが、フォームやテクニックはフリーウェイトトレーニングと比べても比較的簡単と言えるでしょう。
初心者から上級者まで効果的に大胸筋を鍛えられる、優れたトレーニング種目です。
ケーブルクロスオーバーと他の大胸筋種目との違いについて
では、他の大胸筋種目とケーブルクロスオーバーの違いについて紹介します。
ケーブルクロスオーバーは単関節運動種目(アイソレート種目)
ケーブルクロスオーバーは「肩関節内転動作」のみ動作する種目です。
つまり、単関節運動種目(アイソレート種目)に区別される種目なのですね。
そのため、多関節運動種目(コンパウンド種目)の後にケーブルクロスオーバーに取り組むことで、効果を最大化できます。
効果的に質の高いトレーニングを実現するためのトレーニングの順番は、多関節運動種目(コンパウンド種目)→ 単関節運動種目(アイソレート種目)の順です。
基本的に、多関節運動種目(コンパウンド種目)は多くの関節と筋肉群を使用するため使用重量が重め。
そのため先に単関節運動種目(アイソレート種目)をすると、その後は筋肉群が疲労して多関節運動種目の高重量が扱えなくなります。
となれば、メインの対象筋をしっかり鍛えこむことはできませんよね。
まずは、多関節運動種目(コンパウンド種目)からトレーニングしましょう。
その結果、筋肉が疲労し高重量が扱えなくなったとしても、ケーブルクロスオーバーでの使用重量は軽くなるため、その影響は受けずにしっかりと鍛えこめますよ。
ケーブルクロスオーバーはストレッチ(伸展)種目
ストレッチは、筋肉が伸ばされている状態、伸展している状態のことを指します。
ストレッチ種目であるケーブルクロスオーバーは、筋肉が伸ばされる瞬間(最大伸展時)に最大負荷を与えられるトレーニングです。
そのため、ケーブルクロスオーバーで効果的に負荷を与えるためには、筋肉の緊張時間を長くすることがポイント。
可能な限りゆっくりと動くことを意識してトレーニングを行いましょう。
ケーブルクロスオーバーの筋トレ効果について
ボディメイクの観点からすると大胸筋を鍛えることで、男性は分厚い胸作りを、女性はバストアップ効果が期待可能です。
また、ケーブルクロスオーバーをすることにより、大きな物を胸の前で掴んだりテニスでスイングをしたりするときに効果を発揮してくれます。
大胸筋は上半身の筋肉の中でも特に大きい筋肉部位。
鍛えることで代謝が上がるため、脂肪燃焼効果も期待できる筋トレです。
また、三角筋前部をサブターゲットとして鍛えることもできるため、なで肩の解消や肩幅が広く男らしい体に近づけることもできます。
ケーブルクロスオーバーのやり方とフォーム
では、具体的なやり方と正しいフォームをみていきましょう。
【ケーブルクロスオーバーのやり方・フォーム】
- プーリーの高さを調整する
- プーリーの位置によって効かせられる場所が変わるので、要確認です。
- ケーブルマシンの中央に立ち、両手でそれぞれのケーブルのグリップを握る
- 片足どちらか一方を前に出します。
- 肘を少し曲げた状態で、胸を張り、腕を開いて構える
- 肘の角度は常に固定することを意識しましょう。
- ケーブルの出発点に向かって肘を立てる
- 肘の角度は常にケーブルの角度と同じ角度になるよう意識しましょう。
- 上半身を前傾させる
- 上半身を前傾させることで安定した動作ができます。
- 両手のグリップを合わせるように腕を前へ絞り込み、大胸筋の収縮を感じる
- このとき、肩甲骨を開くようにして大胸筋を収縮しきるイメージで動きましょう。
- 素早く引いて、ゆっくり戻す
- ケーブルを戻すとき(ネガティブ動作)ではゆっくりと力を入れながら動きましょう。
- 呼吸に注意する
- ポジティブ動作(力をいれて両手を合わせる)のさい、息を吐くとより大胸筋を収縮できます。
正しいフォームがなによりも大切!
ケーブルクロスオーバーだけでなく、すべてのエクササイズ・種目では基本的な動作フォームがなによりも大切です。
まずは正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えましょう。
それが最も効率的に対象筋への負荷を与えられ、理想の肉体を作り上げる最短距離になります。
間違ったフォームのままトレーニングを続けると対象筋以外の筋肉も使ってしまい、適切な負荷が入らずにいつまでたっても肉体に変化のない、質の低いトレーニングになります。
それだけではなく、関節・筋肉・腱を痛めてしまい怪我につながるのです。
1度怪我をすると、完治するまでその部位を鍛えることができなくなるため、その期間に筋肉を失ってしまうでしょう。
さらに、他の部位のトレーニングや日常生活に影響が出るかもしれず、最悪な結果となってしまいます。
ケーブルクロスオーバーのポイント
ケーブルクロスオーバーは肩関節の可動域を最大限意識し、肩関節内転の動作のみで行うことがポイントです。
ありがちなやり方の一つは、肘の角度が変わってしまうこと。
“引いて押す”動き、つまり、まるでベンチプレスをケーブルでやっているような動きになりやすいのです。
これでは大胸筋のストレッチが損なわれ、上腕三頭筋への関与が高まる結果、負荷が分散してしまいます。
そのため、肘の角度は必ず8割程度の伸ばし加減で固定し、“開いて閉じる”イメージをもって動いてみてください。
ケーブルクロスオーバーのバリエーションについて
ケーブルクロスオーバーはプーリーの位置を変えることによって、特定の部位により集中したトレーニングができるバリエーションが存在します。
ここで確認して、効果的なトレーニングを実践していきましょう。
ハイ・プーリーケーブルクロスオーバー(デクライン)
ハイ・プーリーケーブルクロスオーバーは、大胸筋下部を集中して鍛えられるバリエーションです。
上から斜め下方向に向かってケーブルを引くことで、大胸筋下部に負荷を与えます。
ケーブルを引くときは腕で引くのではなく、肩関節を動かすように意識しましょう。
大胸筋の収縮を感じてから、ケーブルを戻します。
動作中、肘は必ず8割程度で固定したままです。
もし動作中に肘が動いてしまったり向きが変わったりしてしまう場合は、どこかフォームが間違っている可能性があります。
【ハイ・プーリーケーブルクロスオーバーのやり方・フォーム】
- プーリーの高さを調整する
- プーリーの位置を一番上か、頭より高い位置に調整します。
- ケーブルマシンの中央に立ち、両手でそれぞれのケーブルのグリップを握る
- 片足どちらか一方を前に出します。
- 肘を少し曲げた状態で、胸を張り、腕を開いて構える
- 肘の角度は常に固定することを意識しましょう。
- ケーブルの出発点に向かって肘を立てる
- 肘の角度は常にケーブルの角度と同じ角度になるよう意識しましょう。
- 上半身を前傾させる
- 上半身を前傾させることで安定した動作ができます。
- おへそのあたりに、両手のグリップを合わせるように閉じていく
- ケーブルの位置を下に引くほど、大胸筋下部に効かせやすくなります。
- このとき、肩甲骨を開くようにして大胸筋を収縮しきるイメージで動作しましょう。
- 素早く引いて、ゆっくり戻す
- ケーブルを戻すとき(ネガティブ動作)ではゆっくりと力を入れながら動作しましょう。
- 呼吸に注意する
- ポジティブ動作(力をいれて両手を合わせる)のさいに息を吐くと、より大胸筋を収縮できます。
ロー・プーリーケーブルクロスオーバー(インクライン)
ロー・プーリーケーブルクロスオーバーは、下から斜め上方向に向かってケーブルを引くメニュー。
大胸筋上部に集中して負荷を与えられる、ケーブルクロスオーバーのバリエーションの一つです。
ハイ・プーリーとは異なり、ロープーリーでは上半身はほとんど前傾させません。
ケーブルを引くときは腕で引くのではなく、肩関節を動かすように意識します。
大胸筋の収縮を感じてから、ケーブルを戻します。
こちらも同じく、動作中は肘は必ず8割程度で固定したままです。
もし動作中に肘が動いてしまったり向きが変わったりしてしまう場合は、どこかフォームが間違っている可能性があります。
【ロー・プーリーケーブルクロスオーバーのやり方・フォーム】
- プーリーの高さを調整する
- プーリーの位置を大腿四頭筋あたりか、それ以下の低い位置に調整します。
- ケーブルマシンの中央に立ち、両手でそれぞれのケーブルのグリップを握る
- 片足どちらか一方を前に出します。
- 肘を少し曲げた状態で、胸を張り、腕を開いて構える
- 肘の角度は常に固定することを意識しましょう。
- ケーブルの出発点に向かって肘を立てる
- 肘の角度は常にケーブルの角度と同じ角度になるよう意識しましょう。
- 直立した状態のまま動く
- ハイ・プーリーとは異なり、下から斜め上方向にケーブルを引くため、直立した姿勢のほうが安定した動きができます。
- 目線のあたりか、目線より上に、両手のグリップを合わせるように閉じていく
- ケーブルの位置を上に引くほど大胸筋上部に効かせやすくなります。
- この時、肩甲骨を開くようにして大胸筋を収縮しきるイメージで動きましょう。
- 素早く引いて、ゆっくり戻す
- ケーブルを戻すとき(ネガティブ動作)ではゆっくりと力を入れながら動きましょう。
- 呼吸に注意する
- ポジティブ動作(力をいれて両手を合わせる)のさいに息を吐くと、より大胸筋を収縮ができます。
インクラインベンチ・ロー・プーリーケーブルクロスオーバー
インクラインベンチ・ロー・プーリーケーブルクロスオーバーは、インクラインベンチを使用して行うバリエーションの一つ。
体全体を安定した状態のまま動かせるよう、インクラインベンチを利用します。
通常のケーブルクロスオーバーでは、体が後ろに引っ張らて体のバランスが崩れてしまうために効果的にトレーニングができないという方におすすめです。
また使用重量を重くしていくと、通常のケーブルクロスオーバーではより体の安定が難しくなります。
そのため、高重量を扱うときにもインクラインベンチでのケーブルクロスオーバーはおすすめです。
【ハイ・プーリーケーブルクロスオーバーのやり方・フォーム】
- プーリーの高さを調整する
- プーリーの位置を一番下に調整します。インクラインベンチでは体の位置が低くなるため、プーリーの位置もそれに合わせて低くします。
- ケーブルマシンの少し前にインクラインベンチを置き、仰向けで寝る
- インクラインベンチを使用すると動作中は位置を変えられないので、あらかじめケーブルを引いてもケーブルマシンのウェイトの可動域に余裕がある状態にしておきます。
- 両手でそれぞれのケーブルのグリップを握る
- 肘を少し曲げた状態で、胸を張り、腕を開いて構える
- 肘の角度は常に固定することを意識しましょう。
- ケーブルの出発点に向かって肘を立てる
- 肘の角度は常にケーブルの角度と同じ角度になるよう意識しましょう。
- 目線のあたりか、目線より上に、両手のグリップを合わせるように閉じていく
- ケーブルの位置を上に引くほど大胸筋上部に効かせやすくなります。
- この時、肩甲骨を開くようにして大胸筋を収縮しきるイメージで動作しましょう。
- 素早く引いて、ゆっくり戻す
- ケーブルを戻すとき(ネガティブ動作)ではゆっくりと力を入れながら動作しましょう。
- 呼吸に注意する
- ポジティブ動作(力をいれて両手を合わせる)の際息を吐くと、より大胸筋を収縮できます。
ダブルクロス・ケーブルフライオーバー
ダブルクロス・ケーブルフライオーバーは、大胸筋の内側に集中して大きな負荷を与えられるバリエーション。
ケーブルを引くさい、グリップを交差させて可動域を広げることにより、通常のケーブルクロスオーバーと比べより大胸筋を収縮しきれます。
大胸筋を最大収縮させることで、大胸筋の内側から筋肥大をさせるために効果的な刺激を加えられますよ。
【ダブルクロス・ケーブルフライオーバーのやり方・フォーム】
- プーリーの高さを調整する
- プーリーの位置によって効かせられる場所が変わるので、要確認です。
- ケーブルマシンの中央に立ち、両手でそれぞれのケーブルのグリップを握る
- 片足どちらか一方を前に出します。
- 肘を少し曲げた状態で、胸を張り、腕を開いて構える
- 肘の角度は常に固定することを意識しましょう。
- ケーブルの出発点に向かって肘を立てる
- 肘の角度は常にケーブルの角度と同じ角度になるよう意識しましょう。
- 上半身を前傾させる
- 上半身を前傾させることで安定した動作ができます。
- 両手のグリップを交差させ、大胸筋がこれ以上収縮しないところまで交差させる
- このとき、肩甲骨を開くようにして大胸筋を収縮しきるイメージで動作しましょう。
- 素早く引いて、ゆっくり戻す
- ケーブルを戻すとき(ネガティブ動作)ではゆっくりと力を入れながら動作しましょう。
- 呼吸に注意する
- ポジティブ動作(力をいれて両手を合わせる)のさいに息を吐くと、より大胸筋を収縮できます。
ケーブルクロスオーバーの効果的な重量設定・回数について
ケーブルクロスオーバーは高重量を扱いにくいものの、筋肉に対し広い可動域で持続的に負荷がかかり続けます。
この特徴を生かして、高レップでパンプアップを意識したトレーニングが筋肥大にはおすすめです。
低重量のまま、10回以上20回程度で限界がくる重量で追い込むことでパンプアップさせ、筋肥大に効果的な負荷を対象筋に与えましょう。
パンプアップとは?
パンプアップは、筋肉の収縮と伸展動作、つまり筋肉を伸び縮みさせることで血液量を増やし、筋肉が膨らむ現象のことです。
食事から摂取した栄養分をより多く筋肉に届けられるため、筋肥大に効果があるとされています。
低重量高回数のトレーニングが効果的とされており、15回~20回が限界の重量設定が効果的です。
高回数により筋肉内の血液の量が増え膨らむことでバスキュラリティー(血管の見え方)をはっきりと表現できますよ。
筋肥大に効果的なセット数について
一般的には最低でも“3セット”と聞いたことがあるかもしれませんが、実際のところ、これでは筋肥大には足りません。
3セットのみでは筋肥大に十分な負荷を与えられず、効果が表れにくいのですね。
最低でも5セット以上10セット以下
そのため、最低でも5セット以上はトレーニングすることをおすすめします。
筋肥大に効果的な負荷を与えるには、筋肉の緊張時間を長くし、かつしっかり重量をかけてオールアウト(追い込み切る)することが重要です。
また、筋出力向上の観点からしても、5セット以上でないとすべての筋繊維が使用されず、使用重量もあまり発揮されません。
つまり3セットではウォーミングアップレベルでしかないということです。
しっかりとオールアウトさせることを意識してくださいね。
ケーブルクロスオーバーの注意点について
ケーブルクロスオーバーは、正しく適切なフォームが大切です。
慣れないうちは無理な重量設定で行わないようにしましょう。
また、ケーブルクロスオーバーは腕の力が関与しやすいため、必ず大胸筋の力を使って動作するよう心がけてください。
足でしっかりと土台を築き、ケーブルを動かしても体が前後左右にブレないよう、安定した動きも意識しましょう。
ケーブルクロスオーバーをより効果的に効かせるポイントについて
では、そのケーブルクロスオーバーのトレーニング効果をより高めるコツ・テクニックについて紹介していきます。
より効果的で質の良いトレーニングができるように確認しましょう。
マッスルコントロールを意識する
マッスルコントロールとは、筋肉の出力によりウェイトを扱い制御するという意味です。
すべての種目に共通することですが、ウェイトの数字通りの負荷を筋肉に与えなければ、そのウェイトを扱っている意味がなくなってしまいます。
たとえば、ベンチプレスに取り組むとき。
バーベルを下すさいに力を抜いて勢いよくおろしてしまうと、100kgのバーベルでも、おろす瞬間に筋肉に乗っている負荷は50kgだったり、ゼロだったりする可能性があります。
つまり、ウエイトの重量に関係なく、負荷が入っている瞬間と入っていない瞬間があるのですね。
ウエイトの重量分の負荷を与えられない場合は、非常に効率の悪い、質の低いベンチプレスということになります。
おろすときにも力を抜かず、筋肉にウェイトの数字通りの負荷を乗せたままおろす意識を持ちましょう。
これがマッスルコントロールです。
マッスルマインドコントロールを意識する
マッスルマインドコネクションとは、「筋肉と脳神経のつながり」です。
なかやまきんに君の筋肉ルーレットのように、大胸筋をピクッピクッと動かすのを想像するとわかりやすいかと思います。
彼は筋肉を自由自在に操れるからこそ、あの芸ができるのです。
筋肉を自在に操れるということは、筋トレでメインターゲットを効率的に効かせられるということ。
“負荷を感じる”というのもマッスルマインドコネクションでは重要です。
トレーニング中にメインターゲットの部位に対し、負荷を感じながら動作させることで、効かせるべき部位だけに効かせられます。
ネガティブ動作をゆっくり行う
筋肉への負荷が入る瞬間は、以下の2つに分けられます。
- ポジティブ動作:力を入れてウェイトを挙げていくコンセントリック動作時
- ネガティブ動作:力を抑えてウェイトをおろしていくエキセントリック動作
このエキセントリック動作はコンセントリック動作に比べ、“1.7倍の高重量”を扱えます。
つまり、より強い刺激を筋肉に与えられるのですね。
エキセントリック動作で負荷をしっかり入れるためには、3秒~5秒程度長い緊張時間で刺激するのが理想です。
筋肉は筋繊維に傷がつくことで、修復段階で筋肉がより増強されます。
そのため、エキセントリック動作をゆっくり行うことで、より筋肥大に適した負荷を与えられるということです。
肩甲骨を少し開き、より大胸筋を収縮させる
上の動画は大胸筋上部に効かせることをテーマにしていますが、内容は「肩甲骨を開くことでより大胸筋を収縮しきる」についてなので、ご参考ください。
肩甲骨を寄せたままだと、肩関節の内転可動域が狭くなるため、大胸筋の最大収縮を得られません。
肩甲骨を適度に開くことにより肩関節内転可動域が大きくなり、より大胸筋を収縮できるため、ケーブルクロスオーバーでは大胸筋の最大収縮を意識してトレーニングしましょう。
トレーニングマシンのように同じ動作を意識する
トレーニングマシン種目のように、毎回の動きを同じくきれいで適切なフォームを維持しながら動くことが大切です。
これを、ストリクトフォームと言います。
ストリクトフォームとは“正しい”“正確な”“厳格な”という意味がある言葉です。
つまり、反動を使わない丁寧で正しいフォームということ。
正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることが最も効率的に対象筋への負荷を与えられる方法です。
肩を落とすことを意識する(肩の下制)
ケーブルクロスオーバーでありがちな間違った動作には、肩が上がってきてしまうということがあります。
疲労によってケーブルの引きが厳しくなると、フォームが崩れて肩が上がってしまうのですね。
肩が上がると、自然に肩の力を使って動いてしまいがちです。
肩の力を使ってしまうと、本来メインターゲットである大胸筋に入るはずの負荷が分散してしまい、トレーニングの効果が半減してしまいます。
回数を重ねて疲労が蓄積しても、フォームを崩さず大胸筋に負荷を入れることを最優先することが大切です。
ケーブルクロスオーバーをより効果的にトレーニングするテクニック
では、より効果的にトレーニングするテクニックについて紹介します。
ストップ・ケーブルクロスオーバー
中級者~上級者トレーニー向けとされている、より高負荷を与えることができるトレーニングテクニックです。
トップポジション(両手を合わせて大胸筋を収縮させたとき)で力を入れたまま1~3秒程度止めましょう。
それから再度動くことで、ケーブルのウェイトを大胸筋で受け止め、勢いや反動を抑えます。
また数秒キープすることで筋肉の持続的な緊張時間も長いため、より筋肥大につながる効果的な刺激を大胸筋へ与えることが可能です。
ケーブルクロスオーバーで負荷が逃げやすい方や、より筋肥大効果の高いトレーニングを求める方におすすめのトレーニング法です。
MI40法・ケーブルクロスオーバー
アメリカのIFBBプロボディビルダーである「Ben Pakulski」が提唱した上級者向けトレーニング法です。
- ポジティブ(力を入れて挙上する) 動作を1秒
- ネガティブ(力を抑制してバーベルをおろす)動作を4秒
1回に計5秒かけてしっかりと負荷をたたき込むやり方です。
これを最低でも8回行います。
8回で「限界」の重量設定が重要になりますので、軽くしすぎないよう注意してください。
ネガティブ動作重視の高負荷トレーニングテクニックと言えるでしょう。
“筋肉に休憩する瞬間を与えない”ことがより効果を高めるポイントです。
「筋肉が限界に達する強度のトレーニングを、持続的に筋肉の緊張時間を長くすることによって強い負荷を筋肉に与え、大きく増強させる」という上級者向けのトレーニング法ですね。
ドロップセット
ドロップセットとは高負荷のトレーニングのこと。
これ以上挙上できない限界まで筋肉を追い込んだ後、インターバルをとらず、即座に少しだけ負荷を下げて再び限界まで筋肉を追い込むトレーニング法です。
たとえばケーブルクロスオーバーだと下記のようになります。
- 25kg×25kg =50kg 10回
- 17.5kg×17.5kg=35kg 10回
- 12.5kg×12.5kg=25kg 10回
計30回休憩なしでそれぞれの重量で限界まで追い込みます。
このドロップセットも、“筋肉に休憩する瞬間を与えない”ことがより効果を高めるポイントです。
まとめ
ケーブルクロスオーバーを有効活用できれば、大きく立派な分厚い大胸筋にできます。
是非ケーブルクロスオーバーをトレーニングのメニューに加えていただき、取り組んでみてください。
分厚い大胸筋は信頼性を高めたり頼りがいのある人という印象を相手に感じさせられます。
そのため、ただかっこいいだけではなく、心理的にも好影響を与えてくれる頼もしい大胸筋を、思う存分追い込んでみてください。
きっとあなたをより魅力的に見せてくれること間違いなしです。
他にもある、大胸筋に効果的な筋トレ種目に関する記事♪
AKI
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