家トレで出来る腹筋の筋トレにはいくつかのメニューがありますが、その中からスッキリパワフルな下腹を手に入れるために『クランチ』はイチオシの腹筋メニューです。
この記事では、クランチが腹筋に効くのはなぜか?ジムに行かずとも家トレで腹筋に効かせるクランチのやり方、特に初心者向けの方法を解説していきます。
クランチは腰への負担を心配することなく腹筋の筋トレに集中できるメニューです。ぜひコツを押さえて下腹を引き締めつつ、体幹も鍛えていきましょう!
回数については目安として記載していますが、身体能力や筋トレの経験等はそれぞれですので、まずはエクササイズのコツを覚えることを優先しましょう。体に合った、気に入ったメニューなら続けることも苦になりませんので、回数や筋肉は後からもれなくついてきますよ。
この記事の目次
家トレ腹筋メニューからクランチを選ぶ理由
数ある腹筋の中から敢えてクランチをおすすめするのには次のような理由があります。
- 完全なシットアップである腹筋ができない人でも取り入れられる。
- シットアップより、実はクランチの方が腹筋に効く。
- 筋トレのエクササイズとしての難易度が低い。
- 腰痛を引き起こしにくい。
- 継続することで確実に下腹が引き締まる。
そこで始めに、腹筋がどのような構造になっているかを見てみましょう。
実は脂肪が燃えにくい?腹筋の構造をチェック!
動画(音声なし)で腹筋の構造の様子と、体の動きに連動した筋肉の動きを見て取ることができます。
腹筋とは、4つの筋肉群から
普段私たちが『腹筋』と呼んでいる筋肉は次の4つの筋肉群で構成されています。
- 腹直筋・・・シックスパックの部分だけはなく、恥骨まで到達して体幹の屈曲を支えます。
- 腹横筋・・・腹筋の最も深いところにある、インナーマッスル。お腹を凹ますのは腹横筋の作用です。
- 内腹斜筋・・・コルセットのように巻きつき、体幹を安定させスムーズな排泄に作用する。くびれ作りの要。
- 外腹斜筋・・・内腹斜筋と同様です。
動画では最初に後ろ姿で、腰方形筋(ようほうけいきん)から始まり、次に、腹横筋(Le ttansverse)がお腹を包むように現れます。
腹直筋ではシックスパックが降りてきて恥骨に到達しているのがわかりますね。脇腹方向から内腹斜筋が肋骨に伸び、外腹斜筋が腹直筋に被さるようにあることが確認できます。
腹斜筋はまさにコルセットのよう、私たちが外観から見て『ポッコリ(* ゚ω゚ *)』『スッキリ\(^o^)/』と実感するのは腹直筋の状態によるところが大きいでしょう。また、ポッコリ下腹の場所である、腹筋下部は筋肉の構造上からも、腹筋上部に比べて日常生活での筋肉の運動量は少な目です。下腹を引き締めたいと思ったら、腹筋下部にしっかり刺激を送るクランチのバリエーションメニューも取り入れたいですね。
メリハリの要である、外・内腹斜筋の働きについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
シットアップとクランチの負荷の違い
腹筋の筋トレで気になる点のひとつは『腰痛』ではないでしょうか? シットアップは床から上体を完全に起こしますので、シットアップの動きを可能にするための各筋力が十分でないと、逆に腰に負担がかかってしまうことがあります。
一方のクランチは、腰は床につけたままのトレーニングですので、腰回りへの負担を心配することなく、腹筋に効かせることに集中できます。
負荷がかかる筋肉群はどこか?具体的に見ていきましょう。
シットアップで負荷がかかる部位
シットアップは一見、腹筋にダイレクトに効果がありそうなイメージがあるものの、負荷のかかり所は腹筋の下の方と、腸腰筋、大腿直筋です。上体を完全に起こすときのお腹の力がキツイように見えて、実は股関節周りから太腿にかけての筋肉がフル稼働しています。シットアップがけっこうキツい、できなくても決しておかしくはないですね。
クランチで負荷がかかる部位
メインターゲットは、腹直筋、サブターゲットは腹斜筋と腹横筋。ウエストから下腹にかけて負荷をかけていくことができます。
基本のクランチでは主に腹直筋上部を鍛えますが、クランチのバリエーションでは後述する『リバースクランチ』『バイシクルクランチ』など、腹筋下部に効果的なものもあります。
クランチが腹直筋に効く理由
腹筋の筋トレといえば、シットアップ=体を完全に起こす、部活時代にやらされた腹筋運動を思い出し、それができないとなると腹筋を鍛えるのはムリ(?_?) とポッコリお腹を筋肉質にするのを諦めそうになりますが、心配は全然要りません。
クランチは仰向けに横たわったところから、上体を丸めるように肩甲骨を起き上がらせるだけです。シットアップのような激しい筋トレではないながら、十分に腹筋に効かせることができます。
クランチは腹直筋の筋トレそのもの
腰や股関節周辺に負荷がかかることなく腹筋を強くしていくことができます。クランチで腹筋の筋トレ効果を出すためは、正しいフォームとやり方を知っておきたいですね。
クランチとシットアップのエクササイズの違いについて、こちらの記事でも解説しています。
腹筋にダイレクトに効かせる正しいクランチ
やり方
- ヨガマットなどを敷いた床に仰向けになる。
- 両膝をほぼ直角に曲げる。
- 手はこめかみ周辺か耳の後ろ辺りに持っていく(手の力で頭を起こそうとしてしまうのを防ぐため)。
- 息を吐きながら、おへそを見下ろすような気持ちで胸を起こす。
- 腹筋を押し潰すのと同時に、肩甲骨が床から離れるように上体を丸めていく。
- 元のポジションに戻る。
効果アップのコツ
- 腹筋の筋トレは深い呼吸が特に重要です。クランチは呼吸とともに滑らかに動くことを意識します。
- 息を吸うときに、仰向けの体勢であっても肩が上がりやすいので、肩を下げて胸を広く息を吸うことを意識しましょう。
- 慣れてきたら、エクササイズをゆっくり、呼吸を深く行うことで負荷が高まり、より効果アップが期待できます。
腹筋をバランスよく鍛えるクランチのバリエーション6つ
基本のクランチに慣れてきたらバリエーションに挑戦してみましょう。体に合うクランチ、筋トレモチベが上がるメニューを見つけて腹筋引き締めの効果アップを目指しましょう!
1. サイドクランチ
サイドクランチのフォームとやり方
- 体を横たえて胴体を真っ直ぐに。
- 膝は軽く曲げて下になる手はバランスの取りやすい位置か、上の脇腹の上に置くと腹斜筋が収縮するのを実感できます。
- 上になる手は耳の上の方へ添えます。
- 息を吐きながら、脊柱を側方にしならせる意識で上体を起こしていきます。
- 息を吸いながらスタートポジションに戻ります。
効果的なやり方のコツ
- 1回1回の動作に体の反動を使わないように気をつけます。
- 動作中は息を止めないようにしましょう。
- 回数の目安:片側10〜15回。
2. バイシクルクランチ
バイシクルクランチは腹直筋下部と大腿直筋に効かせる筋トレメニュー。サイドクランチの応用です。
動画では仰向けで行うバイシクルクランチに続いて、立って行う方法も見ることができます。
バイシクルクランチは、腹筋に効かせる筋トレばかりではなく、バイシクルの名の通り、自転車で疾走するかのような有酸素運動でもあります。腹筋と一石二鳥の筋トレメニュー、やり甲斐があります(*^-^)! また、クランチは床に寝転んだ体勢で手軽にできるのが嬉しいところですが、立って行うことで目線も変わり、気持ちもアクティブになりますので、たまには立って行うのもとてもおすすめです。
バイシクルクランチのフォームとやり方
- 仰向けで行う場合はヨガマットなどに左足を曲げ、踵を右脚の膝にのせる。
- 手の位置は先のように、こめかみから耳の後ろ辺りに持っていく。
- 息を吸う。
- 息を吐きながら、右肘を曲げた左膝の方へ、脇腹を捻るように近づける。
- 腹筋を絞り潰すように上体を丸める。
- 元のポジションに戻る。
- この動作を左右交互に繰り返す。
- 最初のうちは、片側が終わって反対側に入る前に、一呼吸おいてお腹を伸ばすといいでしょう。
効果的なやり方のコツ
- 脚を高く上げるほどに戻すときの負荷が大きくなります。
- 慣れてきたら腹筋に効かせながらも自転車をこぐように有酸素運動を意識します。
- 回数の目安は、左右で20回。時間では、45秒から1分くらいを目安にするといいでしょう。
3. リバースクランチ
リバースクランチは、腹筋を構成する4つの筋肉、腹直筋、腹横筋、内・外腹斜筋の全てに効かせるメニュー。特に、鍛えにくい腹直筋下部に効かせることができます。
https://youtu.be/el_atkcT2_8
リバースクランチのフォームとやり方
- 基本のクランチと同様に仰向けになる。
- 膝を直角に曲げて、息を吐きながら脚を持ち上げる。
- 膝を直角に保ったまま顔の方に引き寄せる。
- 膝を引き寄せながら腰が床から離れる。
- 息を吸いながら引き寄せた脚を下げる。
- 足を床に着地させずに再び脚を上げていく。最初のうちはここで無理をせずに、1回やったら一呼吸休憩しながら進めるといいです。
効果的なやり方とコツ
- 腹筋に負荷がかかるのはお尻を戻すとき。息を吐きながらじっくり効かせたいところです。
- 腰の力に頼らないように気をつけましょう。腰で頑張ろうとすると腰に負担がかかり、腹筋への負荷も分散されてしまいます。
- つい反動をつけて動きたくなりますが、1回1回を充実させましょう。
4. クロスレッグリバースクランチ
リバースクランチの応用で、メインターゲットは腹筋下部、サブターゲットは腹斜筋に効かせるメニューです。
リバースクランチのやり方のコツ
脚を組むことで、腹斜筋が収縮した状態が保たれます。
脚を下ろすときは、ブレーキをかけながらじわじわっと下ろすイメージ、足が床につく寸前で再び脚を上げていきます。フォームの維持が大切ですので、最初は回数にこだわらずにきれいなフォームで下腹に効かせることを意識しましょう。
回数の目安は、まずは片側10回を目安にするといいでしょう。
5. ツイストクランチ
ツイストクランチは腹直筋上部と腹斜筋に特化したメニューです。
動画でわかりやすく解説されていますが、こちらの記事でも解説しておりますのでご参照ください。
6. バランスボールクランチ
バランスボールの上でクランチを行うことで、より体幹にも効かせていくメニューです。
4分45秒あたりからバランスボールを使ったクランチの様子をみることができます。
バランスボールクランチのフォームとやり方
基本のクランチと同じエクササイズをバランスボールの上で行います。バランスボールの上で行うことで、体幹にモリモリ効いてくる感じが想像できますよね!
バランスボールの周囲に危ないようなものはないか、十分に気をつけて始めましょう。
バランスボールの選び方
クランチに使うバランスボールは身長に合わせて選ぶのがおすすめです。
身長に合わせた選び方の目安
- 1.50 m〜1.60 m:直径55 cm
- 1.61 m〜1.80 m:直径65 cm
- 1.81 m〜 :直径75 cm
こちらからバランスボールを探すことができます。ご参照ください。
クランチのその他のバリエーションについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
筋肉痛は成長痛?対処法
お腹の筋肉痛、腹筋をモリモリ使い始めた証拠ですが、痛いですね(・・;)。これは『超回復』と言われるもので、人間の体の自然治癒力のひとつ。
筋トレで筋肉に負荷がかかるようになる→筋肉が壊れる→壊れた筋肉が炎症を起こす→痛い!
→筋肉は元どおりに修復されるだけでなく、壊れる前よりも大きく成長して回復します。
このように『元』の状態を超えて筋肉が回復することから『超回復』と言われています。
超回復は成長痛のよう、嬉しい悲鳴ですね。
痛めたら冷やす。回復には温める
痛みが出た当初はアイシング、休養と栄養補給、炎症が引いたら温める方へシフトするといいでしょう。冷えた体よりホットな体の方が回復もスムーズですし、何より代謝アップにつながります。
超回復と効果的な休養の取り方について、こちらの記事で詳しく解説していますのでご参照ください。
腹筋の筋トレのマンネリ解消に腹筋ローラー
クランチは器具を使わない手軽な自重トレですが、それだけに時として『ちょっと飽きたかな?』と感じることもあるかと思います。そのような『筋トレのマンネリ』解消に、やはり家トレグッズを取り入れてみるのも一案です。
腹筋ローラーのような小さな器具を使うことでも気分転換になり、継続するモチベーションもアップしますよ。
『クランチときどき腹筋ローラー』新鮮な気分で筋トレ効果もアップ!腹筋ローラーについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。
【腹筋筋トレに用意したいグッズ】
まとめ
クランチこそ腹筋に効く筋トレメニュー、いかがでしたでしょうか?
- クランチはシットアップと違い、腰回りに負担をかけることなく腹筋を鍛えていけるメニューです。
- 正しいフォームと呼吸に慣れたら、バリエーションでターゲットを変えて行ってみましょう。
- バランスボールや腹筋ローラーなど家トレグッズも取り入れると気分も上がり、筋トレを続けやすくなります。
【関連記事】宅トレでできるその他の腹筋の筋トレについてはこちらの記事もご参照ください。
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