大胸筋に新たな刺激! ダンベルプルオーバーのやり方と重量設定・効果を高めるコツ

大胸筋の筋力トレーニング

「大胸筋を鍛えているのに、思うように筋肥大してくれない….」なんて悩みをお持ちの方いませんか?

大胸筋に効果的なトレーニングを正しいフォームで行っていても、変化を感じなくなってはいませんか?

もしかすると、大胸筋が普段のトレーニングの刺激に慣れてしまっている可能性があります。

筋トレで重要なポイントは、常に「新しい刺激」を与え続けること。

毎回同じトレーニング種目・重量・回数・セット数をこなしていては、そのうち成長しなくなってきてしまいます。

そういう状況を打開することができるトレーニング種目こそ、「ダンベルプルオーバー」です。

今回は、ダンベルプルオーバーのやり方・フォーム・効果的に効かせるためのポイントやコツなどを紹介。

ぜひ参考にしてください。

 

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この記事の目次

ダンベルプルオーバーの概要について

ダンベルプルオーバーとは、大胸筋に効果的な負荷を加えるトレーニング種目です。

ベンチ台に仰向けの姿勢になり、ダンベルを握った両腕を頭上から大胸筋の上まで動かしていくことで刺激を与えます。

バリエーションにより、大胸筋だけではなく、広背筋を対象にしたトレーニングも可能。

そのため、目的に合わせてフォームを変えて取り組める、優れたトレーニング種目でもあります。

ダンベルプルオーバーの特徴は、肩関節伸展動作により大胸筋に対し、縦方向に負荷が加わること。

つまり大胸筋に対し、全く別の負荷を与えることで刺激の慣れを防ぎ、さらなる発達を促せるトレーニング種目です。

ダンベルとベンチ台があればOKですが、やり方・フォームが特殊なため、ちょっとしたテクニックが必要です。

この種目は肩関節のみ動作するため、運動区分は単関節運動種目(アイソレーション種目)。

しかしアイソレーション種目にしては関与する筋肉が多いため、非常にユニークな種目ですよ。

 

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位

ダンベルプルオーバーで鍛えることのできる部位は、アイソレーション種目の中でも多くなっています。

バリエーションで効かせられる部位が異なるため、刺激できる部位を理解し効果的なトレーニングを実現させましょう。

 

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位①大胸筋(胸の筋肉)

ダンベルプルオーバーのメインターゲットは「大胸筋」です。

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位①大胸筋(胸の筋肉)

大胸筋には上部(インクライン)・下部(デクライン)・内側(インサイド)・外側(アウトサイド)があります。

この4つの部位それぞれに効果的なエクササイズがあるため覚えておきましょう。

厚い大胸筋は男らしさが表現できる花形的存在の筋肉です。

またTシャツをかっこよく着こなすためにはこの大胸筋の発達は必要不可欠ですよね。

さら大胸筋は、他の筋肉と違って鍛えれば鍛えるほど目立つやすい筋肉。

立派な胸元は服を着た上でもはっきりとわかりますよね。

女性にも大きなメリットがあります。

大胸筋を鍛えればバストラインの崩れを防ぎ、バストラインアップが期待できますよ

 

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位②小胸筋(大胸筋深部に位置する筋肉)

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位②小胸筋(大胸筋深部に位置する筋肉)

小胸筋は僧帽筋(首から肩にかけて伸びる筋肉)の拮抗筋として存在するインナーマッスルです。

深部に位置するため、あまり目立つ筋肉ではありません。

しかしながら、日常生活やスポーツ競技に重要な筋肉となっています。

大胸筋の下に隠れるように位置しており、収縮方向は体幹に対して平行です。

肩甲骨を前方および下方に引きつける作用があります。

小胸筋は、僧帽筋と同時に肩甲骨・肩関節周りの関節を安定させる筋肉。

僧帽筋と同時に小胸筋を鍛えることで、より上腕の動作が安定してコントロール可能です。

なお、女性においてはバストを上方に引き上げる「バストアップの筋肉」としても知られています。

 

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位③前鋸筋

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位③前鋸筋

前鋸筋は小胸筋と同じく、僧帽筋の拮抗筋として作用するインナーマッスルです。

ボクサーたちのここが発達していることから「ボクサー筋」とも呼ばれます。

前鋸筋は、胸の外側に位置しています。

作用は「肩甲骨を前に引く」「肋骨を上げる」「腕を前に押し出す」という働き

前鋸筋を鍛えることで、「腕を前に押し出す力」が強化されます。

筋肥大しないインナーマッスルのため、鍛えれば引き締まるというのが特徴です。

 

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位④上腕三頭筋(二の腕の裏)

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位④上腕三頭筋(二の腕の裏)

上腕三頭筋は、(長頭・内側筋・外側筋)という3つの筋肉から構成される複合筋です。

腕を伸ばしたときに、腕の後ろ側に浮き出てくる筋肉が上腕三頭筋ですね。

 

長頭の働きと部位に関して

長頭(画像の赤色部分)とは、肩甲骨関節下結節というところに付着している筋肉。

肘関節の伸展動作だけでなく、肩関節の伸展動作に関わる働きをしています。

上腕を内転方向に動かすさいにも使われる筋肉です。

そのため長頭を鍛えれば、筋肥大だけでなくスポーツ競技全般における能力の向上に役立つと言われています。

 

短頭(内側頭・外側頭)の働きと部位に関して

短頭とは、内側頭(画像の緑色部分)と外側頭(画像の黄色部分)をまとめて表現した言葉。

肘関節収縮時だけに作用する働きをしています。

腕を伸ばしたときに外側にある筋肉です。

上腕を内転方向に動かす際にも使われますよ。

 

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位⑤広背筋(羽と呼ばれる筋肉)

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位⑤広背筋(羽と呼ばれる筋肉)

広背筋は、逆三角形の背中を作る上で一番重要な部位です。

本来、広背筋は体幹の中の一つの筋肉に属します。

しかし大円筋と共に、肩関節の様々な動作(内転、内旋、伸展)に関与。

重要な役割を果たしています。

懸垂、ロープ・クライミング・綱引きのように、腕を伸ばした状態から身体を引き上げるという動作で広背筋を使います。

 

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位⑥大円筋

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位⑥大円筋

大円筋は、脇の下の背面部に位置する筋肉です。

大円筋の働きは、肩関節の内転、内旋、伸展動作に関与しています。

この筋肉は広背筋と共同に作用することが多い筋肉。

そのため大円筋は、”広背筋のヘルパー”とも呼ばれることがあります。

 

ダンベルプルオーバーのやり方・フォーム

【ダンベルプルオーバーのやり方・フォーム】

  • ベンチ台に仰向けで寝る
  • 背中はまっすぐ胸を張った姿勢で、脚は曲げて地面を踏み込むことで安定させておく
  • お尻の位置はベンチより低い位置で維持(※ベンチよりお尻を高くしないよう注意)
  • ダンベル一つを両手で持つ。プレートの内側部分を手のひらを合わせるようにする
  • 両肘を伸ばし、胸の上へダンベルを上げる
  • これがスタートポジション
  • 両腕を伸ばしたまま、ダンベルを頭の後ろへ下げていく
  • スタートポジションに戻す
  • 上記の動作を繰り返す

ダンベルプルオーバーの目安は12~15回×3セット

フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。

 

効果的に効かせるコツ
  • 常に胸は大きく張ったまま動作するようにしましょう。
  • 肘の角度は一定を保ったまま、肩関節の動作のみで行います。
  • 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えられます。
  • 胸の上までダンベルを上げると大胸筋の緊張が途切れるため、目線までにしましょう。

ダブル・ダンベルプルオーバー

ダブル・ダンベルプルオーバーは、ダンベル2つを使用してプルオーバー動作を行うバリエーション。

このバリエーションではプレートの内側を持つのではなく、ダンベルのシャフトを握る形で動作します。

両手は手のひら同士が向き合うようにしましょう。

【ダブル・ダンベルプルオーバーのやり方・フォーム】

  • ベンチ台に仰向けで寝る
  • 背中はまっすぐ胸を張った姿勢で、脚は曲げて地面を踏み込むことで安定させておく
  • お尻の位置はベンチより低い位置で維持(※ベンチよりお尻を高くしないよう注意)
  • ダンベル2つを使用し、両手でシャフト部分を握り手のひらが向き合う形にする
  • 両肘を伸ばし、胸の上へダンベルを上げる
  • これがスタートポジション
  • 両腕を伸ばしたまま、ダンベルを頭の後ろへ下げていく
  • スタートポジションまで戻す
  • 上記の動作を繰り返す

ダブル・ダンベルプルオーバーの目安は12~15回×3セット

フォームと姿勢の維持が少々難しいため、まずは適切なフォームを体で覚えるまで練習しましょう。

 

効果的に効かせるコツ
  • 常に胸は大きく張ったまま動作しましょう。
  • 肘の角度は一定を保ったまま、肩関節の動作のみで行います。
  • 大きな可動域で動作することで、対象筋に効果的な負荷を与えられます。
  • 胸の上までダンベルを上げると大胸筋の緊張が途切れるため、目線までにしましょう。

 

ダンベルプルオーバーの効果的な重量設定・回数・セット数について

ダンベルプルオーバーで効果的にトレーニングするためには、適切な重量設定・回数・セット数が非常に重要です。

このうちどれか一つでも間違ったやり方だと効果が半減してしまい、結果が期待できません。

確認し、最大限の効果を得られるダンベルプルオーバーを行っていきましょう。

 

効果的な重量設定について

ダンベルプルオーバーの効果的な重量設定・回数・セット数について

ダンベルプルオーバーは、高重量は怪我しやすく危険なため、あまりおすすめできません。

比較的軽めの重量、つまりしっかりと広く大きい可動域をもって動ける重量で、12回~15回で限界がくるものが適切です。

 

回数の違いによる効果について

  • 筋出力向上  1~5回

MAX重量を伸ばしたい場合は、筋出力が向上するメニュー組みがオススメです。

1-5回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。

  • 筋量向上   6~10回

筋肉を大きくしたい(筋肥大)を目的とする場合は、筋肉量が向上するメニューを。

6-10回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。

  •  筋持久力向上 12~15回

筋持久力アップを目的とする場合は、12-15回/1setが限界の重量を扱うようにしましょう。

 

大胸筋の筋肥大に効果的なセット数について

一般的には最低でも“3セット”と聞いたことがあるかもしれませんが、これでは少ないです。

3セットのみでは筋肥大に十分な負荷を与えられず、効果が表れにくくなります。

 

最低でも5セット以上10セット以下

最低でも5セット以上はトレーニングすることがおすすめです。

筋肥大に効果的なのは筋肉の緊張時間を長くし、かつしっかり重量をかけてオールアウト(追い込み切る)すること。

また、筋出力向上の観点からしても5セット以上でないとすべての筋繊維が使用されず使用重量もあまり発揮されません。

つまり3セットではウォーミングアップレベルでしかないということになります。

しっかりとオールアウトさせることを意識してください。

 

ダンベルプルオーバーをより効果的に効かせるトレーニングテクニック!

ここではそのダンベルプルオーバーのトレーニング効果をより高める、コツ・テクニックについて紹介していきます。

より効果的で質の良いトレーニングができるように確認していきましょう。

 

ストップ・ダンベルプルオーバー

ストップ・ダンベルプルオーバーは中級者以上向けの、より高負荷を与えられるトレーニングテクニック。

ボトムポジションまでダンベルをおろしたさい、力を抜かずに力を入れたまま2秒~3秒止めてからダンベルを挙上します。

ウェイトを大胸筋で受け止め、勢いや反動を殺すことでウェイトの数字通りの負荷を与えるのです。

筋肉の緊張時間も長いため、より筋肥大につながる効果的な刺激を大胸筋へ与えられます。

しかし、ストップテクニックはフォームの維持が通常と比べると難易度が高いため、より危険です。

ダンベルプレス種目・ベンチプレス種目が正しいフォームで動作できる方にのみおすすめします。

 

MI40法・ダンベルプルオーバー

アメリカのIFBBプロボディビルダーである「Ben Pakulski」が提唱した、上級者向けトレーニング法です。

ポジティブ(力を入れて挙上する)     動作を1秒

ネガティブ(力を抑制してダンベルをおろす)動作を4秒

1レップに計5秒かけてしっかりと負荷をたたき込むやり方です。

これを最低でも8レップ行います。

8レップで「限界」の重量設定が重要になりますので、軽くしすぎないよう注意してください。

ネガティブ動作重視の高負荷トレーニングテクニックと言えるでしょう。

【やり方】

  • 通常のダンベルプルオーバー動作時に、トップポジションまで上げるスピードを1秒でする
  • ボトムポジションまでダンベルをおろすさいに4秒かけながらゆっくりとおろしていく

このとき、体幹は肘がブレやすくなるので、しっかり腹筋に力を入れて安定した動作を心がけて下さい。

 

ジャイアントセット

ジャイアントセットとは、超高強度トレーニング法です。

「一つの筋肉部位」に対し、最低4つの異なる種目を休憩・インターバルなしで連続で行います。

例えば、

  • ダンベルプルオーバー          10回 1セット
  • バーベルプルオーバー          10回 1セット
  • ダブルダンベルプルオーバー       10回 1セット
  • ケーブルプルオーバー          10回 1セット

計40回

上記のようにそれぞれ異なる種目を休憩なしで連続で行い、より大きな刺激を筋肉に与えます。

一見同じような種目内容に見えますが動作は微妙に違うのです。

そのため、微妙に異なる筋繊維からの出力・動員が得られて筋繊維へ「物理的刺激」を与えられます。

また休憩なしで筋肉を緊張させ続けることによって「化学的刺激」が発生。

これにより、代謝物や成長ホルモンの分泌量向上にも効果があるといわれています。

 

3段階ドロップセット

ドロップセットとは限界まで筋肉を追い込むトレーニング法。

高負荷のトレーニングで限界まで筋肉を追い込んだ後、インターバルをとらず、即座に少しだけ負荷を下げて再び追い込みます。

例えばダンベルプルオーバーだと下記の通りです。

  1. 20kg  10回
  2. 15kg  10回
  3. 12.5kg 10回

計30回休憩なしでそれぞれの重量で限界まで追い込みます。

とにかく筋肉に休憩する瞬間を与えない”ことが大切。

上級者向けのトレーニング法です。

 

ダンベルプルオーバーのありがちな間違ったフォーム解説について

①可動域が短すぎる・大胸筋をストレッチしきれていない

ダンベルプルオーバーのありがちな間違ったフォーム解説について

ダンベルプルオーバーはしっかりと大胸筋の筋繊維が伸ばされ、十分なストレッチ(伸展)の感覚があるまで落とす意識が大切。

ところが可動域を短くすると、それだけ負荷も小さくなります。

 

②ダンベルをおろすさいに力が抜けている

マッスルコントロールを意識できていない

ダンベルをおろす際、力を抜いて一気に落としてはいませんか?

これではウエイト通りの負荷が筋肉に乗りません。

おろすさいも力を抜かず、筋肉にウェイトの数字通りの負荷を乗せたままおろす意識を持ちましょう。

 

③負荷を感じていない

マッスルマインドコネクション

筋肉を自在に操れるということは、筋トレでメインターゲットを効率的に効かせられるということです。

トレーニング中に“負荷を感じる”のが、とても重要

負荷を感じながら動作させることで、効かせるべき部位だけに効かせられます。

 

④トレーニングマシンのように同じ動作を意識していない

トレーニングマシンのように同じ動作を意識する

トレーニングマシンのように、毎回の動作を同じようにきれいなフォームを維持しつつ動くことが大切です。

これを、ストリクトフォームと言います。

ストリクトとは“正しい””正確な”“厳格な”という意味があり、つまり反動を使わない丁寧で正しいフォームという意味です。

正しいフォームをしっかりと身につけ、体で覚えることが理想の肉体を作り上げる近道。

間違ったフォームのままトレーニングを続けると、対象筋以外の筋肉も使うため、適切な負荷が入らない質の低いトレーニングになります。

 

ダンベルプルオーバーで推奨するダンベルとサポートギア

ダンベルプルオーバーをする上でより安全にトレーニングを行うためにおすすめなギアをここでご紹介します!

 

可変式ダンベル

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リストラップ

手首を保護してくれるリストラップは、プレス系種目におすすめなギアです。

手首は関節の中でも特に痛めやすく、ウェイトの負荷が最もかかりやすい関節なのでまず最初に用意したいギアになります。

 

パワーベルト

腰を保護してくれるパワーベルトは、BIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)のトレーニングをする上で欠かせないギア。

腰を痛めるのを防いでくれるほか、腹圧をサポートしてくれるので体幹の安定や出力向上の効果もあります。

全ての筋トレ種目は必ず腰に負荷がかかるので、ぜひとも用意してください。

 

まとめ

ダンベルプルオーバーは、大胸筋のさらなる発達に非常に効果的な種目。

普段からトレーニングしている方はぜひ、このダンベルプルオーバーをバリエーションの一つとして取り入れてください。

そして、さらなる大胸筋の発達につなげていきましょう。

”No pain No gain”

 

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